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業種別の給与と残業時間 毎月勤労統計で比べる2025年の数字と読み方

厚生労働省の毎月勤労統計調査(2025年分結果確報・事業所規模5人以上)から、16業種の現金給与総額と所定外労働時間を横棒の図と表で比べます。パートの比率や賞与、事業所の規模、賃金構造基本統計調査との違いなど数字の読み方と、自社の数字と並べる手順も紹介します。

公開 約11分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
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業種別の給与と残業時間 毎月勤労統計で比べる2025年の数字と読み方

この記事でわかること

  • 2025年の現金給与総額は調査産業計で月355,941円。業種の差は、パートの比率で見え方が大きく変わります
  • 所定外労働時間は調査産業計で月9.8時間。運輸業,郵便業が20.6時間と最も長く、医療,福祉は4.9時間です
  • 自社と比べるときは、業種・規模・一般とパート・給与の範囲・時点をそろえる手順で進めます

自社の給与や残業時間は、同じ業種の中で多いのか、少ないのか。人事や労務の担当者が、賃金の見直しや求人の条件を考えるときによく出る問いです。この記事では、厚生労働省の毎月勤労統計調査の2025年の確報から、業種別の給与と所定外労働時間を図と表で並べます。数字を読むときの注意と、自社と比べる手順もまとめます。

この記事で使う統計と数字の範囲

中心に使うのは、厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」です。2026年2月25日に公表されました。毎月勤労統計調査(以下、毎勤)は、雇用・給与・労働時間の動きを毎月明らかにするための国の基幹統計調査です。

この記事の数字は、断りのない限り次の範囲のものです。

項目 この記事の範囲
調査 毎月勤労統計調査 2025年分結果確報(第1表〜第3表)
事業所 常用労働者を常時5人以上雇う事業所(事業所規模5人以上)
時点 2025年1月〜12月の、1人あたり1か月の平均
人 常用労働者。パートタイム労働者を含む全体(就業形態計)と、一般労働者
金額 所得税・社会保険料などを差し引く前の額

パートタイム労働者は、1日の所定労働時間が一般の労働者より短い人か、1週の所定労働日数が少ない人です。一般労働者は、常用労働者のうちパートタイム労働者でない人を指します。

年齢や勤続年数の違いを見るために、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)も後半で補足に使います。

業種別の現金給与総額 2025年の月平均

現金給与総額は、基本給や手当、残業代などの「きまって支給する給与」と、賞与などの「特別に支払われた給与」を合わせた額です。退職金は含みません。

毎月勤労統計調査2025年分結果確報から、16業種と調査産業計の1人あたり月間現金給与総額を、パートを含む全体と一般労働者の2本の横棒で比べた図。調査産業計は全体355,941円・一般465,923円・パート比率31.31%。全体の多い順に電気・ガス業636,949円(一般653,339円)、金融業,保険業553,864円、情報通信業549,289円と続き、少ない方は生活関連サービス等243,466円(パート比率49.09%)、飲食サービス業等143,068円(一般361,140円・パート比率78.12%)。下の欄に、数字の範囲、差が大きく見える理由(最高と最低の比は全体で約4.5倍、一般で約1.8倍)、30人以上の事業所の値(全体408,035円)をまとめている。
業種別の現金給与総額(2025年の月平均・事業所規模5人以上)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」

調査産業計は月355,941円で、前年より2.3%増えました。一般労働者は465,923円、パートタイム労働者は114,527円です。全体で多いのは電気・ガス業の636,949円、金融業,保険業の553,864円、情報通信業の549,289円でした。

全体で少ないのは、飲食サービス業等の143,068円と、生活関連サービス等の243,466円です。ただ、この2つはパートタイム労働者の比率が78.12%と49.09%で、調査産業計の31.31%より高い業種です。一般労働者だけで見ると、飲食サービス業等は361,140円、生活関連サービス等は376,983円になります。

