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年末の名刺整理と処分の方法 法律に年数がない保管期間の決め方

溜まった名刺は、年数ではなく次に使う予定で分けると迷わず片づきます。残す、引き継ぐ、手放すの基準から、紙とデータの保管、個人情報として捨てるときの手順まで押さえます。

公開 更新 約7分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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年末の名刺整理と処分の方法 法律に年数がない保管期間の決め方

この記事でわかること

  • 名刺の保管年数を定めた法律は見当たらない。年数は社内で決める。
  • 探せる形に整理した名刺は個人データになり、消去と安全管理の対象になる。
  • 捨てるときは復元できない方法を選び、家庭ごみや古紙にそのまま混ぜない。
  • 異動や退職のときは後任か上長に返し、自宅や次の職場へ持ち出さない。
対象総務実務

名刺を何年とっておくか、法律に決まりは見当たりません。

個人情報保護委員会のQ&Aにも、個人情報保護法では保存期間や廃棄すべき時期を「規定していません」とあります。1引き出しの奥の束を前に迷ってしまうのは、年数という物差しがもともとないからかもしれませんね。だから年末の片づけで決めるのは、この1枚をまた使うかどうかです。

残すか手放すかは、次に使う予定で分ける

明るいオフィスで、ベージュのニットと紺のパンツの女性が、低い木のキャビネットの引き出しに白い無地のカードの束を入れている。キャビネットの上には無地のカードを入れた浅い箱が3つ並ぶ。
残す名刺を引き出しに戻し、箱で仕分けを進めるイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

名刺を1枚ずつ手に取り、下の図の順に問いかけていくと、行き先は4つの箱のどれかに決まります。

名刺の仕分けの図。問い1は交渉、契約、トラブルの対応が続いている相手か。はいなら迷う箱で、見積もりや交渉の途中、契約の更新を控えている、請求や苦情の対応が続く場合に、上司か総務へ確認する。問い2は今の仕事でまた連絡する予定があるか。いいえなら手放すで、展示会であいさつしただけ、会社名も用件も思い出せない、取引が終わり予定もない、新しい名刺をもらった古い1枚が当たり、細断とデータの消去をする。問い3は来年もこの相手の窓口は自分か。いいえなら引き継ぐで、後任か部署の台帳へ。はいなら残すで、会社の台帳かファイルへ。下に、自分で決めてよいこと(今の仕事で使うか、箱の分け方と順番、裏のメモを案件の記録に移すこと)と、会社の決まりを見ること(保管の年数と見直しの時期、登録先と共有する範囲、捨て方と記録の残し方、異動や退職のときの返し方)を並べている。
残す、引き継ぐ、手放す、迷う箱に分ける3つの問いと、自分で決めてよいこと作成: 編集部 / 出典: 個人情報保護委員会 ガイドライン(通則編)・Q&A

いちばん上に「迷う箱」を置いたのには、理由があります。交渉や契約、トラブルの対応が続いている相手の名刺は、自分の仕事では要らなくなっても、会社には要るかもしれません。ここで止まると片づけ全体が進まないので、箱に入れて先へ進み、あとで上司か総務にまとめて聞けばいいのです。

年賀状を出す会社なら、宛名リストを作る前に済ませておくと、異動や退職の反映が一度で終わります。

整理すると、法律の扱いが変わる

名刺に書かれた氏名と連絡先や所属は、1枚でも個人情報です。その説明は名刺交換のマナーに書きました。年末の整理では、その先にある「個人データ」も頭に入れておくと、話が早くなります。

特定の人を探せるように整理した情報の集まりを、個人情報保護法は「個人情報データベース等」と呼びます。その中身の1件ずつが個人データです。2同じ名刺でも、しまい方で次のように変わります。

