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副業の帳簿をExcelで作る 白色申告で書く項目と保存の年数

たまった領収書は、日付と相手、内容、科目、金額の5列に移せば帳簿の形になります。科目を収支内訳書の欄にそろえると年明けは写すだけになり、保存の年数は雑所得と白色申告で分かれます。

公開 更新 約7分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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副業の帳簿をExcelで作る 白色申告で書く項目と保存の年数

この記事でわかること

  • 白色申告の帳簿には日付、相手、内容、金額を書き、経費は科目に分ける。
  • 科目を収支内訳書の欄の名前にしてSUMIFSで合計すれば、年明けは写すだけで済む。
  • 2026年分の帳簿は2034年3月15日まで、領収書は2032年3月15日まで残す。
  • 雑所得に帳簿の決まりはなく、2024年の収入が300万円超なら書類を5年残す。
対象実務

たまった領収書をExcelに移すなら、最初に作る列は日付、相手、内容、科目、金額の5つです。白色申告の帳簿に求められる項目は、これでほぼそろいます。1

科目を収支内訳書の欄と同じ名前にしておけば、年明けは合計を写すだけ。簿記の言葉はいりません。

レシートの束を前に、どこから手をつけようか迷っていませんか。申告までの段取りは確定申告の準備に書いたので、ここでは表の作り方と、何年残すかに絞ります。

5列に足すのは4列だけ

夜の部屋で、緑のセーターを着た30代の女性がラグに膝をつき、何も書かれていない白い紙の束を手に持って、ラグの上に2段に並べた12の束の1つに紙を重ねている。後ろの低い木のテーブルにはノートパソコンとマグカップがあり、ソファと灯りの点いたスタンドライトが見える。
領収書を月ごとの束に分けると、台帳に入れる順番が決まるイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

白色申告の帳簿に、決まった様式はありません。1だからExcelでかまわないのです。書くのは、売上なら取引の年月日と相手の名前、金額。経費は科目に分けて、いつ、何のために、だれに、いくら払ったかを書きます。

ただ、これだけだと、家賃の按分や引かれた税の合計までは出せません。そこで4列を足します。

番号は、領収書と行をつなぐ列です。紙のレシートには同じ番号を手で書き、データならファイル名に入れておくと、あとから「この数字はどれ?」とすぐ戻れます。業務割合は、家賃やスマホ代のように暮らしにも仕事にも使う費用のためのもの。割合を入れれば、隣の「申告に使う額」が式で出ます。決め方は家事按分の記事で紹介しました。最後の源泉徴収は、相手ごとに足して申告書に写す数字です。書く欄は支払調書の記事にあります。

Excelのシートを描き直した図(実物の画面ではない)。A列番号、B列日付、C列相手、D列内容、E列科目、F列金額、G列業務割合、H列申告に使う額、I列源泉徴収。日付から金額までの5列が決まりに沿って書く列で、番号と業務割合、申告に使う額、源泉徴収が足す列。入力例は、1月20日A社の1月分の原稿料が売上40,000円で割合100%、申告に使う額40,000円、源泉徴収4,084円。1月24日書店の資料の本が新聞図書費1,980円。1月26日家主の1月分の家賃が地代家賃80,000円で割合10%、申告に使う額8,000円。1月31日電力会社の電気代が水道光熱費9,000円で20%、1,800円。1月31日通信会社のスマホ代が通信費8,000円で30%、2,400円。2月10日鉄道会社の取材の交通費が旅費交通費1,220円。2月14日B社のロゴのデザイン料が売上70,000円で源泉徴収7,147円。2月28日仲介サイトのイラストの売上15,000円と販売手数料1,500円(支払手数料)。12月31日C社の12月分の翻訳料(1月に入金)が売上12,000円で源泉徴収1,225円。列の説明として、番号は領収書やファイルにも同じ番号を付ける、科目は収支内訳書の欄の名前から入力規則のドロップダウンで選ぶ、金額は手数料も源泉徴収も引く前の額で家賃やスマホ代は払った全額、業務割合は仕事だけの支出と収入は100%、申告に使う額は式=F2*G2、源泉徴収は相手ごとに合計して申告書第二表の所得の内訳へ。手引きが白色申告の帳簿に求める項目は、売上が取引の年月日、相手の名称、金額、日々の売上の合計、雑収入などが取引の年月日、事由と相手の名称、金額、経費が科目ごとに取引の年月日、事由と支払先の名称、金額。
副業の台帳の設計図。決まりに沿って書く5列と、足す4列の入力例(編集部の例)作成: 編集部 / 出典: 国税庁(帳簿の記帳のしかた・タックスアンサー)

