夜にメールを書き終えたものの、深夜に届くと相手に気を使う。あるいは、送った直後に宛先の間違いに気づいて青くなる。事務の仕事では、どちらもよくあることです。
この記事では、Outlook で送る時刻を指定する「予約送信」と、送信を数分遅らせる仕分けルール、送ってしまったメールを止める方法を、版ごとに整理しました。画面の名前と手順は Microsoft の日本語のサポートページで確かめた内容です(2026年10月24日確認)。
使っている版で、できることが違う
Outlook には、Windows の「新しい Outlook」、従来の「クラシック Outlook」、ブラウザーで使う「Outlook on the web」、Mac 版、スマートフォンのアプリがあります。予約送信や送信の取り消しは、どれでも同じようにはできません。先に表で確かめてください。
版
個別の予約送信
全メールを遅らせるルール
送信を元に戻す(数秒の猶予)
送ったメールの取り消し
新しい Outlook
できる([送信のスケジュール])
部分的に使用可能(機能比較の表)
使用可能(機能比較の表)
できる(条件あり)
従来の Outlook(クラシック)
できる([配送オプション])
できる(最大120分)
サポートされていない(機能比較の表)
できる(Exchange のアカウントなど条件あり)
Outlook on the web
できる([送信のスケジュール])
日本語のページに記載なし
Outlook.com は最大30秒
できる(条件あり)
Mac
できる([送信のスケジュール])
できない
できる(5〜120秒)
別のページあり
スマートフォン(Android・iOS)
手順を確かめられなかった
記載なし
記載なし
できる(条件あり)
Outlookの予約送信・遅延ルール・送信の取り消しを版ごとに比べた早見表 作成: 編集部 / もとの資料: Microsoft サポート(新しい Outlook と従来の Outlook の機能の比較ほか)
表の読み方で、迷いやすい点が2つあります。
1つ目は、機能比較の表の「送信のスケジュール設定」です。この表では従来の Outlook が「サポートされていません」ですが、従来の Outlook にも別の画面(配送オプション)で時刻を指定する方法があります。名前が違うだけで、予約そのものはできます。
2つ目は、スマートフォンの「スケジュール」です。Microsoft の説明では、受信トレイでメールを左から右にスワイプして、数時間後や明日の朝に再表示させる延期の機能です。送るメールの予約ではありません。
自分の版は、画面で見分けます。Windows の Outlook で右上に [設定] のボタンがあれば新しい Outlook、なければ従来の Outlook です。Microsoft の「手順が機能しないときは、新しい Outlook をまだ使っていない可能性がある」という案内も、この見分けと同じ意味です。
夜に書いたメールを朝に届ける 予約送信のやり方
予約送信は、書いたメールを「送る」操作のまま、相手に届く時刻だけをあとにずらす機能です。「夜のうちに書き終えたい。でも相手には始業後に読んでほしい」という場面で使います。
新しい Outlook と Outlook on the web
手順は同じです。
メールの作成中に、[送信] の横のドロップダウンを選び、[送信のスケジュール] を選ぶ。
既定のオプションのどれかを選んで [送信] を選ぶか、カスタム時刻を選んで [送信] を選ぶ。
[送信] を選んだあと、メールは配信の時刻まで [下書き] フォルダーに残ります。新しい Outlook では、IMAP か POP のアカウントでは使えません(Microsoft の注記)。Microsoft の「スケジュール送信の提案」のページには、配布リストと Microsoft 365 グループへの配信は予約できない、という注記もあります。
従来の Outlook(クラシック)
従来の Outlook では、メールごとに「配送オプション」の画面で時刻を指定します。「配信タイミング」を探している人は、ここを開きます。
メールの作成中に、リボンの [タグ] グループで [メッセージ オプション] の矢印を選ぶ。
