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生成AIで1年の振り返り 実績メモから自己評価の下書きを作る頼み方

1年分のメモを生成AIに渡すと、実績の整理と自己評価の下書きまでは任せられます。渡す前に伏せる情報と、そのまま使える3つの頼み方、受け取った下書きを自分の言葉に戻す4つの点を順に紹介します。

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生成AIで1年の振り返り 実績メモから自己評価の下書きを作る頼み方

この記事でわかること

  • 全社で生成AIの指針を整えているという回答は41.1%。渡す前に自社の決まりを確認する。
  • 取引先名はA社、人の名前はCさんに置き換え、頼むのは整理、振り分け、下書きの3回。
  • 受け取った下書きは、数字、盛った言葉、していないこと、評価項目の言葉の4点で直す。
対象実務

生成AIに1年分のメモを渡したら、自己評価の下書きはどこまで任せられるでしょうか。仕事を種類ごとに並べ、評価項目に振り分けて、文の形に整えるところまでは、AIがかなりこなしてくれます。

自分の手に残したいのは、何を渡すかを決めることと、出てきた文が本当に自分のしたことかを確かめること。この2つさえ押さえておけば、下書きを一から書く時間を、事実を見直す時間に回せます。

渡す前に、会社の決まりで確認すること

明るい部屋の白い机で、ローズ色のジャケットの30代の女性が、灰色の線だけが並ぶ印刷した紙の上に、小さなピンクと水色のふせんを貼っている。右手は開いたノートパソコンのキーボードに置かれ、画面には淡い色の形だけが映っている。机にはペン立て、紺の手帳、ふせんの束、紅茶のカップ、観葉植物がある。
メモの名前や数字にふせんを貼って伏せてから、生成AIに渡すイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

総務省の令和8年版情報通信白書によると、2025年度の調査で、仕事や暮らしで生成AIサービスを使ったことがある人は58.8%。前年度は26.7%だったので、1年で大きく増えました。1

一方で、会社の決まりづくりは、まだ追いついていないようです。同じ白書の企業向け調査では、生成AIのリスク対策として「全社的な指針やガイドラインを整備している」と答えた割合が41.1%でした。大企業で44.9%、中小企業では29.1%にとどまります。2

決まりが文書になっていない職場も、珍しくないということ。でも、決まりが見当たらないから何を入れてもよい、とはなりません。

個人情報保護委員会は2023年6月、生成AIサービスの利用について注意喚起を出しました。会社が本人の同意を得ずに個人データをプロンプトに入れ、それが応答を出す以外の目的で扱われると、「個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある」という内容です。そのため、サービスを提供する事業者が入力を機械学習に使わないことなどを、十分に確認するよう求めています。3

総務省と経済産業省が2026年3月に改めたAI事業者ガイドラインにも、事業でAIを使う側への留意点として、個人情報や機密情報を「不適切に入力することがないよう注意を払う」とあります。4

自己評価のメモには、取引先や同僚の名前、社外秘の数字が混ざりがちです。渡す前に社内ポータルや情報セキュリティ規程を開いて、次の4つを見ておきましょう。

決まりが見つからないときは、情報システム担当か上司に、どのサービスなら使ってよいかを聞いておきます。個人で契約したサービスを使う場合も、委員会は利用規約やプライバシーポリシーを十分に確認するよう呼びかけています。3

メモは、名前と数字を伏せてから渡す

渡すメモは走り書きでかまいません。1行に1つの出来事を書き、日付と数字を残す。AIに渡す材料としては、これで十分です。月ごとに振り返りを書いているなら、キャリアの棚卸しの1段目のような行を、そのまま貼ればよいでしょう。

伏せるのは、AIに渡さなくても下書きの中身が変わらない情報です。取引先名を「A社」にしても、「A社との契約更新に要る書類を2週間でそろえた」という実績の重さは変わりませんよね。

メモにあるもの AIに渡すときの書き方 下書きができたら
取引先名や顧客名 A社、B社 置き換え表を見て正式な名前に戻す
同僚や上司、お客さまの名前 Cさん、課長、営業の担当者 評価に要るときだけ部署名か役職で書く
社外秘の金額や売上 〇〇万円か、前の年より1割増 手元のメモから金額を書き入れる
案件名や開発中の製品名 案件1、新しいシステム 評価シートの書き方に合わせて戻す
社員番号やメールアドレス 消す 戻さない
同僚の休職や病気のこと 入れない 戻さない

