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御社と貴社の使い分け メールは貴社、面接は御社、銀行なら貴行

電話や面接では「御社」、メールや書類では「貴社」と呼ぶのが広く通じている慣習です。銀行や学校、病院に何と書くかの早見と、弊社と組み合わせた3場面の例文は、そのまま使えます。

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御社と貴社の使い分け メールは貴社、面接は御社、銀行なら貴行

この記事でわかること

  • 話すなら御社、書くなら貴社と分けるのは、法律ではなく広く通じた慣習。
  • 銀行は貴行、学校は貴校、病院は貴院と書き、話すなら名前に「様」でも通じる。
  • 国会で「御社」を使った発言は1980年代の3から1990年代の108へ急に増えた。
  • 自社はメールも電話も弊社でよく、規約や社内向けの文なら当社を選ぶ。
対象営業事務総務新人・若手

メールや履歴書なら「貴社」、電話や面接なら「御社」。相手の会社の呼び方は、この分け方で覚えておけば、まず困りません。

ただ、これは法律や国の決まりではなく、慣習です。電話でつい「貴社」と言ってしまっても、言い直さずに話を続けて大丈夫。デジタル大辞泉は「貴社」の説明にも「御社」を並べていて、どちらも相手の会社を敬う語だからです。

そのうえで迷うとすれば、相手が銀行や学校のときでしょう。書くときは「貴行」「貴校」のように、語そのものを変えます。

国の指針に、御社の項目はない

オフィスの机で、白いブラウスの女性が受話器を耳に当てて話している様子を、肩の後ろから見た絵。机の上のノートパソコンには灰色の帯だけが映り、電話機とノートが置かれている。
電話では「御社」、メールでは「貴社」。同じ相手でも場面で呼び方が変わるイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

文化庁の「敬語の指針」を開いても、「御社」「貴社」は本文にも語句索引にも出てきません。近い記述としては、「御地」「貴信」のように「御」や「貴」を付けた尊敬語について、「これらのほとんどは書き言葉専用である」とあるくらいです。1

使い分けをはっきり書いているのは辞典のほう。デジタル大辞泉の「御社」には「書き言葉では「貴社」を使うのが普通」とあり、補説はこう続きます。「同音の言葉が多く紛らわしい「貴社」に代わり、主に話し言葉において使われ始めた。1990年代初めころからか。」

たしかに「きしゃ」は、記者や汽車、帰社と同じ音です。電話の声だけで聞くと、紛らわしいですよね。

国の機関の資料では、ハローワークの「応募書類の作り方」に「「御社(おんしゃ)」という表現は口語体ですので、文書には使いません。」とあります。もっとも、これは応募書類の書き方の案内で、法令ではありません。

御社が増えたのは1990年代から

本当に1990年代からなのか、話し言葉の記録である国会会議録で数えてみました。国立国会図書館の検索で、語を含む発言を年代ごとに集計した結果です。

図解。折れ線で、語を含む国会の発言数を10年ごとに示す。御社は1950年代21、1960年代2、1970年代8、1980年代3、1990年代108、2000年代110、2010年代110。貴社は31、14、53、41、40、49、25。2020年代は2026年10月30日までで御社57、貴社11。右上の横棒は1980年代と2010年代の比較で、御社3と110、あなたの会社25と33、おたくの会社19と6。右下は2010年以降の貴社36発言の内訳で、文書や調査票の読み上げ・引用が32、話しかけや想定の言葉が4。下段の年表は、1916年に雑誌に御社の用例、1990年代初めごろ主に話し言葉で使われ始めたとする辞典の補説、2007年の敬語の指針に御社と貴社の項目がないこと、2018年のハローワークの資料に御社は文書に使わないとあること。
国会の発言で「御社」は1990年代に急増。「貴社」は文書の読み上げが中心作成: 編集部 / 出典: 国会会議録検索システム(国立国会図書館)ほか
年代 御社 貴社
1950年代 21 31
1960年代 2 14
1970年代 8 53
1980年代 3 41
1990年代 108 40
2000年代 110 49
2010年代 110 25
2020年代(2026年10月まで) 57 11

1980年代の3発言が、1990年代には108発言。ここまではっきり段差が出るとは思いませんでした。1991年9月の証券問題の委員会は2日だけで23発言あり、1996〜99年は毎年10発言を超えました。辞典の「1990年代初めころからか」とも、大きくはずれません。言葉そのものはもっと古く、精選版 日本国語大辞典には大正5年(1916年)の用例が載っています。

では、それまで話しかけるときは何と呼んでいたのか。1980年代の国会には「あなたの会社」が25発言、「おたくの会社」が19発言あります。2010年代にはそれぞれ33発言と6発言で、「御社」の110発言に大きく離されました。

「貴社」は中身にも特徴がありました。2010年以降の36発言を1件ずつ読むと、32発言は文書や調査票の読み上げか引用です。相手に話しかける「貴社」は数えるほどしかありません。国会は職場とは違うので割合までは当てはめられませんが、書いた文なら貴社、話しかけるなら御社という分かれ方は、ここにも出ています。

この使い分けは、30年ほどで広まった慣習とみてよさそうです。相手が逆の語を使っていても、間違いと決めつけるほどのことではありません。指針も敬語全般について、「自分の基準だけで,相手や第三者の言葉遣いが丁寧過ぎる,あるいは逆に,失礼だなどということは決められない。」としています。2

