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ChatGPTで資料の構成案を作る 頼み方と自分の資料に直す手順

資料の白紙で手が止まる日は、読み手が読んだあとに何を決めるのかを1行書いてから、ChatGPTに構成案を頼みます。そのまま写せる頼み方と、返ってきた案を自分の資料に直す5つの手順で、上司に出せる形まで進めます。

文字
ChatGPTで資料の構成案を作る 頼み方と自分の資料に直す手順

この記事でわかること

  • 頼む前に決めるのは1行。だれが読み、読んだあとに何を決めてもらう資料か。
  • 直す順番は、章を削る、見出しを文にする、並べ替える、事実で埋める、質問を足す。
  • 別の案を3つと、反対する人の質問も頼む。答えられない質問が次に集める材料になる。
  • 案の中の数字と制度名は事実と思わない。法令や公式の案内で確認してから残す。
対象総務人事経理実務

「来週の会議までに、資料を1本お願い」。頼まれてパソコンを開いたのに、夕方になっても白紙のまま。そんな日はありませんか。

最初の骨組みなら、ChatGPTに頼んでかまいません。ただ、題だけを渡しても、どの会社にも使えそうな目次が返ってくるでしょう。読み手が読んだあとに何を決めるのかを書き添えて頼み、返ってきた案を5つの手順で直す。そこまでして、ようやく自分の資料になります。

空欄のまま頼むと、案も一般論になる

明るい会議室の長い木のテーブルで、くすんだローズ色のブラウスと紺のスカートの30代前半の女性が、白紙のカードを縦1列に並べている。片手で1枚を列の先頭に置いている。テーブルの左には白紙のカードがばらばらに5枚あり、2枚はさらに手前の端に寄せられている。右には閉じたノートパソコンとコーヒーのカップ、奥には観葉植物と紺の椅子がある。
散らばった章の案から、決めることに要る順に並べ直すイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

「業者の見直しの資料の構成案を作って」。この一言でAIに伝わるのは題だけです。だれが読むのか、いくらの話なのか、その場で何を決めるのかは分かりません。空欄を埋めようとすれば、どの資料にも当てはまる「現状と課題」「メリット」「まとめ」が並びやすくなるはずです。

OpenAIが法人の利用者向けに公開しているプロンプトの手引きでは、頼むことを、入ったばかりのインターンへの引き継ぎにたとえています。長く働く同僚のように、足りない事情を補うことはできないからです。うまくいかない原因も単純で、読み手や形式、判断の基準を伝えていないことが多いそうです。1

だから、頼む前に4つだけメモしておきます。

場面 読むのは 読んだあとに決めること 時間と枚数 手元の材料
新しい制度の社内説明 全社員 自分が対象か、いつまでに何を出すか 説明10分、A4で1枚 規程の案、申請書、公式の案内
業者の見直しの稟議 部長と経理課長 今の業者を替えるかどうか A4で2枚 見積書3社分、故障の記録、今の契約書
月次の報告 部長 来月の人の配置を変えるかどうか 会議で5分、A4で1枚 今月の表、去年の同じ月の表、現場で聞いた話

見てほしいのは「決めること」の列です。ここが「説明する」「共有する」のままだと、どの章を残せばいいのか判断できません。決めることが何もない月の報告なら、そう分かるだけで長い説明を省けます。

枚数を先に決めておくと、章を削るときの物差しになります。文化審議会の「公用文作成の考え方」は国の文書向けの資料ですが、書き始める前に目的と読み手を整理し、何ページにするかを決めるよう勧めていて、社内の資料にも使えそうです。2

頼み方は、この6行を写して書き換える

〈〉の中を表のメモに入れ替えれば、そのまま使えます。特定のサービスの機能は使わない文なので、ほかの生成AIにも同じように渡せます。

書き換えるのは前の4行だけ。後ろの2行は毎回同じで大丈夫です。

「その章で答える問い」を書いてもらうと、あとで章を削るときに「部長はこの問いを気にするだろうか」と考えられます。「要確認」の行は、もっともらしい数字が紛れ込まないようにするためのもの。OpenAIの手引きにも、確かでないものに印を付けてもらう方法や、足りない情報を推測で埋めないよう伝える例があります。1

本文を断るのは、1回に頼むことを絞るためです。同じ手引きによると、頼むことを増やすほど、1つあたりの答えは薄くなります。1骨組みが決まる前に本文まで届くと、読むだけで疲れてしまいますよね。

