取引先から創立50周年の案内状が届いたら、何を、いつ贈ればよいのでしょうか。基本は、記念日か式典の当日に届くよう、祝電や花、品物を贈ることです。
額に公的な相場はありません。だから、取引の深さで段を決めて社内の基準にしておくと、毎回迷わずに済みます。祝電の申し込みには締め切りの時刻があり、電話での受付時間は2026年12月から短くなります。
記念日と式典の日を、案内状で先に確認する
案内状が届いたら、記念日と式典の日をまず確認するイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
最初に確認したいのは、お祝いの日がいつかです。株式会社が法律上成立するのは、本店の所在地で設立の登記をした日です。1ただ、記念日にするのが会社の成立の日か、事業を始めた創業の日かは、会社によって違います。案内状や相手のウェブサイトの沿革で、どの日を祝うのかを確認しておきましょう。
記念式典や祝賀会は、記念日とは別の日に開かれることもあるでしょう。式典があるなら当日に会場へ、なければ記念日に本社へ届けるのが分かりやすい形です。
案内状に「ご厚志は辞退いたします」のような一文があれば、品物や花は控えますが、祝電やお祝いの手紙なら気持ちを伝えられます。
額は取引の深さで段を決め、自社の基準にしておく
お祝いの額に、法律や公的な基準はありません。相場を毎回調べるより、取引の深さで段を決めておくほうが確実でしょう。
周年祝いは取引の深さで段を決める例と、のしの書き方作成: 編集部 / 出典: 編集部
| 相手との関係(編集部の例) |
贈るもの |
予算の目安 |
| 案内状をもらった、取引は少なめ |
祝電、またはお祝いの手紙 |
祝電の料金 |
| 続けて取引がある |
祝電と、花か品物 |
1万〜3万円 |
| 主要な取引先、式典に招かれた |
式典の会場へ祝電と花、当日は御祝を持参 |
3万〜5万円 |
表の額は、あくまで編集部の例。会社の規模や業界、これまでのお付き合いによって変わるので、社内の慶弔や贈答の決まりに合わせて決めてください。
取引先へのお祝いの品は、税務上は交際費の扱いです。国税庁は、得意先や仕入先など事業に関係のある人への贈答のための支出を、交際費等に含めています。2贈ったあとは、経理に交際費として伝えておきましょう。交際費の上限の考え方は、交際費の平均と損金算入の限度額で分かります。
祝電は、届け日を指定して前もって申し込む
取引先の周年祝いの段取りと、祝電の申し込みの時刻作成: 編集部 / 出典: NTT東日本
祝電なら、式典の当日や記念日に合わせて届け日を指定できます。NTT東日本の電報申込サイト「D-MAIL」なら24時間受け付けていて、届け日は申し込みの日から1か月先まで指定できます。3当日に届けたいときは、申し込みの途中で14時を過ぎると翌日の配達になる点に注意が要ります。3なお、12月31日から1月3日は配達がない期間です。3
電話の「115」で申し込むなら、2026年12月1日からの受付時間の変更に気をつけましょう。これまでの午前8時から午後7時、年中無休が、午前8時から午後4時になり、12月31日から1月2日は休みです(NTT西日本も同じ)。4Webの申し込みは、電話より税込440円安くなっています。4
文面は、D-MAILの文例集の「創立記念・式典・大会」の区分から選べます。自分で書くなら、次のような形です。
花と品物は、会場の受け取りと相手の手間を考える
式典の会場に花を贈るなら、主催の会社か会場に、受け取れるかどうかと届けてよい時間を先に聞いておきましょう。会場によっては、大きなスタンド花を置けないこともあるからです。本社に贈るなら、置き場所や手入れの手間が少ないものを選ぶと、相手の負担になりません。
品物を選ぶときは、受け取った側で社員に分けられるかどうかも考えどころです。個包装の菓子なら、式典のあとに配りやすくなります。記念に残る品を贈るなら、相手の社名や業種にちなんだものを選ぶと、印象に残るでしょう。日持ちのしない食べ物は、式典の当日に会場へ届けるのを避け、記念日に本社へ送るほうが無難です。
品物にのしを掛けるなら、水引は紅白の蝶結び、表書きは「祝 創立〇〇周年」か「御祝」が一般的です。下に会社名を書き、必要なら代表者名を添えます。これは慣習で、法律の決まりはありません。式典に出席して御祝を持参するなら、渡すのは受付です。
記念品へのお礼と、お返しを断るとき
式典に出ると、記念品を受け取ることもあるでしょう。記念品は相手からの感謝のしるしなので、改めてお返しをする必要はなく、お礼を伝えれば十分です。
お祝いを贈る側として、相手にお返しの気づかいをさせたくないときは、送り状やメッセージに一言添えます。
逆に、自社が周年を迎えてお祝いを受けたときは、まずお礼状を。お返しをするかどうかは、社内の基準に合わせて決めればかまいません。
名義をそろえ、贈った記録を次の節目に残す
贈り主の名義は、会社名だけにするか、代表者名まで入れるか、部署名にするかを先に決めます。相手の代表者あての式典なら代表者名、担当部署どうしのお付き合いなら部署名、というように、社内の基準と合わせておくと迷いません。
周年は、10年後や次の節目にまた巡ってきます。そのときに前回と釣り合いのとれたお祝いができるよう、贈った記録を残しておきましょう。
| 記録しておくこと |
例(編集部の例) |
| 相手と節目 |
株式会社〇〇、創立50周年 |
| 贈った日と届け先 |
式典の当日、〇〇ホールへ |
| 中身と金額 |
祝電と胡蝶蘭、3万円 |
| 名義と決裁者 |
代表取締役名、総務部長の決裁 |
| 相手からのお礼 |
記念品とお礼状を受け取った |
記録は、交際費の中身を経理と照らすときにも役に立ちます。
贈る前に確認すること
- 記念日と式典の日、会場を案内状で確認した。
- 案内状に、お祝いの品を辞退する旨が書かれていないか見た。
- 社内の基準で段と予算を決め、上長の決裁をとった。
- 祝電の届け日と届け先を決め、Webなら当日配達の時刻に間に合うよう申し込んだ。
- 花を贈るなら、会場か主催者に受け取りの可否と時間を聞いた。
- のしの表書きと、贈り主の名義をそろえた。
- 経理に、交際費として伝えた。
取引先の役員の就任や昇進を祝うときの考え方は、昇進祝い・就任祝いの贈り方にまとまっています。