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副業の経費にできるもの 家事按分の割合の決め方と、領収書の残し方

自宅で副業をすると、家賃や電気代、パソコンも、仕事に使った分を分けられれば経費になります。決まった割合はないので、面積や時間を物差しに割合を出し、理由のメモと領収書を12月のうちにそろえておきます。

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副業の経費にできるもの 家事按分の割合の決め方と、領収書の残し方

この記事でわかること

  • 家の費用で経費になるのは、仕事に使った分を区分できる部分だけ。
  • 割合に決まった数字はない。面積や使った時間で出し、理由をメモに残す。
  • 10万円未満のパソコンは、使い始めた年に全額を経費に。免税事業者は税込で判定。
対象実務

自宅で副業をしていると、家賃も電気代も、半分は仕事のために払っているように思えてきます。仕事部屋の明かり、一日中つないでいるネット回線、本業のあとに開くノートパソコン。このうち経費にできるのは、仕事に使った分をはっきり分けられる部分だけです。

分ける割合は自分で出します。そのかわり、面積や時間のような物差しを使い、あとで理由を聞かれても答えられるように残しておく。1年をふり返れる12月は、その準備にちょうどいい時期です。

経費は、収入を得るためにかかった費用

夜の部屋で、ピンクのセーターを着た30代の女性が床に膝をつき、メジャーで部屋の壁ぎわの長さを測っている。そばの木の机には、灰色の画面のノートパソコン、デスクライト、線だけの間取り図、ノート、留めた白い紙の束が置かれている。
仕事にだけ使う部屋の広さを測っておくと、家賃の割合の理由になるイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

副業の経費は、所得税法でいう「必要経費」です。売上を得るために直接かかった費用と、仕事を続けるためにかかった費用がこれにあたります。1たとえば原稿を書く仕事なら資料の本や取材に行く交通費、ハンドメイドの販売なら材料費や送料、といった具合です。

所得が事業所得でも雑所得でも、この考え方は同じです。

反対に、暮らしのための支出は経費になりません。国税庁は決算の手引きで、衣料費や食費を家事上の費用の例に挙げています。2

迷いやすいのは、その間にある費用です。家賃や電気代、ネット回線、スマホ、パソコンは、仕事にも暮らしにも使いますよね。こうした費用を家事関連費といい、仕事に必要な部分をはっきり区分できるときに限って、その部分が経費になります。3

つまり、支出は3つの箱に分かれます。仕事だけに使う費用は全額、暮らしだけの費用はゼロ、両方に使う費用は仕事の分だけ。箱が決まれば、残すものも決まります。全額の箱なら領収書、仕事の分だけの箱なら、領収書に割合のメモが加わります。

経費に入れる年は、払った日ではなく、支払う義務が決まった年で数えます。この決まりと帳簿のつけ方は、副業の確定申告の準備で取り上げました。

家の費用は、仕事の分だけを切り分ける

家賃や電気代を仕事と暮らしに分けることを、家事按分といいます。決算の手引きでは、家事関連費を家事分と事業分にあん分し、事業分だけを必要経費にします。分け方として挙がっているのは「使用面積や保険金額、点灯時間などの適切な基準」です。2

手引きが示しているのは割合の出し方で、「家賃は何割まで」といった数字ではありません。記載例にも50%や80%という割合が出てきますが、どれも例のために置いた数字です。ほかの人の割合を借りても、自分の部屋や時間の使い方を説明したことにはならないのです。

白色申告と青色申告では、法令の書き方が少し違います。

白色申告や雑所得の人は、費用の「主たる部分」が仕事に必要で、仕事に必要な部分をはっきり区分できることが条件です。国税庁の通達では、主たる部分かどうかを、仕事に必要な部分が50%を超えるかで判定します。ただ、50%以下でも、必要な部分をはっきり区分できれば、その分を経費にして差し支えないとも書かれています。4

青色申告の人は、取引の記録などをもとに、仕事に直接必要だったと明らかにできる部分が経費です。4書き方は違いますが、行き着くところは同じ。仕事の分を記録で示せるかどうかです。

暮らし方によっては、分ける前に外れる費用もあります。生計を一にする親族、つまり同じ家計で暮らす家族に家賃を払っても、その家賃は経費になりません。5実家で家計を一緒にしながら副業をしているなら、家に入れている家賃は按分の表から外しておきます。一方、持ち家の人は、固定資産税のうち仕事に使う部分を経費にできます。5