[配送オプション] で、[指定する前に配送しない] のチェックボックスをオンにし、配送の日時を選ぶ。
[閉じる] を選び、メールを書き終えたら [送信] を選ぶ。
リボンに [メッセージ オプション] がないときは、簡略化されたリボンを使っている可能性があります。その場合は、[オプション] タブの [その他のコマンド] から開きます。
[送信] を選んだあと、メールは時刻まで [送信トレイ] フォルダーに残ります。Microsoft の日本語のページは、このチェックボックスを [指定する前に配送しない] と [指定日時以降に配信] の2通りで書いています。画面の表記が少し違っても、同じ設定です。
従来の Outlook の予約送信には、Microsoft が書いている条件があります。1つ目は、この機能を使うには Outlook がオンラインで接続されている必要があることです。2つ目は、Exchange のキャッシュモードで使っていて、予約の時刻に Outlook が起動していないと、メールが届かないことがあることです。メールがパソコンの送信トレイに置かれたままになり、サーバーには置かれていないためと説明されています。回避策として、Microsoft はオンラインモードで予約することを挙げています。
予約の日の朝に、パソコンの電源が入っていて Outlook が開いているか。従来の Outlook を使う人は、ここを先に確かめてください。キャッシュモードかどうかは、会社の情報システムの担当者が答えられます。
Mac の Outlook
Mac では、[送信] ボタンのドロップダウン矢印から [送信のスケジュール] を選び、日時を入れて [OK] を選びます。メールは [下書き] フォルダーに保存され、パソコンで Outlook が開かれていなくても送られると、Microsoft は説明しています。
この機能は、Microsoft 365 か Exchange 2016 CU5 以降でホストされるアカウントが前提で、Gmail・Yahoo・iCloud などの IMAP・POP では動きません。Mac では、全メールを遅らせるルールは使えません。
予約をやめて、今すぐ送る
予約したメールを、やはり今送りたいときの手順です。
版
手順
新しい Outlook
[下書き] フォルダーで予約のメールを開き、[送信のキャンセル] を選ぶ。そのあと [送信] を選ぶと、すぐに送られる
Outlook on the web
[下書き] フォルダーでメールを開き、鉛筆の [編集] アイコンを選んで、[今すぐ送信] を選ぶ
従来の Outlook
[送信トレイ] で予約のメールを開き、[メッセージ オプション] の [指定日時以降に配信] のチェックをオフにして、[閉じる]、[送信] の順に選ぶ
Mac
[下書き] フォルダーでメールを開き、[送信取り消し] を選んで [はい] を選ぶ。メールが開いたままになるので、すぐ送るか別の時間にずらす
予約送信の手順と、予約をやめて今すぐ送る方法、予約を置く前の条件 作成: 編集部 / もとの資料: Microsoft サポート(Outlook でのメール メッセージの送信を延期または予定する)
送ってしまったメールは、どこまで止められるか
予約送信が「送る前の手当て」なら、ここからは「送った後の手当て」です。止める方法は3つあり、効く範囲が違います。
1. 送信を元に戻す(数秒の猶予)
送信ボタンを押したあと、数秒だけ実際の送信を待ってもらう機能です。真のリコール(呼び戻し)ではなく、アプリが設定した時間だけ送信を遅らせるので、気が変わったら取り消せます。
新しい Outlook は、機能比較の表で「使用可能」、従来の Outlook は「サポートされていません」です。
Outlook.com(個人のアカウント)は、[設定]>[メール]>[作成] で時間を選び、最大30秒です。
Mac は、[Outlook]>[設定]>[作成] で、5・10・15、最大120秒から選びます。
職場のアカウントで使う新しい Outlook と Outlook on the web の秒数の選択肢は、Microsoft の日本語のサポートページでは確かめられませんでした。選べる範囲は画面の設定で確認してください。
