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生成AIを人事で使うときの注意 社員情報の扱いと使える場面・避ける場面

人事で生成AIを使うなら、社員の情報を入れずに済む仕事から始めるのが近道です。使える場面と避ける場面の分け方、健康の情報や応募者の情報の扱い、採否や評価をAIの出力だけで決めないための確認点が分かります。

公開 更新 約7分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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生成AIを人事で使うときの注意 社員情報の扱いと使える場面・避ける場面

この記事でわかること

  • 求人票の下書きや規程の要約など、社員の情報が要らない仕事から始める。
  • 健康の情報やマイナンバーは入れない。入力先は学習に使われないか確認する。
  • 採否や評価はAIの出力だけで決めず、評価の参考にするなら本人に伝える。
対象人事実務

人事で生成AIを使ってみたいけれど、社員の情報を入れて大丈夫なのか心配。そんなときは、社員の情報を入れずに済む仕事から始めましょう。求人票の下書きや規程の要約なら、個人の情報は要りません。

あわせて決めておきたいのは2つです。健康の情報やマイナンバーは入れないこと。採否や評価をAIの出力だけで決めないこと。ここが固まると、人事の仕事で頼める範囲が見えてきます。

使える場面は、社員の情報が要るかと処遇を決めるかで分ける

紺色のジャケットの女性がオフィスの机で、ペンを手に書類を読んでいる。机にはノートパソコンと閉じたファイル、マグカップ。
入れる前に、その仕事に社員の情報が要るかを考えるイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

人事の仕事をAIに頼めるかは、2つの問いで分けると判断しやすくなります。その仕事に社員の情報が要るか。その結果で人の処遇が決まるか。どちらも「いいえ」なら、いちばん頼みやすい仕事です。

求人票やお知らせの下書き、制度についてよくある質問の案、研修資料の構成、面談で聞く質問の案。どれも個人の情報を入れずに頼めます。規程の要約なら生成AIで長文の規程を要約、法改正の整理なら法改正を生成AIで整理に頼み方の例があります。

社員の情報が要るか、処遇を決めるかで使い方を分ける、という図。分け方は編集部の整理、根拠は個人情報保護委員会や厚生労働省など。使いやすいのは社員の情報が要らない仕事で、求人票やお知らせの下書き、規程の要約、制度のよくある質問の案、研修資料の構成、面談の質問案。条件を整えて使うのは、利用目的の範囲内で学習に使われないと確認したサービスでの、社員アンケートの自由記述の要約と、名前を伏せた評価コメントの言い回しの調整。避けるのは、情報が重い、または人の処遇を決める仕事で、健康診断の結果や復職の面接の記録を入れること、マイナンバーを入れること、採否や評価、異動をAIの出力だけで決めること。まとめ、まず社員の情報を入れずに済む仕事から始める。
人事の仕事は、社員の情報が要るかと処遇を決めるかで使い方を分ける作成: 編集部 / 出典: 個人情報保護委員会、厚生労働省、総務省・経済産業省

下書きを頼むときに気をつけたいのは、もっともらしい条件が足されること。職業安定法は求人の情報について、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁じています。1賃金や労働時間は、社内で決めた内容と照らし合わせましょう。間違いの見つけ方は、生成AIの間違いの見つけ方で確認できます。

社員アンケートの自由記述の要約や、評価コメントの言い回しの調整には、個人の情報が混ざりがちです。次の条件を確認してから頼みましょう。

社員の情報を入れるなら、目的と学習の有無を確認する

個人情報保護委員会が2023年6月の注意喚起で会社に求めたのは、入れる前の2つの確認です。まず、個人情報を含むプロンプトが、特定した利用目的の達成に必要な範囲に収まるか。次に、入れた個人データが学習に使われないかなどの点。本人の同意なく入れたデータが応答の出力以外の目的で扱われると、法律に違反する可能性があるためです。2

学習に使われない設定や契約かは、画面の印象で判断せず、情報システムや法務の担当と規約を読んで確認しましょう。委員会のQ&Aによると、クラウドサービスの事業者が個人データを取り扱わないと契約などで決まっていれば、第三者への提供には当たりません。ただ、その場合でも、使う会社には自社の安全管理の責任が残ります。3

社員の情報を分析させる使い方には、もう一段の注意が要ります。ガイドラインは本人から得た情報をもとに、行動や関心を分析するなら、どんな扱いをするのか本人が予測できる程度に利用目的を特定するよう求めました。4社内に当てはめると、勤怠や面談の記録から離職しそうな人をAIに分析させる場合です。利用目的にその分析が読み取れるかを、先に見ておきましょう。

名前を消すだけでは足りないこともあります。個人情報には、ほかの情報と容易に照らし合わせて特定の人が分かるものも含まれるからです。5小さな部署で「経理の課長」と書けば、会社の名簿と照らしてだれのことか分かるでしょう。アンケートの自由記述を入れるなら、部署や役職、出来事の日付も伏せておくと線を引きやすくなります。伏せ方の例は、生成AIに入力してはいけない会社の情報にあります。

