取引先との会食を初めて手配するなら、店選び、席次、注文、支払い、翌日のお礼の5つを順に押さえれば十分です。中でも当日に慌てやすいのは支払いなので、予約のときに店と方法を決めておきましょう。
紹介するのは一般的なビジネスマナーと編集部の見立てですが、会社や業界で慣習が違うこともあります。だから、迷ったら上司の過去の例に合わせてください。
店は、相手の好みと帰りやすさで選ぶ
会食の段取り(編集部の目安)作成: 編集部 / 出典: ベンチャー・スピリット!編集部
最初にするのは、相手のことを聞くことです。苦手な食べ物やアレルギー、お酒を飲むか、帰りの交通手段を、上司や相手の窓口の人に確認します。直接聞きにくいときは、「お店選びの参考に」と添えて、こちらの担当から相手の担当へ尋ねてもらうと角が立ちません。
店の条件は、話がしやすい個室か半個室で、相手の会社か帰りの駅から近い場所が基本です。予算は社内の決まりに沿って決めます。1人あたりの金額で経理の扱いが変わることもあるので、交際費と会議費の違いの記事で先に確認しておくと、あとの精算が楽になります。
予約では、人数と日時のほかに、取引先との会食であること、席の配置、コースの内容、支払いの方法を伝えます。前日までに、店へもう一度確認の電話を入れておきましょう。
上座は、入口から遠い奥の席
個室のテーブル席の席次(4人の例)作成: 編集部 / 出典: ベンチャー・スピリット!編集部
席次の基本は、入口から遠い奥の席が上座、入口に近い席が下座です。相手の役職の高い人から奥に座ってもらい、自社の上位者はその向かいに座ります。手配した人は入口に近い席に座ると、店の人とのやり取りや会計に動きやすくなります。
和室なら床の間の前、円卓なら入口からいちばん遠い席が上座です。部屋の形や景色で上座が変わることもあるので、迷ったら店の人に聞いてください。部屋ごとの席次は、席次の基本の記事で詳しく確認できます。
当日は、15分前に着いて流れをつくる
相手が着く前に、席と卓の上を整えておくイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
当日は、開始の15分ほど前に着いておくと落ち着いて迎えられます(編集部の目安)。席の配置を見て、相手を奥の席へ案内しましょう。コートや荷物を預かる場所も、先に店の人に聞いておきます。
注文は、コースなら飲み物から始まります。最初の1杯は相手に先に選んでもらい、こちらは合わせる形で構いません。料理を選ぶ店なら、取り分けやすいものを中心に頼み、相手の好みを聞きながら追加します。
飲み物の残りや料理の進み具合を見て、店の人に声をかけるのも手配した人の役目です。ただし、お酒を無理にすすめるのはやめましょう。車を運転する人にお酒を出すと、出した人も罰せられることがあります1。自転車で来た人も同じなので、帰りの交通手段は先に聞いておくと安心できます。
当日に起きやすい困りごと
相手が遅れると連絡があったら、店に到着の見込みを伝え、料理を出す時間を調整してもらいます。人数が急に変わったときも、わかった時点で店に電話を入れましょう。コースなら、当日の変更に応じられるかは店によって違うので、予約のときに聞いておくと慌てません。
話が弾んで予定の時間を過ぎそうなときは、店にラストオーダーの時刻を確認しておきます。締めのあいさつは自社の上位者に頼むのが一般的なので、終わりの時間の目安を事前に伝えておくと、上司もきりよく切り出せます(編集部の見立て)。
会話は、仕事の話だけでなく、相手の地元や最近の話題などで構いません。ただ、相手の家族や健康、政治や宗教のように、立ち入った話題は避けたほうが無難です。
会計は、お開きの前に見えない所で済ませる
支払いは、相手の前でしないのがマナーです。では、どうするか。方法は3つあります。予約のときに先払いにしておく、カードを店に預けておく、締めの少し前に席を外して会計を済ませる、のいずれかです。どれにするかを予約の段階で決めておけば、当日は迷いません。
領収書の宛名と但し書きは、会社の決まりに合わせます。出席者と目的のメモもその日のうちに残しておくと、経理への精算がすぐに終わります。
お開きのときは、相手を出口まで見送ります。手土産を渡すなら、このタイミングです。渡し方はビジネスの手土産の記事で確認できます。
翌日の午前中に、お礼を送る
会食のお礼は、翌日の午前中に送ると気持ちが伝わります(編集部の見立て)。上司が送るなら、文案を用意して渡すと喜ばれるでしょう。
つまり、会食で出た話題を一言入れると、定型の文より印象に残ります。次の打ち合わせの日程が決まっているなら、それにも触れておきましょう。
会食の前に確認すること
- 相手の人数、苦手な食べ物、お酒を飲むか、帰りの交通手段を聞いた。
- 社内の予算の決まりを確認した。
- 店に人数、席、コース、支払いの方法を伝えた。
- 前日に、店へ最終の確認をした。
- 当日の席の配置を、上司と共有した。
- 領収書の宛名と但し書きを、経理の決まりで確認した。
- 翌日のお礼の文案を用意した。