任意参加の忘年会なら、欠席を失礼とする決まりはありません。出るか出ないかは、自分で決めてかまわないのです。
角が立つかどうかを分けるのは、断ったことそのものより、伝え方のほうでしょう。気をつけたいのは、伝える時期と、伝える順番、理由の言い方の3つだけです。
欠席の返事は、早いほど幹事が助かる
幹事は、集まった返事の数で、店に人数を伝えます。人数を確定したあとに欠席が出ると、店によってはキャンセル料がかかります。確定の日や料金は、幹事が予約のときに店と決めるものです。幹事の側の段取りは、忘年会の幹事がやることにまとめています。
だから、欠席と決まったら、締め切りを待たずに返事をするのが、いちばんの気づかいです。迷っているうちに締め切りが来たら、その日のうちに決めて返事をしましょう。返事がないまま当日になると、幹事は席を空けて待つことになります。
伝え方は、時期によって少しずつ変わります。
案内が届いてから締め切りまでなら、案内に書かれた方法で返事をすれば足ります。チャットのスレッドでも、出欠表でもかまいません。お礼と「欠席します」の一言で十分です。
締め切りのあとに予定が変わったときは、出欠表を書き換えるだけで済ませず、幹事に直接知らせます。幹事が書き換えに気づかないまま、店に人数を伝えてしまうことがあるからです。
人数を確定したあとや、前日と当日。この時期は、電話か、すぐに読まれるチャットで伝えます。お詫びに加えて、キャンセル料がかかっていたら自分の分を払うつもりだと、こちらから言っておくと、幹事は立て替えの心配をせずに済みます。
欠席を伝える時期ごとの伝え方と、上司と幹事に伝える順番作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省
伝える順番は、上司が先で、幹事があと
部署の会なら、幹事に返事をする前に上司へ一言イラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
部署の忘年会で上司も出るなら、先に上司へ一言伝えておくと安心です。幹事がまとめた出欠の一覧を見て、上司が初めて欠席を知る。それより、本人の口から聞いたほうが、上司も受け止めやすいですよね。
一言は、席を立ったついでの10秒で足ります。「18日の忘年会ですが、家の用事で欠席します。せっかくなのにすみません」。そのあとで、案内に書かれた方法で幹事に返事をします。
会社全体の大きな会なら、返事は幹事にだけで足りるでしょう。直属の上司には、顔を合わせたときに触れておく程度で十分です。上司が幹事を兼ねている会や、上司が主催する会なら、上司に直接伝えるのが先になります。
どの順番がしっくりくるかは、職場の慣習で違います。前の年に欠席した先輩がどう伝えていたか、さりげなく聞いてみるのもひとつの手です。
理由は、言える範囲の本当のことを短く
欠席の理由は、細かく話さなくてかまいません。「家の用事で」「前からの約束があって」で、たいていは通じます。
どこまで話すかも、自分で決めていいのです。育児や介護、通院のことは、職場では話したくない人もいるでしょう。「家庭の事情で」で止めて、聞かれてもそれ以上は答えなくてかまいません。
ただ、作った理由はおすすめしません。年明けに「旅行はどうだった?」と聞かれて、話を合わせ続けるのは、思った以上に気を使います。言える範囲の本当のことを短く言うほうが、あとが楽なのです。
理由ごとの言い方の例を並べます。右の列は、聞かれても答えなくてよいことです。
| 理由 |
言い方の例 |
言わなくていいこと |
| 先約 |
前からの約束があり |
誰と、何の約束か |
| 家庭の事情 |
家の用事で、家庭の都合で |
育児や介護の中身 |
| 体調 |
体調を整えたいので |
病名や通院の予定 |
| お酒が飲めない |
お酒が飲めないので |
体質のくわしい説明 |
| 言いたくない |
都合がつかず |
何の都合か |
お酒が理由なら、出て飲まない選び方もある
お酒が理由で迷っているなら、欠席のほかに、出て飲まないという選び方もあります。厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」は、他人に無理な飲酒を勧めることは避けるべきだ、としています。1乾杯の一杯をウーロン茶にしても、かまいません。
お酒に弱いのは、体質の場合もあります。同じガイドラインによると、アルコールを分解する酵素のはたらきが弱く、飲むと顔が赤くなったり動悸がしたりする人は、日本では41%程度いると言われています。2「体質で飲めないので」の一言は、十分な理由になります。
「欠席させていただきます」は使っていいの?
