会社として取引先に年賀状を出す担当者が迷いやすいのは、賀詞の選び方、宛名リストの整え方、出す時期、喪中の相手への対応です。2027年用は、日本郵便が年賀状の引受開始日を12月20日に、元日に届けるための差出の目安を12月27日に繰り下げました。この記事では、10月下旬から1月までの段取りと文例をまとめます。日付と宛名は日本郵便の発表と案内で確かめ、賀詞や文面の習わしは一般的な慣習として紹介します。
2027年用の年賀状はいつ出すか 12月20日から27日までに
日本郵便は2026年8月31日、2027(令和9)年用年賀はがき等の発行概要を発表しました。会社の段取りに関わる日付は次のとおりです。
| 項目 |
2027年用の日付 |
補足 |
| 年賀はがき・年賀切手の発売 |
2026年11月2日(月) 9:00から |
郵便局などで販売 |
| 郵便局のネットショップでの注文 |
2026年10月26日(月)から2027年1月13日(水)まで |
10枚単位で注文 |
| 年賀状の引受開始 |
2026年12月20日(日) |
昨年までは12月15日 |
| 元日に届けるための差出の目安 |
2026年12月27日(日)まで |
昨年までは12月25日 |
| 三が日の配達 |
2027年1月1日(金)と1月3日(日) |
1月3日は日曜日でも配達 |
| 年賀はがきの販売終了 |
2027年1月15日(金) |
従前は1月10日ごろ |
料金は、年賀はがきの無地とインクジェット紙が1枚85円、寄付金付の絵入りが90円(うち5円が寄付金)、地域限定の広告付が80円です。通常のはがきも全国一律85円、封書(定形郵便物・50g以内)は110円です。
年賀はがき以外のはがきや封書で出すときは、表の見やすい所に「年賀」と赤で書きます。日本郵便の内国郵便約款(2026年10月1日改正)は、この表示をして12月28日までの引受期間に出された郵便物を、元日の最初の便から配達する「年賀特別郵便」として扱うと定めています(2027年用の引受開始は12月20日)。12月29日から1月7日までに「年賀」と赤で書いて出された通常はがきは、料額印面の消印を省略するとも定めています。
年賀状の数は減っています。2027年用の年賀はがきの当初発行枚数は5億5,593万枚で、2026年用の当初発行枚数(7.5億枚)の約74.3%です。2026年の元日に配達された年賀郵便物は3億63百万通(速報値)で、前年の4億91百万通の74.0%でした。会社でも、前年の送り先をそのまま印刷せず、出す相手と出し方を毎年見直すことが大切です。
準備の段取り 10月下旬から1月までの流れ
宛名リストを11月中に固めておくと、12月は印刷と一言の書き込み、投函だけになります。
2027年用の年賀状の段取り。12月20日から27日までに出し、1月は返礼と名簿の見直し作成: 編集部 / もとの資料: 日本郵便「2027(令和9)年用年賀はがき等の発行概要」・同「内国郵便約款」・国立天文台「令和9年暦要項」
| 時期 |
すること |
| 10月26日(月) |
郵便局のネットショップで年賀はがきの注文が始まる(1月13日まで) |
| 10月下旬〜11月 |
出すか・やめるか、名義、枚数と予算を決め、宛名リストを作る |
| 11月2日(月) |
年賀はがき・年賀切手の発売。年賀特設サイト「郵便年賀.jp」の公開 |
| 11月〜12月上旬 |
異動・退職・移転を反映し、喪中はがきを記録する。印刷を手配する |
| 12月中旬 |
宛名と文面を校正し、担当者が手書きの一言を添える |
| 12月19日(土)まで |
まだ出さない(通常の郵便として年内に届く) |
| 12月20日(日) |
年賀状の引受開始 |
| 12月23日(水) |
郵便局の窓口の年賀状印刷・喪中はがき印刷(カタログ)の受付終了 |
| 12月27日(日) |
元日に届けるための差出の目安 |
| 12月28日(月) |
年賀特別郵便の受付の最終日(内国郵便約款) |
| 1月1日(金)・3日(日) |
年賀状の配達 |
| 1月7日(木) |
「年賀」表示のはがきの消印を省略する期間の最終日(内国郵便約款) |
| 1月15日(金) |
