本文へ移動
ベンチャー・スピリット!VENTURE SPIRIT

特集FEATURE

男性の育休取得率 推移と事業所規模別のデータ・公表が義務の会社

厚生労働省「雇用均等基本調査」令和7年度の男性の育児休業取得率は50.9%で、11年前の2.65%から大きく上がりました。女性との推移、事業所規模別・産業別、取得期間の分布、従業員300人超の会社に課される取得状況の公表義務と計算方法をまとめます。

公開 約11分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
コメント
文字
男性の育休取得率 推移と事業所規模別のデータ・公表が義務の会社

この記事でわかること

  • 令和7年度調査の男性の育児休業取得率は50.9%(女性は88.3%)で、前回の40.5%から10.4ポイント、10年前の2.65%から大きく上がりました
  • 規模別は500人以上の事業所が60.7%、5〜29人が42.9%です。男性の取得期間は1か月〜3か月未満が30.3%で最も多くなっています
  • 常時雇用する労働者が300人を超える会社は、男性の育児休業等の取得割合を年1回、インターネットなどで公表する義務があります
対象人事労務実務

「うちの会社の男性社員の育休取得は、世の中と比べてどうなのか」。人事や労務の担当者が、社内や経営層に説明するとき、よく使われるのが厚生労働省「雇用均等基本調査」の取得率です。

厚生労働省は2026年7月31日に、令和7年度の結果を公表しました。男性の育児休業取得率は50.9%で、前回の40.5%から10.4ポイント上がっています(「令和7年度雇用均等基本調査」結果を公表します)。この記事では、その数字の読み方と、従業員300人を超える会社に課されている取得状況の公表義務を、2026年10月21日時点の制度でまとめます。産休・育休の手続きそのものは、ここでは扱いません。

雇用均等基本調査とは 調査の対象と取得率の決まり

雇用均等基本調査は、男女の均等な取扱いや仕事と家庭の両立などの実態を調べる、厚生労働省の統計調査です。育児休業の数字は、このうち「事業所調査」から出ています。標本調査なので、結果は抽出した事業所の回答をもとにした推計です。

項目 令和7年度調査
対象の事業所 常用労働者5人以上の民営事業所(産業・規模別に抽出)
回答 3,291事業所(有効回答率52.2%)
調査の時点 2025年10月1日現在
男性の分母 2023年10月1日から2024年9月30日までの1年間に、配偶者が出産した男性
男性の分子 そのうち2025年10月1日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した人。開始予定の申出をしている人を含む
公表 2026年7月31日

読むときの注意が3つあります。1つ目は、「育休を開始した人」の割合であり、何日休んだかは含まれないことです。2つ目は、数字の年度と、実際に出産があった時期が1年ほどずれることです。令和7年度の数字は、2023年10月から2024年9月に出産があった人の分です。3つ目は、規模が企業ではなく事業所で区切られていることです。

なお、令和8年度の調査結果は、2026年10月21日の時点では公表されていません。

男性の育休取得率の推移 11年で2.65%から50.9%に

雇用均等基本調査で、出産した女性と配偶者が出産した男性の育児休業取得率を調査年度ごとに2本の横棒で並べた図。男性は令和7年度50.9%、令和6年度40.5%、令和5年度30.1%、令和4年度17.13%、令和3年度13.97%、令和2年度12.65%、令和元年度7.48%、平成30年度6.16%、平成29年度5.14%、平成28年度3.16%、平成27年度2.65%。女性は88.3%、86.6%、84.1%、80.2%、85.1%、81.6%、83.0%、82.2%、83.2%、81.8%、81.5%。下に政府の目標(2025年50%・2030年85%)、読むときの決まり、男性の上がり幅、女性の取得率の欄がある
男性・女性の育児休業取得率の推移(平成27年度〜令和7年度・雇用均等基本調査)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「雇用均等基本調査」

男性の取得率は、平成27年度(2015年)の2.65%から、令和7年度の50.9%まで上がりました。平成22年度は1.38%で、15年前と比べると約37倍です。女性は80%台で動き、令和7年度は88.3%です。