業種 現金給与総額(全体) 一般労働者 パート比率
調査産業計 355,941円 465,923円 31.31%
電気・ガス業 636,949円 653,339円 3.66%
金融業,保険業 553,864円 600,357円 10.57%
情報通信業 549,289円 570,056円 4.90%
学術研究等 523,326円 570,224円 11.41%
鉱業,採石業等 469,003円 496,321円 6.91%
建設業 462,801円 482,340円 5.53%
不動産・物品賃貸業 434,661円 514,145円 20.42%
製造業 430,282円 472,927円 13.00%
教育,学習支援業 408,235円 559,761円 33.34%
複合サービス事業 396,744円 444,097円 17.08%
運輸業,郵便業 379,045円 435,079円 18.76%
医療,福祉 318,371円 406,432円 32.86%
卸売業,小売業 311,853円 475,733円 44.86%
その他のサービス業 291,320円 362,459円 29.94%
生活関連サービス等 243,466円 376,983円 49.09%
飲食サービス業等 143,068円 361,140円 78.12%

出典: 毎月勤労統計調査 2025年分結果確報 第1表・第3表(事業所規模5人以上)。全体の多い順に並べています。

前年からの伸びは、調査産業計の2.3%増に対し、鉱業,採石業等が13.4%増、電気・ガス業が6.2%増、金融業,保険業が5.8%増でした。16業種のうち前年より減ったのは、運輸業,郵便業(2.0%減)だけです。

業種別の所定外労働時間 2025年の月平均

所定外労働時間は、早出・残業・臨時の呼出・休日出勤などで実際に働いた時間です。毎勤の実労働時間には、休憩時間と有給休暇を取った分は入りません。

毎月勤労統計調査2025年分結果確報から、16業種と調査産業計の1人あたり月間所定外労働時間を、パートを含む全体と一般労働者の2本の横棒で比べた図。調査産業計は全体9.8時間・一般13.2時間。長い順に運輸業,郵便業20.6時間(一般24.1時間)、電気・ガス業16.3時間、情報通信業15.8時間、短い方は飲食サービス業等5.2時間(一般15.6時間)、医療,福祉4.9時間(一般6.7時間)。下の欄に、所定外労働時間の意味、時間外労働の法律上の上限(原則月45時間・年360時間など)、読むときの注意をまとめている。
業種別の所定外労働時間(2025年の月平均・事業所規模5人以上)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」

調査産業計の所定外労働時間は月9.8時間で、前年より2.5%減りました。一般労働者は13.2時間、パートタイム労働者は2.3時間です。全体でいちばん長いのは運輸業,郵便業の20.6時間で、一般労働者に限ると24.1時間でした。次いで電気・ガス業の16.3時間、情報通信業の15.8時間です。

短いのは医療,福祉の4.9時間と、飲食サービス業等の5.2時間でした。ただし飲食サービス業等は、一般労働者に限ると15.6時間です。調査産業計の一般労働者13.2時間より長く、パートの多さで全体の平均が短く見えている例です。

業種 所定外労働時間(全体) 一般労働者 総実労働時間(全体)
調査産業計 9.8時間 13.2時間 135.1時間
運輸業,郵便業 20.6時間 24.1時間 161.0時間
電気・ガス業 16.3時間 16.9時間 154.9時間
情報通信業 15.8時間 16.5時間 156.9時間
製造業 13.4時間 14.7時間 155.5時間
学術研究等 12.8時間 14.2時間 150.6時間
建設業 12.8時間 13.5時間 159.8時間
金融業,保険業 12.4時間 13.6時間 145.4時間
不動産・物品賃貸業 11.9時間 14.5時間 148.0時間
鉱業,採石業等 11.6時間 12.4時間 160.4時間
教育,学習支援業 10.2時間 14.8時間 122.3時間
その他のサービス業 10.1時間 13.0時間 136.4時間
複合サービス事業 7.8時間 8.3時間 146.9時間
卸売業,小売業 7.0時間 11.3時間 126.8時間
生活関連サービス等 6.7時間 10.5時間 121.5時間
飲食サービス業等 5.2時間 15.6時間 88.0時間
医療,福祉 4.9時間 6.7時間 128.4時間