年賀はがきの販売終了。郵便局の寒中見舞いはがき印刷の受付終了 |
| 1月25日(月) |
お年玉くじの抽せん(引き換えは1月26日から7月26日まで) |
| 1月中 |
返礼と寒中見舞いを出し、宛名リストを直す |
日本郵便は、11月2日に公開する「郵便年賀.jp」に、ビジネスのあいさつ状として使える「名刺年賀」のテンプレートを用意すると発表しています。総務の1年の流れは総務の年間スケジュール 月ごとの仕事と期限のカレンダー 2026年度版にまとめています。
賀詞の選び方 取引先には4文字か文章の賀詞を
賀詞は、新年を祝う言葉です。どの賀詞を使うかに法律や公的な決まりはなく、次の使い分けは一般的な慣習です。
年賀状の賀詞の使い分けと、文面・宛名の確かめどころの早見表作成: 編集部 / もとの資料: 日本郵便「封筒の表書き・裏書きの書き方」・同「2027(令和9)年用年賀はがき等の発行概要」・同「内国郵便約款」
| 賀詞 |
意味・形 |
取引先・目上 |
親しい相手・社内 |
| 謹んで新年のお慶びを申し上げます |
文章の賀詞。いちばん改まった形 |
使える |
使える |
| 謹賀新年 |
謹んで新年を祝う(4文字) |
使える |
使える |
| 恭賀新年 |
うやうやしく新年を祝う(4文字) |
使える |
使える |
| 新春のお慶びを申し上げます |
文章の賀詞 |
使える |
使える |
| あけましておめでとうございます |
話し言葉に近い文章 |
親しい相手なら |
使える |
| 賀正・迎春・賀春・新春 |
2文字の簡略な形 |
使わないのが一般的 |
使える |
| 寿・福 |
1文字の簡略な形 |
使わないのが一般的 |
使える |
「賀正」「迎春」のような2文字の賀詞は簡略な形なので、目上の人には使わないのが一般的です。取引先には「謹賀新年」「恭賀新年」か、文章の賀詞を選んでおけば相手を選びません。日本郵便の「お手紙文例集」にある企業からの年賀状の文例も、「謹んで新年の御祝詞を申し上げます」という文章の賀詞で始まっています。打ち合わせに着ていく服と、友人と会う日の服を分けるのと同じで、どちらが正しいかではなく、相手と場面で選ぶものです。
文面で迷いやすい6つのところ
- 重ね言葉: 「新年明けまして」は、「新年」と「明けまして」で意味が重なるとして気にする人がいます。どちらか一方にします。
- 元旦: 元旦は1月1日の朝のことです。「1月1日 元旦」とは書かず、「令和九年 元旦」「2027年 元旦」とします。
- 去年: 「去」の字を避けて、「昨年」「旧年中」と書くのが一般的です。
- 賀詞は1つ: 「謹賀新年」の後に「あけましておめでとうございます」と続けると、お祝いの言葉が重なります。
- 句読点: 挨拶状には句読点を付けない習わしがあります。ただし決まりではなく、日本郵便の文例集の企業からの年賀状も句点を使っています。社内でどちらかにそろえれば十分です。
- 避ける言葉: 「去る」「失う」「破れる」「倒れる」「衰える」は、新年の挨拶では使わないのが一般的です。
宛名リストの整え方 名刺と取引先台帳から作り、異動と喪中を反映する
宛名リストは、年賀状の仕事でいちばん時間がかかる所です。次の順で作ります。
- 前年の送り先リスト・取引先台帳・名刺管理のデータを1つの表にまとめる。
- 営業や各部署の担当者に、1社ずつ「出す・出さない」と宛名を確かめてもらう(担当替え・異動・退職・社名変更・移転)。
- 喪中はがきが届いたら、その都度、相手と届いた日を記録する。
- 前年に戻ってきた年賀状や、届いた年賀状で住所・役職が変わった相手を直す。
- 会社名義だけで出す相手と、担当者の一言を添える相手を印で分ける。
列は、正式な会社名・部署・役職・氏名・郵便番号・住所・自社の担当者・名義・喪中の記録・前年の送受があれば足ります。
宛名は日本郵便の案内に沿って書く
日本郵便の「封筒の表書き・裏書きの書き方」は、企業あての丁寧な手紙では「(株)」のような略字を使わず「株式会社○○」と書くのが正式としています。部署あてで「○○課御中 郵便太郎様」のように敬称を重ねるのは誤りで、住所や会社名・部署名が長いときは、先に相手の氏名を中央に書くとバランスがとりやすいとも案内しています。年賀はがきの発表でも、受取人と差出人の郵便番号・住所・氏名を、正確にはっきり書くよう求めています。
