本文へ移動
ベンチャー・スピリット!VENTURE SPIRIT

ライフハックLIFE HACK

オフィスの乾燥対策 のどと目を守る席の工夫と湿度40%の伝え方

冬のオフィスは暖房で空気が乾き、湿度が規則の下限の40%を割る日も珍しくありません。のどと目を守る席の工夫と、測った数字で総務に加湿を頼む文例があれば、今日から動けます。

公開 更新 約7分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
文字
オフィスの乾燥対策 のどと目を守る席の工夫と湿度40%の伝え方

この記事でわかること

  • 冬のオフィスは乾きやすく、2013年の立入検査では大きなビルの約5割が湿度の基準外。
  • 卓上の加湿器は毎日水を替えてタンクを洗い、換気のスイッチは切らずに使う。
  • 目が乾くなら、画面の高さと、顔に当たる空調の風を先に見直す。
  • 総務には、3日分の湿度と時刻の記録を添え、規則の40%にふれて頼むのが近道。
対象新人・若手

オフィスの湿度が40%を切っているなら、加湿を会社に頼んでかまいません。空調のある事務所は湿度を40%以上70%以下にするよう努める、と事務所衛生基準規則という省令に書かれているからです。1

とはいえ、のどが少しイガイガするくらいで総務に声をかけるのは、気が引けますよね。席でできることを先に済ませ、測った数字を持って相談する。この順番なら、話はずっと早く進みます。

湿度は、ビルの検査でいちばん引っかかる項目

保健所などが大きなビルに立ち入って空気を測ると、基準を満たさない項目でいちばん多いのが湿度です。厚生労働省の研修会で示された資料によると、2013年に基準を満たさなかった割合は、湿度で約5割。温度の約2割、二酸化炭素の約3割より多い数字でした。2

割合が高くなるのは主に冬で、省エネで暖房の設定温度が下がり、気化式の加湿器が効きにくくなったことが、理由として指摘されました。32021年に国の検討会がまとめた報告書でも、オフィスビル46件を調べた結果、冬の湿度はビルの大きさを問わず40%を下回っていました。2023年の研修会の資料にも「冬季の湿度は大半が管理基準値を満たしておらず、依然として課題である」の一文。4

40%という下限にはわけがあります。冬に湿度が低いと、気道の粘膜が乾いて細菌から体を守る働きが弱まり、インフルエンザウイルスも長く生き残ります。下限を40%にしたのはそのためだと、検討会の報告書にあります。5

予防のための数字は、もう少し高めです。感染症について厚生労働省がまとめたQ&Aには、乾燥しやすい室内では加湿器などで湿度を50〜60%に保つことも効果的、とあります。62つの数字の違いは、冬の体調管理の記事で取り上げました。

のどのために、席でできること

明るいオフィスの給湯室で、紺のカーディガンを着た20代後半の女性が、流しの蛇口の下で小さな卓上加湿器の白い水タンクをすすいでいる。調理台には加湿器の本体とたたんだタオルが置かれ、窓辺には観葉植物がある。
卓上の加湿器は、毎日水を入れ替えてタンクを洗うイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

まず、机の上に小さな湿度計を置いてみてください。環境省のウォームビズの案内にも、温度計と湿度計を近くに置いて部屋の様子を「見える化」する工夫が載っています。7のどが乾くと感じた時刻に数字を見ておけば、気のせいかどうかが分かります。

湿度が低いと、鼻やのど、気管の粘膜にある繊毛の働きが弱まる。東京都健康安全研究センターの説明です。8席に加湿器を置ける職場なら使いたいところですが、その前に手入れの決まりを押さえておきます。加湿器のタンクの中にはぬめりができやすく、レジオネラ属菌などの微生物が増えることがあるからです。9

換気のスイッチは切らずにおきます。冬の外の空気は乾いているので、換気をすると湿度は下がりやすくなります。それでも厚生労働省のQ&Aによれば、季節を問わず十分な換気が重要です。6

同じセンターも、個別に操作できる空調では利用者が換気のスイッチを切ってしまう例が多いと注意を促し、吹き出し口をふさがないよう呼びかけています。8乾燥が気になっても、換気は止めずに湿度を足す。順番はこちらです。

目の乾きには、画面の高さと風を見直す

夕方、目がしょぼしょぼする日はありませんか。厚生労働省が情報機器作業について示したガイドラインが、ドライアイを悪くするものとして挙げるのは、湿度の低下、目に直接当たる風、画面が高すぎて目を大きく開けること、画面を見つめてまばたきが減ること。コンタクトレンズを着けていることも入ります。10

