「お世話になっております」は、すでにつきあいのある社外の相手に向く挨拶です。初めての相手には「初めてご連絡いたします」、社内には「お疲れ様です」に替えます。同じ相手に1日に何度も送るなら、短くしたりお礼の一言に替えたりして構いません。どれも法律や公的な決まりではなく、慣習です。相手との距離に合わせて選びましょう。
文化庁の調査でも、改まったメールに型があると答えた人のうち、74.6%が「お世話になっております」「お疲れ様です」などの挨拶を入れることを型に挙げました1。だから、挨拶そのものは入れておくと無難です。迷うのは、どの言葉を選ぶかでしょう。
相手との関係で選ぶ、メールの書き出し(編集部の例)作成: 編集部 / 出典: 編集部・文化庁
初めての相手には、別の言葉で
初めて連絡する相手には、「初めてご連絡いたします」が素直です。まだお世話になっていないので、言葉どおりに読むと合いません(編集部の見立て)。ただ、受け取る人が必ず気にするわけではないので、送ってしまっても慌てなくて大丈夫です。
だれかの紹介なら、「○○様のご紹介でご連絡いたしました」と書くと、相手はすぐに状況をつかめます。
担当が替わって初めて送るときは、少し違います。会社としてつきあいがあるなら「いつもお世話になっております」で始めて、次の文で「このたび担当を引き継ぎました」と名乗る形が自然です。
社内は「お疲れ様です」でよい
社内のメールなら、「お疲れ様です」が定番です。文化庁の「敬語の指針」も、「お疲れ様」は一緒に仕事をしたあとなど、互いに声を掛け合う場面で多く使う表現と説明しています2。
一方、「御苦労様」は目上の人には使わないほうがよい、と同じ指針にあります2。上司へのメールは「お疲れ様です」にしておくと迷いません。
グループ会社や他の部署でふだん接点が少ない相手には、社外と同じ「お世話になっております」も使えます。そこは社内の空気に合わせて構いません(編集部の見立て)。
何度も送るときは、短くしていい
同じ相手に1日に何通も送るとき、毎回同じ挨拶が並ぶと、かえって読みにくくなります。2通目からは、用件につながる一言に替えましょう。
- 返信を受けたあと:「ご返信ありがとうございます。」
- 同じ日に続けて送るとき:「たびたび失礼いたします。」
- 前のメールに足りないことがあったとき:「先ほどのメールに、1点追記がございます。」
- 間があいたとき:「ご無沙汰しております。」
でも、相手が社外の目上の人で、やり取りがまだ少ないうちは、1行の挨拶を残しておくほうが安心です。相手が短い文で返してくるようになったら、こちらも合わせていきましょう。
同じ取引先に1日で3通送るときの書き出しの例(編集部の例)作成: 編集部 / 出典: 編集部
少し丁寧にしたいときの言い換え
ふだんのつきあいへの感謝を強めたいなら、「いつも大変お世話になっております」と足すだけで十分です。お客さま全体へのお知らせや文書なら、「平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます」という形もあります。ただし1対1のメールでは少し固く聞こえるので、案内文に取っておくとよいでしょう(編集部の見立て)。
メール全体の組み立ては、ビジネスメールの書き方 件名から署名までの型と、CC・BCCの使い分けで確認できます。
書き出しの迷いは、同僚と紙を見ながら決めておくと楽になる(イメージ)イラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
送る前に確認すること
- 相手は社内か社外か
- 初めての相手に「いつも」と書いていないか
- 紹介や引き継ぎがあるなら、その一言を入れたか
- 同じ日の2通目以降で、同じ挨拶を繰り返していないか
- 上司あてに「御苦労様」と書いていないか
- 挨拶のあとに、自分の所属と名前を入れたか
この記事の文例と使い分けは、編集部が慣習を整理したものです。敬語の説明は文化庁「敬語の指針」、調査の数字は文化庁の平成29年度「国語に関する世論調査」を2026年11月5日に確認しました。社内で決まった言い方があれば、それを優先してください。