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通勤災害で雪道の転倒は認められる? 寄り道の扱いと会社の手続き

雪の朝、通勤の途中で転んだと連絡が来たら、多くは労災保険の通勤災害として扱えます。雪で遠回りした道や歩いて来た場合の考え方、寄り道で外れる場合、会社が書く証明と最初の3日の扱いが分かります。

公開 更新 約4分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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通勤災害で雪道の転倒は認められる? 寄り道の扱いと会社の手続き

この記事でわかること

  • 家と職場のあいだを、ふだんの道や方法で移動中のけがは通勤災害。雪での遠回りも含む。
  • 飲み会などの寄り道のあとは通勤にならない。日用品の買い物は、道に戻れば通勤。
  • 休業給付は休んだ4日目から。最初の3日は、業務災害と違い会社の補償の義務がない。
対象労務実務

雪や凍結の朝、通勤の途中で転んだけがは、多くの場合、労災保険の通勤災害として扱えます。家と職場のあいだを、ふだん使う道や方法で移動している途中のけがなら対象です。雪で電車が止まって遠回りした道も、歩いて出社した場合も含まれます。

気をつけたいのは、寄り道をしたかどうか。それに、会社が書く証明と、休んだ最初の3日の扱いです。

通勤災害になる条件

雪の積もった住宅街の歩道。ベージュのロングコートにピンクのマフラーの女性が、低い塀の手すりに手を添えて、凍った道を小さな歩幅で歩いている。道には足あとがあり、奥に駅の入り口と歩く人が見える。
凍った朝の駅までの道。手すりを持って、小さな歩幅で歩くイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

労災保険法でいう通勤は、仕事のために、家と職場のあいだを、合理的な経路と方法で行き来することです。仕事そのものの性質を持つ移動は除かれます。1

合理的な経路について、神奈川労働局は次のように説明しています。ふだん使っている経路なら、いくつあってもどれも合理的な経路。当日の交通事情で遠回りする経路も、やむを得ずとる経路として合理的な経路に入ります。ただし、とくに理由もなく大きく遠回りする経路は外れます。2

方法についても、電車やバス、車や自転車をふつうに使う場合、それに徒歩なども、通常の交通の方法です。2雪で電車が止まり、隣の駅まで歩いた道で転んだ。そんな場合も、通勤の途中のけがとして考えられます。

なお、会社の敷地の中の駐車場や通用口で転んだときは、通勤ではなく業務災害として扱われることがあります。敷地の中と外の違いは、冬の労災の転倒で確認できます。

通勤災害の条件の図。根拠は労災保険法第7条、同法施行規則第8条、神奈川労働局の説明で、個別の事情は労働基準監督署が判断する。通勤になる移動は、仕事のための家と職場のあいだの行き来で、業務の性質を持つ移動は除く。合理的な経路は、ふだん使う経路(いくつあってもよい)と、雪で電車が止まったときなど当日の交通事情で遠回りする経路。合理的な方法は、電車やバス、車や自転車をふつうに使うこと、徒歩。寄り道の線引きは、経路の近くの公衆トイレや経路の上の店で飲み物を買うのは通勤のまま、映画館に入る、バーなどでお酒を飲む、理由のない大きな遠回りはその後も通勤にならない。日用品の買い物、病院での受診、選挙の投票、職業訓練、家族の介護(続けて行うもの)など日常生活に必要な行為を、やむを得ず最小限で行う場合は、道に戻ればまた通勤で、寄り道をしている間のけがは対象外。まとめ、連絡を受けたら経路と方法、寄り道の有無をその日のうちに聞いておく。
通勤災害になる移動と、寄り道の線引き作成: 編集部 / 出典: e-Gov法令検索、神奈川労働局

寄り道は、何をしたかで分かれる

通勤の途中で経路をそれたり、通勤と関係のないことをしたりすると、その間とそのあとの移動は通勤になりません。1神奈川労働局は、映画館に入る、バーでお酒を飲む、といった例を挙げています。2

一方で、駅の近くの公衆トイレを使う、経路の上の店で飲み物を買う、といったささいなことは、寄り道に当たりません。2

もうひとつの例外が、日常生活に必要な行為です。日用品の買い物、病院での受診、選挙の投票、家族の介護(続けて行うもの)などを、やむを得ず最小限の範囲で行った場合は、元の経路に戻ったあとはまた通勤になります。13ただし、寄り道をしている間のけがは対象外です。

帰りにしたこと 転んだ場所 扱いの目安
駅の売店で飲み物を買った 売店を出たあとの歩道 通勤のまま
スーパーで夕食の材料を買った 店を出て元の道に戻ったあと 通勤
スーパーで夕食の材料を買った 店の中 通勤にならない
同僚と飲んでから帰った 店を出たあとの道 通勤にならない