つまずきやすいのは金額でしょう。収入は手数料や源泉徴収を引く前の額、家賃は払った全額を書きます。入金された額や仕事の分だけを入れると、あとで収入や家賃の総額が分からなくなるからです。

同じ日に売上が2件以上あれば、その日の合計も書きます。手引きの記載例にある「14日計」の行です。1科目を空けた行にしておくと、科目で足す集計には混ざりません。

科目は欄の名前から選ぶ

収支内訳書(一般用)の1ページ目には、地代家賃や水道光熱費、旅費交通費、通信費、消耗品費、雑費といった欄が並んでいます。2台帳の科目をこれと同じ名前にすると、足した数字がそのまま欄に入ります。

欄にない費用はどうするのでしょう。その他の経費には空欄が5行あり、特殊な経費は科目を設けて書くよう案内されています。2編集部の例では、販売手数料を「支払手数料」、資料の本を「新聞図書費」にしました。

Excelの設定は2つだけ。3

  1. 科目の列に入力規則を設定し、欄の名前をドロップダウンから選べるようにする。
  2. 別のシートのA列に科目を並べ、B列にSUMIFS関数を入れる。
=SUMIFS(台帳!H:H,台帳!E:E,A2)

台帳のE列がA2の科目と同じ行だけ、H列を足す式です。手で打つと「通信費」と「通信料」が別の科目になり、片方が集計から漏れてしまう。ドロップダウンにするのはそのためです。

条件を足せば、2ページ目の売上先の明細も出せます。2家賃を経費にするなら、地代家賃の内訳に払った総額と必要経費にした額を両方書くので、金額と申告に使う額を分けておいた列が役に立ちます。

集計シートの式=SUMIFS(台帳!H:H,台帳!E:E,A2)で出した科目ごとの合計を、収支内訳書(一般用)1ページの欄に対応させた図。売上930,000円は①売上(収入)金額へ。地代家賃96,000円は⑮へ。水道光熱費21,600円、旅費交通費18,400円、通信費28,800円、広告宣伝費12,000円、消耗品費64,800円、雑費2,000円はそれぞれ同じ名前の欄へ。支払手数料12,600円と新聞図書費23,800円は空欄の行に科目名を書く。⑰小計184,000円、⑱経費計280,000円、⑲専従者控除前の所得金額650,000円で㉑も同じ。2ページ目の売上(収入)金額の明細は、A社の原稿料480,000円(源泉徴収49,008円)、B社のデザイン料210,000円(21,441円)、仲介サイトのイラスト126,000円(0円)、C社の翻訳料96,000円(9,800円)、上記以外の売上先の計18,000円(0円)、計930,000円(80,249円)。明細に書ける売上先は4行。地代家賃の内訳は本年中の賃借料960,000円、必要経費算入額96,000円。合計の行き先は、事業所得(白色申告)なら収支内訳書を付け、申告書第一表のア営業等の収入に930,000円、①に650,000円。雑所得(業務)は2024年の収入が1,000万円以下なら収支内訳書は付けなくてよく、第一表のキ業務の収入に930,000円、⑧に650,000円。
台帳の合計を収支内訳書の欄へ写す対応と、所得の区分ごとの行き先(編集部の例)作成: 編集部 / 出典: 国税庁(収支内訳書の様式と書き方・確定申告の手引き)、Microsoftサポート

