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合同会社とは 株式会社との違い・社員と代表社員の意味を図解で解説

取引先が合同会社のときに戸惑う「社員」「代表社員」の意味を、会社法の条文で確かめて図解します。出資した人が社員になるしくみ、業務執行社員・職務執行者との違い、株式会社との違いの表、契約書の署名欄と登記の見方まで分かります。

公開 約9分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
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合同会社とは 株式会社との違い・社員と代表社員の意味を図解で解説

この記事でわかること

  • 合同会社の「社員」は従業員ではなく出資した人で、全員が有限責任社員であることが、会社法の条文で分かります。
  • 業務執行社員・代表社員・職務執行者の意味と、それぞれが登記に載るかどうかが分かります。
  • 株式会社との違いを9項目の表で比べ、契約書の署名欄・登記事項証明書・登録番号の確かめ方まで押さえられます。
対象法務総務新人・若手

取引先の契約書に「合同会社〇〇 代表社員 〇〇」とあって、「社員なのに、代表?」と手が止まった経験はありませんか。合同会社の「社員」は、従業員のことではありません。この記事では会社法の条文を確かめながら、社員・業務執行社員・代表社員の意味と、株式会社との違い、取引先として確かめる点を整理します。

合同会社の「社員」は出資した人のことです

会社法は、会社を株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4つと定めています。このうち合名・合資・合同の3つをまとめて「持分会社」と呼びます(第575条第1項)。

持分会社では、出資した人を「社員」といいます。株式会社の「株主」にあたる呼び名ですが、株主とは違い、出資者が経営にも加わるのが基本の形です。

合同会社では、社員の全員が有限責任社員です。定款にそう書くことが決まっています(第576条第4項)。有限責任社員は、出資の価額を限度として会社の債務を返す責任を負います(第580条第2項)。会社が借金を返せなくなっても、出資した額を超えて自分の財産で返す義務は、原則としてありません。

また合同会社は、設立の登記をするまでに、出資の全額を払い込むか給付しなければなりません(第578条)。

株式会社のしくみは、株式会社とは 株主・株主総会・取締役・監査役の関係を図解で解説で紹介しています。法人の数でみると合同会社は7.2%で、株式会社に次ぐ数です(国税庁の令和6年度分の会社標本調査)。

社員・業務執行社員・代表社員・職務執行者の関係

合同会社の登場人物は、4つの呼び名で整理できます。

合同会社の4つの役割を左から右へ示した図。社員は出資した人で全員が有限責任社員、定款に氏名・住所・出資を載せ、登記事項にはない。業務執行社員は定款に別段の定めがなければ全員で、過半数で決め、登記には氏名または名称が載る。代表社員は会社を代表し、定めなければ業務執行社員が各自代表し、登記には氏名または名称と住所が載る。職務執行者は法人が社員のときに選ぶ担当者で、代表社員が法人のとき氏名と住所が登記に載る。下に、法人が代表社員のときの署名欄の並べ方の例。
合同会社の社員・業務執行社員・代表社員・職務執行者の関係と、登記に載る事項作成: 編集部 / もとの資料: 会社法(e-Gov 法令検索)・法務省「合同会社の設立手続」
呼び名 意味 登記に載るか
社員 出資した人。全員が有限責任社員 載らない(第914条の登記事項にない)
業務執行社員 会社の業務を行う社員 氏名または名称が載る(第914条第6号)
代表社員 会社を代表する社員 氏名または名称と住所が載る(第914条第7号)
職務執行者 法人が社員のとき、その職務を行う人 代表社員が法人なら氏名と住所が載る(第914条第8号)

業務執行社員は、定款に別段の定めがなければ全員です

持分会社では、社員は、定款に別段の定めがある場合を除いて業務を執行します(第590条第1項)。つまり出資した人は、特に決めなければ全員が経営に加わります。

定款で「業務を執行する社員」を決めることもできます(第591条)。この場合、ほかの社員は業務を執行する権利を持ちません。それでも、業務と財産の状況を調べる権利は残ります(第592条第1項)。

業務執行社員は、善良な管理者の注意をもって職務を行い、法令・定款を守って会社のために忠実に働く義務を負います(第593条)。また、ほかの社員全員の承認なしに、会社の事業と同じ種類の取引をすることなどは禁じられています(第594条。定款に別段の定めがあれば別です)。

代表社員は、会社の名前で契約を結ぶ人です

業務を執行する社員は、会社を代表します(第599条第1項)。業務執行社員が2人以上いれば、各自が会社を代表します(同第2項)。

人数を絞りたいときは、定款か、定款にもとづく社員の互選で、業務執行社員の中から代表社員を定められます(同第3項)。代表社員は、会社の業務に関する裁判上・裁判外の一切の行為をする権限を持ちます(同第4項)。

その権限に制限をつけても、事情を知らない第三者(善意の第三者)には主張できません(同第5項)。取引先にとっては、登記された代表社員と契約すれば、有効な契約になるということです。

