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仕訳とは 借方・貸方の考え方を日々の取引の例で図解 経理の新人向け

仕訳とは何かを、複式簿記の考え方から説明します。借方と貸方は左右の名前で、5つの区分が増えたら左か右かの決まりがあります。文房具の購入、売上、給与、立替精算、借入れ、減価償却など日々の取引10例の仕訳を、図と表で順に確かめます。

公開 約9分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
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仕訳とは 借方・貸方の考え方を日々の取引の例で図解 経理の新人向け

この記事でわかること

  • 仕訳は1つの取引を「お金や物の動き」と「その理由」の2つの面から、左右に分けて書く記録だと分かります。
  • 借方と貸方は左右の呼び名で、資産と費用は増えたら左、負債・純資産・収益は増えたら右と整理できます。
  • 文房具の購入から給与、立替精算、借入れ、減価償却まで10例の仕訳を、図と表で順に追えます。
対象経理新人・若手

仕訳とは、会社で起きたお金の出入りや取引を、帳簿に書くために「左と右に分けて記録する」書き方です。経理の新人が最初に覚えるのは、この左(借方)と右(貸方)の決まりです。

この記事は、2026年10月21日時点の制度と一般的な簿記の考え方にもとづいています。税の扱いは改正されることがあるため、実際の処理は会社の経理担当者や税理士に確かめてください。

仕訳とは何か 取引を2つの面で記録する

会社の取引は、1つに見えても、実は2つの面があります。たとえば文房具を現金で買ったとき、「現金が減った」という面と、「消耗品費という費用が生まれた」という面です。仕訳は、この2つの面を同時に書き残す方法です。

このように1つの取引を2つの面で記録する方法を、複式簿記といいます。国税庁の No.2070 も、青色申告の記帳について、貸借対照表と損益計算書を作れる正規の簿記が原則で、一般的には複式簿記のことだと説明しています。

なぜ2つの面で書くのか

片方だけを書くと、後から数字を確かめられなくなるためです。「現金が1,100円減った」とだけ書いても、何に使ったのかが分かりません。「消耗品費が1,100円生まれた」も同じで、お金がどこから出たのかが残りません。2つの面で書いておけば、左右の合計が合うかどうかで、記入の間違いに気づけます。

日常の例えでいえば、家計簿で「食費 1,000円」だけでなく「財布から出した」まで書いておくようなものです。財布の残りと家計簿が合わないとき、どちらかの書き漏れだと分かります。

仕訳が帳簿にどうつながるか

仕訳は、まず「仕訳帳」に日付の順に書き、その内容を科目ごとにまとめる「総勘定元帳」に写します。総勘定元帳の数字を集めて、決算書が作られます。国税庁の No.2070 も、電子帳簿の要件として仕訳帳と総勘定元帳を挙げています。決算書の全体は、決算とは 事業年度・決算月・決算書の3つの表を新人向けにやさしく解説で説明しています。

仕訳に使う科目の名前と5つの区分は、勘定科目とは よく使う科目の一覧と迷いやすい仕訳の考え方 経理の新人向けで説明しています。この記事では科目の一覧は載せず、左右の決め方に絞ります。

仕訳は法律で求められる記録です

会社が帳簿をつけるのは、自由な工夫ではなく、決まりがあるためです。

根拠 内容
会社法第432条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。会計帳簿の閉鎖の時から10年間、会計帳簿と事業に関する重要な資料を保存する
国税庁 No.2070 青色申告で最高55万円(電子帳簿保存か e-Tax なら最高65万円)の特別控除を受けるには、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を申告書に添付する

No.2070 は、個人事業主の青色申告の説明です。会社(法人)の法人税の申告にも帳簿が必要で、会社法では10年の保存が定められています。保存の年数は書類ごとに違うため、書類の保存期間も確かめてください。

借方と貸方 左右の名前と覚え方

仕訳は、左側を借方(かりかた)、右側を貸方(かしかた)と呼びます。

どちらに書くかは、5つの区分(資産・負債・純資産・収益・費用)が増えたのか減ったのかで決まります。決まりは次のとおりです。

区分 増えたとき(発生) 減ったとき
資産 左(借方) 右(貸方)
費用 左(借方) 右(貸方)
負債 右(貸方) 左(借方)
純資産 右(貸方) 左(借方)
収益 右(貸方) 左(借方)
借方と貸方の決まりの図。資産と費用は増えたら左の借方、減ったら右の貸方。負債・純資産・収益は増えたら右の貸方、減ったら左の借方。主な科目の例つき。例として、文房具を現金で1,100円買った取引は、借方が消耗品費1,100円、貸方が現金1,100円で、左右の合計が同じになる。
5つの区分が増えたときに書く側(左右)と、文房具の仕訳の例作成: 編集部 / もとの資料: 会社法第432条・国税庁 No.2070(簿記の一般的な考え方)