表でまず見てほしいのは、いちばん右の列です。置き換えた名前と元の名前の対応表は、手元のメモ帳か紙に残し、AIには渡しません。対応表まで一緒に貼ってしまうと、伏せた意味がなくなるからです。

自分で数えた件数や回数なら、多くの場合そのまま渡せるでしょう。「請求書の発行遅れを、月4件から1件に減らした」の4と1は評価の材料そのもの。ただ、売上や原価のように社外秘に入る数字は伏せておき、下書きができてから書き入れます。

生成AIにメモを渡す前の確認をまとめた図。上に数字のカードが3つあり、総務省の令和8年版情報通信白書によると、生成AIサービスを使ったことがある人は2025年度の個人向け調査で58.8%(前年度は26.7%)、企業向け調査のリスク対策で全社的な指針やガイドラインを整備していると答えた割合は41.1%、同じ回答で中小企業は29.1%(大企業は44.9%)。左の区画は公的な注意喚起とガイドラインで、個人情報は利用目的の範囲内か、入力が機械学習に使われないか(同意なく入れた個人データが応答の出力以外に使われると法律に違反する可能性がある)、利用規約とプライバシーポリシーを読む、応答には不正確な内容が含まれることがある、個人情報と機密情報を不適切に入れない(AI事業者ガイドライン)。右の区画は渡す前に社内で見る4つで、使ってよいサービス、入れてよい情報の区分、学習に使われない契約や設定か、人事評価の書類に使ってよいか。下の表は伏せ方の例で、取引先名や顧客名はA社、B社に、同僚や上司、お客さまの名前はCさんや課長、営業の担当者に、社外秘の金額や売上は〇〇万円か前の年より1割増に、案件名や開発中の製品名は案件1や新しいシステムに置き換え、社員番号やメールアドレスは消し、同僚の休職や病気のことは入れない。置き換え表は手元に残し、AIには渡さない。
生成AIに渡す前の確認 公的な注意喚起、社内で見る4つ、名前と数字の伏せ方作成: 編集部 / 出典: 個人情報保護委員会・総務省・経済産業省

頼み方は、3回に分ける

いきなり「自己評価を書いて」と頼むと、AIはメモに無いことまで埋めて、それらしい文に仕上げることがあります。「関係部署と連携し」「業務の効率化に大きく貢献」のような言葉です。どこまでが本当にしたことか、あとから見分けるとなると、手間はかなりのもの。

だから、頼みごとを整理、振り分け、下書きの3回に分けます。1回ごとに出てきたものを見て、違っていればその場で直せるからです。

〈〉の中を自分のものに入れ替えれば、次の文はそのまま使えます。

3つの文に共通するのは、「メモに無いことは足さない」と先に断っている点です。AIは頼まれた形を埋めようとするので、してほしくないことも言葉にして渡しておくと、余計な文が入りにくくなります。

3回目に入れた「質問として並べて」の一言は、下書きに足りない事実を見つける手がかりになります。「この件は一人で担当しましたか」と聞き返されたら、それはメモに書き足すとよい事実の印。答えをメモに足して、もう一度3回目を頼めば、推測の混ざらない下書きに近づきます。

評価シートの説明を貼ってよいかは社内資料の扱いしだい。貼れないなら、項目名だけでも振り分けはできます。1項目を事実、工夫、次の一手の3文で書く型と例文は、評価面談の自己評価の書き方に載せています。3回目の頼み方に「この3文の順で」と足せば、その型で書くよう頼めます。

下書きは、4つの点で自分の言葉に戻す

出てきた下書きは評価シートに貼る前に、元のメモと並べて読みます。個人情報保護委員会の注意喚起も、生成AIの応答には不正確な内容が含まれることがある、と書いていました。3見るのは次の4つです。

数字は、メモと1つずつ照らす

AIは数字を丸めたり、頼んでいない計算をしたりすることがあります。たとえば「14件」が「約15件」に、「12回のうち11回」が「毎月」になっていても、ぱっと読んだだけでは気づかないかもしれません。

下書きに出てくる数字すべてに印を付け、メモにある同じ数字と照らします。割合が出てきたら、電卓で計算し直す。合わない数字は、メモにある数字に戻します。

盛った言葉は、した動作に戻す

下書きに入りやすいのが、「主導」「推進」「大幅に」のような強い言葉。言葉ごとに、自分が実際にしたことへ戻していきます。

下書きに出やすい言葉 自分に聞くこと 戻した例
主導した、牽引した 自分が決めたのか、手伝ったのか 担当した、手伝った、提案した
大幅に、劇的に 数字で言えるか 月4件から1件に
全社の、組織全体の 範囲はどこまでか 課の、経理の3人の
貢献した、寄与した 誰の何が楽になったか 営業事務の入力が締め日に間に合った
推進した、取り組んだ 実際に何をしたか 手順書を2つ作り直した