法人が社員のときは「職務執行者」が出てきます

合同会社の社員には、株式会社などの法人もなれます。法人が業務を執行する社員になる場合、その法人は「職務を行うべき者」を選び、氏名と住所をほかの社員に通知しなければなりません(第598条第1項)。この人が職務執行者です。職務執行者にも、業務執行社員と同じ注意義務・忠実義務などの規定が当てはまります(同第2項)。

法務省の合同会社設立登記申請書の記載例でも、代表社員が法人のときは、申請人の下に「代表社員 ○○商事株式会社」「職務執行者 ○○○○」と並べて書く形です。

意思決定のしかたは、定款で変えられます

株式会社では、株主総会の決議で決めることが法律で決まっています。合同会社は、社員の話し合いで決めるのが基本で、定款で自由に変えられる部分が多いのが特徴です。

決めること 原則 定款で変えられるか
日常の業務 社員の過半数(第590条第2項) 変えられる
業務執行社員が2人以上のときの業務 業務執行社員の過半数(第591条第1項) 変えられる
会社の常務 各社員が単独で行える。完了前にほかの社員が異議を述べたときは別(第590条第3項) 変えられる
定款の変更 総社員の同意(第637条) 変えられる
解散 総社員の同意などで解散(第641条) 存続期間や解散の事由を定款に書ける(第641条第1号・第2号)

「社員の過半数」は、一般的には社員1人を1票として数えると説明されます。ただ定款で別の定めを置けば、出資額に応じた票にするなど、会社ごとに違いが出ます。取引先が大きな決定をしたと言っているときは、定款の定めを確かめたくなる場面です。

新しい社員を迎えるときも定款の変更です

社員の加入は、その社員に関する定款の変更をした時に効力を生じます(第604条第2項)。定款の変更は総社員の同意が原則なので、既存の社員の承諾が欠かせません。

持分の譲渡も同じ考え方で、社員は、ほかの社員の全員の承諾がなければ持分を譲れません(第585条第1項)。株式会社で株を譲りやすいのとは対照的です。業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾で譲れます(同第2項)。いずれも、定款で別の定めができます(同第4項)。

株式会社との違いを9項目の表で比べる

株式会社と合同会社を9項目で比べた表。出資者は株主と社員、経営する人は取締役と原則社員、決め方は株主総会の決議と社員の過半数、任期は取締役2年・監査役4年と定めなし、決算公告は義務ありと義務の条文なし、定款の認証は公証人の認証が必要と不要、設立の登録免許税は資本金の0.7%で最低15万円と最低6万円、利益の分け方は株式に応じて平等と定款で定める、譲渡は株主は譲渡できると他の社員全員の承諾が必要。
株式会社と合同会社の違い 出資者・経営・決め方・任期・決算公告・認証・税・利益・譲渡作成: 編集部 / もとの資料: 会社法(e-Gov 法令検索)・国税庁 タックスアンサー No.7191
項目 株式会社 合同会社
出資者の呼び名 株主 社員(全員が有限責任社員)
経営する人 株主総会で選ぶ取締役 原則として社員。定款で業務執行社員を決められる
決め方 株主総会の決議。普通決議は出席した株主の議決権の過半数(第309条第1項) 社員の過半数(第590条第2項)。定款の変更は総社員の同意(第637条)。どちらも定款で別の定めができる
役員の任期 取締役は原則2年、監査役は原則4年。公開会社でなければ定款で最長10年(第332条・第336条) 任期の定めはない
決算公告 義務がある(第440条) 義務はない。債権者は計算書類を閲覧できる(第625条)
定款の認証 公証人の認証が必要(第30条) 要らない(法務省の案内)
設立の登録免許税 資本金の0.7%。15万円に満たないときは15万円 資本金の0.7%。6万円に満たないときは6万円
利益の分け方 株式の内容と数に応じて平等(第109条第1項)。公開会社でなければ定款で株主ごとに変えられる(同第2項) 定款で定める。定めがなければ出資の価額に応じる(第622条第1項)
持分・株式の譲渡 株式は譲渡できる(第127条)。譲渡制限の定めがあれば会社の承認が要る ほかの社員全員の承諾が必要(第585条第1項)。定款で変えられる

数字は、2026年10月24日時点で国税庁(No.7191)と会社法の条文を確かめたものです。

役員の任期がないと、登記はどうなるか

株式会社は、取締役の任期が来るたびに役員の変更登記をします。変更があった日から2週間以内に、本店のある場所で登記しなければなりません(第915条第1項)。

合同会社の業務執行社員には、任期の定めがありません。このため、任期が満了したことによる改選の登記は起こりません。ただ、代表社員が替わったり、住所や名称が変わったりしたときは、同じ2週間以内の変更登記が必要です(第914条・第915条第1項)。登記を放っておくと、登記上の代表社員と実際の代表者が食い違うことがあります。