覚え方 資産と費用は左の仲間

覚えるのは、増えたときの側だけで足ります。資産と費用は、増えたら左(借方)です。負債・純資産・収益は、増えたら右(貸方)です。減ったときは、その逆の側に書きます。

この分け方には理由があります。貸借対照表は、左に資産、右に負債と純資産を並べます。損益計算書は、左側にあたる費用と、右側にあたる収益があります。左右に並ぶ位置と、増えたときに書く側がそろっているため、図の形で覚えると忘れにくくなります。

左右の合計は必ず同じ

1つの仕訳では、借方の合計と貸方の合計が必ず同じ金額になります。たとえば、文房具を現金で1,100円買ったときは、次のように書きます。

借方 金額 貸方 金額
消耗品費 1,100 現金 1,100

現金(資産)が減ったので、右(貸方)です。消耗品費(費用)が生まれたので、左(借方)です。左右とも1,100円で、つり合っています。1日の終わりや月末には、全部の仕訳の左右を足して、合計が同じかどうかを確かめます。この確認の表を試算表といいます。

日々の取引の仕訳 10の例

ここからは、経理の新人が出会いやすい取引を、順に仕訳にします。金額はすべて架空です。消費税は、税込の金額のまま単純に書きます。税込経理と税抜経理の2つの方式があり、会社が決めているので、実際の処理は会社の方式に従ってください。

日々の取引の仕訳の早見表。文房具を現金で買う、掛けで売る、売掛金の入金、仕入れ、買掛金の支払い、家賃の振込、給与の支払い(預り金53,000円と普通預金247,000円)、交通費の立替精算、借入れと返済、パソコンの減価償却の10例。借方と貸方の科目と金額を並べた表。
日々の取引10例の仕訳の早見表(金額は架空・税込)作成: 編集部 / もとの資料: 簿記の一般的な考え方(金額は架空の例)

例1 文房具を現金で買う

事務用の文房具を1,100円(税込)、現金で買いました。

借方 金額 貸方 金額
消耗品費 1,100 現金 1,100

費用が生まれたので左、現金が減ったので右です。文房具を事務用品費に入れる会社もあります。領収書の扱いは、領収書の書き方 但し書き・宛名・収入印紙と再発行を頼まれたときの対応にまとめています。

例2 商品を売って、代金は後でもらう(掛け売り)

商品を330,000円で売り、代金は翌月に受け取る約束です。お金は動いていませんが、売上は発生しています。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 330,000 売上高 330,000

あとで受け取る権利(売掛金・資産)が増えたので左、収益(売上高)が生まれたので右です。代金を後で受け取ることを「掛け」と呼びます。

例3 売掛金が振り込まれる

例2の代金330,000円が、銀行口座に振り込まれました。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 330,000 売掛金 330,000

預金(資産)が増えたので左、売掛金(資産)が減ったので右です。資産の中で、売掛金が預金に姿を変えたと考えます。売上は、例2で記録済みです。入金のときに、もう一度売上を書かないことに注意します。

例4 商品を仕入れる

商売で売るための商品を110,000円で仕入れ、代金は後で払います。

借方 金額 貸方 金額
仕入高 110,000 買掛金 110,000

仕入高は、売上に対応する費用の科目です。あとで払う義務(買掛金・負債)が増えたので右に書きます。決算のときに、売れ残った商品の分を調整するため、会社により仕入の扱いは違います。

例5 買掛金を振り込んで払う

例4の110,000円を、銀行から振り込みました。

借方 金額 貸方 金額
買掛金 110,000 普通預金 110,000

払う義務(負債)が減ったので左、預金(資産)が減ったので右です。振込手数料がかかったときは、支払手数料という費用を別に書きます。

例6 事務所の家賃を振り込む

事務所の家賃150,000円を、銀行から振り込みました。

借方 金額 貸方 金額
地代家賃 150,000 普通預金 150,000

費用が生まれたので左、預金が減ったので右です。毎月同じ形なので、会計ソフトでは定期の仕訳として登録する会社もあります。

例7 給与を支払う 預り金が出てくる

総支給額300,000円の従業員に、源泉所得税8,000円と社会保険料(従業員負担分)45,000円を引いて、247,000円を振り込みました。

借方 金額 貸方 金額
給料手当 300,000 預り金 53,000
普通預金 247,000

給料手当(費用)が生まれたので左です。右側は2つに分かれ、振り込んだ分は預金の減少、引いた分は預り金です。引いた源泉所得税と社会保険料は、会社のお金ではなく、あとで国や年金事務所などに納めるために預かったものです。そのため、負債の「預り金」として右に書きます。左は1行、右は2行ですが、左右の合計はどちらも300,000円です。