出典: 毎月勤労統計調査 2025年分結果確報 第2表(事業所規模5人以上)。全体の長い順に並べています。

残業代などの所定外給与は、調査産業計で月19,895円でした。運輸業,郵便業は42,061円、電気・ガス業は60,464円です。電気・ガス業は所定外労働時間が運輸業,郵便業より短い一方、所定外給与は多くなっています。時間だけでなく、金額の面でも業種の違いがあります。

数字を読むときの5つの注意

業種の平均は便利な目安ですが、そのまま自社と並べると判断を誤りやすい数字でもあります。迷いやすい点を5つに分けて書きます。

1. 平均にパートタイム労働者が入っている

全体(就業形態計)の平均には、パートタイム労働者も入っています。パートの比率が高い業種ほど、給与も所定外労働時間も平均が低く出ます。飲食サービス業等や卸売業,小売業を見るときは、一般労働者の数字と並べて読みます。

2. 賞与などを含む「年の月平均」である

年の数字は、特別に支払われた給与も含む1か月あたりの平均です。調査産業計の特別に支払われた給与は月68,514円で、電気・ガス業は149,513円、飲食サービス業等は10,890円でした。賞与の大きさの違いも、業種の差に入っています。

四半期ごとの賃金指数(現金給与総額・2020年平均=100)は、2025年1〜3月が93.2、4〜6月が117.0でした。7〜9月は106.2、10〜12月は130.4です。夏冬の賞与などは、支払われた月の数字に入るためです。家計簿で、ボーナスが入った月だけを見て1年の収入を語らないのと同じで、比べるときは1年分で見ます。

3. 事業所の規模で水準が変わる

同じ調査産業計でも、事業所規模30人以上では現金給与総額が月408,035円、所定外労働時間が11.5時間です。5人以上の355,941円、9.8時間より高く出ます。30人以上の一般労働者は502,431円、パートタイム労働者は128,660円です。自社の規模に近い数字を選ぶと、比べたときのずれが小さくなります。

4. 所定外労働時間は、法律上の「時間外労働」と同じではない

毎勤の所定外労働時間は、会社が決めた始業から終業までの外で働いた時間です。一方、労働基準法の法定労働時間は1日8時間・1週40時間です(第32条)。会社の所定労働時間が1日7時間30分なら、8時間までの30分は所定外ですが、法定の時間外労働ではありません。

業種の平均が上限より短くても、一人ひとりがそうとは限りません。統計は「業界の中での位置」を知るために使い、法律の確認は自社の勤怠で一人ずつ行います。

5. 平均年齢や勤続年数も業種で違う

給与は年齢や勤続年数で変わるため、働く人の構成が違えば業種の平均も変わります。この点は、次の賃金構造基本統計調査で確かめられます。

賃金構造基本統計調査で見る業種別の賃金と年齢・勤続年数

賃金構造基本統計調査は、労働者の年齢・勤続年数・学歴・役職などの内訳とあわせて賃金を調べる統計です。令和7年の概況では、10人以上の常用労働者を雇う民営事業所の一般労働者について、2025年6月分の所定内給与額を「賃金」としています。所定内給与額は、時間外勤務手当・深夜勤務手当・休日出勤手当などの超過労働給与を差し引いた額です。

一般労働者の賃金は、産業計で340.6千円でした。業種別では電気・ガス・熱供給・水道業の444.0千円が最も高く、宿泊業,飲食サービス業の277.2千円が最も低くなっています。

産業 賃金(千円) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年)
鉱業,採石業,砂利採取業 388.3 48.5 13.9
建設業 366.3 45.5 13.7
製造業 330.0 44.1 15.3
電気・ガス・熱供給・水道業 444.0 43.1 17.6
情報通信業 406.0 40.2 12.3
運輸業,郵便業 312.7 48.7 12.9
卸売業,小売業 349.1 44.3 14.5
金融業,保険業 437.0 44.2 14.6
不動産業,物品賃貸業 360.1 43.9 10.7
学術研究,専門・技術サービス業 440.3 42.9 12.1
宿泊業,飲食サービス業 277.2 43.1 9.6
生活関連サービス業,娯楽業 295.2 42.3 10.6
教育,学習支援業 379.4 44.2 11.7
医療,福祉 315.7 44.0 9.9
複合サービス事業 319.0 44.9 16.8
サービス業(他に分類されないもの) 284.9 45.9 9.3