2. メッセージの取り消し(送ったあとに呼び戻す)
送信済みのメールを、相手のメールボックスから取り下げる機能です。Microsoft の説明では、次の条件が両方そろったときだけ使えます。
自分も相手も、同じ組織の Microsoft 365 の職場または学校のアカウントである。
相手がまだメッセージを開いていない。
Gmail や Hotmail などの個人のアカウントでは使えません。組織の外の相手に送ったメールも取り消せません。つまり、お客様や取引先に送ったメールには、基本的に効きません。
手順は版で違います。
版
手順
新しい Outlook・Outlook on the web
[送信済みアイテム] で送ったメールをダブルクリックして別のウィンドウで開き、リボンの [メッセージを取り消す] を選んで、確認で [OK] を選ぶ
従来の Outlook
[送信済みアイテム] でメールを開き(閲覧ウィンドウで選ぶだけでは取り消せない)、[メッセージ] タブの [移動] グループで [その他の移動操作]>[このメッセージを取り消す] を選ぶ。[このメッセージの未読なら削除する] か [未読ならば、削除して新しいメッセージに置き換える] を選んで [OK]
Android・iOS
[送信済みアイテム] でメールを開き、右上の3つの点から [取り消し] をタップする
従来の Outlook で [このメッセージを取り消す] が見当たらないときは、Exchange のアカウントでないか、組織でこの機能が使えない可能性があります。Azure Information Protection で保護されたメッセージも取り消せません。
取り消しの要求を出すと、通常は30秒以内に「メッセージ取り消しレポート」のメールが届きます。成功・保留・失敗のどれかがそこで分かります。受信者のメールボックスが一時的に使えないときは、失敗とする前に最大24時間、再試行されます。
3. 送信を数分遅らせる(次の章)
上の2つが効かない場面(相手が組織の外・数秒では気づけない)に備える方法が、仕分けルールによる遅延です。
送信を数分遅らせる仕分けルールの作り方(従来の Outlook)
仕分けルールで、送った全部のメールを、最大120分(2時間)まで [送信トレイ] に留めておけます。宛先の間違いや添付のし忘れに気づいたとき、まだ送信トレイの中なら、開いて直して送り直せます。
Microsoft のページに書かれた手順は次のとおりです。
メールのリボンで [ファイル] タブを選び、[ルールの管理 & アラート] を選ぶ。
[新しいルール] を選ぶ。
[ステップ 1: テンプレートを選択する] の [新しいルールを作成する] で、[送信するメッセージにルールを適用する] を選び、[次へ] を選ぶ。
[手順 1: 条件の選択] の一覧では、全部に当てはめたいので、すべてのチェックボックスをオフにして [次へ]。確認のダイアログが出たら [はい] を選ぶ(送信する全メッセージに適用される)。
[ステップ 1: 処理を選択してください] の一覧で、[指定した時間 分後に配信する] をオンにする。
下の説明欄の下線のある語句(a number of)を選び、保留する分数を入れる。最大120分。[OK]、[次へ] の順に選ぶ。
必要な例外のチェックボックスをオンにして [次へ] を選ぶ。
ルールの名前を入れ、[この仕分けルールを有効にする] をオンにして [完了] を選ぶ。
以後は、[送信] を選ぶたびに、各メッセージが指定した分だけ [送信トレイ] に残ります。
従来のOutlookで送信を最大120分遅らせる仕分けルールの8手順 作成: 編集部 / もとの資料: Microsoft サポート(Outlook でのメール メッセージの送信を延期または予定する)
何分にするか
Microsoft は分数の目安を示していません。気づいてから直す余裕を考えると、1〜5分あたりから試すのが使いやすい、というのが編集部の案です。急ぎの連絡が多い部署は短めにします。数分でも、お客様への返信では遅れを感じることがあるので、部署で決めて周知してください。
例外の付け方