雑所得(業務)の人が収支内訳書を付けるのは、前々年の収入が1,000万円を超えたときだけです。4令和8年分なら2024年の収入で見ます。でも、付けない人も第一表に収入と所得を書くので、集計の作業は変わりません。

まとめて書けるのは日々の合計まで

1か月分を1行にできたら楽ですよね。ただ、国税庁の案内に出てくる簡易な方法は日々の合計までで、月の合計でよいとは書かれていません。5

取引 簡易な書き方 条件
請求書の控えなどで中身を確認できる売上 その日の合計だけを書く 控えを保存している
少額な現金売上と少額な費用 その日の合計だけを書く(費用は科目ごと) いくらまでが少額かの線は示されていない
掛売上(あとで入金される売上) 入金した日に書く 控えを保存し、年末に売掛金の残高を書く
費用 出金した日に書く 年末に未払額と前払額を書く

副業で気をつけたいのは3行目です。入金した日に書くのは認められていますが、12月に納めて1月に入金される報酬は今年の収入。12月31日の行で足し、翌年はその入金を売上から除きます。6

雑所得(業務)で前々年の収入が300万円以下なら、入金した年で数える現金主義の特例も選べます。使うときは、申告書第一表の業務の欄にある「区分」に1を書きます。4

雑所得と白色で違うのは帳簿の有無

事業所得の人は、申告が要らない年も帳簿をつけて残す決まりです。1売上の帳簿がないと、税務調査で申告漏れが見つかったときに加算税の割合が5%か10%重くなることもあります。7

雑所得(業務)の人に帳簿の決まりはありません。あるのは、前々年の収入が300万円を超えたときに書類を残す決まりで、対象は現金預金取引等関係書類。現金や預貯金の出し入れのときに作ったり受け取ったりした請求書や領収書のことです。8

今年の分の決まりは、もう終わった2024年の収入で決まっています。だから通帳か2024年分の申告書を見れば、今日のうちに分かるのです。どちらの所得に当たるかは、雑所得と事業所得の違いで確認できます。

2026年分の帳簿と書類の保存期限を帯で示した図。数え始めは2027年3月16日。事業所得(白色申告)は帳簿をつける決まりがあり申告の要らない年も同じで、収入と経費を書いた帳簿は7年で2034年3月15日まで、請求書、納品書、領収書と決算で作った書類、ほかの帳簿は5年で2032年3月15日まで。雑所得(業務)で2024年の収入が300万円超なら帳簿の決まりはなく、現金預金取引等関係書類は5年で2032年3月15日まで。2024年の収入が300万円以下なら決まりはなく、申告した数字の裏付けとして手元に残す。判定は2年前の収入で、2026年の収入が300万円を超えると2028年分から書類の決まりがかかる。残す形は、Excelの台帳は事業所得なら印刷して紙で残すのが基本でデータのままは要件つき、雑所得は決まりなし。紙の領収書は紙のまま。メールやサイトで受け取った領収書は保存の決まりがある人ならデータのままで印刷で代えられない。台帳をデータのまま残す要件は、記録の始めから終わりまでパソコンで作る(始めは原則その年の1月1日)、操作説明書と入力や保存の手順を書いた書類を備える、同じ場所にパソコン、画面、プリンターを置き画面と紙に速やかに出せる、税務職員がデータの提示や提出を求めたら応じられるようにする、の4つ。
2026年分の帳簿と書類をいつまで、どの形で残すか。事業所得と雑所得の違い作成: 編集部 / 出典: 国税庁(帳簿の記帳のしかた・タックスアンサー・電子帳簿保存法一問一答)、e-Gov法令検索