健康の情報は入れない

厚生労働省の指針によると、健康診断などで得た心身の状態の情報は、そのほとんどが要配慮個人情報に当たります。6労働安全衛生法によれば、こうした情報を扱えるのは健康の確保に必要な範囲内です(本人の同意や正当な事由がある場合を除く)。指針はさらに、扱う人と権限、範囲を社内の規程で決めるよう求めました。67

AIへの入力を名指しで禁じた条文はありませんが、健康の確保に必要な範囲だと説明するのは難しいでしょう。ストレスチェックの結果は、本人の同意がなければ、検査をした医師などから会社にも渡りません。7要配慮個人情報を含む個人データの漏えいは、人数にかかわらず委員会への報告の対象です。8

復職や体調の相談を準備したいときは、その人の記録を貼らず、よくある場面に言い換えて頼みます。

社員や応募者の情報で、AIに入れないものを先に決めておく、という図。並べ方は編集部の整理、根拠は各法令と厚生労働省の指針。健康の情報は、健康診断の結果、復職の面接指導の結果、治療と仕事の両立の意見書で、ほとんどが要配慮個人情報。扱う人と範囲を社内の規程で決める情報。ストレスチェックの個人ごとの結果は、本人の同意がなければ会社にも渡らない情報。マイナンバーは、扶養の書類や源泉徴収票に書く番号で、使える事務が法律で決まっている。応募者の適性に関係のない情報は、本籍、家族、思想や信条に関することで、採用選考でそもそも把握しないようにする事項。まとめ、要配慮個人情報の漏えいは、1人分でも国への報告の対象になる。
社員や応募者の情報で、AIに入れないものの例作成: 編集部 / 出典: e-Gov法令検索、厚生労働省

採用では、適性と能力に関係のない情報をAIにも渡さない

厚生労働省の公正採用選考のサイトは、AIの活用を含むどんな方法の選考でも、応募者に広く門戸を開き、適性と能力に基づく基準にするという基本を守るよう求めています。9本籍や家族、思想や信条に関することは、採用の基準にしないつもりでも、把握しないようにする事項です。10職業安定法も応募者の個人情報について、業務の目的に必要な範囲で、目的を明らかにして集め、その範囲で保管して使うよう定めました。11

AIに応募書類を読ませるなら、こうした事項が混ざっていないか、要約がそこに触れていないかを、人の目で見ておきたいところです。

過去の事例にも学べます。AI事業者ガイドラインの別添には、学習に使った10年分の履歴書の応募者がほとんど男性だったために、女性を不利に扱う問題が見つかった採用システムの例があります。12内定辞退の可能性をAIで提供したサービスでは、求職者への説明が不明瞭だったことなどが問題視され、サービスの廃止に至りました。12

評価は人が決め、AIを参考にするなら本人に伝える

AI事業者ガイドラインによると、AIの出力を特定の人の評価の参考にするなら、AIを使っていることを評価される本人に知らせます。人が合理的に判断し、本人の求めに応じて説明することも同じ項目に入りました。13AIの判断を信じすぎて、自分の確認を怠ってしまう傾向(自動化バイアス)への注意も、ガイドラインが示す点です。12なお、このガイドラインに法的な拘束力はありません。13

だから、AIに頼むのは言い回しの調整までにしておくと線を引きやすくなります。評価の中身は、面談の記録と評価シートをもとに人が書き、名前や部署を伏せた文の読みやすさだけを見てもらう形です。シートそのものの組み立ては、人事評価シートの作り方で確認できます。

人事で生成AIを使う前に確認すること

  1. 使うサービスは会社が認めたもので、入力した内容が学習に使われないことを確認した。
  2. 社員の情報を入れる仕事か、入れずに済む仕事かを分けた。
  3. 入れるなら、利用目的の範囲に収まることを確認し、名前や部署を伏せた。
  4. 健康の情報、ストレスチェックの結果、マイナンバーを入れていない。
  5. 応募者の本籍や家族など、適性と能力に関係のない情報を渡していない。
  6. 採否や評価、異動をAIの出力だけで決めず、評価の参考にするなら本人に伝える。

部署や会社全体の決まりにするなら、生成AIの社内ルールの作り方で項目を確認できます。個人情報保護法は、改正法が2026年7月17日に公布され、原則として公布から2年以内に施行されます。細かい決まりはこれから示されるので、委員会の案内も見ておきましょう。14判断に迷う場面は、社内の法務や社会保険労務士、弁護士に相談してください。

注

  1. 職業安定法 第5条の4 ↩

  2. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日) ↩

  3. 個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」Q7-53、Q7-54 ↩

  4. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」3-1-1 ↩

  5. 個人情報保護法 第2条第1項第1号 ↩

  6. 厚生労働省「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」1、2(3) ↩ ↩2

  7. 労働安全衛生法 第66条の10第2項、第104条第1項 ↩ ↩2

  8. 個人情報保護法 第26条第1項、同施行規則 第7条第1号 ↩

  9. 厚生労働省 公正採用選考特設サイト「よくある質問」 ↩

  10. 厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考時に配慮すべき事項」 ↩

  11. 職業安定法 第5条の5 ↩

  12. 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」別添(付属資料)別添1の第1部関連 ↩ ↩2 ↩3

  13. 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」本編のU-7)i. ↩ ↩2

  14. 個人情報保護委員会「令和8年 改正個人情報保護法について」 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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