眠っているのに疲れが取れないなら、見直すのは睡眠の時間と、朝の「休まった感じ」の2つです。厚生労働省の睡眠ガイドが示す目安は、成人なら6時間以上。そのうえで、目覚めたときに休めたと感じるかも重く見ます1。今夜からなら、夕方以降のカフェインを控える、スマホを寝室に持ち込まない、明日の起きる時刻を決める。この3つから試してみませんか。
寝不足は、仕事の集中に直接ひびく
ガイドによると、睡眠不足は日中の眠気や疲労に加えて、注意力や判断力の低下に関連する作業効率の低下につながります。事故など重大な結果を招くこともあります1。午後に集中が切れる、簡単な確認でミスが増える。そんな日が続くなら、気合いより先に、夜の過ごし方を見直す価値があります。
ただ、適正な時間には個人差があります。成人ではおおよそ6〜8時間が適正で、少なくとも6時間以上を確保するよう努めるのがガイドのすすめです1。夜に眠れる時間は年齢とともに短くなるので、学生のころと同じ8時間を目指して、早く寝床に入る必要はありません。
もう1つの目安が「睡眠休養感」、つまり朝に休めたと感じる感覚です。ガイドは、量と同じくらい、この感覚を大切なものとして扱います。休養感を下げるのは、睡眠不足のほか、仕事などの日中のストレス、寝る直前の夕食や夜食、朝食抜きなどです1。女性は、睡眠が月経周期の影響を受けることや、更年期の女性の4〜6割が睡眠の悩みを抱えることも知っておくと、不調の理由を探しやすくなります。
週末の寝だめでは、取り戻せない
平日の不足を休日にまとめて取り戻す。つい頼りたくなりますが、ガイドの答えははっきりしていて、眠りを「ためる」ことはできません。休日の起床が大きく遅れると、体内時計が乱れて時差ボケのような状態になるおそれもあります1。
だから、休日も起きる時刻は平日と大きく変えないほうが無難です。眠いなら、遅くまで寝るより、前の晩に早く寝床に入るほうが月曜日の朝が楽になります(編集部の見立て)。
厚生労働省の睡眠ガイドの内容を、1日の流れに並べた図作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省
朝と昼にできること
朝は、カーテンを開けて日の光を入れます。朝の光と朝食は、どちらも体内時計を整えるのに役立ちます。朝食を抜くと体内時計が後ろにずれて、寝つきが悪くなりやすいのです1。
日中は、体を動かす時間を少しでも作りましょう。息が弾み汗をかく程度の運動には、速足の散歩や掃除機かけなども入ります1。特別なジム通いでなくても、昼休みに少し遠くまで歩くところからで十分です。
夜は、寝る時刻から逆算する
夜の工夫は、時間を決めると続けやすくなります。たとえば23時に寝るなら、次のような流れです(編集部の例)。
カフェインは夕方以降に控えます。夕方以降の摂取は夜の睡眠に影響しやすく、1日400mg(コーヒーで700cc程度)を超えると眠りにくくなる可能性があります1。残業の日の一杯は、麦茶のようにカフェインを含まない飲み物に替えられます。
夕食は早めに済ませます。遅くなる日は、寝る直前にたくさん食べないようにしましょう。お酒は控えめに。眠るために飲む寝酒や晩酌の深酒は、睡眠の質を悪くする可能性があります1。
お風呂は、寝る1〜2時間前です。寝る約2時間前から眠りを促すホルモンの分泌が始まるので、その後は強い光を避けます。スマホやタブレットは寝室に持ち込まず、別の部屋に置いて、部屋はできるだけ暗くします1。アラームをスマホに頼っている人は、目覚まし時計に替えると実行しやすくなるでしょう(編集部の見立て)。
23時に寝るときの、夜の過ごし方の例(時刻は編集部の例)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省
眠れない夜は、無理に寝ようとしないことです。寝床で考えごとをするのは避け、いったん離れて、静かで暗めの場所で眠気を待ちます1。明日の仕事が頭から離れない人は、寝室に入る前に紙へ書き出しておくのも手です(編集部の見立て)。
寝室にはスマホを持ち込まず、明かりを落とすイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
続くときは、医師に相談する
生活を見直しても休養感が戻らないときは、病気が隠れていることもあります。睡眠の不調には生活習慣の改善が大切ですが、ガイドは病気の可能性にも注意を促します。睡眠時無呼吸は、その例です。改善が十分でなければ、医師に相談しましょう1。
今夜から確認すること
- 明日の起きる時刻を決めたか。休日も大きくずらさない
- 夕方以降にカフェインを飲んでいないか
- 寝る1〜2時間前に、お風呂を済ませられるか
- スマホを、寝室の外に置けるか
- 部屋を暗くできるか。暑すぎず寒すぎない温度か
- 朝に休まった感じがあるか。1週間メモしてみる
- 続くようなら、医師に相談する
この記事の内容は、2026年11月5日時点の厚生労働省の資料にもとづいています。時間の組み方の例は編集部のもので、体調や持病のある人は医師の指示を優先してください。