2026年12月期の法人税と消費税は、2027年3月1日(月)までに申告して納めます。決算日の翌日から2か月以内が決まりで、その終わりの2月28日が日曜日なので、次の日にずれました。
ただ、12月決算の経理が最初に気にしたいのは、3月より12月31日(木)のほうです。棚卸しも決算賞与の通知も延長の届出も、この日を越えるともう今期には戻せません。
5つの税の期限は3月1日にそろう
法人税と地方法人税、消費税、法人事業税、法人住民税。法律は別々ですが、どれも決算から2か月以内で、1休日にあたれば次の日にずれるところまで同じです。2暦に並べてみると、締切は3つの山に分かれます。
2026年11月から2027年3月までの暦。締切は12月31日、2月1日、3月1日に固まります作成: 編集部 / 出典: e-Gov法令検索・国税庁・国立天文台
2月と3月の山は、遅れても加算税や延滞税を払えば、手続きそのものはできます。やり直しがきかないのは12月31日の山だけ。だから、準備はここから始めるのがいいのです。
12月31日を越えると今期に戻せない
12月31日の在庫を出す棚卸し。日程は年内の出入りから逆算しますイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
税務署の窓口は、12月28日(月)で年内の受付を終えます。3休みに入る前に、今期に入れたいものを見直しておくと、年明けがずっと軽くなります。
| 作業 |
12月31日までにすること |
越えると |
| 棚卸し |
期末の在庫の数と額を出す |
年明けの出入りを引いて戻す手間が増える |
| 固定資産の除却 |
廃棄か引き渡しを終える |
除却損は来期に回る |
| 少額資産の購入 |
買うだけでなく使い始める |
全額を損金にできるのは来期 |
| 決算賞与 |
全員に一人ずつ額を伝える |
払った期の損金になる |
| 未払の計上 |
債務を確定させる |
今期の費用にできない |
まず見ておきたいのは少額資産の行です。中小企業者等が全額を損金にできる特例で、取得価額の基準が期の途中で変わりました。2026年4月1日以後に取得した分は40万円未満、それより前の分は30万円未満まで。4つまり今期は、2つの基準が混ざります。
編集部の例で、35万円のパソコンなら、3月に取得した分は対象外で、12月に取得して年内に使い始めた分は対象です。年300万円までの上限は同じで、常時使う従業員の基準は4月以後の取得から400人以下です。
棚卸しの日を定めた条文は、調べた範囲では見当たりませんでした。法人税で要るのは、事業年度が終わる時に持っている在庫の額です。5仕事納めの12月28日に数え、31日までの出入りを足し引きする進め方でも、この額は出せます。
1月は決算より先に提出物が来る
年末調整がやっと終わったのに、もう次の期限。12月決算の経理なら、そんな気持ちになる月ですよね。
2月1日(月)の3つのうち、法定調書は国税庁の手引きに日付が載っています。6給与支払報告書と償却資産の申告も、本来の1月31日が日曜日なので、地方税法の決まりで次の日にずれます。7ただ、償却資産の令和9年度の案内は確認した時点で見つからなかったので、受付の最後の日は市区町村の案内で見ておくと確実です。
助けになることもあります。償却資産は1月1日に持っている資産を申告するので、決算の固定資産台帳とほぼ同じ日で見ることになるのです。年内に除却と取得を片づけて台帳を閉じれば、1つの台帳を両方に使えます。ただし、少額資産の特例で今期の損金にした資産も、この申告には載せます。8
総会を2月に開くか、3月に開くか
法人税の申告書は「確定した決算」にもとづいて出します。1決算が確定するのは定時株主総会で承認されたときなので、9総会が先で、申告があとという順番です。
では、総会はいつまでに開けばいいのでしょうか。会社法には「事業年度の終了後一定の時期」とあるだけです。目安になるのは基準日で、定款で12月31日にしていれば、その株主が議決権を使えるのは3か月以内、つまり3月31日(水)までです。10
2月に開くなら、申告は3月1日に間に合うので、延長はいりません。3月に開くなら、延長の特例で申告の期限を3月31日まで延ばします。11
延長の特例を使う3つの進み方と、税ごとの手続き。利子税は3月1日からの日数で計算します作成: 編集部 / 出典: e-Gov法令検索・国税庁・東京都主税局・大阪府
どちらが楽かは、決算にかけられる日数で決まります。2月に開くと、2月1日の提出物を終えてから招集通知まで3週間もありません。1月のうちに試算表を固められないなら、3月のほうが無理のない日程になるでしょう。
延ばした1か月には利子税がかかる
延長の特例を使うと、申告だけでなく納める期限も延びます。ただし、無料ではありません。3月1日からの日数で、国税には利子税、地方税には延滞金がつきます。12割合はどちらも2026年が年1.3%で、2027年の分は2026年11月30日までの告示で決まります。13
3月31日に全額を納めるなら、自社の額は「税額×割合×31÷365」で見当がつきます。これを避けたいなら、2月のうちに見込みの額を納めておきます。納めた分は、次の日から計算の元になる税額から外れます。14
見込みで納めていても、3月31日までに申告書を出さなければ無申告加算税の対象です。しかも計算の元は、見込みの額を引く前の税額。15
初めて延長を使うなら、手続きの期限は決算日の12月31日(木)まで。法人税の申請だけでは、消費税は延びません。消費税の届出について、国税庁は、決算日が休日などにあたっても、その日までに出さないと使えないと案内しています。16窓口に行けるのは28日までなので、そのあとはe-Taxか郵送です。17一度認められれば翌期からも続くので、前期に延長していれば、今年の手続きはいりません。11
3月31日は来期の期限でもある
役員報酬を2027年12月期から変えるなら、3月31日(水)が原則の期限です。定期同額給与の額を変えられるのが、事業年度の初めの3か月だからです。18反対に、決算が見えてきた12月に額を上げると、損金にならない部分が出ます。役員賞与を事前確定届出給与にする会社には、別の届出の期限があります。
2027年12月期からは、防衛特別法人税も始まります。令和8年4月1日以後に始まる事業年度が対象なので、2026年1月1日に始まった今期には当たりません。19税額が0でも申告が要るので、来期の予定に入れておくと慌てません。法人税の中間申告は2027年8月31日(火)で、前期の法人税額の半分が10万円を超える会社が対象です。20
11月のうちに確認すること
まず、前期の申告書の控えを開いてみてください。延長しているかどうかが分かれば、残りの予定はほとんど決まります。
「うちの期限は3月1日で、延長するなら31日分の利子税がこのくらいです」。そこまで数字で言えれば、総会の日程を相談されたときに、決める側に回れます。
この記事は、2026年11月1日時点の法令と、国税庁、東京都、大阪府などの資料をもとに書きました。2026年12月31日に決算を迎える、事業年度が1年の株式会社の例です。定款や会社の事情で答えが変わることがあるので、最後は顧問の税理士か税務署、都道府県税事務所に相談してください。