役職は氏名の前に「営業部長 田中一郎様」と書き、「田中部長様」のように役職と様を重ねないのが一般的です。部署全体に出すときは「株式会社○○ 営業部御中」とします。
名簿を印刷会社に渡すときは個人情報として扱う
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、名刺の情報を業務用パソコンの表計算ソフトなどで入力・整理している場合を、「個人情報データベース等」に当たる例に挙げています。年賀状の宛名リストも、会社の個人データとして扱います。
同じガイドラインは、一般の慣行として名刺を交換し、今後の連絡や会社の広告宣伝の冊子などを送るのが利用目的であるような場合を、取得の状況からみて利用目的が明らかな例に挙げています。自社のプライバシーポリシーに書いた利用目的と合っているかは、総務や法務で確かめておきます。
宛名印刷を業者に頼むときは、委員会のQ&A(Q7-34)が参考になります。利用目的の達成に必要な範囲でダイレクトメールの発送業務を業者に委託する場合、顧客の氏名や住所を伝えても第三者提供の制限に違反しないとしたうえで、委託元には委託先を監督する義務(個人情報保護法第25条)があるとしています。ガイドラインは監督として、委託先の選定、委託契約の締結、委託先での取扱状況の把握を挙げ、業務に必要のない個人データを渡さないのは当然としています。
ガイドラインは、個人データを正確で最新の内容に保ち、要らなくなったら遅滞なく消すよう努めることも求めています。退職した人や取引が終わった相手の行は、1月に消しておきます。名刺の管理は名刺交換のマナー 順番・渡し方・受け取り方と交換した後の扱いにまとめています。
会社名義と担当者の名前 印刷と手書きの一言
取引先の会社への年賀状は、会社名義で出すのが基本です。差出人には会社名・代表者名・会社の住所と電話番号を書き、担当者の自宅の住所は書きません。年始の営業開始日を添えると、取引先が連絡の予定を立てやすくなります。
担当者とのつながりがある相手には、同じ会社名義の年賀状に、担当者が手書きで一言と名前を添えます。印刷だけの年賀状より、誰が出したかが相手に伝わります。一言は、昨年の具体的な出来事と、これからのことを短く書きます。
喪中の相手と、年賀状が届いた相手への返し方
喪中はがき(年賀欠礼状)は、身内に不幸があった人が、新年の挨拶を控えることを前もって知らせるはがきです。届いた相手には年賀状を出さず、松の内が明けてから立春の前までに寒中見舞いを出すのが一般的です。松の内の終わりは地域によって違い、2027年の立春は2月4日です(国立天文台の暦要項)。
担当者個人から喪中はがきが届いたとき、その人の会社あての年賀状を出すかどうかは、会社によって考え方が違います。担当者個人あての分は控え、会社あての分をどうするかを社内で決めて、宛名リストに書いておきます。自社の役員の家族に不幸があったときに会社名義の年賀状を出すかも、総務と上司で決めておきます。
出していない相手から年賀状が届いたら、松の内のうちに返礼の年賀状を出し、過ぎたら寒中見舞いにするのが一般的です。1月の初めに、届いた年賀状を宛名リストと照らし合わせると、漏れに気づけます。
年賀状をやめる会社の「年賀状じまい」の案内
年賀状をやめることに決まった手続きはありません。一般的には、最後の年賀状に一文を添えるか、12月に文書やメールで知らせるか、寒中見舞いで知らせます。メールで一斉に知らせるときは、取引先のアドレスをBCCの欄に入れます。社内では、いつからやめるか、全部の取引先か一部か、代わりにメールで新年の挨拶をするか、届いた年賀状に返礼するかを決め、営業の担当者にも伝えておきます。
今日からできること
- 年賀状を出すか・やめるか、名義と枚数を上司と決める(11月上旬まで)。
- 前年の送り先・取引先台帳・名刺のデータを1つの表にまとめ、担当者に確かめてもらう。
- 宛名リストに、喪中はがきを記録する列を作る。
- 印刷を業者に頼むなら、渡す項目と、契約の個人データの扱いを確かめる。
- 12月20日から27日までの間に出す日を、社内の予定表に入れる。