年賀状の名簿を開いて、送り先の数と印刷の費用を見比べたとき、来年からやめようかという話が社内で出ることがあります。年賀状じまいです。やめること自体に決まった手続きはありませんが、取引先にどう伝えるかで、受け取る側の印象は変わります。
知らせ方は、主に3つあります。最後の年賀状に一文を添えるか、12月にメールや挨拶状で知らせるか、年が明けてから寒中見舞いで知らせるか。それぞれの時期と文例を、やめる前に社内で決めておくことと一緒に並べます。
やめる前に、社内で決めておく4つ
年賀状じまいは、これまでのお礼を伝える区切りの挨拶イラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
取引先に知らせる前に、社内で次の4つを決めます。ここが決まっていないと、営業の担当者がばらばらに説明したり、届いた年賀状への返事で迷ったりします。
| 決めること |
選び方の例 |
| どこまでやめるか |
すべての取引先か、一部(個人あて・特定の業種)を残すか |
| いつからやめるか |
今年の年賀状を最後にするか、今年からもう出さないか |
| 代わりの挨拶 |
年始のメール、挨拶回り、何もしない |
| 届いた年賀状への返事 |
返礼の年賀状は出さず、メールでお礼を伝えるなど |
やめるかどうかを話し合うときは、手間と費用を数字で出しておくと決めやすくなります。2027年用の年賀はがきは、無地のもので1枚85円です。1送り先が300件なら、はがき代だけで2万5,500円。そこに印刷代と、宛名の確認や投函にかかる時間が加わります。
決めた内容は、営業の担当者にも同じ言葉で伝えておきましょう。取引先から「年賀状、届いていませんでしたが」と聞かれたときに、誰が答えても同じ説明ができます。
知らせる時期は3通り
年賀状じまいを知らせる3つの時期(2026年11月〜2027年2月)作成: 編集部 / 出典: 日本郵便・国立天文台
どの方法を選んでも失礼にはあたりませんが、届く時期と相手の受け止め方に違いがあります。
| 知らせ方 |
届く時期 |
向いている場面 |
| 最後の年賀状に一文を添える |
元日(2027年用は12月27日までに投函) |
今年の年賀状は出す。お礼と一緒に区切りを伝えたい |
| 12月にメールか挨拶状で知らせる |
12月中 |
今年から出さない。相手が年賀状を書く前に伝えたい |
| 寒中見舞いで知らせる |
松の内が明けてから2月3日まで |
年賀状を出さなかった。届いた年賀状へのお礼も兼ねたい |
最後の年賀状で知らせる場合、2027年用の年賀状の受け付けは12月20日から始まり、元日に届けるには12月27日までに出すよう日本郵便が案内しています。2
12月の連絡は、相手が年賀状を書き始める前に届けると親切です。年賀はがきの販売は11月2日に始まっているので、早めに決まったなら12月の上旬までに送ると、相手の手間を減らせます。2
寒中見舞いは、松の内が明けてから立春の前までに届くように出すのが一般的です。2027年の立春は2月4日です。3
そのまま使える文例
文例の〇〇は、会社名や名前に置き換えてください。どの文例にも、これまでのお礼と、付き合いはこれからも続けたいという言葉を入れています。
メールで一斉に送るなら、取引先のアドレスはBCCの欄に入れます。宛先の欄に並べると、ほかの取引先にアドレスが見えてしまいます。
年賀状じまいの文面の組み立てと、入れたい言葉・避けたい言葉作成: 編集部 / 出典: 日本郵便「お手紙文例集」
文面で気をつけること
年賀状じまいの知らせは、相手に何かを断る手紙に見えやすいものです。次の点に気をつけると、区切りの挨拶として受け取ってもらえます。
- お礼を先に書く。やめることより前に、これまでの付き合いへの感謝を置く
- 付き合いは続けたいと書く。「今後とも」「変わらぬお付き合いを」で結ぶ
- 理由は書かなくてもよい。書くなら「業務の見直しにより」程度に短く
- 相手に年賀状を送らないよう求める言葉は入れない。「お送りいただかなくて結構です」は冷たく響く
- 個人あての付き合いが深い相手には、担当者が手書きやメールでひとこと添える
日本郵便の企業からの年賀状の文例も、日ごろのお礼とこれからのお願いで組み立てられています。4年賀状じまいの知らせも、この2つを外さなければ、ふだんの挨拶状と同じ形で書けます。
会社名義の知らせに、担当者がひとこと添えるなら、相手との仕事に結びついた短い言葉にします。
- 「〇〇の件では大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします」
- 「年賀状は控えますが、新年にはあらためてご挨拶に伺います」
- 「今後はメールで近況をお知らせいたします」
やめたあとの年始の挨拶
年賀状をやめても、年始の挨拶そのものをやめるわけではありません。年始のメールや挨拶回りで「本年もよろしくお願いいたします」と伝えれば、関係は変わりません。年末年始のメールの文例は年末年始の挨拶メールの例文に、年賀状を続ける場合の段取りは年賀状のビジネスマナーにまとめています。
年賀状をやめたあとも、取引先から年賀状が届くことはあります。返礼の年賀状を出さないと決めたなら、年始のメールでお礼を伝えるか、松の内が明けてから寒中見舞いを送ります。
取引先から年賀状じまいの知らせが届いたら
反対に、取引先から年賀状じまいの知らせを受け取ることもあります。知らせは返事を求めるものではないので、返信は要りません。宛名リストに「年賀状じまい」と届いた日を書き込み、翌年の名簿から外すかを決めます。
相手が年賀状をやめても、こちらから送ってはいけないわけではありません。ただ、相手は返礼の年賀状を出さないと決めていることが多いので、年始のメールで「本年もよろしくお願いいたします」と伝えるほうが、相手の負担になりません。名簿の欄は、喪中の記録と同じ表に並べておくと、年賀状の印刷の前に1回で絞り込めます。喪中の扱いは喪中はがきを受け取ったらにまとめています。
知らせる前に確認すること
一度決めて知らせれば、翌年からは年末に名簿を作り直す仕事がなくなります。浮いた時間で、年始のメールの文面を相手ごとに少し整えるほうが、関係を保つには役に立つかもしれません。
この記事の日付は、日本郵便の2027年用年賀はがきの発表と国立天文台の暦要項によるもので、2026年10月27日に確認しました。知らせ方と文面は一般的な例で、法律や公的な決まりではありません。