共働きの家事の分担でもめないコツは、半分ずつに分けることより、まず全部を書き出して減らし、残りを「最後まで任せ切る」形にすることです。話し合いは週に1回、10分で十分。試す期間を決めておけば、うまくいかなくても責め合わずに直せます(編集部の見立て)。
差は、数字で見るとかなり大きい
総務省の令和3年の調査によると、6歳未満の子がいる共働きの世帯の家事関連時間は、1日あたり妻が6時間33分、夫が1時間55分でした。夫の時間は2016年の1時間24分から増えましたが、妻のほうも6時間10分から23分増えています1。
差が特に大きいのが、料理や食器洗いなどの「食事の管理」です。男女全体で見ると、女性は1日1時間18分、男性は14分で、差は1時間4分あります。洗濯などの「衣類等の手入れ」でも23分の差があります2。
この数字は、だれかを責めるためのものではありません。家の中の話し合いでは、「自分ばかり」という感覚のぶつけ合いになりがちです。全国の数字を間に置くと、夫婦の問題というより、よくある偏りとして話を始めやすくなります。
最初に、全部書き出す
分担の話が進まないのは、相手の見えていない家事がたくさんあるからです。ゴミ袋の補充、子どもの持ち物の準備、献立を考えること、洗剤の買い足し。こうした細かな作業まで、2人で別々に書き出してから見せ合いましょう(編集部の例)。
書き出すときは、頻度も付けます。毎日、週に数回、月に1回くらいで十分です。だいたいの分数も書くと、家事の量が同じ物差しで見えるようになります。
家事の分担を決める4つの順番(編集部の例)作成: 編集部 / 出典: 編集部
分ける前に、減らす
書き出した表を見たら、分担を決める前に減らせるものを探します。「やめる」「家電に任せる」「買う・頼む」の順で考えると、話が前向きになります(編集部の見立て)。
たとえば、平日のアイロンをやめて形状記憶のシャツにする。食器は食洗機、床はロボット掃除機に任せる。夕食を週に1回は惣菜にする。お金で解決する家事は、月にいくらまでなら払えるかを2人で決めておくと迷いません。平日の夕食の組み立て方は、平日の夕食を15分で作るには 作り置きと使い回しの献立の組み立て方も参考になります。
担当は「最後まで」で持つ
減らしたあとで残った家事は、種類ごとに担当を決めます。ここで効くのが、頼まれて手伝う形をやめることです(編集部の見立て)。洗濯の担当なら、洗剤の買い足しから、干す、たたむ、しまうまで。料理の担当なら、献立と買い物から片づけまで。頼む側に「指示を出す家事」が残らないようにします。
きっちり半分にしようとすると、毎回の比べ合いになります。平日に短い家事、週末に時間のかかる家事というように、仕事の忙しさに合わせて偏りを許しておくほうが長持ちします。
もう1つ決めておきたいのが、終わりの基準です。「洗濯終わり」がどこまでを指すのか、2人の頭の中で違っていることがあります。基準は担当の人に任せて、どうしても譲れない点だけを1〜2個、先に伝えておきましょう。
書き出した紙を間に置くと、話を始めやすいイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
話し合いは、週に1回10分
家事の不満は、やり終えた直後や疲れた夜に言うと、けんかになりやすいものです。話す時間を先に決めておくと、その場で飲み込めます。たとえば日曜の朝の10分です(編集部の例)。
話し方は、3つの順番にすると角が立ちにくくなります。先週やってくれて助かったこと。今週つらかったこと。来週だけ試したいこと。「いつも」「全然」といった言葉を避けて、「水曜の夜の洗い物がつらかった」と具体的な場面で話すと、相手も動きやすくなります。
変えるときは、「まず2週間だけ」と期間を区切りましょう。合わなければ戻せばいいので、相手も受け入れやすくなります。
話し合いの3つの順番と、言い換えの例(編集部の例)作成: 編集部 / 出典: 編集部
分担を決めるときに確認すること
- 2人で別々に書き出した家事を、見せ合ったか
- 「名前のない家事」まで入っているか
- やめる、家電に任せる、買う・頼むを先に考えたか
- 外に頼むなら、月にいくらまでか決めたか
- 担当の家事を、準備から片づけまで持っているか
- 譲れない基準を1〜2個に絞って伝えたか
- 話し合いの曜日と、見直す日を決めたか
この記事の統計は、総務省統計局の令和3年社会生活基本調査によるものです。分担の進め方は編集部の見立てで、家庭の事情に合わせて調整してください。