例8 交通費の立替を精算する

従業員が電車賃2,400円を立て替え、経費精算を申請しました。会社が精算を受け付けた日と、実際に支払う日が分かれる場合は、2回に分けて書きます。

時点 借方 金額 貸方 金額
精算を受け付けたとき 旅費交通費 2,400 未払金 2,400
従業員に払ったとき 未払金 2,400 普通預金 2,400

受け付けたときは、費用が生まれたので左、会社が払う義務(未払金・負債)が増えたので右です。払ったときは、その義務が減ったので左、預金が減ったので右です。会社によっては、受付と支払を同じ日にして1回で書くこともあります。精算の流れは、経費精算の流れ 申請・承認・領収書・締め日と支払日の決め方で説明しています。

例9 お金を借りる・返す

銀行から5,000,000円を借り入れ、普通預金に入金されました。後日、元本100,000円と利息5,000円を返済しました。

時点 借方 金額 貸方 金額
借入れたとき 普通預金 5,000,000 借入金 5,000,000
返済したとき 借入金 100,000 普通預金 105,000
支払利息 5,000

借りたときは、預金(資産)が増えたので左、返す義務(借入金・負債)が増えたので右です。返済のときは、元本の分だけ借入金(負債)が減るので左、利息は費用なので左です。右は、預金から出ていった合計の105,000円です。左は100,000円と5,000円で、同じく105,000円になります。借りたお金は、収益ではなく負債です。借りただけでは会社の利益は増えません。

例10 減価償却をする

パソコン(240,000円)を買って、長く使う備品にしました。耐用年数を4年として、毎年同じ額を費用にします(定額法)。1年分の費用は240,000円を4年で割った60,000円です。

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 60,000 工具器具備品 60,000

費用が生まれたので左、備品(資産)の価値が減ったので右です。この書き方は、備品の金額を直接減らす方法です。「減価償却累計額」という科目を使って、備品の金額を残したまま減らす方法もあります。会社がどちらを採用しているかは、科目表で確かめます。耐用年数は法令で決まっており、パソコンが4年とは限りません。実際の年数と計算は、経理担当者に確かめます。

仕訳でよくある間違いと確かめ方

新人がよく間違えるのは、次の点です。

間違い 起きる理由 防ぎ方
左右を逆に書く 借りる・貸すの意味で考えた 区分ごとの左右の決まりの表に戻る
入金のときに売上を二重に書く 売上と入金を混同する 売上は発生した日、入金は預金の動きだけと分ける
預り金を費用にする 給与から引いた分が会社のお金に見える 預かって後で納めるものは負債と考える
左右の金額がずれる 複数行のときに足し忘れる 左右の合計を声に出して足す

今日からできること

  1. 会社の仕訳帳(会計ソフトの仕訳一覧)を1週間分だけ印刷するか画面で開き、1行ずつ読む
  2. 1行ごとに「資産・負債・純資産・収益・費用」のどれが増減したかを、鉛筆で書き込む
  3. 左右の決まりの表と見比べて、借方と貸方が合っているかを確かめる
  4. 自分の会社で使う科目名が、この記事の例とどう違うか、科目表で確かめる
  5. 分からない仕訳は、取引の内容・科目・理由の3つをメモにして、経理の先輩に聞く

仕訳は、数をこなすほど左右の判断が速くなります。まず1週間分を読み、取引の内容と科目が結びつくと、仕訳が「書き方の決まり」から「取引の説明文」に見えてきます。

よくある質問

Q借方と貸方は、お金を借りる側と貸す側のことですか。

A違います。借方は仕訳の左側、貸方は右側の呼び名です。「借りる」「貸す」という言葉の意味は考えず、左と右の名前として覚えます。現金で物を買ったときも、左側は借方と呼びます。

Q仕訳は会計ソフトが自動で作るのに、覚える必要がありますか。

Aソフトは入力された科目から仕訳を作るだけで、どの科目を選ぶかは人が決めます。左右の決まりが分かると、ソフトの仕訳を読んで間違いに気づけます。伝票を起こす人にも、数字を確かめる人にも役立ちます。

Q借方と貸方の金額が合わないときはどうなりますか。

A会計ソフトは、合わない仕訳を登録できないことが多くあります。手書きや表計算ソフトの場合は、科目の左右の取り違えと、金額の書き間違いを順に探します。合わないまま放っておくと、決算書の数字が合いません。

Q消費税はどう仕訳しますか。

A税込経理と税抜経理の2つの方式があり、会社が決めています。税抜経理では、消費税を「仮払消費税」「仮受消費税」という科目に分けて記録します。この記事の例は、税込の金額のまま単純に書いています。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月21日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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