「うちの年間休日は、世間と比べて多いのか少ないのか」。求人票を作るときや就業規則を見直すときに、人事・労務の担当者が必ず突き当たる問いです。物差しになるのが、厚生労働省「就労条件総合調査」の年間休日総数です。
厚生労働省が2025年12月19日に公表した令和7年調査では、2024年の1年間の年間休日は1企業平均112.4日、労働者1人平均116.6日でした(令和7年就労条件総合調査 結果の概況)。この記事では、10年の推移、階級別の分布、業種別・規模別、週休2日制の割合を整理し、年間休日の目安を法律から逆算する方法まで書きます。同じ調査の有給休暇は有給休暇の取得率 業種別・規模別のデータと平均取得日数 令和7年就労条件総合調査にまとめています。
年間休日の調査の対象と数え方
数字を読む前に、調査の範囲と「年間休日総数」の決まりを確かめます。
| 項目 |
令和7年調査 |
| 対象の企業 |
常用労働者30人以上の民営企業(医療法人・社会福祉法人・協同組合など会社以外の法人を含む)から抽出した6,448社 |
| 回答 |
3,820社(有効回答率59.2%) |
| 対象の人 |
期間を定めずに雇われている労働者(パートタイム労働者を除く) |
| 年間休日の期間 |
2024年の1年間(又は2023会計年度) |
| 週休制の時点 |
2025年1月1日現在 |
| 公表 |
2025年12月19日 |
数え方には、もう一つ押さえる点があります。「1企業平均」は、企業ごとに「最も多くの労働者に適用される年間休日総数」を選び、それを企業で平均した値です。「労働者1人平均」は、同じ値を適用される労働者の数で加重平均したものです。職種ごとにカレンダーが違う会社でも、1社につき1つの数字になります。
また、この調査は標本調査で、数字は母集団に復元したものです。1年だけの小さな動きは、実態の変化と誤差の区別がつきません。令和8年調査の結果は、2026年10月21日の時点で公表されていません。
年間休日の平均は112.4日 10年で4.9日増えた
令和7年調査の1企業平均は112.4日、労働者1人平均は116.6日です。どちらも昭和60年(1985年)以降で最も多くなっています。10年前の平成27年調査(2014年の1年間)は107.5日と113.2日でした。
| 実績の年 |
調査 |
1企業平均 |
労働者1人平均 |
120日以上の企業 |
| 2024年 |
令和7年調査 |
112.4日 |
116.6日 |
39.3% |
| 2023年 |
令和6年調査 |
112.1日 |
116.4日 |
37.3% |
| 2022年 |
令和5年調査 |
110.7日 |
115.6日 |
34.1% |
| 2021年 |
令和4年調査 |
107.0日 |
115.3日 |
31.2% |
| 2020年 |
令和3年調査 |
110.5日 |
116.1日 |
33.3% |
| 2019年 |
令和2年調査 |
109.9日 |
116.0日 |
31.8% |
| 2018年 |
平成31年調査 |
108.9日 |
114.7日 |
29.3% |
| 2017年 |
平成30年調査 |
107.9日 |
113.7日 |
25.0% |
| 2016年 |
平成29年調査 |
108.3日 |
113.7日 |
28.9% |
| 2015年 |
平成28年調査 |
108.0日 |
113.8日 |
30.5% |
| 2014年 |
平成27年調査 |
107.5日 |
113.2日 |
28.5% |
出典: 厚生労働省「就労条件総合調査」平成27年〜令和7年の結果の概況(年間休日総数階級別企業割合)。120日以上は「120〜129日」と「130日以上」の足し算で、編集部が計算しました。
10年で見ると、1企業平均は4.9日、労働者1人平均は3.4日増えました。2021年の107.0日は前年から3.5日下がっていますが、資料には理由が書かれていません。1年ごとの上下より、2022年から3年続けて増えていること、120日以上の企業が4割に近づいたことを見るほうが、流れをつかめます。
年間休日の階級別の分布と平均(令和7年就労条件総合調査)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」
階級別の分布 100〜109日が28%、120〜129日が37%