分ける作業は、年末にまとめてでかまいません。国税庁の帳簿の手引きでは、家事分を除いて書くのが原則です。ただ、使い方に応じて年末に一括で家事分を差し引く記載例も載っています。6毎月の明細はそのまま全額で残しておき、12月に1年分へ割合を掛ける。月ごとに計算するより、手間はずっと少なくて済みます。

割合は、あとで説明できる物差しで出す

割合を出すときは、費用ごとに物差しを1つ決めます。家賃なら仕事に使う部屋の面積、電気代やネット回線なら仕事に使った時間というように、費用に合うものを選ぶと説明しやすくなります。

次の表は物差しを当てはめた例で、金額と割合は例として入れました。

費用 金額 物差し 割合の出し方の例 経費にする額
家賃 月80,000円 床面積 住まい40㎡のうち、仕事だけに使う部屋が8㎡で20% 月16,000円
電気代 月9,000円 使った時間 家で電気を使う1日10時間のうち、仕事が3時間で30% 月2,700円
ネット回線 月5,500円 使った時間 回線を使う時間のうち、仕事が4割で40% 月2,200円
パソコン 98,000円(税込) 使った時間 1週間に使う時間のうち、仕事が7割で70% 68,600円

家賃の行は、自分の家にそのまま当てはめにくいかもしれません。仕事部屋を寝室としても使うなら、面積だけでは分けきれないからです。そんなときは机まわりの広さで出すか、その部屋を仕事に使う時間も合わせて考えるか、どちらかに決めて理由を書いておきます。

数字そのものより、理由が残っていることのほうが大事です。間取り図に仕事部屋の印をつけた紙や、1週間分の作業時間の記録があれば、数字がどこから来たのかを自分でもたどれます。部屋の使い方が変わった年は、メモも作り直しましょう。

メモはこのくらいの短さで十分です。

家事按分の考え方を4つの区画にまとめた図。1つ目は支出の3つの区分で、仕事だけの支出は全額が経費(取材の交通費、仕事の資料にする本、商品の材料費や送料)、仕事と暮らしの両方に使う家事関連費は仕事の分だけ経費(家賃、電気代、ネット回線、スマホ、パソコン。仕事に必要な部分を明らかに区分できるときに限る)、暮らしだけの家事上の費用は経費にならない(衣料費や食費、生計を一にする親族に払う家賃)。2つ目は白色申告・雑所得と青色申告の法令の書き方の違いで、白色は主たる部分が業務に必要で必要な部分を明らかに区分できるときのその部分、主たる部分かは業務に必要な部分が50%を超えるかで判定し、50%以下でも明らかに区分できればその分を経費にしてよい(通達)。青色は取引の記録などにもとづいて業務に直接必要だったと明らかにされる部分。どちらも決め手は仕事の分を記録で示せるかどうか。年末に1年分の家事分をまとめて差し引く書き方も帳簿の手引きに載っている。3つ目は計算の例で、家賃月80,000円を床面積で20%として月16,000円、電気代月9,000円を使った時間で30%として月2,700円、ネット回線月5,500円を40%として月2,200円、税込98,000円のパソコンを70%として68,600円。4つ目は按分のメモに書く5つで、費用と割合、使った物差し、数字の出どころ、一緒に残すもの、見直した日。
家の費用を仕事と暮らしに分ける考え方と、物差しで割合を出す計算の例作成: 編集部 / 出典: 国税庁(決算のしかた・帳簿の記帳のしかた・タックスアンサー・所得税基本通達)、e-Gov法令検索

判断に迷う支出は、理由とセットで見る

家の費用のほかにも、経費にしてよいか判断のつきにくい支出があります。物差しはいつも同じで、その支出が副業の収入を得るのに必要だったか、それをどこまで説明できるかです。だから「この費用なら必ず経費」と言い切れるものは、実はあまりありません。

