電話を取り次ぐたびに「○○さんは今どちらに」と部署の中を探していませんか。外出や会議 の予定が一覧で見えていれば、取り次ぎも日程合わせも早くなります。
この記事では、Outlook の予定表を部署で共有するときの権限の段階、版ごとの共有の手順と開き方、部署で決めておく書き方のルールをまとめました。手順は Microsoft のサポートと Learn の日本語のページで確かめた内容です(2026年10月19日確認)。
まず、使っている Outlook の版を確かめる
Windows の Outlook には「新しい Outlook」と「従来の Outlook(クラシック)」があり、ブラウザーで使う「Outlook on the web」もあります。共有の手順は版ごとに違います。Microsoft の説明では、見分け方は次のとおりです。
版
見分け方
新しい Outlook(Windows)
右上に [設定] のボタンがある。リボンのタブは [ホーム]・[表示]・[ヘルプ]
従来の Outlook
右上に [設定] のボタンがなく、[ファイル] タブがある
Outlook on the web
ブラウザーで開き、アドレスに outlook.office.com か outlook.office365.com が入る
Microsoft の日本語のページには、画面の名前の一部が「Calendar」と英語のまま書かれている所があります。この記事では「予定表」と書きました。同じ設定でも、版によって画面の名前が少しずつ違います。
共有の権限は5段階 相手ごとに「どこまで見せるか」を選ぶ
予定表を共有するときは、相手ごとに見せる範囲を選びます。Microsoft 365 では、どの版の Outlook でも同じ段階を選べるようにそろえられています。
段階
相手に見えること・できること
新しい Outlook の表記
Outlook on the web の表記
組織の外の人
空き時間だけ
予定のある時間だけ。件名や場所は見えない
[取り込み中の時間を表示可能]
[予定ありを表示]
選べる
タイトルと場所
時間に加えて件名と場所
[タイトルと場所を表示可能]
[件名と場所を表示]
選べる
すべての詳細
予定の詳細をすべて見られる。変更はできない
[すべての詳細を表示]
[すべての詳細を表示]
選べる
編集
予定を見て、作ったり変えたりできる
[編集可能]
[編集可能]
選べない
代理人
編集に加え、本人の代わりに会議出席依頼を受けて返事ができる
[代理人]
[代理人]
選べない
従来の Outlook では、[予定表のプロパティ] の画面で、相手ごとに「忙しい時間」「タイトルや場所」「すべての詳細」から選びます。代理人は別の画面で設定します。組織の外の人と共有できるのは、管理者が社外との共有を許可しているときです。
Outlookの予定表の共有の5段階で、相手に見えることとできることの早見表 作成: 編集部 / もとの資料: Microsoft サポート(Outlook の予定表の共有)
どの段階を選ぶかの目安
部署の全員には「タイトルと場所」が使いやすい段階です。外出先や会議名が分かれば、取り次ぎと日程合わせに足ります。上司やアシスタントなど予定を一緒に組む人には「すべての詳細」、予定を代わりに入れてもらう人には「編集」を選びます。会議の返事まで任せる人だけを「代理人」にします(段階の割り振りは編集部の目安です)。
代理人は標準の予定表(名前が「予定表」のもの)にだけ設定できます。Microsoft は、共有の予定表を管理する代理人は1人にするよう勧めています。
Microsoft の説明では、共有しなくても、同じ組織の人がディレクトリから予定表を追加すると、組織の既定の段階で見えます。多くの組織では空き時間だけです。件名まで見せたい相手にだけ、個別に共有します。
自分の予定表を共有する手順(版ごと)
新しい Outlook(Windows)
予定表を開き、[ホーム] タブで [予定表の共有] を選ぶ。予定表が複数あるときは、共有する予定表を選ぶ。
[メール アドレスまたは連絡先名を入力してください] に相手を入れる。
相手の名前の横のドロップダウンで段階を選ぶ。
[共有] を選ぶ。相手に招待のメールが届く。
Outlook on the web
予定表を開き、ツールバーの [共有] を選んで、共有する予定表を選ぶ。
相手の名前かメール アドレスを入れ、段階を選ぶ。
[共有] を選ぶ。
段階を変えるときや共有をやめるときは、予定表名を右クリックして [共有とアクセス許可] を選び、相手ごとに直します。
従来の Outlook
予定表の [ホーム] タブで [予定表の共有] を選び、共有する予定表を選ぶ。
[予定表のプロパティ] で [追加] を選び、アドレス帳から相手を選ぶかメール アドレスを入れて [OK] を選ぶ。
相手の名前を選び、共有する詳細のレベルを選んで [OK] を選ぶ。
やめるときは、[フォルダー] タブの [予定表のプロパティ] を開き、[アクセス許可] タブで相手を選んで [削除] を選びます。代理人は [ファイル] > [アカウント設定] > [アクセスの委任] から追加します。
共有された予定表を開く手順
招待のメールが届いたら、メールの [承諾] を選ぶと、自分の予定表の一覧に相手の予定表が加わります。招待がなくても、同じ組織の人の予定表は次の手順で追加できます(見えるのは組織の既定の段階までです)。
版
追加する手順
並べて見る
新しい Outlook
[予定表の追加] > [ディレクトリから追加] で相手を選ぶ
予定表の一覧の [すべて表示] から選び、[分割ビュー]
Outlook on the web
[予定表の追加] > [ユーザーの予定表の追加] で名前を入れ、[保存]
[配置] グループで分割ビューを選ぶ
従来の Outlook