メールを書きながら、「欠席させていただきます」にするか「欠席いたします」にするか、手が止まることはありませんか。
文化庁の「敬語の指針」では、「(さ)せていただく」は、相手の許しを受けて行い、そのことで恩恵を受ける場合に使う形とされています。3店の張り紙の「本日、休業させていただきます」を例に、許しを受けるという条件がなければ「休業いたします」のほうが良い、とも書かれています。
忘年会に当てはめてみましょう。上司から出席を求められていて、了承をもらって休むなら、「欠席させていただきます」が自然です。任意参加の会への返事なら、「欠席いたします」で十分に丁寧。迷ったときは、短いほうを選べば大丈夫です。
そのまま使える例文
例文は、2026年12月18日(金)の部署の忘年会を想定しています。どれも、呼びかけとお礼、理由と欠席の結論、お詫びか気づかい、結びの一言の順に並べました。名前と日付、理由を自分の場合に入れ替えて使ってください。断りのメール全般の組み立ては、断りメールの書き方にあります。
締め切り前に、幹事へチャットで
ほかの部署の幹事へ、メールで
会社全体の会で、幹事とふだん話す機会が少ないときは、メールで名乗りから書きます。
上司へ、チャットで一言
口頭で伝える時間がとれないときは、チャットで。幹事に返事をすることまで書いておくと、上司は何もしなくて済みます。
締め切りのあとに、欠席に変わったとき
当日、体調をくずしたとき
当日のチャットは、会が始まるまで読まれないことがあります。まず電話をかけて、つながらなければチャットにも残しておきます。
遅れて着く、途中で帰るとき
欠席でなくても、着く時間が遅れるなら、幹事に先に伝えます。料理や席の数に関わるからです。途中で帰るときも、前もって一言あれば、幹事は締めの挨拶の時間を決めやすくなります。
欠席の例文の4つの部品と、理由ごとの言い方、敬語とお酒の考え方作成: 編集部 / 出典: 文化庁・厚生労働省
業務として出るよう言われたら
「全員参加で」と言われると、断れない気がしますよね。ここは、会が任意参加なのか、業務として出るよう指示されたものなのかで、考え方が変わります。
厚生労働省のガイドラインは、労働時間を、使用者の指揮命令下に置かれている時間としています。4あたるかどうかは、会社の規則にどう書いてあるかでは決まりません。参加が義務づけられていたか、出ざるをえない状況だったかなどから、一つひとつ判断します。忘年会について書いた決まりではありませんが、「業務として出るように」と言われた会は、任意の会とは分けて考えたほうがよさそうです。
業務として出る会に事情で行けないときは、まず上司に事情を話して相談します。勤務時間の扱いに疑問が残るなら、人事や総務に聞いてみてください。
総務や幹事の側にいる人は、案内に「参加は自由です」と一言書いておくだけで、断る人が返事をしやすくなります。
欠席を伝えたあとに、やること
返事をしたら終わり、ではありません。次の4つまで済ませておくと安心です。
- 出欠表やスレッドで、自分の欠席が反映されたか見ておく
- キャンセル料がかかったと聞いたら、自分の分を払う
- 会の翌日、幹事に「準備をありがとうございました」と一言送る
- 会で決まった年末年始の予定や当番があれば、翌日に誰かに聞いておく
4つ目は見落としがちです。忘年会の席で、仕事納めの段取りや年明けの当番が決まることもあるからです。
早めに、短く、本当のことを。この3つがそろった断りは、幹事の手間をぐっと減らします。いつか自分が幹事を頼まれたときにも、どんな返事が助かるのか、もう分かっているはずです。
厚生労働省の飲酒と労働時間のガイドライン、文化庁の敬語の指針は、2026年10月29日に確認しました。欠席の伝え方の順番や言い方は慣習で、職場によって違います。