裏を返せば、席で動かせるところはいくつもあります。

  1. 画面の上端を、目の高さと同じか少し下にする
  2. 空調の風が顔に当たるなら、吹き出し口の向きを総務に相談する
  3. 1時間に一度は画面から離れ、目を閉じたり遠くを眺めたりする

1つ目と3つ目はガイドラインにある目安です。11

目の乾きやごろごろする感じ、痛みが続くなら、眼科へ。ガイドラインも、こうした訴えには程度に応じて専門医の受診を勧めるよう、会社に求めています。10

肌のつっぱりやかゆみについては、職場でできる方法をまとめた公的な資料は、探した範囲では見つかりませんでした。かゆみや赤みが続くときは、皮膚科で自分に合う手入れを聞くのが近道です。

乾く冬の席で、のどと目のためにできることの図。上に湿度の物差しがあり、事務所の規則とビルの管理基準は相対湿度40〜70%、厚生労働省のQ&Aが予防のために保つ目安とするのは50〜60%。下の表は、乾くところ(のどと鼻、目、部屋全体)ごとに、今すぐ席でできること、1日のうちにすること、総務に頼むことを並べている。のどと鼻は、湿度が低いと粘膜の繊毛の働きが弱まる。今すぐは机の上に湿度計を置いて数字を見える化し、換気のスイッチは切らない。1日のうちに、卓上の加湿器は毎日水を全部替えてタンクを洗う(使ってよい職場なら。加熱式は感染源になる可能性が低い)。総務には部屋の加湿と、加湿器の置き場所と水替えの担当を頼む。目は、湿度の低下、直接の風、高い画面、まばたきの減少で乾きやすい。今すぐは画面の上端を目の高さか少し下にし、風が顔に当たるか確認する。1時間に一度は画面から離れ、目を閉じたり遠くを眺めたりする。総務には顔に当たる空調の風(吹き出し口の向き)を相談する。部屋全体は、冬は外の空気が乾き、換気で湿度が下がる。吹き出し口をふさがず、朝と午後の同じ時刻に湿度と室温を3日ほど書き留め、ビルの管理会社に冬の測定結果と加湿の運転を確認してもらう。受診の目安は、目の乾き、ごろごろ、痛みが続くなら眼科、のどの痛みや不調が長引くなら医療機関、肌のかゆみや赤みが続くなら皮膚科。まとめは、席でできるのは湿度の見える化、加湿器を清潔に保つこと、目を休めることまでで、部屋全体の湿度は会社とビルの受け持ちなので測った数字を添えて頼む。
のど、目、部屋全体ごとに、席ですぐできることと総務に頼むことを分けた作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省・東京都健康安全研究センター・環境省・e-Gov法令検索

部屋の湿度は、会社とビルの持ち主の受け持ち

部屋全体の湿度を整えるのは、本来は会社とビルの側の仕事です。決まりは2つあります。

1つは冒頭の事務所衛生基準規則で、空調のある事務所の湿度を40〜70%にするよう、会社に努めることを求めるもの。1もう1つは建築物衛生法です。事務所や店舗などに使う延べ面積3,000㎡以上のビルは「特定建築物」と呼ばれ、ビルの所有者などには、湿度40〜70%を含む管理基準に従って維持管理する義務があります。3,000㎡に満たなくても、多くの人が使う建物なら、同じ基準に従うのが所有者などの努力義務です。12

特定建築物では、空気の状態を2か月以内ごとに1回、階ごとに測り、記録を5年間残す決まりです。13テナントとして入っているオフィスなら、ビルの空調に加湿の仕組みが入っていることも多いでしょう。総務からビルの管理会社に、冬の測定結果を見せてもらえるか聞いてもらえば、自分の席の数字と見比べられます。会社が測るときの位置や測定器は、室温の基準の記事が詳しいです。

総務には、3日分の数字を持っていく

相談の材料は、自分の席で測った数字です。3日ほど、同じ時刻に湿度と室温を書き留め、のどや目がつらいと感じた時刻もメモしておきます。

日時(11月) 湿度 室温 メモ
17日(火)9時30分 42% 20度 暖房から30分
17日(火)15時 33% 23度 のどがイガイガ
18日(水)15時 35% 22度 目が乾く
19日(木)15時 31% 23度 加湿器の水切れ