それでもそろえておくと、読む人が語に引っかからずに済みます。応募書類は案内がはっきりしている分、従っておけば迷いません。

銀行や学校には、語を変えて書く

書くときの語は「応募書類の作り方」に一覧があります。応募書類向けの資料ですが、取引先へのメールでも同じ語が使えます。話すときの欄は、この資料と辞典、国会の発言で確認できた言い方だけを載せました。

図解。左の表は相手ごとの書くときと話すときの呼び方。会社は貴社と御社、銀行は貴行と御行、信用金庫は貴金庫と金庫名に様、組合は貴組合と組合名に様、学校は貴校と御校、大学・短大は貴学か貴校と大学名に様、幼稚園・保育園は貴園と園名に様、病院・医院は貴院とこちらの病院、会計・法律事務所は貴事務所と事務所名に様、官公庁は貴省、貴庁、貴局、貴所、貴役所、貴役場と御省、御庁、協会は貴協会と協会名に様、財団・社団・NPOは貴法人か貴団体とこちらの団体、社会福祉法人・独立行政法人は貴法人と法人名に様、商店・飲食店は貴店か店名に様と店名に様。右は場面ごとの組み合わせで、メール・手紙・送付状は貴社と弊社、電話・打ち合わせは御社と弊社、面接は御社と前の職場、規約・社内向けの文は社名と当社、取引先とのチャットは貴社か社名に様。迷ったら相手の名前に様。
相手別の呼び方と、自社の呼び方との組み合わせの早見作成: 編集部 / 出典: ハローワーク「応募書類の作り方」ほか
相手 書くとき 話すとき
銀行 貴行 御行
信用金庫 貴金庫 金庫名+様
組合 貴組合 組合名+様
学校 貴校 御校
大学・短大 貴学か貴校 大学名+様
幼稚園・保育園 貴園 園名+様
病院・医院 貴院 こちらの病院
会計事務所・法律事務所 貴事務所 事務所名+様
官公庁 貴省、貴庁、貴局、貴所、貴役所、貴役場 御省、御庁
協会 貴協会 協会名+様
財団法人・社団法人・NPO 貴法人か貴団体 こちらの団体
社会福祉法人・独立行政法人 貴法人 法人名+様
商店・飲食店 貴店か店名+様 店名+様

まず見てほしいのは右の列です。書くときの語はそろっているのに、話すときの語は定まっていません。同じ資料も面接の言い方として、「御社」のほかに「こちら様」「そちら様」「こちらの団体」「こちらの病院」などを挙げています。「御院」は公開の辞典で確認できず、国会の18発言にも病院を指す例は見当たりませんでした。

迷ったら、相手の名前に「様」を付ければ足ります。資料にも「判断に迷う場合は「(法人名又は事業所名)様」という表記でもかまいません。」とあります。

信用金庫だけは一覧になく、「貴金庫」は金沢信用金庫の同意条項で確認した書き方です。会社や業界で決まった呼び方があれば、そちらを優先してください。

自社は弊社か、当社か

違いは、へりくだるかどうかです。デジタル大辞泉の説明では、「弊社」は「自分の会社をへりくだっていう語」で、「当社」は「この会社。また、自分の所属するこの会社。我が社。」です。そこから考えると、取引先に向けた文なら弊社、規約や社内向けの文のようにへりくだらなくてよい文なら当社が合います。朝礼で言う「わが社」も、当社の仲間でしょう。社内の文例が当社でそろっているなら、無理に変えなくて構いません。

組み合わせは、メールなら「貴社」と「弊社」、電話なら「御社」と「弊社」。

話すときも弊社でいいの?と気になるかもしれません。指針は弊社を「ほぼ,書き言葉専用である」としながら、取引先の社員に上司のことを話す場面の解説では、改まった言い方として「弊社の部長」を挙げています。3電話でも弊社で構わないのです。上司の呼び方まで含めた電話の言い方は、電話応対の基本をどうぞ。

3つの場面の例文

例文はどれも編集部の例です。社名と用件を入れ替えて使えます。

送付状と履歴書は「貴社」、面接は「御社」と、同じ会社でも場面で変わります。面接での答え方は退職理由の答え方に、メールの組み立てはビジネスメールの書き方に例があります。

Web面接は話す場面なので「御社」。取引先とのチャットは少し悩みます。決まりも資料も見つかりませんでした。書く場面なので「貴社」で通りますが、軽いやりとりでは硬く感じるかもしれません。そんなときは「〇〇様」と社名で呼べば、どちらの語も使わずに済みます。

次の1通の前に確認すること

同じ会社を「貴社」と「御社」で呼ぶと、読む人は別の会社の話かと一瞬止まるかもしれません。そろえるのは1通の中だけで十分です。

決めた呼び方は、部署の文例集に1行足しておきませんか。次にその席に座る人は、もう同じことで迷わずに済みます。

敬語の指針、ハローワークの資料、辞典の公開ページは2026年10月31日に確認しました。国会会議録の数字も同じ日に数えたもので、2026年10月30日までの発言が対象です。1つの発言に何回出ても1と数えました。

注

  1. 文化審議会答申「敬語の指針」26ページ ↩

  2. 文化審議会答申「敬語の指針」35ページ【5】 ↩

  3. 文化審議会答申「敬語の指針」28ページ、44ページ【24】 ↩

出典・参考

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執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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