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代表取締役とは 社長・CEOとの違いと契約書の名義・署名欄の書き方

代表取締役は会社法が決めた会社の代表で、社長・会長・CEOは社内の呼び名です。選び方と権限、登記に載る事項、代表権のない会長や表見代表取締役の注意、契約書の署名欄の書き方と権限の確かめ方、名刺の肩書きの読み方を会社法の条文で整理しました。

公開 約10分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
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代表取締役とは 社長・CEOとの違いと契約書の名義・署名欄の書き方

この記事でわかること

  • 会社法が定める「取締役」「代表取締役」と、社内の呼び名の「社長」「会長」「CEO」「執行役員」が別のものだと、条文で分かります。
  • 代表取締役の選び方・権限(第349条)・登記事項(第911条)と、代表権がなくても社長と名乗らせた会社が負う責任(第354条)が分かります。
  • 契約書の署名欄の基本の書き方と、部長などが署名するときの権限の確かめ方、相手方の代表者を登記事項証明書で確かめる手順が分かります。
対象総務法務新人・若手

契約書の署名欄に「代表取締役」と書くのは分かっていても、名刺に「取締役社長」や「CEO」とあると、この人が会社を代表して契約を結べるのか迷います。会社法が決めた役職と、会社が自由に付けている呼び名は別のものです。この記事では、会社法の条文を確かめながら、代表取締役の地位と権限、社長・会長・CEOとの違い、契約書の名義の書き方と権限の確かめ方を整理します。2026年10月24日時点の条文で確かめました。

代表取締役は、会社を代表する権限を持つ取締役です

株式会社には、取締役を1人以上置かなければなりません(会社法第326条第1項)。取締役は会社の経営に関わる人で、その中で「株式会社を代表する取締役」を代表取締役といいます(第47条第1項)。

会社を代表するとは、会社の名前で契約を結ぶなど、行為が会社の行為になるということです。代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする権限を持ちます(第349条第4項)。この権限を「代表権」と呼びます。

取締役会のしくみそのものは、株式会社とは 株主・株主総会・取締役・監査役の関係を図解で解説にまとめています。この記事では、代表取締役という地位と、呼び名との違いに絞ります。

取締役と代表取締役は同じではありません

取締役はみな代表権を持つわけではありません。取締役会を置く会社では、取締役会が取締役の中から代表取締役を選び(第362条第3項)、業務を執行するのは代表取締役と、取締役会の決議で業務執行を担当する取締役として選ばれた人です(第363条第1項)。

地位 会社法での意味 会社を代表して契約できるか
取締役 株主総会で選ばれる役員(第329条第1項) 取締役会設置会社では、代表取締役でなければ代表できない
代表取締役 会社を代表する取締役(第47条第1項) できる(第349条第4項)

代表取締役の選び方は、会社の形で変わります

代表取締役を誰が選ぶかは、取締役会を置いているかどうかで決まります。

会社の形 代表取締役の決め方 条文
取締役会を置く会社 取締役会が、取締役の中から選ぶ(選ばなければならない) 第362条第2項第3号・第3項
取締役会を置かない会社 定款、定款にもとづく取締役の互選、または株主総会の決議で、取締役の中から定められる 第349条第3項
設立するとき(取締役会を置く会社) 設立時取締役が、設立時取締役の中から選ぶ 第47条第1項

取締役会を置かない会社では、代表取締役を定めなくても構いません。定めない場合は、取締役が各自で会社を代表します(第349条第1項・第2項)。取締役が2人いれば、2人とも単独で契約を結べるということです。

小さな会社でも、一般的には代表取締役を定めて登記します。誰が会社の代表かを、取引先に分かりやすく示せるからです。

代表取締役は複数置けます

会社法には、代表取締役の人数の上限を決めた条文はありません。2人以上の代表取締役を置く会社も実際にあります。登記事項証明書には、それぞれの氏名と住所が載ります(第911条第3項第14号)。

人数を増やすと、それぞれが会社を代表できるということです。取引先から見れば、誰が契約書に署名しても会社の契約になります。社内では、誰が何を決めるかを規程で決めておくのが一般的です。

代表権の制限は、事情を知らない相手には主張できません

会社が代表取締役の権限に社内で制限をかけていても、その制限は善意の第三者に対抗できません(第349条第5項)。善意とは、制限があることを知らないという意味です。

たとえば「1,000万円以上の契約は取締役会の決議を要する」という社内の決まりがあるとします。代表取締役がその決議を取らずに契約を結んでも、決まりを知らない相手に「社内の手続きが足りないから契約は無効です」と言うのは、原則としてできません。ただし、実際に契約の効力がどうなるかは、事情によって判断が分かれることもあります。トラブルのおそれがあるときは弁護士に相談してください。

代表取締役は登記で確かめられます

代表取締役の氏名と住所は、株式会社の登記事項です(第911条第3項第14号)。就任や退任があったときは、変更が生じてから2週間以内に本店の所在地で変更の登記をします(第915条第1項)。