平均だけでは、会社ごとの違いが見えません。階級別の割合で見ると、企業は「120〜129日」が37.3%で最も多く、「100〜109日」の27.9%、「110〜119日」の21.4%が続きます。
| 年間休日総数 |
企業の割合 |
労働者の割合 |
| 69日以下 |
1.1% |
0.2% |
| 70〜79日 |
1.8% |
0.8% |
| 80〜89日 |
3.0% |
1.1% |
| 90〜99日 |
5.2% |
2.4% |
| 100〜109日 |
27.9% |
17.8% |
| 110〜119日 |
21.4% |
20.1% |
| 120〜129日 |
37.3% |
56.2% |
| 130日以上 |
2.0% |
1.3% |
出典: 令和7年就労条件総合調査 第4表・第5表(結果表)。企業の割合には「不明」0.4%が別にあります。
労働者で数えると、半分を超える56.2%が「120〜129日」の会社で働いています。企業で数えた割合(37.3%)より高いのは、規模の大きい会社ほど年間休日が多く、大きな会社には働く人も多く含まれるためと読めます。120日以上にそろえると、企業は39.3%、労働者は57.5%です。反対に、年間休日が100日に届かない企業は11.1%、労働者は4.5%でした。
企業規模別 大きい会社ほど年間休日が多い
規模別の1企業平均は、1,000人以上の117.7日から30〜99人の111.2日まで、6.5日の差があります。
| 企業規模 |
1企業平均(10年前) |
120日以上の企業 |
| 1,000人以上 |
117.7日(114.4日) |
57.8% |
| 300〜999人 |
116.2日(112.0日) |
51.1% |
| 100〜299人 |
114.5日(110.0日) |
45.9% |
| 30〜99人 |
111.2日(106.2日) |
35.4% |
出典: 令和7年就労条件総合調査 第4表、平成27年調査 第4表。10年前は平成27年調査(2014年の1年間)。
10年間の増え方は、1,000人以上が3.3日、300〜999人が4.2日、100〜299人が4.5日、30〜99人が5.0日です。規模が小さいほど増え幅が大きく、規模の差は10年前の8.2日(114.4−106.2)から6.5日に縮まりました。この調査は常用労働者30人以上の企業が対象で、30人未満の会社の数字はありません。
業種別の年間休日 最大20日の差
業種別の1企業平均は、情報通信業の122.2日が最も多く、宿泊業,飲食サービス業の102.2日が最も少なくなっています。差は20.0日です。
業種別の年間休日総数 1企業平均(令和7年調査と10年前)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」
| 業種 |
1企業平均 |
増えた日数 |
120日以上の企業 |
完全週休2日制の企業 |
| 情報通信業 |
122.2日 |
+1.7日 |
90.6% |
95.7% |
| 金融業,保険業 |
121.6日 |
+1.5日 |
93.3% |
94.4% |
| 学術研究,専門・技術サービス業 |
121.4日 |
+3.4日 |
82.2% |
86.2% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 |
119.4日 |
+1.4日 |
70.2% |
74.1% |
| 不動産業,物品賃貸業 |
116.6日 |
+8.3日 |
52.4% |
74.6% |
| 複合サービス事業 |
115.0日 |
+2.5日 |
67.1% |
66.9% |
| 製造業 |
114.2日 |
+2.6日 |
40.4% |
59.9% |
| 医療,福祉 |
114.0日 |
+3.2日 |
38.3% |
78.1% |
| 教育,学習支援業 |
113.4日 |
+2.6日 |
36.0% |
54.9% |
| 建設業 |
112.8日 |
+8.5日 |
38.2% |
62.7% |
| サービス業(他に分類されないもの) |
112.7日 |
+4.1日 |
44.3% |
61.4% |
| 卸売業,小売業 |
111.8日 |
+6.9日 |
34.7% |
65.5% |
| 鉱業,採石業,砂利採取業 |
110.5日 |
+7.4日 |
21.2% |
43.7% |