盛った言葉を消すと文は少し控えめになりますが、面談で「主導したのはどの部分ですか」と聞かれて詰まるより、した動作をそのまま書いておくほうが、話はずっと進めやすいはずです。

していないことが紛れていないか

AIはメモの行と行のあいだを、もっともらしい話でつなぐことがあります。「関係部署と調整し」「お客さまの声を集め」のように、言われるとしたような気がする一文が、いちばん見落としやすい。下書きの文ごとに、メモのどの行から来たのかをたどります。

たどれない文は消してかまいません。本当にしたことなら、先にメモへ書き足してから残します。

チームでした仕事も要注意。「課で」が「私が」に変わっていたら、自分が受け持った範囲に書き直します。

評価項目の言葉に合わせる

評価シートには「業務改善」とあるのに、下書きでは「生産性の向上」になっている。そんな言い換えも起こります。上司が読むのは評価シートの言葉なので、項目名と、段階の説明にある言葉にそろえましょう。字数の上限や、箇条書きでよいかといった書式も、このときに見ておきます。

4つを直したら、最後は声に出して読んでみてください。面談で「これはどういうことですか」と聞かれて、自分の言葉で説明できない文は、まだAIの文。言い慣れた言い方に直すか、思い切って削るかのどちらかです。

自己評価の下書きを生成AIに頼むときの図。左の区画は頼み方の3回で、1回目は整理(メモを仕事の種類ごとに分け日付順に並べてもらう。メモに書いていない数字や成果は足さない)、2回目は振り分け(評価項目名を渡し出来事を項目ごとに分けてもらう。どの項目にも当たらないものは最後に残す)、3回目は下書きと質問(項目ごとに字数を決めて下書きを頼み、分からない所は推測で埋めず質問で返してもらう)。右の区画は下書きを直す4つの点で、数字はメモと合っているか、盛った言葉はないか、していないことが紛れていないか、評価項目の言葉に合っているか。中段の表は盛った言葉の戻し方で、主導した、牽引したは担当した、手伝った、提案したに、大幅に、劇的には月4件から1件にのような数字に、全社の、組織全体のは課の、経理の3人のに、貢献した、寄与したは営業事務の入力が締め日に間に合ったに、推進した、取り組んだは手順書を2つ作り直したに戻す。下段は流れで、11月にメモを伏せ、12月の面談の前に3回に分けて頼んで直し、提出前に名前と金額を元に戻す。1月は目標の案を3つ出してもらい、半年後の中間面談で同じ流れをくり返す。
自己評価の下書きを3回に分けて頼む流れと、下書きを直す4つの点、提出までの段取り作成: 編集部 / 出典: 個人情報保護委員会

置き換え表と頼み方は、年明けにも使う

置き換え表と3つの頼み方はメモ帳に保存しておきます。あとは新しいメモを貼るだけなので、次の振り返りはずっと早く進むでしょう。

1月に来年の目標を考えるときは、1回目で整理してもらった1年分の出来事が、そのまま材料になります。

案から1つを選ぶのは自分です。上司との目標設定には、選んだ1行と、それにつながる今年の出来事を持っていけば、話の筋が通ります。

半年後の中間面談なら、同じ置き換え表を開いて、半年分のメモを1回目から渡し直す。異動を希望するときや職務経歴書を書き直すときは、2回目の評価項目を「希望する仕事で求められること」に替えるだけ。

12月の面談の前夜に、慌てて「自己評価を書いて」と打ち込む代わりに、11月のうちにメモを伏せて、1回目だけ頼んでおく。それだけで面談の前週には、メモと照らしながら直せる下書きが手元にそろいます。

調査の数字と、注意喚起やガイドラインの文は、総務省と個人情報保護委員会の公表資料で2026年10月27日に確認したものです。

注

  1. 総務省「令和8年版 情報通信白書」の2025年度個人向け調査。2024年度までは20歳以上、2025年度から15歳以上が対象で、20歳以上に限ると52.2% ↩

  2. 同じ白書の2025年度企業向け調査。リスク対策の取組状況を複数回答で尋ねた結果 ↩

  3. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)の(1)と(3) ↩ ↩2 ↩3

  4. 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日)の第5部「AI利用者に関する事項」 ↩

出典・参考

この記事は、下の監修者が内容を確認しました()。

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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