取引先の登録用紙に「法人番号(13桁)」の欄があります。別の書類には「会社法人等番号」、請求書には「T」で始まる番号が載っています。どれも会社の番号に見えますが、決める役所も桁数も、確かめる場所も別です。国税庁の案内と法令で、取り違えやすい点を順に整理します。
3つの番号は、決める役所と桁の作りで見分ける
先に全体を1枚にまとめました。例に使った7000012050002は、国税庁自身の法人番号です。
法人番号・会社法人等番号・登録番号の桁の作りと違いの早見表作成: 編集部 / 出典: 国税庁 法人番号公表サイト・適格請求書発行事業者公表サイト
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法人番号 |
会社法人等番号 |
登録番号(インボイス) |
| 形 |
13桁の数字 |
12桁の数字 |
T + 13桁 |
| 決める人 |
国税庁長官 |
登記所(登記簿に記録) |
税務署長(登録) |
| 根拠 |
番号法第39条 |
商業登記法第7条 |
適格請求書発行事業者の登録 |
| 確かめる場所 |
法人番号公表サイト |
登記事項証明書 |
適格請求書発行事業者公表サイト |
| 個人事業者 |
付かない |
付かない |
登録すれば付く(T + 別の13桁) |
覚え方は単純です。法人番号は、法人を見分けるための番号です。会社法人等番号は、登記簿の番号です。登録番号は、インボイスを出せる事業者として登録した印です。
法人番号とは 国税庁長官が指定する13桁の番号
法人番号は、国税庁長官が法人などに指定する13桁の番号です。番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)の第39条が根拠で、指定した番号は、その法人に通知されます。国税庁は、1つの法人に1つの番号を指定するとしています。
押さえておきたい点は4つあります。
- 商号・所在地とともに公表される。 公表されるのは、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号の3つ(基本3情報)です(番号法第39条第4項)。
- 誰でも自由に使える。 国税庁は、マイナンバー(個人番号)と違って、法人番号には利用範囲の制約がないと案内しています。取引先の法人番号を調べて台帳に書き込むのも、自由です。
- 一度付いた番号は変わらない。 社名の変更や本店の移転があっても、法人番号は同じです。変更後の内容の通知書も、再び送られません。
- 清算が終わっても公表は続く。 清算の結了をした法人でも、法人番号・名称・所在地は引き続き公表され、清算の結了の事由と年月日が加わります。公表サイトから情報を消すことはできません。
13桁のうち、先頭の1桁は検査用の数字
13桁は、先頭の検査用数字(チェックデジット)1桁と、後ろの基礎番号12桁でできています。検査用数字は、コンピューターに入力したときの誤りを見つけるために、基礎番号から決まった算式で計算した1から9の数字です。入力の誤りを見つけるための工夫なので、法人番号をシステムに登録するときは、13桁をそのまま入れます。
基礎番号は、会社の種類で決め方が違います。株式会社や合同会社など、会社法の規定で設立の登記をした法人(設立登記法人)は、商業登記の会社法人等番号が基礎番号です。設立登記法人でない団体には、国税庁長官が、どの会社法人等番号とも重ならない12桁を決めます。
法人番号が付く団体と、付かない団体
国税庁長官が法人番号を指定するのは、次の団体です。
| 区分 |
例 |
| 国の機関 |
府省・裁判所・国会など |
| 地方公共団体 |
都道府県・市区町村など |
| 設立登記法人 |
株式会社・合同会社・一般社団法人など |
| 設立登記のない法人・人格のない社団等で、税法上の届出書を出すもの |
健康保険組合・土地改良区・マンション管理組合・PTAなど |
| 上のどれでもない法人・人格のない社団等で、国税庁長官に届け出たもの |
同上(届け出れば指定を受けられる) |
付かない団体は、公表サイトの案内によると、次のとおりです。
- 個人事業者
- 民法上の組合・有限責任事業組合
- 法人の支店・支部・事業所
個人事業主の取引先には、法人番号を聞いても答えようがありません。インボイスの登録を受けていれば、Tと13桁の登録番号があります。
人格のない社団等は、代表者が公表に同意した場合だけ、基本3情報が公表されます。公表サイトで探しても出てこない団体があるのは、この理由によります。
新しい会社の法人番号は、いつ届くか