| 生活関連サービス業,娯楽業 |
105.3日 |
+5.4日 |
18.0% |
52.3% |
| 運輸業,郵便業 |
104.2日 |
+5.7日 |
20.8% |
44.9% |
| 宿泊業,飲食サービス業 |
102.2日 |
+6.9日 |
10.2% |
56.9% |
| 調査計 |
112.4日 |
+4.9日 |
39.3% |
65.5% |
出典: 令和7年就労条件総合調査 結果表(第2表・第4表)、平成27年調査 第4表。増えた日数は10年前(平成27年調査)との差で、編集部が計算しました。
16業種すべてで、10年前より増えました。増えた日数が大きいのは、建設業の8.5日、不動産業,物品賃貸業の8.3日、鉱業,採石業,砂利採取業の7.4日です。理由は資料に書かれていません。
読むときの注意が2つあります。
- 業種の中でも差がある。 卸売業,小売業の1企業平均は111.8日ですが、卸売業は117.5日、小売業は107.0日です。製造業も、消費関連110.8日、素材関連114.2日、機械関連117.0日と分かれます。
- 1企業平均と労働者1人平均が離れる業種がある。 複合サービス事業は1企業平均115.0日に対し、労働者1人平均は108.8日で、100〜109日の階級に労働者の70.2%が入っています。
自社の業種の数字は、1年分だけでなく、前の年の調査とも並べて説明すると、ぶれにくくなります。業種ごとの給与と残業時間は業種別の給与と残業時間 毎月勤労統計で比べる2025年の数字と読み方にまとめています。
週休2日制の割合 完全週休2日制は企業の65.5%
週休制は、企業で最も多くの労働者に適用される制度を「主な週休制」として集計しています。
週休制の形態別の企業割合と完全週休2日制の推移作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「就労条件総合調査」
| 主な週休制の形態 |
企業の割合 |
適用労働者の割合 |
| 何らかの週休2日制 |
92.6% |
94.4% |
| うち 完全週休2日制 |
65.5% |
73.3% |
| うち 完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度 |
27.1% |
21.1% |
| 週休1日制又は週休1日半制 |
5.6% |
3.0% |
| 何らかの週休3日制 |
0.9% |
2.4% |
出典: 令和7年就労条件総合調査 第2表・第3表。企業の割合には、主な週休制が「不明」のもの(0.8%)と、「完全週休3日制より休日日数が実質的に多い制度」(0.2%)が別にあります。適用労働者は、労働時間の定めのない人を除きます。
「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」は、表の注で「月3回、隔週、月2回、月1回の週休2日制等」とされています。求人票に「週休2日制」と書かれていても、毎週2日休めるとは限りません。
規模別の完全週休2日制は、1,000人以上が77.9%、300〜999人が73.2%、100〜299人が70.7%、30〜99人が62.6%で、最大15.3ポイントの差です。運輸業,郵便業は、週休1日制又は週休1日半制の企業が17.8%と、業種で最も高くなっています。
推移を見ると、完全週休2日制の企業割合は2014年の50.7%から2018年の44.3%まで下がり、その後上がって2024年に65.5%になりました。前年調査から8.8ポイントの増加は、10年で最も大きい動きです。資料には理由が書かれていません。また、令和6年調査の表の注には、令和5年調査の全企業が一部の区分を含むとあり、週休制の区分が調査によって異なります。2022年以前と2023年以降を比べるときは、この点を添えると安全です。
年間休日120日とは どんな休み方か 編集部の計算例
求人の「年間休日120日」は、どんな休み方でしょうか。カレンダー通りに休む会社で数えてみます。
|
2026年 |
2027年 |
| 土曜・日曜 |
104日 |
104日 |
| 平日にあたる国民の祝日・休日 |
17日 |
16日 |
| 土日と祝日の合計 |
121日 |
120日 |
| 年末年始(12月29日〜1月3日)のうち平日で祝日でない日 |
4日 |
3日 |
| 年末年始も休むときの合計 |
125日 |
