本文へ移動
ベンチャー・スピリット!VENTURE SPIRIT

仕事の作法WORK PROTOCOL

引き継ぎ書の書き方 異動・退職のときに残す項目と後任への渡し方・期間

引き継ぎ書に書く項目(業務の一覧・頻度と時期・手順書の場所・関係者・システムと権限・ファイル・進行中の案件・注意点)、棚卸しから確認までの段取り、後任と一緒に進める期間の考え方、ひな形の表、パスワードと個人情報の扱いをまとめました。

公開 約8分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
コメント
文字
引き継ぎ書の書き方 異動・退職のときに残す項目と後任への渡し方・期間

この記事でわかること

  • 引き継ぎ書には業務の一覧・頻度と時期・手順書の場所・関係者・システムと権限・ファイル・進行中の案件・注意点を書く。
  • 段取りは棚卸し、書く、後任と一緒にやる、確認する。期間は日数でなく、仕事が一巡するかで決める。
  • 退職の申し出は民法627条、パスワードや個人情報の扱いは会社の決まりと情シスの管理に従う。
対象総務人事経理実務

異動や退職が決まると、まず頭に浮かぶのは「何を残せばいいのか」ではないでしょうか。引き継ぎ書は、後任が明日から迷わず動くための地図です。書き方や期間に公的な決まりはなく、会社ごとの慣習で進みます。この記事では、書く項目、段取り、渡し方を順に整理します。

引き継ぎ書とは何か 決まりはあるのか

引き継ぎ書は、自分の仕事を後任に渡すための書類です。業務の中身だけでなく、誰に聞くか、どこに何があるか、どこでつまずきやすいかを残します。

書き方に法律の決まりはありません。会社に様式があれば、それに従います。無いときは、上司と相談して形を決めます。

引き継ぎの期間も同じで、一般的には会社の決まりと上司の判断で決まります。次の節の項目と、後の節の考え方を、自分の職場に合わせて使ってください。

引き継ぎ書に書く項目の一覧

項目は大きく、仕事の中身・人とつながり・道具と置き場所・注意点の 4 つに分けると、抜けを防げます。

4つの区画。1 仕事の中身: 業務の一覧、頻度と時期、手順書の場所、進行中の案件。2 人とつながり: 関係者と連絡先、よくある問い合わせ、取引先への引き継ぎ。3 道具と置き場所: 使うシステムと権限(IDは書かない)、ファイルの場所、紙の書類・貸与品。4 注意点: 過去のつまずき、例外の扱い、書いてはいけないもの(パスワード・個人情報の中身)。
引き継ぎ書に書く項目の早見表。仕事・人・道具・注意点の4区画作成: 編集部 / もとの資料: 個人情報保護委員会 ガイドライン(通則編)

図の項目を表にすると、次のとおりです。

区画 項目 書くこと
仕事の中身 業務の一覧 業務の名前、目的、何の書類や結果ができるか
仕事の中身 頻度と時期 毎日・毎週・月末・年 1 回と、締切
仕事の中身 手順書の場所 手順書の置き場所。無ければ今回作る
仕事の中身 進行中の案件 いまの状況、次にやること、期限
人とつながり 関係者と連絡先 社内・取引先・外部の窓口と、頼み方
人とつながり よくある問い合わせ 誰から何が来て、どう返しているか
道具と置き場所 使うシステムと権限 システムの名前と必要な権限(IDは書かない)
道具と置き場所 ファイルの場所 フォルダの階層、名前の付け方、保存期間
道具と置き場所 紙の書類・貸与品 保管場所、鍵、押印の扱い
注意点 過去のつまずきと例外 起きたミスと防ぐ確認、決まりに無い対応と理由

業務の一覧は「やめる仕事」まで書く

土台になるのは業務の一覧です。ここが抜けると、後任は「そんな仕事があったのか」と、半年後に気づくことになります。

月に 1 回しかしない仕事や、頼まれて続けているだけの仕事は、書き忘れやすい部分です。やめてよい仕事は、上司に確かめたうえで、「やめる」と別に書いておきます。

手順書は「画面の写し」と「判断の理由」をつける

手順を書くときは、画面の写しと、迷いやすい判断の理由をつけると伝わります。「ここを押す」だけでなく、「金額が違ったら経理に確かめる」のように、分かれ道を書いておきます。

