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ボーナスをもらって退職する時期は?支給日在籍と伝える日の決め方

冬のボーナスをもらってから辞められるかは、就業規則にある賞与の条の「在籍」の条件で決まります。言い回しの意味が分かれば、上司に伝える日と退職日をどこに置くかも見えてきます。

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ボーナスをもらって退職する時期は?支給日在籍と伝える日の決め方

この記事でわかること

  • 「支給日に在籍」が条件なら、伝えた日ではなく、退職日が支給日より後かで決まる。
  • 規程に「退職を予定している者」とあれば、支給日前の申し出で外れることがある。
  • 支給日が有給休暇の消化中でも在籍のうちで、休んだ日を理由に額を減らしてはいけない。
対象実務

冬のボーナスをもらってから辞めることは、できるのでしょうか。就業規則に「支給日に在籍している者に支給する」といった定めがある会社なら、退職日が支給日よりあとにあれば、条件は満たせます。条件にかかわるのは退職日で、上司に伝えた日ではありません。

ただ、同じ条にもう一文あったらどうでしょう。「退職を予定している者には賞与を支給しない」という一文です。この書き方の会社では、伝える日も条件に入ってきます。

ボーナスの条件は、法律ではなく会社の規程にある

木の机の上に開いた手帳。白いページに左から右へ1本の鉛筆の線が引かれ、くすんだピンクの丸いシール、紺のシール、白い丸のシールが間をあけて並んでいる。ピンクのニットの袖の手が、紺のシールを線の上に貼っている。机の奥には観葉植物とカップ、閉じた青い本と鉛筆がある。
手帳の1本の線に、伝える日と支給日、退職日の印を並べてみるイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

賞与は法律で払うよう決まっているものではありません。厚生労働省のモデル就業規則の解説にも、「法律によって設けることが義務付けられているものではありません」とあります。1

それでも、労働基準法の上では賞与も賃金です。賞与のような臨時の賃金を定めるなら、会社はその中身を就業規則に書かなければなりません。2もらえるかどうかの答えは、自分の会社の規程の中にあるのです。

賞与の定義は、労働基準法が施行されたときの通達に出てきます。定期または臨時に、原則として勤務成績に応じて払うもので、額があらかじめ決まっていないもの。3毎月決まった額で払う給与とは、そこが違います。

条文は、就業規則の賃金の章か、別にまとめた賃金規程のどちらかにあるでしょう。会社には就業規則を周知する義務があり、見せてほしいと頼んでもかまいません。4働く人が10人に満たない会社なら、就業規則を作る義務はありません。2そのときは、雇用契約書や労働条件通知書が手がかりになります。

賞与の条は「だれに」「いつ」「いくら」で読む

賞与の条は「だれに」「いつ」「いくら」の3か所に分けて読むと、自分の場合が見えてきます。規程や裁判例に出てくる言い回しと、辞める人にとっての意味を1枚にまとめました。

賞与の条を3か所に分けて読む図。だれにの欄は3つ。1、モデル就業規則第50条の「算定対象期間に在籍した労働者に対し支給する」は、額を計算する期間に在籍した人が対象で、支給日にいない人の扱いはほかの一文と会社の運用で決まる。2、大和銀行事件の就業規則の「支給日に在籍している者に対し支給する」は、退職日が支給日より後なら条件を満たし、規程の上では伝えた日は問われない。最高裁が合理性を認めた。3、中央労働委員会のあっせん事例に出てくる「賞与支給日において既に退職している者又は退職を予定している者には賞与を支給しない」は、支給日の前に退職を申し出ると在籍中でも外れることがあり、ごく少ない額にしたのを違法とした裁判例もある。いつの欄は2つ。4、「下記の支給日に支給する」は日付を会社が書き込む形で、今年の冬の日付は社内の案内で確認する。5、ただし書の「支給時期を延期し、又は支給しないことがある」は、延びて退職日を越えると2の条件を満たせないので、退職日を支給日のすぐあとに置かない。いくらの欄は2つ。6、「勤務成績などを考慮して各人ごとに決定する」は、額は査定で決まり会社の裁量が大きい。7、労働基準法の決まりで、有給休暇を取った日を欠勤として扱い賞与を減らしてはいけない。支給日が有給休暇の消化中でも在籍のうち。賞与の条が見つからないときは、就業規則の賃金の章、別の賃金規程、10人未満の会社は雇用契約書や労働条件通知書を見る。会社には就業規則を周知する義務がある。まとめ、退職する人がまず読むのはだれにの一文で、支給日に在籍だけか、退職を予定している者まで書いてあるかで、伝える日の考え方が変わる。
賞与の条を「だれに」「いつ」「いくら」に分けて読む。言い回しごとの意味作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省、中央労働委員会、e-Gov法令検索