名刺の状態 個人情報データベース等か 見るところ
分類せず、輪ゴムで束ねただけ 当たらないと考えられる 分類していないはがきの例に近い
自分にしか分からない分類の名刺入れ 当たらない 他人が容易に探せない
五十音順に並べ、見出しを付けたファイル 当たる ほかの人も探せれば、紙でも対象
表計算ソフトに入力した一覧 当たる パソコンの持ち主は問わない
業務で使うスマートフォンの電話帳 当たる 探せる形になっている

見落としやすいのは下の2行です。自分しか使わない一覧でも、業務に使っていれば、会社のデータベースに当たることがあります。3

つまり、きれいに整理するほど、名刺は法律の内側に入っていきます。

個人データには、使う必要がなくなったら遅滞なく消去するよう努める決まりと、漏えいなどを防ぐ安全管理措置の決まりがかかります。4台帳に入れる予定の名刺も、安全管理の対象です。5

でも、整理しないほうが得という話ではありません。束のままでは、1枚なくなっても気づけないからです。社内では束もファイルもデータも同じ扱いにそろえておくと、担当者が迷わずに済みます。

年数は社内で決めて、年に一度見直す

編集部が2026年11月1日にe-Gov法令検索で「名刺」を全文検索してみると、出てきたのは省令が4本だけ。名刺型の写真や商標の区分などの話で、受け取った名刺の保管にふれたものはありません。「3年」のような数字を見かけても、法律の年数ではないのです。決算書のように年数が決まった書類の保存期間とは、ここが違います。

では、何を手がかりにすればいいのでしょうか。使えるのは、さきほどの「遅滞なく消去」の決まりです。ガイドラインの説明では、使う必要がなくなったときとは、利用目的を果たして持ち続ける理由がなくなったときなど。ただ、法令で保存期間が決まっている記録は、その期間が先です。6

「遅滞なく」に決まった長さはありません。必要以上に長くならないようにしながら、データ管理のサイクルといった実務の都合への配慮は認められています。712月に年1回見直す形なら、この考え方に合わせやすいはずです。

〇年には、自社の取引の周期を入れます。たとえば契約の更新が数年に一度の仕事で、それより短い年数にすると、次の更新のときに相手の連絡先がなくて困るでしょう。

紙もデータも、元に戻せない形で手放す

保管から処分までの方法を、紙とデータに分けて1枚にしました。

保管の場所、使える人と運び方、捨て方、確認と記録、外に頼むときの5段階を、紙とデータの2段で比べた表。紙は施錠できるキャビネットや書庫に入れ、部署のファイルは使う人を決め、焼却、溶解、適切なシュレッダーで捨て、責任ある立場の人が確認し、廃棄した日と枚数を残す。業者に頼むなら安全管理を確認して選び、廃棄の証明書などで確認する。データは会社が指定した台帳やサービスに入れ、IDとアクセス権で使える人を限り、容易に復元できない方法で削除し、スマートフォン、表計算、スキャン画像を全部見て、消した日と件数を残す。入力の代行は委託に当たり、クラウドは事業者が個人データを扱うかを見て、外国の事業者ならその国の制度も把握する。
名刺の保管から処分までを、紙とデータに分けた早見作成: 編集部 / 出典: 個人情報保護委員会 ガイドライン(通則編)・Q&A

図の中で抜けやすいのは、データの「確認と記録」です。同じ人の連絡先がどこに残っているかは、受け取った本人にしか分かりません。

紙のごみの出し方にも、気をつけたい点があります。会社から出たごみは、事業者が自らの責任で処理するものです。8横浜市は家庭ごみの集積場所に事業系ごみを出すと法令で罰せられることがあると案内し、札幌市の案内でも、少量であっても家庭用のごみステーションは使えません。