表は条文と労働局の説明をもとにした編集部の例です。実際に通勤災害に当たるかは、労働基準監督署が一つひとつの事情を見て判断します。

会社がする手続き

連絡を受けたら、まず聞いておきたいことがあります。通勤災害の請求書には、事故が起きた時刻と場所、行きなら家を出た時刻と始業の予定、帰りなら仕事を終えた時刻と職場を出た時刻などを書く欄があるからです。3寄り道をしたなら、どこで何をしたかも聞いておきましょう。

受診するときは、健康保険ではなく労災保険を使います。労災保険から給付を受けられるときは、健康保険の給付は行われないためです。4労災の指定病院なら、通勤災害用の療養給付の請求書を、病院の窓口に出します。指定でない病院でいったん払ったときは、あとで療養の費用を請求します。3

請求書には、事業主の証明の欄があります。3社員から証明を求められたら、会社はすみやかに証明しなければなりません。けがで本人が手続きできないときは、会社が手続きを助けることも求められています。3

休業給付は、休んだ日の4日目から出ます。額は1日につき給付基礎日額の60%です。1最初の3日について、業務災害なら会社が休業補償を払う義務がありますが、通勤災害には、この決まりはありません。5年次有給休暇を使うかどうかを本人と話しておくと、あとで行き違いがありません。

ほかにも、次の点を押さえておきます。

  • 療養給付を受ける人は、200円の一部負担金を払います。最初の休業給付から差し引かれる形です。13
  • 車にぶつけられたなど、相手がいる事故のときは、第三者行為災害届を出します。3
  • 労働者死傷病報告は、仕事中や事業場の中でのけがなどが対象です。会社の外の道での通勤中のけがは、ふつう対象になりません。6
会社の手続きの図。手続きの流れは4つで、1は時刻と経路を聞く(転んだ時刻と場所、家を出た時刻と始業の予定、帰りなら終業と職場を出た時刻、寄り道の有無)。2は労災保険で受診し、健康保険は使わない。指定病院なら請求書を窓口に出し、指定でない病院はいったん払ってあとで請求する。3は事業主の証明を求められたらすみやかに書き、本人が手続きできないときは助ける。4は休んだら休業給付を請求し、休んだ4日目から給付基礎日額の60%。最初の3日は業務災害と扱いが違い、業務災害は最初の3日を会社が休業補償で払う(労働基準法)が、通勤災害は最初の3日に会社の補償の義務はなく、年次有給休暇などを本人と相談する。ほかに、療養給付を受ける人は200円の一部負担金(最初の休業給付から差し引き)、相手がいる事故は第三者行為災害届も出す、会社の外の道での通勤中のけがは労働者死傷病報告の対象にふつう入らない。まとめ、請求するのは本人で、時刻と経路の確認、証明、休みの扱いは会社がそろえる。
通勤災害の連絡を受けてから会社がすることと、最初の3日の扱い作成: 編集部 / 出典: e-Gov法令検索

雪の季節の前に確かめること

  1. 社員の通勤経路と方法の届けが、今の住まいと合っているか確認する。
  2. 雪で電車が止まった日に、別の経路や徒歩で来るときの連絡のしかたを決める。
  3. 会社の近くと主な駅の近くの、労災の指定病院を調べておく。
  4. 通勤災害用の請求書の入手先と、事業主の証明を書く担当者を決める。
  5. 休業の最初の3日の扱い(年次有給休暇など)を、社内で決めておく。
  6. 寄り道の扱いを、雪の季節の前に社員に知らせておく。

大雪で出勤できなかった日の賃金の考え方は、大雪で出勤できない日の賃金で確認できます。

連絡を受けた日にそろえておけば、あとが楽になる

通勤災害の手続きは、けがをした社員が自分で請求するものです。ただ、時刻や経路の確認、証明、休みの扱いは、会社がそろえないと進みません。連絡を受けたその日に、時刻と経路と寄り道の有無を聞いておく。それだけで、あとの手続きがずっと楽になります。

法令はe-Gov法令検索で、経路と寄り道の考え方は神奈川労働局のサイトで、2026年11月3日時点の内容です。個別の判断は、所轄の労働基準監督署に確認してください。

注

  1. 労働者災害補償保険法第7条第1項第3号・第2項・第3項、第22条の2(第14条の準用)、第31条第2項 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  2. 神奈川労働局「通勤災害について」 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  3. 労働者災害補償保険法施行規則第8条、第18条の5〜第18条の7、第22条、第23条、第44条の2 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7

  4. 健康保険法第55条第1項 ↩

  5. 労働基準法第75条、第76条 ↩

  6. 労働安全衛生規則第97条 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

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