誰でも法務局で登記事項証明書を取れば、今の代表取締役を確かめられます。取り方と見方は、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)とは 取り方と手数料・見方・使う場面に書きました。

社長・会長・CEO・COO・CFOは、会社法の言葉ではありません

会社法の条文を探しても、「会長」「専務」「CEO」「COO」「CFO」は出てきません。「社長」「副社長」は第354条に例として出てきますが、役職の定義ではありません。これらは、会社が自由に付けている社内の呼び名です。

会社法の地位(取締役・代表取締役・代表執行役・登記に載る代表取締役の氏名と住所)、社内の呼び名(社長・副社長、会長・専務・常務、CEO・COO・CFO)、従業員の役職(執行役員、部長・課長・支店長、支配人)の3つに分けた図。下に、代表取締役社長・取締役社長・取締役会長・代表取締役専務・CEO・執行役員営業部長の肩書きごとに代表権の確かめ方を示した表。
会社法の役職と社内の呼び名の対応 代表権は肩書きでなく登記で確かめる作成: 編集部 / もとの資料: 会社法(e-Gov 法令検索)
呼び名 会社法の言葉か 一般的な使われ方
社長 違う(第354条に例として出るだけ) 会社のトップを指すことが多い
会長 違う 社長を退いた人や、社長の上に置く役職として使う会社が多い
副社長・専務・常務 違う 社長を支える取締役などに付ける会社が多い
CEO(最高経営責任者) 違う 会社全体の経営の責任者として名乗る
COO(最高執行責任者) 違う 日々の事業運営の責任者として名乗る
CFO(最高財務責任者) 違う 経理・財務の責任者として名乗る
執行役員 違う(会社法の役員ではない) 取締役の下で、部門の業務を担当する
取締役 会社法の役員(第329条第1項) 株主総会で選ばれる
代表取締役 会社法の地位(第349条) 会社を代表する

執行役員が会社法の役員ではないことは、役職の順番と意味でくわしく書いています。

呼び名と代表権が一致しない例

社内の呼び名は会社が自由に決められるので、呼び名から代表権の有無は決まりません。実際には、次のような組み合わせがあります。

名刺の肩書き 代表権があるか
代表取締役社長 ある
取締役社長 ない場合がある(代表取締役が別にいるとき)
代表取締役会長 ある
取締役会長 ない場合がある
代表取締役 専務 ある(社長でなくても代表取締役になれる)
CEO 呼び名だけでは分からない

代表権のない会長や、社長でない代表取締役は珍しくありません。どちらも会社法に反するものではありません。「社長だから代表権がある」「会長は一番偉いから代表権がある」と考えず、登記で確かめます。

指名委員会等設置会社では、代表執行役が会社を代表します

大きな会社の一部は、指名委員会等設置会社という形を選んでいます。この会社では、取締役は原則として業務を執行できず(第415条)、業務の執行は取締役会が選んだ執行役が担います(第402条第2項・第418条)。執行役の中から取締役会が選ぶのが代表執行役で、会社を代表する権限は代表取締役と同じ条文が使われます(第420条第1項・第3項)。

この形の会社では、契約の名義は「代表執行役」になります。取引先が上場会社などの大きな会社のときは、肩書きが代表取締役ではなく代表執行役かもしれないと頭に置いておくと、署名欄を見て迷いません。この記事の以降の説明は、代表取締役を置く会社を前提にしています。

代表権のない人に社長と名乗らせると、会社が責任を負うことがあります

会社法は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他会社を代表する権限があると認められる名称を付けた場合は、その取締役がした行為について、善意の第三者に会社が責任を負うと定めています(第354条)。この取締役は「表見代表取締役」と呼ばれます。

つまり、代表権のない取締役に「社長」の肩書きを名乗らせていた会社は、その人が結んだ契約について「あの人は代表権がなかった」と言えない場合があります。名刺を信じた相手を守るための条文です。

契約書には、会社の名前と代表取締役の名前を書くのが基本です

契約は、会社が結ぶ場合、「会社」が当事者になります。個人の社長が結ぶのではありません。そのため、署名欄には会社名と、会社を代表する人の肩書きと氏名を書きます。

本店の所在地と会社名は、登記事項証明書の記載と同じにします。「(株)」と略さず、「株式会社」の位置(前か後か)も登記のとおりにします。

署名欄のOK例とNG例

署名か記名か、押印は必要か、といった契約書の細かい決まりは、契約書の確認ポイントに書きました。押す印鑑は、会社の代表者印を使うのが基本です。

代表取締役以外の人が署名するときは、権限を確かめます

実際の契約では、代表取締役が毎回署名するとは限りません。部長や支店長が署名する場面もあります。この場合は、その人が会社を代理する権限を持つかを確かめます。

確かめる方法 見るもの 内容
委任状 代表取締役が出した書面 「この契約について、〇〇に権限を委任します」
社内の規程 職務権限規程・決裁権限表など 部長が結べる契約の種類や金額
支配人の登記 登記事項証明書 会社が選んだ支配人は、事業に関する一切の裁判外の行為をする権限を持つ(会社法第10条・第11条・第918条)
特定の事項の委任 委任の記録 特定の事項の委任を受けた使用人は、その事項の裁判外の行為をする権限を持つ(第14条)

