会社のサイトに業界ニュースやコラムを載せているなら、外部送信規律の対象になっている可能性があります。総務省が11月4日に公表した手引きは、自社の情報だけを発信するサイトは対象外、ほかの情報も提供するサイトは対象と整理しました1。
対象なら、広告や分析のタグで外部に送っている情報、送信先、利用目的を公表します。同じ日に出た報告書によると、アプリのないウェブサイトの遵守率は43.2%にとどまります。総務省は遵守状況を定期的に調べて公表し、対応が不十分な運営者に改善を求める方向です1。
外部送信規律は、タグの行き先を知らせる決まり
サイトを開くと、広告やアクセス解析のタグが動き、閲覧者の端末から別の会社へ情報が送られることがあります。外部送信規律は、この仕組みについて利用者に確認の機会を設ける決まりです。令和4年の電気通信事業法の改正で入りました1。
送る情報には、Cookieなどに保存されたIDや広告ID、見たページのURLが含まれ、Cookieを使わない方法でも対象です。会社に求められるのは、通知か公表、同意の取得、オプトアウトの手段の提供のいずれかで、最低限は通知か公表です1。
ただ、個人情報保護法のプライバシーポリシーとは別の決まりなので、ポリシーがあるだけでは足りないことがあります。個人情報の改正の動きは、改正個人情報保護法の記事で確認できます。
対象かどうかは、載せている情報で見分ける
外部送信規律の対象にならない例と、なる例作成: 編集部 / 出典: 総務省
企業が自社の情報発信や自社商品の販売のために置くサイトは、自己の需要のためのものなので、原則として対象外です。採用情報のインタビューや、自社商品の口コミとレシピも、この範囲に入ります1。
つまり、境目は自社と関係のない情報も提供しているかどうかです。会社のサイトに業界の動向やニュース、コラムを載せていたり、採用サイトに業界研究のまとめを載せていたりすると、対象になります。オウンドメディアを始めた会社ほど、気づかないうちに対象に入っているかもしれません。
メールやチャット、SNS、マッチング、動画配信、他社の求人や不動産の情報を載せるサービスを運営している場合も対象です。判断に迷うときは、総務省の電気通信事業参入マニュアルと合わせて確認し、法務や顧問の専門家に相談してください2。
今回変わったのは、法律ではなく周りの環境
入っているタグを、ツールごとの表に書き出すイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
今回の報告書で法律の中身が変わったわけではないのですが、見られ方は変わります。総務省は法令で求める事項と望ましい対応を分けた手引きと、公表の雛形を示しました。遵守状況の定期的な調査と公表、業界団体との連携も打ち出しました1。
中長期の課題としては、対象の範囲の見直しや、ブラウザの段階でのオプトアウトの検討も挙がりました3。対象外のサイトにも、外部送信の事実をわかりやすく示す自主的な対応を求めています。だから、今は対象外でも、同じ形で整えておく意味はあるでしょう。
対象なら、ツールごとに3つを公表する
公表するページの形の例(編集部の架空の例)作成: 編集部 / 出典: 総務省
公表するのは、外部に送る情報の内容、送信先の名前、利用目的の3つです。外部サービスごとに書き、サービスの名前や送信先の国も添えると望ましいとされています1。
見つけやすさにも決まりがあります。最初に表示される画面か、そこから簡単に行ける画面に置き、専門用語を避けた日本語にします。プライバシーポリシーの中でも構いませんが、「利用者情報の外部送信について」のような別の見出しを立てると、読む人が見つけやすくなります。「Cookie」を見出しにするなら、言葉の解説も添えましょう1。
画面の表示や入力内容の再表示、不正の検知などに必要な情報は、公表の対象から外れます。同意やオプトアウトの方法を選ぶなら、チェックをあらかじめ入れておく形は能動的な同意とはみなされないので避けてください1。
公表のページを作る手順
- サイトに入っているタグを、タグの管理画面か制作会社への確認で洗い出す。
- 載せている情報から、対象かどうかを判断する。
- ツールごとに、送る情報、送信先、利用目的を表にする。
- 「利用者情報の外部送信について」のページを作り、最初の画面からつなぐ。
- 法務か顧問の専門家に、内容を読んでもらう。
- タグを足すときに表も直す担当を決め、定期的に見直す日を入れる。
最新の内容にしておく必要があるので、広告を増やす広報やマーケティングの担当にも、タグを足す前に声をかけてもらう流れを作っておくと抜けません1。ここで引いた内容は、2026年11月4日に総務省の公表資料で確認したものです。