手順の7番で、条件に合うメールだけを遅延の対象から外せます。たとえば「急ぎの宛先は遅らせない」と決めるときに使います。例外に出る項目の名前は、画面で確かめてください。どの項目を選んだかは、ルールの説明欄(下線の語句を含む文)に表示されるので、保存の前に読み直します。
ルールを作ったあと、自分宛てにテストメールを送り、[送信トレイ] に指定の分数だけ残ることを確かめます。ルールの名前には、「送信 5分遅延」のように、分数が分かる名前を付けると、あとで見直しやすくなります。
新しい Outlook・Mac・Web の場合
新しい Outlook は、機能比較の表で送信遅延ルールが「部分的に使用可能」です。従来の Outlook と同じルールが作れるかは、日本語のページでは確かめられませんでした。
Mac では、全メールを遅らせるルールは使えません。ただし、個別の予約送信と、数秒の送信を元に戻すは使えます。
Outlook on the web には、日本語のページに全メール遅延ルールの記載がありません。
ルールを置くときの注意
Microsoft の説明では、スケジュール送信の提案(勤務時間外の相手に予約を勧める機能)を使うには、メッセージを遅らせる Outlook ルールをオフにする必要があります。
遅延中のメールは、まだ送られていません。パソコンを閉じたり、Outlook を終了したりする前に、送信トレイが空か確かめる習慣を付けると、送り忘れを防げます(編集部の案)。
添付や宛先の書き間違いは、遅延でも気づけなければ同じです。次の章のように、送る前の確認と組み合わせます。
社内の運用 予約と遅延を組み合わせるときの注意
機能を入れたあとに起きる問題は、設定の外にあります。一般的には、次の点を部署で決めておくと、トラブルが減ります。
場面
注意すること
予約を置いたまま休む
予約したメールは、休みの間も出る。予定が変わったら、休む前に予約を取り消す。引き継ぎの人にも、予約があることを伝える
相手の時差
海外の相手には、相手の現地の始業時刻に合わせて予約する。時差は自分で計算し、日時を入れる前に、日本の何時にあたるかを書き出して確かめる(編集部の案)
予約の前に状況が変わった
予約から送信までの間に、取引の条件や相手の都合が変わることがある。予約は「出す日の朝に最終確認する」ところまでを一続きにする
夜の送信は避けたい
受け手への配慮として、勤務時間外に届かないように予約するのが一般的。会社や業界で慣行は違う
誤送信を減らす
遅延(数分)と、送る前の確認(宛先・添付・本文)を組み合わせる。遅延だけでは、気づく人が気づかない
送る前の確認の例(部署で決める)
宛先(To)に、意図した相手だけが入っているか。同じ名前の別の人を選んでいないか。
Cc と Bcc の入れ違いがないか。
添付したファイルは、最新の版か。社外に出してよい内容か。
件名と本文の宛名(会社名・お名前)が合っているか。
予約送信なら、日時が相手の都合に合っているか。
誤送信から情報が漏れたときの対応や、組織としての防ぎ方の深い話は、情報システムの領域です。くわしくは情シスのミカタ の記事を参照してください。この記事では、バックオフィスの人が自分で今日から打てる手だけを扱いました。
受信が多くて返信を後回しにしがちな人は、メールの整理術 受信箱をためない仕分けのルールと設定の手順 もあわせてどうぞ。休み前の準備には、Outlookの自動応答の設定 休暇前の不在メールと社内・社外向けの文例 が使えます。予約送信を置いたまま休む前に、自動応答も一緒に設定しておくと、相手への案内が揃います。
今日からできること
自分の Outlook の版を確かめる(右上に [設定] のボタンがあるか、Mac か、ブラウザーか)。
自分宛てに、予約送信のテストメールを1通出す。従来の Outlook なら、予約の時刻に Outlook を開いたままにして、届くか確かめる。
従来の Outlook を使っているなら、送信を2〜3分遅らせる仕分けルールを作り、テストメールで送信トレイに残ることを確かめる。
部署で、遅延の分数と、送る前の確認の項目(宛先・添付・Cc/Bcc)を1枚にまとめる。
休みに入る前の確認表に、「予約送信が残っていないか([下書き]・[送信トレイ]を見る)」の1行を足す。