支配人は、本店や支店で事業を任された人で、選んだ会社が登記します。部長や支店長という肩書きだけでは、支配人かどうかは分かりません。肩書きと権限は別なので、書面で確かめます。

権限が確かめられないときは、代表取締役の名義で契約書をもらい直す、委任状を添えてもらう、のどちらかを相手方にお願いします。自社の人が署名する側でも、同じ考え方で、委任状や規程で権限があることを残しておきます。

署名欄の基本形(本店の所在地・会社名・代表取締役と氏名・署名か記名と押印)、代表取締役以外が署名するときの確かめ方(委任状・職務権限規程・支配人の登記・特定の事項の委任)、右に署名者の肩書きの確認から登記事項証明書の取得、商号と代表取締役の照合、委任状の確認、保管までの6段階の手順。
契約書の署名欄の基本形と、署名する人の権限の確かめ方作成: 編集部 / もとの資料: 会社法(e-Gov 法令検索)・法務局

相手方の代表者は、登記事項証明書で確かめます

初めての取引先や、金額の大きい契約では、署名する人が本当に代表取締役かを、登記事項証明書で確かめます。

  1. 取引先の商号と本店の所在地を、契約書の案と照らす
  2. 法務局の窓口・郵送・オンラインで、履歴事項全部証明書か現在事項全部証明書を取る
  3. 役員欄の「代表取締役」の氏名が、署名する人と同じか確かめる
  4. 就任の日が契約日より前か、退任の登記がないかを見る
  5. 契約書の写しと証明書の写しを、一緒に保管する

登記事項証明書は、誰でも取れます。証明書の発行日より後に代表取締役が変わっている可能性もあるので、契約の直前に取るのが望ましいです。取り方は登記簿謄本の取り方を見てください。

名刺の肩書きは、こう読みます

名刺の肩書きは、会社が自由に付けています。代表権があるかどうかは、肩書きだけでは決まらず、登記で確かめます。

名刺の肩書き 読み方 代表権の確かめ方
代表取締役社長 代表取締役で、社内の呼び名が社長 登記で代表取締役を確かめる
取締役社長 取締役で、社内の呼び名が社長。代表権があるとは限らない 登記で代表取締役が別にいないか確かめる
取締役副社長 取締役で、呼び名が副社長 登記で代表取締役かを確かめる
専務取締役・常務取締役 取締役で、社内の序列を示す呼び名 登記で確かめる
取締役営業部長 取締役が営業部長を兼ねている 契約の権限は代表取締役の委任の有無による
執行役員営業部長 従業員の役職。会社法の役員ではない 委任状や規程で確かめる
CEO・COO・CFO 社内の呼び名 登記で確かめる
代表取締役CEO 代表取締役が、呼び名としてCEOを名乗る 登記で代表取締役を確かめる

一般的には、代表取締役社長の名刺を渡された場合でも、契約の前に登記で確かめておくと安心です。名刺を疑うわけではなく、会社の手続きとして確かめておくという位置づけです。

今日からできること

  1. 自社の登記事項証明書を取り、自社の代表取締役の氏名と数を確かめる
  2. 契約書のひな形の署名欄が「会社名・代表取締役・氏名」になっているか見直す
  3. 部長や支店長が結べる契約の範囲を、職務権限規程などの書面で確かめる
  4. 取引先と契約するときは、署名する人の肩書きを見て、代表取締役でなければ委任状をお願いする
  5. 初めての取引先は、契約の前に登記事項証明書で代表取締役を確かめる

個別の契約の効力や、権限が不明なときの対応は、弁護士に相談してください。

よくある質問

Q代表取締役社長と社長は同じ意味ですか。

A同じとは限りません。「代表取締役」は会社法の地位で、「社長」は社内の呼び名です。一般的には社長が代表取締役を兼ねますが、社長でも代表権を持たない会社があります。代表権の有無は登記事項証明書の代表取締役の欄で確かめます。

Q代表取締役は1つの会社に何人まで置けますか。

A会社法に人数の上限を定めた条文はありません(第349条)。2人以上置く会社もあります。登記事項証明書には、代表取締役の氏名と住所がそれぞれ載ります(第911条第3項第14号)。

Q取引先の担当者が部長の名義で契約書に署名しました。有効ですか。

A部長という肩書きだけでは、会社を代表する権限があるか分かりません。代表取締役の委任状や、社内の職務権限を示す書類で確かめます。権限のある人の署名か分からないときは、代表取締役の名義での締結をお願いするのが確実です。

QCEOは代表取締役のことですか。

ACEOは会社法の言葉ではなく、社内の呼び名です。代表取締役がCEOを名乗る会社が多いものの、CEOの人が代表取締役とは限りません。契約の相手方としては、登記事項証明書の代表取締役を確かめます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月24日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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