123日 |
出典: 内閣府「国民の祝日について」の祝日一覧をもとに、編集部が数えました(2026年10月21日確認)。2026年は5月6日の振替休日と9月22日の国民の休日を含みます。年末年始は12月29日〜1月3日の例で、会社の休日は会社ごとに違います。
土日と祝日を休みにするだけで、年間休日は120日前後になります。年の暦で毎年変わり、2026年は121日、2027年は120日です。求人票の「年間休日120日」が、どの年の暦で数えた値かは確かめておきます。
土日と祝日をすべて休むと120日前後になるので、100〜119日の会社は、土日の一部か祝日の一部が出勤日になっている計算です。
法律から逆算する年間休日の目安
年間休日の最低日数を直接決めた条文はありません。ただし、労働基準法の2つの条文から、おおよその下限が計算できます。
- 第32条: 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間、1日について8時間を超えて働かせてはならない
- 第35条: 使用者は、労働者に、毎週少なくとも1回の休日を与える。4週間を通じて4日以上の休日を与える使用者には適用しない
1年(365日)は52.14週で、週40時間の上限は年に2,085.7時間(365÷7×40)です。1日の所定労働時間で割ると、年に働かせられる日数の上限が出ます。
| 1日の所定労働時間 |
年の労働日数の上限 |
年間休日の下限の目安 |
| 8時間 |
260日(260.7日) |
105日 |
| 7時間30分 |
278日(278.1日) |
87日 |
| 7時間 |
297日(297.9日) |
68日 |
出典: 労働基準法第32条・第35条をもとに、編集部が計算しました(365日の年・時間外労働なし・小数点以下は切り捨て)。2026年10月21日にe-Gov法令検索で条文を確認。
1日8時間なら、週休2日の約104日に1日足した105日が下限の目安です。これを下回る年間休日で全員が毎日8時間働くと、週40時間を超えた分が時間外労働になります。
休日は、就業規則の絶対的必要記載事項で、常時10人以上の労働者を使う会社は、休日を就業規則に書いて届け出ます(労働基準法第89条)。労働契約を結ぶときに書面で明示する項目にも「休日」が入っています(同法第15条、施行規則第5条)。就業規則の作り方は就業規則とは 作る義務がある会社・届け出の手順と、社員が見ておきたい項目、求人票の休日の書き方は求人票・募集要項の書き方 必ず明示する労働条件と記入例で扱っています。
自社の年間休日を数えて比べる手順
統計と並べるときは、数え方を調査にそろえます。
- 対象を決める。調査は、企業で最も多くの労働者に適用される年間休日総数を使います。区分が複数あるときは、人数の多い区分にします。
- 期間を決める。暦年か会計年度の1年分を数えます。
- 休日を足す。週休日、国民の祝日、年末年始、夏季休暇、会社記念日など、就業規則で労働義務がないとされた日です。
- 有給休暇と休業の分は入れない。
- 業種と規模の数字、前の年の調査と並べる。
よくあるずれは次の3つです。
- 年間休日110日に有給休暇10日を足して「120日」と書く(年間休日は110日のまま)
- 休みにしている祝日を数えず、土日の104日だけにする
- 求人票と就業規則の日数がずれている(就業規則の日数にそろえる)
今日からできること
- 自社の就業規則とカレンダーで、今年と来年の年間休日総数を数える(有給休暇は入れない)。
- 自社の業種・規模の1企業平均、120日以上の企業割合、完全週休2日制の割合を、令和6年調査と令和7年調査の2年分で並べる。
- 求人票・雇用契約書の休日の書き方(完全週休2日制か、週休2日制か、年間休日は何日か)を、就業規則とそろえる。
- 所定労働時間と年間休日の組み合わせが、週40時間の範囲に収まっているかを確かめる。収まらない場合は、時間外労働の割増賃金の扱いを社会保険労務士に相談する。
- 社内の資料には、調査名・調査の年・実績の年・対象の範囲を書き添える。
この記事の数字は、2026年10月21日に厚生労働省の資料、政府統計の総合窓口(e-Stat)の結果表、e-Gov法令検索、内閣府の祝日一覧で確かめたものです。令和8年就労条件総合調査の結果が公表されたら、厚生労働省の「就労条件総合調査」のページで最新の数字を確かめてください。