返ってきた案を直す5つの手順

コピー機の保守業者を見直す稟議で、「はじめに、現状と課題、業者の比較、市場の動向、導入のメリット、今後のスケジュール、まとめ」の7章が返ってきたとしましょう。文例もこの案も編集部が作ったもので、AIが実際に返した文面ではありません。数字もすべて架空です。

間違いではありません。でも、部長はこの7章から、業者を替えるかどうかを決められるでしょうか。直す順番は次の5つです。

  1. 読み手の決めることに関係のない章を削る
  2. 残した見出しを、結論の文に書き換える
  3. 決める人が知りたい順に並べ替える
  4. 数字と事実を、自分の材料で埋める
  5. 上司に聞かれそうなことを足す

削るときの問いは1つです。その章がなくても、部長は決められるか。市場の動向を読まなくても、保守業者を替えるかどうかは決められます。「はじめに」と「まとめ」も、結論を先に書けば出番がありません。

次に、残った見出しを言い切りの文にします。「業者の比較」だと中を読むまで何も分かりませんが、「C社は最も安いものの、駆け付けが週3日のため外しました」なら見出しだけで話が通じます。公用文作成の考え方にも、見出しだけを読めば内容と流れがおおよそつかめるようにするとよい、とあります。3

並べ替えは、決める人が知りたい順で。同じ資料には、結論はできれば最初の段落で示し、次の段落から理由や根拠を説明する、という順番も出てきます。2稟議なら、先頭は承認のお願いです。

埋める段階で、案の様子が変わることもあります。見積書を開いたら、差額が思ったより小さかった。そんなときは数字だけでなく、結論の文も書き換えます。埋まらない見出しは材料を取りに行くか、外すかのどちらかです。

最後に、上司の顔を思い浮かべて質問を足します。「なぜ今なの?」「ほかの会社は見たの?」「切り替えのあいだ、コピー機は止まるの?」。抜けがないかは、稟議書の8項目と見比べると分かります。

直す前と後を並べると、こうなります。

もとの順 直す前の章 直した後の見出し(この順に並べた)
7 まとめ 保守業者をA社からB社に替えることを承認してください
5 導入のメリット B社に替えると、年間の保守費用は84万円から72万円に減ります
2 現状と課題 故障の駆け付けは、翌営業日から当日に早まります
3 業者の比較 C社は最も安いものの、駆け付けが週3日のため外しました
6 今後のスケジュール 今の契約は3月末で満了し、解約の連絡は12月末が期限です
なし 足した 切り替えの日も、コピー機は止まりません
1と4 はじめに、市場の動向 削った

左の列の番号を見ると、もとの順番のまま残った章は1つもありません。AIの案は材料として使い、順番は自分で決めた結果です。

コピー機の保守業者を見直す稟議を例に、構成案を直す前と後を線で結んだ図。読み手は部長と経理課長で、決めることは業者を替えるかどうか。案、見出し、数字は編集部が作った架空のもので、AIの実際の出力ではない。直す前は、1はじめに、2現状と課題、3業者の比較、4市場の動向、5導入のメリット、6今後のスケジュール、7まとめの7章で、1と4は削る。直した後は、1保守業者をA社からB社に替えることを承認してください(もとは7まとめ)、2 B社に替えると、年間の保守費用は84万円から72万円に減ります(もとは5導入のメリット。見積書から)、3故障の駆け付けは、翌営業日から当日に早まります(もとは2現状と課題。故障の記録と見積書から)、4 C社は最も安いものの、駆け付けが週3日のため外しました(もとは3業者の比較。選ばなかった理由も書く)、5今の契約は3月末で満了し、解約の連絡は12月末が期限です(もとは6今後のスケジュール。なぜ今かの答え)、6切り替えの日も、コピー機は止まりません(聞かれそうなことを足した)。下に5つの手順。1削る(その章がなくても、読み手は決められるか)、2文にする(見出しだけを読んで、話が通じるか)、3並べ替える(結論が先頭で、理由と根拠があとにあるか)、4埋める(数字は自分の材料から取ったか。結論は変わらないか)、5足す(なぜ今、ほかは、に答えが書いてあるか)。まとめは、AIの案は材料で、残す章と順番は読み手の決めることから自分で決めること。
同じ稟議の構成案を直す前と後。削り、文にし、並べ替えて6行にした例作成: 編集部 / 出典: 文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」