枚数が多くて業者に頼むなら、段取りと廃棄証明書の見方は機密書類の廃棄に書きました。

スキャンしてクラウドに入れるときは、会社が認めたサービスかどうかを先に確認します。分かれ目は事業者が個人データを取り扱うことになっているかどうか。取り扱うなら委託か第三者提供になります。取り扱わないと契約で定めていても、自社の安全管理措置は必要です。9外国の事業者なら、外国にある第三者への提供に当たることがあり、当たらない場合もその国の制度の把握が要ります。101人で判断できる話ではないので、個人のアプリに入れる前に、総務か情報システムの担当に聞いておくと安全です。

異動や退職のときは、後任か上長に返す

仲よくなった取引先の連絡先は、自分の財産のように感じますよね。でも、仕事で受け取った名刺は、異動や退職のときに会社へ返すものと考えておきます。

厚生労働省のモデル就業規則には、異動や退職のときに、自らが管理していた会社や取引先の「データ・情報書類等」を速やかに返却するという条文例があります。11紙の名刺もデータも、ここに入ると考えるのが自然でしょう。モデルは例なので、自社の就業規則も開いてみてください。

台帳の名刺を利用目的の範囲で別の部署へ渡すのは第三者提供に当たりませんが、親会社や子会社へ渡すと、原則として当たります。12持ち出しは会社の問題にもなります。従業者が顧客の個人データを不正に持ち出して第三者に提供した場合は、ガイドラインで委員会への報告が要る事例に挙がっています。13

不正競争防止法の営業秘密に当たるかは、情報の中身と会社の管理のしかた次第です。経済産業省の説明によると、有用性、秘密管理性、非公知性の3つを満たす情報のことです。14名刺1枚で言い切れる話ではないので、迷ったら会社の法務か弁護士に相談してください。

個人的なつきあいを続けたい相手なら、退職のあいさつのときに本人から連絡先を聞けば足ります。

1時間で片づける年末の段取り

時間は目安で、枚数が多ければ2回に分けてもかまいません。日付と枚数の記録は少し面倒ですが、来年の見直しの手がかりになります。

  1. 机と名刺入れ、かばんから名刺を全部出す(10分)。
  2. 残す、引き継ぐ、手放す、迷うの4つの箱に分ける(20分)。
  3. 残す名刺を、会社の台帳かファイルに入れる(15分)。
  4. 手放す名刺をシュレッダーにかける(5分)。
  5. 同じ人のデータを、スマートフォンや表計算から消す(5分)。
  6. 細断した日と枚数を記録する(2分)。
  7. 迷う箱を上司か総務に渡す(3分)。

「今年は〇枚残して、〇枚を細断しました」と数字で言えて、後任にそのまま渡せる台帳がある。異動が急に決まっても慌てませんし、丁寧に引き継げる人には、次の仕事も任せやすいものです。

この記事は2026年11月1日時点の個人情報保護法、ガイドライン、Q&Aをもとにしています。改正法が2026年7月17日に公布され、一部を除き公布から2年以内に施行されるので、条文の番号や中身は変わることがあります。自社の規程や個別の判断に迷うときは、社内の担当部署か、個人情報保護委員会の相談ダイヤル(03-6457-9849)に相談してください。

注

  1. 個人情報保護委員会Q&A 5-2 ↩

  2. 個人情報保護法第16条第1項、第3項。ガイドライン(通則編)2-4、2-6 ↩

  3. 個人情報保護委員会Q&A 1-37、1-38 ↩

  4. 個人情報保護法第22条、第23条 ↩

  5. ガイドライン(通則編)3-4-2 ↩

  6. ガイドライン(通則編)3-4-1 ↩

  7. 個人情報保護委員会Q&A 5-3 ↩

  8. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第3条第1項 ↩

  9. 個人情報保護委員会Q&A 7-53、7-54。個人情報保護法第25条、第27条 ↩

  10. 個人情報保護委員会Q&A 12-3、12-4、10-25。個人情報保護法第28条 ↩

  11. 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)第16条第2項 ↩

  12. ガイドライン(通則編)3-6-1 ↩

  13. ガイドライン(通則編)3-5-3-1 ↩

  14. 不正競争防止法第2条第6項 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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