手順書が既にあるなら、新しく書かずに、置き場所と最終更新日を引き継ぎ書に書けば足ります。

作り方の段取り 棚卸しから確認まで

引き継ぎは、棚卸し、書く、後任と一緒にやる、確認する、の 4 つの段階で進めます。

4つの段階。1 棚卸し 2 書く 3 一緒にやる 4 確認する。下に期間の目安の表(定型は1〜2週間、月次を含むなら月次を1回一緒に回す期間、年1回の業務は時期が近いものだけ、取引先や案件が多いと1〜2か月。編集部の例)。
引き継ぎの段取り。棚卸し、書く、一緒にやる、確認する作成: 編集部 / もとの資料: 民法 第627条(e-Gov法令検索)

1 棚卸し 1 年の仕事を書き出す

最初に、1 年の仕事をすべて書き出します。頭の中だけで思い出すと、年に 1 回の仕事が抜けます。カレンダー、送信済みのメール、共有フォルダの更新日を見ながら、頻度と時期を付けます。

この段階で、上司と一緒に、誰に何を渡すかを決めます。仕事を複数の人に分けるときは、分け方を一覧にします。

2 書く 業務の一覧から埋める

書くときは、業務の一覧から埋めます。全部を完璧に書こうとせず、まず一覧、次に頻度と時期、手順書の場所、関係者の順にそろえます。

書き終えたら、上司に見てもらいます。自分では当たり前のことほど、書き忘れるからです。

3 後任と一緒にやる 見せて、やってもらう

書いた引き継ぎ書だけでは、仕事は渡りません。後任と一緒に実際にやってみて、分かりにくいところを書き足します。

進め方は、まず自分がやって見せて、次に後任がやるのを横で見ます。この順番にすると、後任が自分の言葉でメモを作れます。

4 確認する チェックリストで抜けを見る

最後に、チェックリストで抜けを確かめます。

後任と一緒に進める期間の考え方

期間に公的な決まりはなく、一般的には会社の決まりと上司の判断で決まります。決め方の考え方は、日数でなく、仕事が一巡するかで決めることです。

たとえば、月末に締める仕事があるのに、月の半ばで引き継ぎを終えると、後任は月末を 1 人で初めて迎えます。月次を 1 回は一緒に回せる期間があると、安心です。

次の表は、編集部が考えた目安の例です。法令や公式の基準ではありません。

仕事の性質 一緒に進める期間の例(編集部の目安) 考え方
毎日・毎週の定型が中心 1〜2 週間 1 回は見せて、1 回は後任がやる
月次の締めを含む 月次を 1 回は一緒に回す期間 月末や締め日をまたぐ
年 1 回の業務がある 時期が近いものだけ一緒に 残りは手順書と相談先で補う
取引先や案件が多い 1〜2 か月 あいさつと同行の回数で決める

退職の申し出と期間の関係

期間の定めのない雇用では、民法627条により、解約の申し入れから 2 週間で雇用は終わります(e-Gov法令検索・2026年10月時点)。一方、就業規則で「1 か月前までに申し出る」など申し出の時期を決めている会社もあります。

法律と就業規則の関係で迷うときは、社会保険労務士や労働局の総合労働相談コーナーなどに確かめてください。引き継ぎの期間を言い訳に、辞められないと思い込む必要はありません。一方で、後任が困らないよう、早めに伝えると進めやすくなります。

渡し方 説明の会・同行・確認のチェックリスト

引き継ぎ書を作ったら、3 つの方法で渡します。

方法 やること 向いている場面
説明の会 後任と上司を集め、引き継ぎ書を見ながら全体を説明する 最初に全体像を渡すとき
同行・同席 取引先との打ち合わせや、社内の会議に一緒に出る 人と人のつながりを渡すとき
確認のチェックリスト 最後に抜けを一つずつ確かめる 最終日の前