設立登記をすると、国税庁から法人番号指定通知書が届きます。法人設立ワンストップサービスを使った会社は設立登記の完了日の16時または翌稼働日の11時ごろにサービス上へ、それ以外は登記完了日から2稼働日後ごろに登記上の本店へ発送されます(いずれも国税庁の目安)。通知書が見当たらない場合は、再送されません。公表サイトで確かめた画面を印刷して代わりにします。
公表サイトで法人番号を調べる手順
調べる場所は、国税庁の法人番号公表サイトです。会員登録は要りません。
国税庁の法人番号公表サイトで法人番号を調べる5つの手順と、見つからないときの原因作成: 編集部 / 出典: 国税庁 法人番号公表サイト
名称・所在地から探す
「法人の名称・所在地などから法人番号を調べる」の画面で、商号または名称と、所在地を入れます。慣れるまでは、次の3点に気をつけると外れません。
- 前方一致や読み仮名で探すときは、「株式会社」(カブシキガイシャ)を入れない。「株式会社国税商事」なら「国税商事」と入れる。
- 所在地は、まず都道府県と市区町村までにする。丁目や番地まで入れるときは、漢数字ではなく算用数字にする(「三丁目」は「3」、「1番1号」は「1-1」)。
- 同じ名前の会社が複数出たら、一覧の所在地を、請求書や契約書の本店と見比べる。
法人番号から会社を確かめる
法人番号が分かっているときは、「法人番号で法人の名称・所在地などを調べる」の画面に、13桁を半角数字で入れます。複数の番号は、まとめて10件まで検索できます。該当がない場合は、「対象の法人番号は存在しません」と表示されます。
入力欄に出る「13桁の入力を確認しました」という表示は、番号が実在するという意味ではありません。桁数が合っているという確認だけです。
変更履歴と、閉鎖の表示の見方
検索結果の「履歴等」を押すと、法人情報の画面が開きます。最新の基本3情報と、名称・所在地の変更履歴が出ます。履歴は直近5件で、「さらに以前の変更履歴を見る」を押すと、5件ずつ増えます。
見方のコツは、次の3つです。
- 取引先の旧社名が分かっているとき。 検索条件の「公表以後の変更履歴を検索対象に含める」にチェックを入れると、2015年10月5日(番号法の施行日)以降に変更した法人の、変更前の名称や所在地でも探せます。
- 履歴は、法人番号の指定後の分だけ。 指定の前の社名の変更は、表示されません。古い取引先の履歴は、登記事項証明書で確かめます。
- 清算の結了や合併による解散は、「登記記録の閉鎖等」と出る。 取引先がこの表示になっていないかを、新規登録や支払いの前に見ると、取引先の廃業に気づけます。
取引先の変更を日常的に追いかける方法は、取引先の社名変更・移転・閉鎖に気づく方法 法人番号とインボイスの公表サイトで確かめるに書きました。
検索で出てこないとき
名称と所在地で探しても出ないときは、国税庁の案内にある次の5つを順に確かめます。
- 所在地の数字の表記が合っていない。
- 名称の欄に法人種別(株式会社など)を入れている。
- 人格のない社団等で、公表に同意していない。
- そもそも法人番号が指定されない団体(個人事業者・民法上の組合・支店など)である。
- 検索対象除外法人になっている。本店の住所表記が住居表示の実施や区画整理で廃止されている法人が該当し、条件の「検索対象除外法人を検索対象に含める」にチェックを入れると探せます。
件数が多いときは、ダウンロードとWeb-API
取引先が多い会社は、1社ずつ検索すると手間がかかります。公表サイトには、ダウンロード機能(前月末日時点の全件データと、日次・都道府県単位のデータ)と、Web-API機能があります。自社のシステムや会計ソフトから、法人番号・期間・法人名を指定して取得できます。ただしWeb-APIでは、全件のデータは取れません。全件が欲しいときはダウンロードを使います。
会社法人等番号との違い 登記簿の12桁
会社法人等番号は、商業登記法第7条により、登記簿に記録される番号です。特定の会社、外国会社その他の商人を見分けるための番号と定められています。法務局が登記した会社に付く12桁で、登記事項証明書の上のほうに載っています。見方は登記簿謄本(履歴事項全部証明書)とは 取り方と手数料・見方・使う場面で図解しています。
法人番号との関係は、次のとおりです。
- 設立登記法人の法人番号は、「検査用数字1桁 + 会社法人等番号12桁」。登記事項証明書の12桁の前に検査用数字を付けると、法人番号になる。
- 法人番号は国税庁の公表サイトで誰でも検索できる。会社法人等番号は、登記事項証明書を請求しないと見られない。
- 法人番号は国の機関や、設立登記のない団体にも付くが、会社法人等番号は登記簿のある会社などだけに付く。
手続きでは、どちらを書いても足りる場合がある