表は記入例で、測った場所は自席の机の上。規則が決める測り方は部屋の中央なので、相談では「自席の机の上で」と添えておくと話がかみ合います。

頼みたいことを1つ添えると、総務も動きやすくなります。加湿器の置き場所と、毎日の水替えをだれが受け持つか。ビルの加湿の運転を、管理会社に確認するかどうか。暖房費を気にする会社には、湿度が高くなると体感温度が上がるという、ウォームビズの案内にある一文も話の材料になるでしょう。7

湿度を測って総務に伝えるまでの5つの段取りの図。題は「乾燥している」より「3日とも午後は30%台」。期間は3日ほど、測る場所は自席の机の上(規則の測り方は部屋の中央、床から75〜120cm)。段取りは、1 置く(机の上に湿度計を置き、場所を動かさない)、2 測る(朝と午後の同じ時刻に湿度と室温を見る)、3 書く(日時、湿度、室温と、のどや目がつらかった時刻をメモする)、4 伝える(総務へ。数字と規則の40%にふれ、頼みたいことを1つ添える)、5 つなぐ(総務からビルの管理会社へ。冬の測定結果と加湿の運転を確認してもらう)。記録の記入例は、11月17日(火)9時30分が湿度42%・室温20度・暖房から30分、17日(火)15時が33%・23度・のどがイガイガ、18日(水)15時が35%・22度・目が乾く、19日(木)15時が31%・23度・加湿器の水切れで、15時の3行は40%を下回っている。総務への伝え方は、測った数字、規則の数字(空調のある事務所は40〜70%に努める)、頼みたいこと1つの順。湿度の決まりは2つ。事務所衛生基準規則は会社(事業者)が守るもので、空調のある事務所で湿度40〜70%に努める努力義務、測る位置は部屋の中央の床から75〜120cm。建築物衛生法はビルの所有者などが守るもので、事務所などの延べ面積3,000平方メートル以上の特定建築物は湿度40〜70%を含む基準に従う義務があり、2か月以内ごとに1回、階ごとに測り、記録は5年保存。3,000平方メートル未満でも多くの人が使う建物は努力義務。
湿度を測って総務に伝えるまでの5つの段取りと、記録の記入例、湿度の2つの決まり作成: 編集部 / 出典: e-Gov法令検索(事務所衛生基準規則・建築物衛生法)

のどのイガイガを「なんとなく乾燥している」で終わらせず、「3日とも午後は30%台でした」と言えること。数字で伝えておけば、同じ部屋で冬を過ごす人たちの助けにもなります。

法令と数字は、e-Gov法令検索と厚生労働省などの公表資料によるもので、確認したのは2026年11月1日です。のどや目の不調が長引くときは、早めに医療機関へ。

注

  1. 事務所衛生基準規則第5条第3項 ↩ ↩2

  2. 厚生労働省「平成27年度生活衛生関係技術担当者研修会」資料「建築物衛生の動向と課題」(2016年2月5日)。特定建築物の立入検査の不適率 ↩

  3. 厚生労働省「令和3年度生活衛生関係技術担当者研修会」資料「建築物衛生の動向と課題」 ↩

  4. 厚生労働省「建築物衛生管理に関する検討会」報告書(2021年7月)、「令和4年度生活衛生関係技術担当者研修会」資料7(2023年2月10日) ↩

  5. 「建築物衛生管理に関する検討会」報告書。厚生労働省(2001年)の説明として紹介されている ↩

  6. 厚生労働省「令和8年度冬季 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」令和8年9月30日版、Q14 ↩ ↩2

  7. 環境省「ウォームビズ(WARMBIZ)とは」 ↩ ↩2

  8. 東京都健康安全研究センター「ビル利用者のインフルエンザの予防について」2023年7月5日更新 ↩ ↩2

  9. 厚生労働省「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」第五。加湿の方式による違いは、厚生労働省「レジオネラ症」のQ&A Q5 ↩

  10. 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」の解説「7 健康管理」(1)イd ↩ ↩2

  11. 同ガイドラインの5(2)ロ(ロ)と5(1)ロ。作業休止の過ごし方は解説「5 作業管理」(1)ロ ↩

  12. 建築物における衛生的環境の確保に関する法律第2条・第4条、同施行令第1条・第2条 ↩

  13. 建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則第3条の2・第20条 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

役に立ったら、保存・いいね・共有をお願いします

コメントを読み込んでいます