辞める人にいちばん関わるのは「だれに」の一文です。モデル就業規則の文例は、「算定対象期間に在籍した労働者に対し」支給する形。算定対象期間とは、賞与の額を計算するもとになる期間のことです。解説には、支給日のような決まった日に在籍している人だけに払う定めも置ける、とあります。1

この書き方は、裁判でも認められてきました。最高裁は、「支給日に在籍している者に対し」支給すると改めた銀行の就業規則について、前からの慣行を書きあらわしたもので、中身にも合理性があると判断しました。辞めたあとに支給日が来る賞与は受け取れない、という結論です。5

注意したいのは、在籍の条件のあとに続く一文です。中央労働委員会が紹介する事例には、「退職を予定している者には賞与を支給しない」と書いた規程が出てきます。こう書いてあると、支給日にまだ在籍していても、その前に退職を申し出た人は対象から外れることがあります。6

もっとも、どんな扱いでも認められるわけではありません。同じ資料によると、支給日在籍の定めを適法とする裁判例が多い一方で、支給日に退職を予定している人の賞与をごくわずかな額にとどめたことを違法とした裁判例もあります。周知されていない規程を理由に、払わずに済ませることもできません。6

「いつ」は支給日です。日付が書いてあれば迷いませんが、モデル就業規則には、業績が大きく落ちたときなどに「支給時期を延期し、又は支給しないことがある」というただし書があります。1支給日がずれて退職日を越えれば、支給日在籍の条件は満たせません。

「いくら」は業績や勤務成績を考えて一人ずつ決めるのが、モデル就業規則の書き方です。1額の決め方は会社の裁量が大きいところ。それでも、有給休暇を取った日を欠勤として扱い、賞与を減らすことはしてはいけません。7退職の前に残りの有給休暇を使っていて、そのあいだに支給日が来ても、在籍していることに変わりはありません。額面から引かれる保険料と税は、ボーナスの手取り早見表で見られます。

支給日と伝える日、退職日を並べてみる

3つの日付のうち、先に決まっているのは支給日です。退職日は申し出の期限と引き継ぎ、有給休暇の残りを足して決まります。伝える日は、そこから逆算して出てくる日です。

支給日を12月10日(木)、退職の申し出の期限を退職日の1か月前、期間の定めのない雇用で土日休みとした編集部の例の図。Aは「支給日に在籍」だけの規程で、伝える日11月30日(月)、支給日12月10日(木)、退職日12月31日(木)。伝える日が支給日より前でも、退職日が後ろなら条件を満たし、支給日が有給休暇の消化中でも在籍のうち。Bは「退職を予定している者」も外す規程で、支給日12月10日(木)、伝える日12月14日(月)、退職日1月15日(金)。支給日の前に申し出ると在籍していても外れることがあり、どの時点から退職予定とみるかは会社の運用による。Cは支給日が延びたときで、予定の支給日12月10日(木)が12月25日(金)に延び、退職日12月18日(金)を越える。支給日に在籍していないので条件を満たせない。日付を決める線は、民法では期間の定めのない雇用は申し入れから2週間で終わること、就業規則にある退職の申し出の期限、引き継ぎと有給休暇の消化は伝える日から退職日のあいだに入れること。冬のあとも続くことは、冬の支給日のあとの期間は夏の算定対象期間に入ることがあり、支給日在籍の規程なら夏の支給日の前に辞めると夏の分は出ないこと、総合労働相談コーナーは12月29日から1月3日まで閉まること。まとめ、先に決まっているのは支給日で、退職日は支給日より後ろに余裕をもって置き、伝える日は規程の一文と申し出の期限からさかのぼって決める。
支給日、伝える日、退職日の並べ方の例。規程の一文と延期で変わる作成: 編集部 / 出典: e-Gov法令検索、厚生労働省、中央労働委員会