支出 考え方 残しておくもの
打ち合わせや取材の交通費 仕事のための移動なら業務の費用。私用の外出と重なった日は、仕事の区間だけにする 日付、区間、金額、用件の記録
資料にする本や講座 副業の中身に直接つながるものは説明しやすい。趣味の本とは分けておく レシートと、何の仕事に使ったかのメモ
取引先との打ち合わせの飲食 仕事の話をした席かどうかで分かれる。友人や家族との食事は家事上の費用 領収書と、相手の名前と用件のメモ
副業で使うソフトやサービス 仕事だけに使うなら全額。私用にも使うなら、使った時間などで分ける 利用明細や請求のメール
仕事用に買った服 普段にも着られるものは、手引きが家事上の費用に挙げる衣料費に近い 経費に入れないのが無難

飲食の行では、記録がいちばん物を言います。同じ店で同じ金額を払っても、誰と何の話をしたかで扱いが変わるからです。受け取ったその日のうちに領収書の裏へ相手と用件を書いておけば、12月に見返しても思い出す手間がいりません。

パソコンは、金額の線で経費にする年が変わる

パソコンやタブレットのように長く使うものは、買った金額によって、経費にするタイミングが変わります。分かれ目は10万円と20万円です。

取得価額 経費にする方法
10万円未満 仕事に使い始めた年に、全額を経費にする7
10万円以上20万円未満 選べば、3年に分けて3分の1ずつ経費にできる8
20万円以上 耐用年数に分けて経費にする。パソコンは4年9
青色申告で10万円以上40万円未満 一定の要件のもとで、年300万円までなら使い始めた年に全額を経費にできる。2026年3月31日までに取得したものは30万円未満10

なお、3年に分ける方法を選ぶときは、申告書に計算の書類を付けます。

意外なのは、金額を税込と税抜のどちらで見るかです。国税庁によると、どちらで見るかは本人の経理方式で決まり、消費税の免税事業者は税込で判定します。11つまり免税事業者なら、税抜で9万円台でも、税込で10万円を超えるパソコンは10万円未満に入りません。

12月の買い物では、使い始めた年も見落とせません。10万円未満のものを全額経費にできる年は、仕事に使い始めた年。12月に買っても、仕事で使い始めるのが1月なら、来年の経費になります。74年に分けるパソコンも、使い始めた年は使った月数の分しか経費にできません。12

仕事と私用の両方に使うなら、どの方法でも、出した額に仕事の割合を掛けます。帳簿の手引きでも、固定資産台帳の記載例に「事業専用割合」の欄があります。6減価償却の考え方は、減価償却とはで図にしています。

領収書は、受け取ったときの形で残す

割合を決めたら、次は裏付けになる領収書です。残し方は紙で受け取ったか、データで受け取ったかで変わります。

その前に、何年残すかを見ておきます。

申告のしかた 帳簿 領収書
事業所得(白色申告) 7年 5年
事業所得(青色申告) 7年 7年(前々年の所得が300万円以下なら5年)
雑所得(前々年の収入が300万円超) 決まりはない 5年
雑所得(前々年の収入が300万円以下) 決まりはない 決まりはない

数え始めは、受け取った年の翌年3月16日です。2026年に受け取った領収書を5年残すなら、2032年3月15日まで。13雑所得で決まりがない人も、申告書に書いた経費の裏付けになるので、同じように残しておくと安心です。

紙の領収書やレシートは、紙のまま残します。国税庁も決算の手引きで、取引の種類ごとに日付順で整理しておくよう勧めています。14スマホで撮って紙を捨てる方法はスキャナ保存といい、別に保存の要件があります。15

データで受け取った領収書は、データのまま。メールに添付された領収書や、通販サイトからダウンロードした領収書のやり取りは「電子取引」にあたります。事業所得の人と、雑所得で前々年の収入が300万円を超える人には保存の義務があり、データを紙に印刷して代えることはできません。16画面に表示されるだけの領収書なら、スクリーンショットを保存してもかまいません。17

保存に特別なソフトは要りません。国税庁の一問一答には、パソコンだけで保存する個人事業主向けに、次の方法が載っています。18

  1. ファイル名を「20261205_〇〇書店_1980」のように、日付と相手、金額でそろえる
  2. 取引先ごとや月ごとのフォルダに分けて入れる
  3. データを訂正したり削除したりしない決まりを、事務処理規程として作って手元に置く