調査年度 男性 女性
令和7年度(2025年) 50.9% 88.3%
令和6年度(2024年) 40.5% 86.6%
令和5年度(2023年) 30.1% 84.1%
令和4年度(2022年) 17.13% 80.2%
令和3年度(2021年) 13.97% 85.1%
令和2年度(2020年) 12.65% 81.6%
令和元年度(2019年) 7.48% 83.0%
平成30年度(2018年) 6.16% 82.2%
平成29年度(2017年) 5.14% 83.2%
平成28年度(2016年) 3.16% 81.8%
平成27年度(2015年) 2.65% 81.5%

出典: 厚生労働省「雇用均等基本調査」各年度の結果概要。令和7年度の結果概要の図4の値と、令和6年・4年・2年・平成27年度の結果概要で確かめました。

特に伸びたのは令和5年度と令和6年度です。令和4年度の17.13%から、令和5年度は30.1%、令和6年度は40.5%と、2年続けて10ポイント以上上がりました。令和5年度から産後パパ育休を数えに含めているため、令和4年度以前とは数え方が少し違います。数え方の違いが上がり幅にどれだけ影響したかは、資料に書かれていません。

政府は2023年6月13日の「こども未来戦略方針」で、民間の男性の育児休業取得率の目標を、2025年に50%、2030年に85%としました。それまでの目標は2025年までに30%でした(こども未来戦略方針等について)。この方針が参考にしている「直近の取得率」は、雇用均等基本調査の令和3年度の13.97%です。令和7年度調査の50.9%は、2025年の目標の50%を上回りました。2026年10月21日の時点で、この目標が見直されたかどうかは、確かめられた範囲では見つかっていません。

事業所規模別・産業別の取得率

令和7年度雇用均等基本調査の事業所規模別の育児休業取得率を男女2本の横棒で並べた図。全体は男性50.9%・女性88.3%、500人以上は60.7%・93.6%、100〜499人は54.6%・95.8%、30〜99人は49.9%・93.6%、5〜29人は42.9%・80.4%。下の4つの欄に、産業別で男性の取得率が高い産業(複合サービス事業70.1%など)と低い産業(不動産業30.9%など)、取得率を公表している事業所の割合(全体26.2%・500人以上82.3%・5〜29人24.2%)、産後パパ育休の規定がある事業所の割合がある
事業所規模別・産業別の育児休業取得率と取得率の公表状況(令和7年度)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」

規模別の取得率は、大きい事業所ほど高くなっています。

事業所規模 男性 女性 取得率を公表している事業所
全体(5人以上) 50.9% 88.3% 26.2%
500人以上 60.7% 93.6% 82.3%
100〜499人 54.6% 95.8% 58.5%
30〜99人 49.9% 93.6% 29.3%
5〜29人 42.9% 80.4% 24.2%
30人以上(再掲) 55.2% 94.4% 35.6%

出典: 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」事業所調査の第12表・第18表。公表の列は、男性の育児休業・育児目的休暇の取得率を公表している事業所の割合です。

500人以上と5〜29人の差は17.8ポイントです。取得率を公表している事業所の割合は、全体で26.2%と、令和5年度の20.2%から6.0ポイント上がりました。500人以上では82.3%ですが、5〜29人では24.2%にとどまります。

産業別では、複合サービス事業(郵便局や協同組合など)の70.1%が最も高く、不動産業,物品賃貸業の30.9%が最も低くなっています。差は39.2ポイントです。

産業 男性の取得率
複合サービス事業 70.1%
学術研究,専門・技術サービス業 66.9%
金融業,保険業 62.3%
電気・ガス・熱供給・水道業 58.2%
製造業 55.9%
医療,福祉 55.9%
教育,学習支援業 51.9%
情報通信業 51.1%
サービス業(他に分類されないもの) 48.7%
運輸業,郵便業 46.5%
建設業 45.0%
宿泊業,飲食サービス業 45.0%
卸売業,小売業 44.9%
生活関連サービス業,娯楽業 37.5%
不動産業,物品賃貸業 30.9%