[ホーム] の [予定表の管理] グループで [予定表の追加] > [共有予定表を開く]
ナビゲーション ウィンドウでチェックを入れると横に並ぶ
新しい Outlook では、共有された予定表は最初は表示されていません。従来の Outlook で相手に権限がないときは、共有を頼むメールを送るかを聞かれ、[はい] で依頼のメールが開きます。
部署の全員を1画面で見る「予定表グループ」
毎日見る顔ぶれが決まっているなら、予定表グループにまとめると切り替えが一度で済みます。従来の Outlook では、部署の人の予定表を表示した状態で [ホーム] タブの [予定表の管理] グループから [予定表グループ] > [新しい予定表グループとして保存] を選びます。横並びのスケジュール ビューでも見られます(Exchange のアカウントが必要)。Outlook on the web では、予定表のナビゲーション ウィンドウで [その他のオプション] > [新しい予定表グループ] を選びます。
会議の日程を合わせるときの段取りは、会議を短くする段取り アジェンダ・時間・決めることを先に決める も参考にしてください。
グループの予定表と会議室の予約は、管理者の設定が前提
「グループ予定表」と呼ばれるものには、上の予定表グループ(人の予定表を並べる表示)と、Microsoft 365 グループの予定表(みんなで書き込む1冊)の2つがあります。名前は似ていますが別の機能です。
Microsoft 365 グループを作ると、グループのメール アドレスと共有の予定表が自動で作られます。メンバーは誰でも予定を入れられ、グループの予定表で作った予定はメンバーの誰でも編集・キャンセルできます。部署の行事や締め切りを1か所にまとめるのに向いています。会社がグループを使えるようにしていれば、Outlook の [新しいグループ] から作れます。新しい Outlook と Outlook on the web では、既定では予定を入れても全員に招待は届きません。知らせたいときは出席者にグループを入れます。
会議室や備品は、管理者が Microsoft 365 管理センターで「会議室と備品用メールボックス」を作ると、Outlook で予約できるようになります。使う側は会議の [必須] に会議室の名前を入れ、[スケジュール アシスタント] で空き時間を選んで送ります。青色は予約済み、白色は空いている時間です。
管理者に頼むこと
理由・場所
部署の Microsoft 365 グループを作る
[新しいグループ] が出ないときは、会社がグループを使えるようにしていない可能性がある。管理者は管理センターでも作れる
会議室・備品のメールボックスを作る
管理センターの [リソース] > [会議室 & 機器] で管理者が作る
社外の人との予定表の共有を許可する
管理者が管理センターの [組織の設定] で有効にする
部署の全員にまとめて共有したい
共有できるのは個人かセキュリティ グループだけ。Microsoft 365 グループには共有できない
共有のボタンが灰色
会社のポリシーで止めている
非公開の予定の扱い
新しい Outlook では、予定を開いて [イベント] タブの [プライベート] を選び、保存します。従来の Outlook では、予定を選んで [タグ] グループの [プライベート] を選び、[保存して閉じる] を選びます。予定表には鍵のマークが付きます。
共有した相手の多くには、非公開の予定は時間だけが見え、件名や場所は見えません。定期的な予定は、繰り返しの形も見えます。代理人には、非公開の予定の表示を許可したときだけ中身が見えます。従来の Outlook のこの許可は、メール・連絡先・タスクなど全部のフォルダーにかかります。
部署で決めておくルール 件名・外出・個人情報
共有の設定が整っても、書き方が人ごとに違うと一覧で読み取れません。最初に部署で次のことを決め、お知らせで伝えます。お知らせの書き方は社内のお知らせ文の書き方 読まれる件名と構成・すぐ使える文例 で紹介しています。
決めること
例(編集部の案)
件名の頭
【外出】【会議】【来客】【在宅】【休暇】から選ぶ
外出
行き先の会社名と戻りの時刻を書く
会議
会議名と会議室。社外秘の案件名は書かない
個人の事情
「私用」「休暇」とだけ書き、理由は書かない
共有の段階
部署内はタイトルと場所、上司はすべての詳細
見直し
入社・異動・退職のときに共有を足す・外す
共有の範囲を広げたまま見直さずにいると、見せるつもりのない人に情報が見え続けます。共有の設定の棚卸しの考え方は、情シスのミカタの知らぬ間に部下へ給与明細を公開 10年越しに発覚した共有ミス が参考になります。
個人情報保護法(第2条第3項)は、病歴などを含む個人情報を「要配慮個人情報」とし、取扱いに特に配慮が要るものとしています。予定の件名は部署の多くの人の目に入るので、通院の理由や家族の事情、お客様の個人名や電話番号は書かないと決めておきます。
件名の書き方の例
【外出】△△商事 打ち合わせ(戻り15時)
【会議】10月 部内定例(第2会議室)
【来客】□□社 ご来社(応接室A)
【休暇】終日
部署で予定表を見える化するまでの5つの段取り(決める・頼む・共有・開く・見直す) 作成: 編集部 / もとの資料: Microsoft サポート・Microsoft Learn
今日からできること
自分の Outlook の版を確かめる(右上に [設定] のボタンがあるか)。
部署の誰か1人の予定表を [予定表の追加] から開き、今どこまで見えているかを確かめる。
件名の頭の付け方と外出の書き方を部署の案にまとめ、上司に相談する。
部署の全員に「タイトルと場所」で共有し、上司やアシスタントには「すべての詳細」を選ぶ。
会議室の予約やグループの予定表が要るなら、頼むことを1枚にまとめて管理者に依頼する。