なお、インボイス発行事業者が交付した適格請求書の写しは7年です。1

台帳は印刷、領収書は受け取った形で

事業所得の人がExcelで作った台帳は、印刷して紙で残すのが基本です。国税庁の一問一答でも、帳簿は紙で残すのが原則で、データのままにするのは特例です。9Excelを名指しした説明は見当たりませんが、初めから自分でパソコンで作る帳簿なので、この特例の対象になるとみられます。

ややこしいのは始める時期でしょう。データのまま残すなら、原則として年の初めからパソコンで作っていることが前提です。10今年の分を年末にまとめて入れるなら印刷で残し、データにするのは来年1月からと決めてしまえば迷いません。

領収書は受け取った形のまま残します。紙は紙で。メールやサイトで受け取ったものは、保存の決まりがある人ならデータのままで、印刷では代えられません。前々年の収入が300万円を超える雑所得の人も同じです。11

ここでも番号が役に立ちます。電子取引の一問一答には、Excelの一覧表に日付と金額、取引先を入れ、通し番号でファイルと結びつける方法が、検索の要件を満たす例として出てきます。12番号を付けた台帳は、この一覧表とほぼ同じ形です。もっとも、前々年の売上高が5,000万円以下で、求められたらデータを出せるようにしてあれば、検索の工夫までは要りません。11訂正や削除をしない規程の作り方は、先ほどの家事按分の記事にあります。

束を台帳に移す手順は7つ

いっぺんに片づけなくてかまいません。1か月分ずつ、この順で進めます。

  1. 領収書を月ごとに分け、紙は封筒に、データはフォルダーに入れる。
  2. Excelに「台帳」と「集計」の2つのシートを作る。
  3. 通帳と取引先の明細を見ながら、収入の行を先に入れる。
  4. 領収書を古い順に1行ずつ入れ、同じ番号を書き込む。
  5. 家賃やスマホ代の12か月分を入れ、業務割合を入力する。
  6. 12月31日の行に、未入金の売上と未払いの費用を足す。
  7. 番号のある行に科目の抜けがないかを確認し、集計の売上を通帳の入金と見比べる。

ここまで終わると、売上先ごとの合計と科目ごとの経費が1枚に並びます。どの仕事にどれだけ経費がかかったかを数字で言えれば、来年増やす仕事も選びやすくなるはずです。

自分の所得の区分や経費の扱いに迷うときは、所轄の税務署か税理士に相談できます。会社に届け出が要るかどうかは、勤め先の就業規則で確認します。

制度は2026年11月1日に、e-Gov法令検索の法令と国税庁の手引き、一問一答で確認しました。Excelの関数はMicrosoftのサポートページによります。収支内訳書と申告書の欄は令和7年分の様式のものなので、令和8年分の様式が出たら、欄が変わっていないかを見ておいてください。

注

  1. 国税庁「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」令和8年5月1日現在の法令等、所得税法第232条第1項、同施行規則第102条 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  2. 国税庁「収支内訳書(一般用)」様式、「令和7年分収支内訳書(一般用)の書き方」 ↩ ↩2 ↩3

  3. Microsoftサポート「ドロップダウン リストを作成する」「SUMIFS関数」 ↩

  4. 所得税法第67条・第120条第6項、国税庁タックスアンサーNo.1500、「令和7年分 確定申告の手引き」雑所得のページ ↩ ↩2

  5. 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」、「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」 ↩

  6. 国税庁「令和8年分 白色申告者の決算の手引き(一般用)」未収入金など ↩

  7. 国税庁タックスアンサーNo.2080 ↩

  8. 所得税法第232条第2項、同施行規則第102条第7項・第8項、国税庁タックスアンサーNo.2080 ↩

  9. 電子帳簿保存法第4条第1項、同施行規則第2条第2項、電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】問1・問7 ↩

  10. 電子帳簿保存法取扱通達4-4、注9の一問一答 問6 ↩

  11. 電子帳簿保存法第7条、電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問19・問100 ↩ ↩2

  12. 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】問50 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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