出典: 同第12表。鉱業,採石業,砂利採取業(59.4%)は、集計に使った事業所が少なく、結果の利用に注意が必要と表に示されているため、上の表から外しています。

産業別の数字は、抽出した事業所の回答から出した推計です。業種が違うと、年齢構成や職場の人数も違います。自社の業種より上か下かを、順位づけのように受け止めないほうがよいでしょう。

男性の取得期間は1か月〜3か月未満が最多

令和7年度雇用均等基本調査で、2024年4月から2025年3月に育児休業を終えて復職した人の取得期間の分布を、男女2本の横棒で12区分に並べた図。男性は1か月〜3か月未満30.3%、2週間〜1か月未満28.0%、5日〜2週間未満14.1%、3か月〜6か月未満10.1%、5日未満6.8%の順。女性は12か月〜18か月未満31.4%、10か月〜12か月未満28.7%、18か月〜24か月未満12.4%の順。下に男性の積み上げ(3か月未満79.2%)、分けて取った回数、復職した人の割合がある
育児休業の取得期間の分布 男女別(復職した人・令和7年度調査)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」

取得率は「開始した人」の割合なので、休んだ長さは別の表で見ます。2024年4月から2025年3月に育児休業(産後パパ育休を含む)を終えて復職した人の、取得期間の分布です。取得率の分母とは違う人の集まりです。

取得期間 男性 女性
5日未満 6.8% 0.6%
5日〜2週間未満 14.1% 0.6%
2週間〜1か月未満 28.0% 0.5%
1か月〜3か月未満 30.3% 1.4%
3か月〜6か月未満 10.1% 3.6%
6か月〜8か月未満 5.2% 4.6%
8か月〜10か月未満 1.1% 10.6%
10か月〜12か月未満 2.4% 28.7%
12か月〜18か月未満 1.8% 31.4%
18か月〜24か月未満 0.1% 12.4%
24か月〜36か月未満 0.1% 3.5%
36か月以上 0.1% 1.8%

出典: 同結果概要の表12。四捨五入のため、合計は100%にならないことがあります。「不明」の欄(男性0.1%・女性0.3%)は省きました。

男性は「1か月〜3か月未満」が30.3%で最も多く、次いで「2週間〜1か月未満」が28.0%です。編集部が足すと、1か月未満が48.9%、3か月未満が79.2%になります。女性は「12か月〜18か月未満」が31.4%で最も多く、10か月以上休んだ人が約8割です。

男性の5日未満は、前回までと同じ形では比べられません。結果概要の参考表には、令和3年度25.0%、令和5年度15.7%と載っていますが、延べ人数で集計しているため、単純比較できないと注記されています。

そのほか、育児休業を終えて復職する予定だった男性のうち、実際に復職した人は98.1%、退職した人は1.9%でした。復職した男性の78.6%は1回でまとめて取り、18.6%が2回に分けています。産後パパ育休を取った人は、育休を開始した男性のうち58.3%です。

公表の義務 300人を超える会社は男性の取得状況を毎年公表する

ここからは制度の話です。育児・介護休業法の第22条の2は、常時雇用する労働者が300人を超える事業主に、育児休業の取得の状況を、毎年少なくとも1回公表することを義務づけています(e-Govの2026年10月時点の条文)。

時期 対象
2023年4月から 常時雇用する労働者が1,000人を超える事業主
2025年4月1日から 300人を超える事業主(300人超1,000人以下が加わった)

出典: 厚生労働省のリーフレット「2025年4月から、男性労働者の育児休業取得率等の公表が従業員が300人超1,000人以下の企業にも義務化されます」ほか。

公表する割合は2つのうちどちらか

公表する内容は、育児・介護休業法施行規則の第71条の6で、次のどちらかの割合と決まっています。どちらも、公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度(公表前事業年度)の数字です。

方式 計算
①育児休業等の取得割合 育児休業等をした男性労働者の数 ÷ 配偶者が出産した男性労働者の数
②育児休業等と育児目的休暇の取得割合 (育児休業等をした男性労働者の数 + 小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の数) ÷ 配偶者が出産した男性労働者の数