決算公告がなくても、計算書類は作られています

合同会社も、各事業年度の計算書類を作り、10年間保存しなければなりません(第617条第2項・第4項)。社員は営業時間内にいつでも、計算書類の閲覧や謄写を請求できます(第618条第1項)。債権者も、作成から5年以内の計算書類について、閲覧などを請求できます(第625条)。

つまり「公告はしないが、請求すれば見られる」という形です。取引を始める前の与信では、取引先に直近の決算書の提出をお願いするのが、一般的な進め方です。

利益の配当には歯止めがあります

合同会社は、利益の配当で渡す金額が、配当の日の「利益額」を超える場合は配当できません(第628条)。社員は、定款で定めた方法で利益の配当を請求できます(第621条)。自由に分けられるといっても、会社の財産を守る上限は決まっています。

取引先が合同会社のときの実務

契約書の署名欄の書き方

一般的には、署名欄は次のように書きます。会社の決まりや契約書の様式によって違うことがあります。

肩書きに「代表取締役」と書かないよう注意します。合同会社に取締役はいません。株式会社と同じ感覚で「代表取締役」と書いてしまった契約書は、署名者の権限が分かりにくくなります。新しく契約を結ぶときは、相手に表記を確かめるのが安心です。

登記事項証明書で代表社員を確かめる

相手が本当に代表社員なのかは、登記事項証明書(登記簿謄本)で確かめます。合同会社の登記には、次の事項が載ります(第914条)。

  • 目的・商号・本店の所在場所
  • 資本金の額
  • 業務を執行する社員の氏名または名称
  • 代表社員の氏名または名称と住所
  • 代表社員が法人のときは、職務執行者の氏名と住所
  • 公告の方法についての定款の定め

資本金の額も載るので、会社の規模の目安になります。取り方や見方は、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)とは 取り方と手数料・見方・使う場面にまとめています。定款で業務執行社員を絞っていない会社では、社員の全員が業務を執行するので、全員が業務執行社員として載ることになります。

請求書・インボイスの登録番号の確かめ方

請求書に登録番号があるときは、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで、「T」を除く13桁の数字を入力して検索します。法人の場合、番号は「T」と法人番号の13桁です。名称が「合同会社〇〇」と一致するか、登録の取消や失効がないかを見ます。

合同会社から株式会社に変えるときは「組織変更」

合同会社は、手続きを踏めば株式会社になれます。これを組織変更といいます(第743条・第746条)。組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について総社員の同意を得なければなりません。定款に別段の定めがあれば別です(第781条第1項)。効力発生日に、持分会社は株式会社になります(第747条第1項)。

社員は、組織変更の計画に従って株式を取得し、株主になります(第747条第3項)。取引先が組織変更したときは、商号や代表者の表記が変わるので、請求書の宛名や契約書の見直しが必要です。手続きの中身は専門家に確かめてください。

今日からできること 合同会社の取引先を確かめる

  1. 取引先の登記事項証明書を取る 代表社員の氏名・住所、代表社員が法人のときは職務執行者も確かめます。
  2. 契約書の署名欄を見直す 「代表社員」の肩書きで書かれているかを確かめます。法人が代表社員なら、職務執行者の名前も入れてもらいます。
  3. 請求書の登録番号を公表サイトで検索する 取引先の一覧に「登録番号」と「確かめた日」の欄を作ると、見直しが速くなります。
  4. 決算の情報が必要なときは、お願いする 合同会社に決算公告はないので、与信の判断に使う決算書は、取引先に提出を頼みます。

この記事は、2026年10月24日時点の会社法(e-Gov 法令検索)・法務省・国税庁の公表資料にもとづいています。個別の契約や登記の判断は、司法書士・弁護士などの専門家や法務局に確かめてください。

よくある質問

Q合同会社の「社員」は、その会社で働く従業員のことですか。

A違います。会社法で「社員」は、合同会社などの持分会社に出資した人を指します(第575条)。従業員は会社と雇用契約を結んで働く人で、社員とは限りません。社員が従業員を兼ねることはあります。

Q合同会社の代表社員は、株式会社の代表取締役と同じ立場ですか。

A会社を代表して契約などをする点は同じです。代表社員は、業務に関する裁判上・裁判外の一切の行為をする権限を持ちます(会社法第599条第4項)。ただし代表社員は出資者でもあり、取締役の選任のような手続きはありません。

Q合同会社は決算を公告しなくてよいのですか。

A決算の公告を義務づける会社法第440条は株式会社の条文で、合同会社にはありません。ただし合同会社の債権者は、営業時間内にいつでも計算書類の閲覧を請求できます(第625条)。取引先の経営状態は、請求や申し出で確かめることになります。

Q合同会社を株式会社に変えることはできますか。

Aできます。会社法は、合同会社などの持分会社が株式会社になる「組織変更」を定めています(第743条・第746条)。原則として総社員の同意が要ります(第781条第1項)。登記の手続きは専門家(司法書士など)に相談してください。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月24日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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