規程が「支給日に在籍」だけなら、伝える日は支給日の前でも後でもかまいません。退職日が支給日よりあとにあれば、条件は満たせます。図では支給日を12月10日に、申し出の期限を辞める1か月前に置きました。上司に話す日は、引き継ぎの都合で選んでいいのです。

「退職を予定している者」の一文がある規程だと、伝える日が支給日の前か後かで、扱いが分かれてしまいます。いつから「予定している」とみるかは、会社の運用しだい。読んでもよく分からないときは、規程の文面を持って、労働基準監督署か総合労働相談コーナーに相談できます。

どちらの規程でも、退職日を支給日の翌日のような、ぎりぎりの日に置かないほうが無難でしょう。図のCのように、支給日が延びると、退職日のほうが先に来てしまうからです。

冬のあとの期間にも、目を向けておきたいところです。冬の支給日のあとに働く月は、次の夏の賞与の算定対象期間に入ることがあります。支給日在籍の規程なら、その月を働いても、夏の支給日の前に辞めれば夏の分は出ません。辞めるまでの分を払う定めがあるかどうかも、同じ条で見ておけます。

法律の線は一本だけ。期間の定めのない雇用なら、民法では、辞めると申し入れてから2週間で雇用が終わります。8でも、引き継ぎと有給休暇の消化まで2週間に収めるのは、なかなか難しいはずです。上司への切り出し方と話す順番は、退職の切り出し方の記事で順を追って説明しました。

伝える日を決める手順

規程を開いたら、次の順で進めていきます。

  1. 就業規則か賃金規程で、賞与の条を開く。
  2. 「だれに」の一文を、手帳に書き写す。
  3. 今年の冬の支給日を、社内の案内で確認する。
  4. 退職の章で、申し出の期限を確認する。
  5. 勤怠システムで、有給休暇の残りの日数を見る。
  6. 退職日を支給日より後ろに置き、期限と引き継ぎの期間をさかのぼって、伝える日を出す。

書き写した一文に「退職を予定している」の言葉があるかどうか。6の数え方はそこで変わります。今の会社に勤めながら次を探している人は、在職中の転職活動にある入社日の出し方と重ねて使えます。

迷ったら、年内のうちに相談する

自分の場合がはっきりしないときは、ひとりで抱えなくていいのです。総合労働相談コーナーは、労働局や労働基準監督署の中などにあって、全国に378か所。予約はいらず、無料で話を聞いてもらえます。9

ボーナスを受け取ってから辞めることに、引け目を感じる人もいるかもしれません。でも、規程に書かれた条件に沿って日付を選んでいるだけです。支給日、伝える日、退職日。3つが手帳に並べば、上司に話す日は、自分で選んだ日になります。

法律はe-Gov法令検索で、ほかの資料は厚生労働省と中央労働委員会のサイトで、2026年10月31日に確認しました。日付の並べ方はひとつの例で、実際の扱いは会社の規程によります。

注

  1. 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)の第50条(賞与)と、その解説 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  2. 労働基準法第11条、第89条第4号。賞与が「臨時の賃金等」に入ることは第24条第2項 ↩ ↩2

  3. 労働基準法の施行に関する件(昭和22年9月13日、発基第17号)の「法第二四条関係」 ↩

  4. 労働基準法第106条第1項 ↩

  5. 大和銀行事件(最高裁第一小法廷、昭和57年10月7日判決)。厚生労働省「確かめよう労働条件」の裁判例「賞与不払い」 ↩

  6. 中央労働委員会「個別労働紛争の調整事例と解説」の事例18。規程の全文は「賞与支給日において既に退職している者又は退職を予定している者には賞与を支給しない」。賞与をごくわずかな額にとどめたことを違法とした裁判例はベネッセコーポレーション事件(東京地裁、平成8年6月28日判決)、周知されていない規程についてはフジ興産事件(最高裁第二小法廷、平成15年10月10日判決)と労働契約法第7条 ↩ ↩2

  7. 労働基準法附則第136条。モデル就業規則の第23条(年次有給休暇)の解説の12 ↩

  8. 民法第627条第1項 ↩

  9. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 ↩

出典・参考

この記事は、下の監修者が内容を確認しました()。

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

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記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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