出典: 令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況 第5-1表(一般労働者・男女計・年齢計)。並びは資料の産業の順です。

たとえば情報通信業は平均年齢が40.2歳で、表の中でいちばん若い業種です。電気・ガス・熱供給・水道業は平均勤続年数が17.6年で、表の中でいちばん長くなっています。業種の賃金を比べるときは、こうした構成の違いも一緒に見ます。

2つの統計の違いを表にした図。毎月勤労統計調査は2025年1月から12月の月平均・常用労働者5人以上の事業所・パートを含む全体と一般とパート別・現金給与総額、公表2026年2月25日。賃金構造基本統計調査の概況は2025年6月分・10人以上の民営事業所・一般労働者・所定内給与額、公表2026年3月24日。飲食サービス業等、情報通信業、医療,福祉の3業種について、毎勤の全体と一般の現金給与総額、一般の所定内給与、賃金構造の所定内給与額、平均年齢と勤続年数を並べている。下に、業種と規模をそろえる、一般とパートを分ける、給与の範囲を合わせる、時間は勤怠から出す、の4つの手順。
毎月勤労統計調査と賃金構造基本統計調査の違いと、自社と比べる手順作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「毎月勤労統計調査」「賃金構造基本統計調査」

2つの統計は、時点も対象も違います。毎勤は2025年1〜12月の平均で、5人以上の事業所が対象です。賃金構造基本統計調査は2025年6月分で、概況は10人以上の民営事業所が対象です。同じ業種の数字が少し違っていても、どちらかが誤りというわけではありません。

今日からできること 自社の数字と並べる手順

業種の数字を社内の資料に使うときは、次の順に進めると、比べ方のずれを小さくできます。

  1. 自社の業種を、日本標準産業分類の大分類で確かめる。毎勤も賃金構造基本統計調査も、この分類で業種を分けています。
  2. 比べる数字の範囲を決める。事業所の規模(5人以上か30人以上か)と、全体か一般労働者かを選びます。毎勤のくわしい表は、厚生労働省のページから政府統計の総合窓口(e-Stat)でたどれます。
  3. 自社の平均を、一般の社員とパートタイムの社員に分けて出す。現金給与総額で比べるなら、賞与を含めた1〜12月分の総額を月平均にします。
  4. 労働時間は勤怠の記録から出す。所定外の時間と、法定の時間外労働・休日労働を分けて集計し、36協定で決めた時間と照らします。
  5. 社内の資料には、調査名・時点・事業所の規模・全体か一般労働者かを必ず添える。読む人が同じ物差しで判断できるようにします。

事務職の人数や求人倍率は、事務職の有効求人倍率・賃金・人数 データで見る2026年の今にまとめています。パートタイム労働者の社会保険の加入条件は、パート・アルバイトの社会保険 加入の条件と適用拡大の予定をご覧ください。

この記事の数字は、2026年10月18日に各資料で確かめたものです。この日の時点で、毎勤の年間の数字は2025年分の確報が最新で、2026年分はまだ公表されていません。

よくある質問

Q現金給与総額は手取りの額ですか。

Aいいえ。所得税・社会保険料などを差し引く前の額です。賞与など特別に支払われた給与を含み、退職金は含みません(毎月勤労統計調査の用語の説明による)。

Q業種の所定外労働時間が月45時間より短ければ、36協定の上限は気にしなくてよいですか。

Aいいえ。統計の数字は業種の平均で、一人ひとりの時間ではありません。上限は法定労働時間を超える時間外労働と休日労働で判断するので、自社の勤怠で一人ずつ確かめます。

Q毎月勤労統計調査と賃金構造基本統計調査は、どちらを使えばよいですか。

A毎月の動きや労働時間、パートを含む全体を見るなら毎月勤労統計調査、年齢・勤続年数・役職などの内訳と比べるなら賃金構造基本統計調査が向いています。比べる前に、対象の事業所の規模と時点を確かめます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月18日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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