説明の会は短く、目的を決めて開く

説明の会は、1 回で全部を話そうとせず、業務の一覧、人、道具の 3 つに分けて開くと、聞きやすくなります。会の最後に、後任から質問を集めて、引き継ぎ書に書き足します。

引き継ぎ書のひな形の例

そのまま使える表の形です。会社の様式があるときは、そちらを優先します。

取引先への挨拶との関係

取引先がある仕事では、引き継ぎ書とは別に、取引先への連絡が必要です。一般的には、後任が決まった時点で、前任が上司と相談して、あいさつの時期と順番を決めます。

メールだけで済ませる相手と、同行して引き合わせる相手を、引き継ぎ書に分けて書いておくと、後任が迷いません。あいさつの文面は、退職のあいさつメールの例文と異動のあいさつメールの例文を参考にしてください。

パスワードや権限の引き継ぎで気をつけること

引き継ぎ書に、パスワードや個人情報の中身は書きません。紙に書いたり、共有フォルダに置いたりすると、後から誰でも見られる状態になるおそれがあるからです。

個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、個人データを取り扱う従業者に対して、事業者が必要かつ適切な監督をすること、秘密保持に関する事項を就業規則等に盛り込む例を示しています(2026年10月時点)。会社の持ち出しの決まりに従い、顧客名簿や資料を、私物のパソコンやメールに移してはいけません。

権限は、本人同士で受け渡さず、会社の情報システムの担当に依頼して付け替えてもらいます。システムの管理の考え方は、情シスの仕事の範囲です。引き継ぎ書には、「どのシステムを、どの権限で使うか」までを書きます。

育児休業に入るときの業務の分担

育児休業は、育児・介護休業法に基づき、条件を満たす労働者が申し出て取る制度です(e-Gov法令検索・2026年10月時点)。休業の前に、業務を誰にどう分けるかを決める点は、退職や異動と同じです。

違うのは、戻ってきたときに仕事が戻ることです。休業中の分担は、「誰が」「いつまで」を引き継ぎ書に書き、復帰の時期に、渡した仕事を返すか決めておきます。

よくある質問

引き継ぎ書は、いつから書き始めればよいですか。

異動や退職が決まったら、すぐ棚卸しを始めます。仕事を書き出すだけでも、時間がかかるからです。

後任が決まっていないときは、どうしますか。

後任を待たず、引き継ぎ書を先に書いておきます。上司に、確認の相手を決めてもらうと、あとで渡しやすくなります。

書ききれない仕事は、どうしますか。

全部を完璧に書こうとしないことです。頻度が高く、間違うと影響が大きい仕事から書き、残りは、相談先と置き場所を書いておきます。

今日からできること

  1. 今週の仕事と、今月・今年の仕事を、カレンダーを見ながら書き出す。
  2. 業務の一覧に、頻度と時期を付ける。
  3. 手順書が無い仕事に、まず 3 行のメモを作る。
  4. 上司に、後任と引き継ぎに使える日を確かめる。
  5. システムの権限の切り替えを、情報システムの担当に早めに伝える。

よくある質問

Q引き継ぎ書の書き方に決まりはありますか。

A公的な決まりはありません。会社に様式があればそれを使い、無いときは本文の項目を目安に、後任が一人で動ける形に整えます。

Q引き継ぎにはどのくらいの期間を取ればよいですか。

A法律で決まった期間はありません。月次や年次を含めて仕事が一巡するか、取引先への引き合わせが要るかで、会社の決まりと上司の判断で決めます。

Q退職日の何日前までに申し出ればよいですか。

A期間の定めのない雇用では、民法627条により、申し入れから2週間で終わります。就業規則で申し出の時期を決めている会社もあるため、まず上司と就業規則を確かめます。

Q引き継ぎ書にパスワードを書いてもよいですか。

A書かないでください。権限は会社の情報システムの担当が決めた手続きで、後任に付け替えてもらいます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

役に立ったら、保存・いいね・共有をお願いします

コメントを読み込んでいます