残りの2つの場面に同じ手順を当てはめると、残る章はかなり違ってきます。

新しい制度の社内説明、業者の見直しの稟議、月次の報告の3つの場面を並べた図。例はどれも編集部が作ったもので、AIの実際の出力ではなく、〇の所は自分の材料で埋める。読むのは、全社員、部長と経理課長、部長。決めることは、自分が対象か、いつまでに何を出すか、今の業者を替えるかどうか、来月の人の配置を変えるかどうか。直した後の見出しは、制度の説明が、〇月から新しい休暇制度が使えます、対象は〇〇の人で〇〇の人は手続きが要りません、使う人は〇月〇日までに申請書を出します、休んだ日の給与は〇〇になります、困ったときの窓口は〇〇です。稟議が、A社からB社に替えることを承認してください、年間の保守費用は〇万円減ります、駆け付けは翌営業日から当日に早まります、C社は駆け付けの日数で外しました、解約の連絡の期限は〇月末です。月次が、今月は人の配置の判断をお願いします、売上は前年同月より〇%減りました、減った主な理由は〇〇です、残業は〇時間増え〇〇に偏っています、来月は〇〇を試します。削る章の例は、制度の背景、他社の動向、まとめ。はじめに、市場の動向、まとめ。はじめに、部署の紹介、全項目の一覧。聞かれそうなことは、パートも対象か、途中から使えるか、上司の承認は要るか。なぜ今か、ほかの会社は見たか、切り替えで止まらないか。前の月と比べるとどうか、一時的か続きそうか、打つ手は何か。まとめは、どの場面も1行目は読み手に決めてほしいことで、制度の説明では手続きが要らない人も先に書くこと。
3つの場面で、決めることから組み直した見出しの例と、削る章、聞かれそうなこと作成: 編集部 / 出典: 文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」

制度の説明で試してほしいのは、2行目に「手続きが要らない人」を書くことです。する必要のないことも示すと読み手の不安を軽くできる、という助言が公用文作成の考え方にもあります。2月次の報告なら、骨組みが決まったあとの説明文に数字の説明文の頼み方が使えます。

1回で終えず、直した案を貼って聞き直す

OpenAIの手引きにも、最初のプロンプトが完ぺきだとは思わないように、とあります。1おすすめは、自分で直した案を、業者名や金額を伏せて貼り、聞き直すこと。返ってくる答えも、自分の資料に沿ったものになるはずです。

「別の案を3つ」は手順に入る前、残りは直したあとに向いています。どの案を選ぶかは、最初のメモの「決めること」で判断できます。

反対する人の質問のうち、手元の材料で答えられないものは、次に集める材料の一覧になります。会議で初めて聞かれるより、ずっと気持ちが楽ですよね。

貼る前と使う前に、2つの線を引く

構成案の段階では、材料の中身を貼らなくても頼めます。文例に書いたのは「見積書3社分」という材料の名前だけで、金額も業者名も入っていません。会社の情報をどこまで入れてよいかは、社内のルールがあればそれが先です。線の引き方は、入力してよい情報の線引きに詳しく書きました。

もう1つは、案の中の数字や制度名を事実と思わないこと。個人情報保護委員会の注意喚起によると、生成AIの応答には不正確な内容が含まれることがあります。自然な文章でも、確率的な相関関係に基づいて作られているからです。4「法律で義務づけられています」「助成の上限は〇万円です」といった見出しは、法令や公式の案内で確認するまで残しません。

スライドまで作る機能が気になる人は、姉妹メディアTECHNOVAのChatGPT Slidesの記事をどうぞ。

白紙の前では、決めることを1行だけ

次に資料を頼まれたら、スライドを開く前に「読んだあとに何を決めてもらうか」を1行書いてみてください。書けなければ、頼んだ人に聞くことです。「この資料で、部長に何を決めてもらえばいいですか」と聞ければ、白紙で悩む時間はかなり減ると思います。

「なぜこの順番にしたの?」と聞かれて、「決めていただくのはこの1点なので、そこから書きました」と答えられる人に、次の大事な資料は回ってくるはずです。

OpenAIの手引き、公用文作成の考え方、個人情報保護委員会の注意喚起は、2026年10月31日に確認しました。

注

  1. OpenAI「ChatGPT Enterprise Prompting Guide」の1〜4章と6章(英語の資料を要約) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  2. 文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」(2022年1月7日)の解説Ⅲ-4、34ページ ↩ ↩2 ↩3

  3. 同じ資料の解説Ⅲ-2のエ、31ページ ↩

  4. 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)の(3)② ↩

出典・参考

この記事は、下の監修者が内容を確認しました()。

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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