ねんきん定期便で見る場所は、3つで足ります。月別の納付状況に「未納」や空白がないか、標準報酬月額が当時の給与と大きくずれていないか、加入期間の月数が勤めてきた年数と合うか。この3か所を見ておけば、もれや誤りには気づけます。年金額の欄は、50歳を境に意味が変わるので、そこだけ読み方に気をつけましょう。
いつ届くか、年齢でどう違うか
定期便は、毎年、誕生月に届きます。作るのは誕生月の2か月前で、1日生まれの人だけ1か月早く、誕生月の前月に届きます1。だから、届いた定期便に載っている記録は、数か月前までのものです。
ふだんの年はハガキで、月別の状況は直近の13か月だけ。35歳、45歳、59歳の年は封書になり、これまでの加入の履歴と全期間の月別の状況が載ります2。節目の年の封書は、勤め先が変わった人ほど見る価値があります。いちばん古い会社の記録まで、1度に追えるからです。
ねんきん定期便の形と載っている内容は、年齢で変わる作成: 編集部 / 出典: 日本年金機構
1つめは、月別の納付状況
国民年金の期間は、月ごとに「納付済」「未納」「全額免除」「学特」などと表示されます。会社員の配偶者に扶養されていた月は「3号」です。「未納」や、どの制度にも入っていない「未加入」があれば、その月に何をしていたかを思い出してみましょう3。
ただ、「未納」と出ていても、納め忘れとは限りません。期限内に納めても反映まで最大3週間ほどかかることがあり、作成の時点で確認できなかった月も「未納」と表示されます。いちばん新しい月の「確認中」は、まだ確定していないという意味です3。
2つめは、標準報酬月額と保険料
会社員の期間は、月ごとに標準報酬月額と保険料納付額が並びます。標準報酬月額は、給与などの平均を区切りのよい幅に当てはめた金額です。4月から6月の報酬の平均をもとに、その年の9月から使われます。基本給だけでなく各種の手当や通勤定期券の分も含まれるので、振り込まれる金額とは一致しません3。
見ておきたいのは、当時の給与と大きくかけ離れていないかです。標準報酬月額は、勤め先の会社などの届出で決まります3。いまの上限は65万円、下限は8万8千円です。賞与があった月は、標準賞与額も載ります。
3か所それぞれの、問題ない表示と見直す表示の例作成: 編集部 / 出典: 日本年金機構
産休や育休を取った人は、保険料納付額が「0」の月があるはずです。これは、会社からの届出で保険料が免除された月の表示で、納め忘れではありません。3歳未満の子を育てていて給与が下がった人は、養育特例を受けていれば、標準報酬月額の欄に「みなし標準報酬月額」が表示されます3。
短時間で働く人には、2026年10月に始まった保険料調整制度の注意もあります。この制度で負担は軽くなりますが、定期便の保険料納付額は軽くなる前の額で載ります4。給与明細の金額と違っていても、記録の誤りではありません。
3つめは、加入期間の月数
最後は「これまでの年金加入期間」です。国民年金と厚生年金の月数が並びます。転職の前後で1〜2か月の空きがある人は、その月が国民年金に入っているかも見ておきましょう。老齢年金を受け取るには、原則として120か月以上の受給資格期間が必要です3。
年金額の欄は、50歳で読み方が変わる
50歳未満の定期便にある年金額は、作成の時点までの加入実績で計算した額です。つまり、これから働く分は入っていません。30代で年に数十万円と書かれていても、老後にそれだけしかもらえないという意味ではないのです3。
50歳以上になると、見込額に変わります。60歳未満の人なら、いまの制度に60歳まで加入し続けたと仮定して、65歳から受け取る見込みの額が載ります。受け取り始めを70歳、75歳まで遅らせた場合の額も並びます5。
自分の条件で試したいなら、定期便の二次元コードを読み取ると、厚生労働省の公的年金シミュレーターで将来の額を簡単に試算できます。ユーザー登録はいりません1。計算の仕組みも知りたい人は、老齢厚生年金はいくらもらえる?計算の仕組みと給与・加入期間で変わる額で順に追えます。
届いたら、まず3か所だけ見ればいいイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
もれや誤りに気づいたら
記録にもれや誤りを見つけたら、「年金加入記録回答票」に書いて返送するか、近くの年金事務所に出します。35歳、45歳、59歳の封書には、回答票と返信用封筒が同封されています。ハガキの年は、日本年金機構のページから回答票を印刷できます6。
標準報酬月額が気になるときは、先に勤め先の人事や総務に聞いてみるのも手です(編集部の見立て)。給与の記録と届出の内容を、手元で見比べてもらえます。退職した会社の分は、年金事務所に相談しましょう。
届いたら確認すること
- 月別の状況に「未納」「未加入」がないか。あれば、その月の勤め先や納付を思い出す
- 標準報酬月額が、当時の給与から大きく離れていないか
- 産休や育休の月が「0」になっているか
- 加入期間の月数が、勤めた年数と合っているか
- 転職の前後に、空いている月がないか
- 年金額が、去年の定期便より増えているか
- 誤りがあれば、回答票か年金事務所で届ける
11月は日本年金機構の「ねんきん月間」で、11月30日は「年金の日」です。誕生月を待たなくても、ねんきんネットに登録すれば、自分の記録をいつでも見られます1。
この記事の内容は、2026年11月5日時点の日本年金機構の資料にもとづいています。個別の記録の判断は、年金事務所に確認してください。