「育児休業等」には、育児休業(産後パパ育休を含む)のほか、育児休業に準ずる措置による休業が含まれます。②の「育児を目的とした休暇」は、育児休業や子の看護休暇などの法定の制度を除いた、会社独自の休暇制度で、休暇の目的に育児が含まれると就業規則などで明らかにされているものです(リーフレットのQ&Aによる)。

数え方の細かい決まりは、厚生労働省のリーフレットに次のようにあります。

  • 産後パパ育休とそれ以外の育児休業は、分けて計算しなくてよい
  • 同じ子について、育休を2回に分けた人、育休と休暇の両方を取った人は1人として数える
  • 事業年度をまたいだ場合は、育休を開始した日を含む事業年度で数える。分けて取った場合は、最初の取得だけを数える

公表の方法と時期

公表は、インターネットの利用その他の適切な方法で行うと、施行規則の第71条の5が定めています。一般の人が見られる方法であれば足ります。厚生労働省は、同省が運営する「両立支援のひろば」での公表をすすめています。あわせて女性の取得率や育児休業の平均取得日数も、任意で載せられます。

時期は、法令に日付はなく、リーフレットで「公表前事業年度の終了後、おおむね3か月以内」とされています。決算月ごとの初回の期限の目安も、リーフレットに出ています。

事業年度末(決算月) 初回公表の期限の目安
3月 2025年6月末
6月 2025年9月末
9月 2025年12月末
12月 2026年3月末

出典: 同リーフレット(令和6年5月作成)の表から、四半期ごとの月を抜き出しました。

2回目以降は、毎年同じ時期になります。たとえば3月決算の会社なら、2025年度分(2025年4月から2026年3月)の状況を、2026年6月末ごろまでに公表する形です。

今日からできること

300人以下の会社でも、同じ計算で自社の割合を出しておくと、社員への説明や求人票での説明に使えます。出すときは、この調査と同じ範囲で比べます。分母は配偶者が出産した男性社員、分子は育休を開始した人(申出をした人を含む)です。数が少ない会社では、1人の違いで割合が大きく動くため、人数もあわせて示しておくと誤解が減ります。

あわせて、年次有給休暇の取得状況は有給休暇の取得率 業種別・規模別のデータと平均取得日数に、人の入れ替わりの数字は離職率の平均 業種別・年代別のデータと入職率との差にまとめています。

よくある質問

Q男性の育休取得率は、どの期間の何を数えた割合ですか。

A令和7年度の調査では、2023年10月1日から2024年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性のうち、2025年10月1日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した人の割合です。育休の開始予定の申出をしている人も含みます。育休を終えた人の割合ではなく、実際に取った日数も問いません。

Q自社の従業員が300人を超えるかどうかは、どう数えますか。

A厚生労働省のリーフレットでは、常時雇用する労働者を、期間の定めなく雇われている人と、雇用期間が反復更新されて事実上期間の定めなく雇われているのと同じと認められる人としています。過去1年以上引き続き雇用されている人、または雇い入れから1年以上雇用される見込みの人が当たります。

Q公表する割合は、育児休業だけを数えればよいですか。

A次の2つのうち、どちらかを選べます。1つ目は育児休業等の取得割合、2つ目は育児休業等に加えて、育児を目的とした休暇制度の利用者も数える割合です。育児休業には産後パパ育休を含みます。同じ子について育休と休暇の両方を取った人は1人として数えます。

Qいつまでに公表すればよいですか。

A法令に日付はなく、厚生労働省のリーフレットが、公表前事業年度の終了後おおむね3か月以内を求めています。たとえば3月決算の会社は、2025年度分(2025年4月から2026年3月)の状況を2026年6月末ごろまでに公表する想定です。

Q公表の義務がない小さな会社は、取得率を調べなくてよいのですか。

A法律上は公表の義務はありません。ただ、この調査では5〜29人の事業所でも男性の取得率は42.9%で、社員から聞かれる場面は増えるはずです。同じ計算のしかたで自社の割合を出しておくと、説明に使えます。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

役に立ったら、保存・いいね・共有をお願いします

コメントを読み込んでいます