国税庁は、法令で登記事項証明書の添付が決まっている国税の手続きについて、2021年7月1日から、会社法人等番号か法人番号のどちらかを申請書に書けば、証明書の添付を省けるとしています。自社の証明書を取る前に、番号で済む手続きかを、先に確かめます。
インボイスの登録番号との違い 登録した事業者だけに付く
インボイス制度(適格請求書等保存方式)の登録番号は、法人番号を土台にしています。国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトでは、登録番号の作りを次のように案内しています。
- 法人番号がある課税事業者: 「T」 + 法人番号の13桁
- 上記以外の課税事業者(個人事業者・人格のない社団等): 「T」 + 数字13桁。マイナンバーは使わず、法人番号とも重ならない、事業者ごとの番号
つまり法人の場合は、法人番号を知っていれば、登録番号は「T」を頭に付けるだけで作れます。ここに落とし穴があります。
取引先から「法人番号は〇〇です」と聞いても、インボイスを出せる事業者かどうかは分かりません。登録の有無は、適格請求書発行事業者公表サイトで、「T」を除いた13桁を入れて確かめます。公表されるのは、氏名または名称、登録番号、登録年月日、登録の取消や失効の年月日と、法人の場合は本店の所在地です。該当がない場合は、登録していないか、番号が違っています。まず相手に確認します。全体像はインボイス制度とは 仕組みと年表・登録番号の確かめ方をはじめての人向けに図解で整理しています。
| 確かめたいこと |
調べる場所 |
入れるもの |
| この会社は実在するか・社名と本店は何か |
法人番号公表サイト |
名称・所在地、または法人番号13桁 |
| この会社のインボイスを受け取れるか |
適格請求書発行事業者公表サイト |
登録番号(Tを除く13桁) |
| 代表者や役員は誰か |
登記事項証明書 |
商号・本店 |
法人番号を求められる場面と、書くもの
どの書類にどの番号を書くかは、提出先の様式で決まります。国税庁と日本年金機構の案内で確かめられる範囲は、次のとおりです。
| 場面 |
求められるもの |
書き方・準備 |
| 金融機関で法人番号を示す |
法人番号指定通知書、または公表サイトで確かめて印刷した画面 |
印刷した画面は、貯蓄取扱機関の営業所の長に示す書面として使える(所得税法施行規則第81条の6第3項第1号ハ) |
| 健康保険・厚生年金保険の新規適用 |
事業主が法人のとき、法人番号指定通知書等のコピー |
通知書のコピーを付けられないときは、公表サイトで確認した画面(事業所名称・法人番号・所在地)を印刷して付ければよい(日本年金機構) |
| 国税関係手続の登記事項証明書の添付省略 |
会社法人等番号か法人番号 |
申請書に書けば、証明書の添付を省ける(2021年7月1日から) |
| 取引先台帳・売掛金の管理 |
法人番号 |
取引先ごとの集計や、部署をまたいだ情報の共有に使える(国税庁の利活用の案内) |
| 海外取引でTax Numberを求められた |
相手が求める内容の確認 |
税関係の書類に書く番号の意味なら、法人番号を使えると考えられる。一律に同じ番号とは言えない(国税庁) |
名称や本店を変えるときは、登記が先
設立登記法人が商号を変えたり本店を移したりしたときは、法務局で変更の登記をします。その情報は法務省から国税庁へ伝わり、公表サイトの情報が更新されます。国税庁への別の手続きは要りません。ただし税務署へは、別に異動の届出が必要です。登記は、変更から2週間以内に申請する決まりです(国税庁のお知らせ・会社法第915条)。
自社と取引先の番号を整理する手順
最後に、担当者が今日からできる作業を、順にまとめます。
- 自社の法人番号を、公表サイトで調べて控える。通知書が見当たらなくても、画面の印刷で足りる。
- 自社の会社法人等番号(登記事項証明書に載る12桁)を、同じ場所に控える。手続きで求められる番号が、どちらかを分けて書く。
- 自社のインボイス登録番号を確かめる。登録していれば、「T + 法人番号」になっているかを、請求書の書式で見る。
- 取引先の台帳に、「法人番号」と「登録番号」の列を別々に作る。登録番号の列には、公表サイトで確認した日も書いておく。
- 新しい取引先は、法人番号で名称と本店を確かめてから登録する。「登記記録の閉鎖等」と出る会社は、取引を始める前に営業の状況を相手に聞く。
この記事は、2026年10月25日時点の国税庁・日本年金機構の案内と、e-Gov 法令検索の法令にもとづきます。個別の手続きは、提出先や税務署、税理士・社会保険労務士に相談してください。