規程のひな形も、同じ一問一答に個人事業者の例として載っています。また、前々年の売上が5,000万円以下で、税務署の求めに応じてデータを出せるようにしておけば、1のファイル名のような検索の工夫までは求められません。18それでも、日付と金額が名前で分かると、年明けに探す時間はかなり減るはずです。データの残し方は、電子帳簿保存法とはで詳しく取り上げました。

領収書の残し方を4つの区画にまとめた図。1つ目は保存の年数で、事業所得の白色申告は帳簿7年・領収書5年、青色申告は帳簿7年・領収書7年(前々年の所得が300万円以下なら5年)、雑所得で前々年の収入が300万円超なら帳簿の決まりはなく領収書5年、300万円以下ならどちらも決まりはないが申告の裏付けに残しておく。数え始めは受け取った年の翌年3月16日で、2026年の領収書を5年残すなら2032年3月15日まで。2つ目は紙で受け取ったときで、紙のまま残し、種類別に日付順に整理する。撮って紙を捨てるスキャナ保存には別に要件がある。3つ目はデータで受け取ったときで、メールに添付された領収書、通販サイトからダウンロードした領収書、画面に表示される領収書は電子取引にあたり、事業所得の人と前々年の雑所得の収入が300万円を超える人はデータのまま残す。画面だけの領収書はスクリーンショットでもよい。4つ目はソフトなしでできる保存で、ファイル名を日付と相手と金額でそろえる(例 20261205_〇〇書店_1980)、取引先ごとか月ごとのフォルダに分ける、訂正や削除をしない事務処理規程を作る。前々年の売上が5,000万円以下で求めに応じてデータを出せれば検索の工夫までは求められない。
領収書を何年残すかと、紙とデータそれぞれの残し方作成: 編集部 / 出典: 国税庁(タックスアンサー・決算のしかた・電子帳簿保存法一問一答)

年内に済ませる、按分と領収書の段取り

1年分の明細と領収書を12月のうちに一度まとめておくと、年明けは割合を掛けて合計を出すだけになります。帳簿をつけている人は、12月31日の日付で、家事分を差し引く行を書き足します。6

按分のメモは、申告書の数字の出どころになる

12月に作った按分のメモが、確定申告で経費の欄に入れる数字の出どころです。1年分の明細を合計して割合を掛ければ、家賃や電気代の経費がそのまま出てきます。

もし税務署から割合の理由を聞かれても、メモと間取り図、明細の束を出せば、どう出した数字かを話せるでしょう。来年の12月は今年のメモを開き、部屋や時間の使い方が変わったところだけを書き直せば足ります。

この記事の扱いは令和8年分のもので、所得税法と施行令(e-Gov法令検索)、国税庁のタックスアンサーや通達、手引き、電子帳簿保存法一問一答をもとにしています。確認日は2026年10月27日です。自分の支出が経費になるか迷うときは、所轄の税務署か税理士に相談すると確実です。

注

  1. 所得税法第37条第1項、国税庁タックスアンサーNo.2210 ↩

  2. 国税庁「決算のしかた(白色申告者)」決算のための帳簿の整理(必要経費) ↩ ↩2

  3. 所得税法第45条第1項第1号、同施行令第96条、国税庁タックスアンサーNo.2210 ↩

  4. 所得税法施行令第96条第1号・第2号、所得税基本通達45-1・45-2 ↩ ↩2

  5. 国税庁タックスアンサーNo.2210 ↩ ↩2

  6. 国税庁「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」経費帳と固定資産台帳の記載例 ↩ ↩2 ↩3

  7. 所得税法施行令第138条、国税庁タックスアンサーNo.2100 ↩ ↩2

  8. 所得税法施行令第139条、国税庁タックスアンサーNo.2100 ↩

  9. 減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一、国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」 ↩

  10. 租税特別措置法第28条の2、国税庁タックスアンサーNo.2100 ↩

  11. 国税庁タックスアンサーNo.2100 ↩

  12. 所得税法施行令第132条 ↩

  13. 国税庁タックスアンサーNo.2080・No.2070・No.1500、電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問17 ↩

  14. 国税庁「決算のしかた(白色申告者)」帳簿・書類の保存 ↩

  15. 電子帳簿保存法第4条第3項、電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問1 ↩

  16. 電子帳簿保存法第2条第5号・第7条、電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問2・問19・問90 ↩

  17. 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問36 ↩

  18. 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問19・問33 ↩ ↩2

出典・参考

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執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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