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保険料控除申告書の書き方 生命保険の新旧と、証明書が要る控除

保険料控除申告書で申告するのは4つの控除で、国民年金や生命保険の分には証明書を添えます。新旧両方の契約がある人は、旧契約の保険料が年6万円を超えるかと、23歳未満の扶養親族がいるかで、得な書き方が変わります。

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保険料控除申告書の書き方 生命保険の新旧と、証明書が要る控除

この記事でわかること

  • 証明書を省けるのは、国保など国民年金以外の社会保険料と、年9,000円以下の旧契約など。
  • 新旧両方あるとき、旧契約が年6万円超なら旧だけで書いたほうが控除は多くなる。
  • 23歳未満の扶養親族がいれば、新旧を合わせて最高6万円。旧だけより多くなる。
  • 給与天引きの社会保険料とiDeCoは書かない。申告するのは自分で払った分だけ。
対象人事実務

保険料控除申告書で申告できる控除は4つ。生命保険料、地震保険料、社会保険料、小規模企業共済等掛金の控除です。このうち証明書がなくてもよいものは、国民年金を除く社会保険料と、1契約で年9,000円以下の古い生命保険など、ほんの一部に限られます。ほかは金額が少なくても、保険会社や日本年金機構から届いた証明書を付けるのが基本です。

担当者がよく聞かれるのは、古い保険と新しい保険の両方に入っている人の書き方です。しかも今年は、去年の控えを写すと控除が少なくなる人が出てきます。23歳未満の扶養親族がいる人の計算が変わったからです。

証明書が要る控除、要らない控除

明るいオフィスの長いカウンターに、浅い木のトレーが手前から奥へ4つ並んでいる。トレーには白い無地のはがきや封筒が積まれ、3つ目はほとんど空。奥の窓辺で、紺のカーディガンを着た女性が最後のトレーに1枚のはがきをそっと入れている。紙にはどれも文字がない。
届いた証明書を、控除ごとのトレーに分けていくイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

生命保険では、新しい契約と介護医療保険の分に、金額が少なくても全部証明書が要ります。古い契約で証明書が要るのは、1契約で年9,000円を超えるものだけです。1地震保険と、自分で払ったiDeCoなどの掛金も、すべて証明書付きです。

社会保険料は少し事情が違います。証明書が要るのは国民年金と国民年金基金だけで、国民健康保険や後期高齢者医療の保険料には要りません。「国保の証明書はどこでもらえますか」と聞かれたら、付けなくて大丈夫と答えられますよね。

もう一つの線は、給与から引かれている分は書かない、ということ。会社は健康保険や厚生年金、雇用保険、天引きしたiDeCoの額をもう知っていて、申告がなくても控除に入れます。申告書にも書けば、同じ額を二重に数えるもとです。

でも、証明書が間に合わない人もいるでしょう。そのときも、翌年1月末日までに出してもらうことを条件に、控除に入れて年末調整をしてよいことになっています。1

保険料控除申告書の4つの控除と証明書をまとめた図。対象は年末調整を受ける会社員、時点は令和8年分(2026年分)。最初に、書かないものとして、給与から引かれた健康保険、厚生年金、雇用保険の保険料と、天引きのiDeCoや企業型DCの掛金を挙げ、申告しなくても控除されるので書くと二重に数えるもとになると示す。生命保険料控除は上限が所得税で12万円(3区分の合計)、書く分は一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料で受取人が本人か配偶者、親族の契約だけ、証明書は一部に要り、新契約と介護医療保険料は全部、旧契約は1契約で年9,000円を超えるものだけ、勤務先の団体特約は会社が確認すれば省ける。地震保険料控除は上限5万円で旧長期損害保険料は1.5万円まで、書く分は住んでいる家と暮らしに要る家財にかけた地震保険の保険料で火災保険の分は入らない、証明書は金額を問わずすべての契約に要る。社会保険料控除は払った全額、書く分は自分で払った国民年金、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、任意継続の保険料で生計を一にする家族の分も書ける、証明書は国民年金の保険料と国民年金基金の掛金だけに要り国民健康保険などには要らない。小規模企業共済等掛金控除は払った全額、書く分は自分の口座などから払ったiDeCo、小規模企業共済、心身障害者扶養共済の掛金、証明書は金額を問わずすべてに要る。共通の決まりとして、証明書が間に合わないときは翌年1月末日までに出す条件で控除に入れて年末調整できること、電子の証明書はデータで出す申告書にはデータのまま付け、紙なら二次元コード付きの書面にすること、まだ払っていない分と1年を超える前納(法令に基づく前納などは除く)は入れないこと。まとめは、証明書なしで書けるのは国民年金を除く社会保険料と年9,000円以下の旧契約などだけで、給与から引かれた分はそもそも書かない。
保険料控除申告書の4つの控除で、申告書に書く分と証明書が要るもの作成: 編集部 / 出典: 国税庁

新旧両方の契約は、2通り計算して大きいほう

生命保険料控除は、一般の生命保険料と介護医療保険料、個人年金保険料の3つに分けて計算します。足した額の上限は所得税で12万円。区分ごとの上限は新しい契約で4万円、古い契約で5万円です。2新しい契約は2012年1月1日以後に、古い契約は2011年12月31日までに結んだものを指します。

新か旧かは、証明書に書いてある適用制度で見分けるのが確実です。申告書の「新・旧」の丸も、それに合わせて付けてください。なお、古い契約の医療保険や介護保険は、介護医療保険料には入りません。旧の一般の生命保険料として書きます。

迷いやすいのは、同じ区分に新と旧の両方があるときでしょう。書き方は旧だけで計算するか、新と旧を合わせるかの2通り。旧だけなら最高5万円まで伸びますが、合わせると4万円で止まってしまいます。つまり旧の保険料が年6万円を超える人は、旧だけで書いたほうが控除は大きくなるのです。3申告書は両方を計算して大きいほうを書く作りなので、欄を順に埋めれば答えは出ます。

ところが今年はこの答えが逆になる人がいます。23歳未満の扶養親族がいて、一般の生命保険に新しい契約がある人です。令和8年分と9年分は新しい契約に別の計算式を使い、新旧を合わせた上限も6万円に上がりました。4

架空の金額で比べてみましょう。

架空の例(1年に払った保険料) 旧だけで書く 新と旧を合わせる 書く控除額
例1:旧84,000円、新36,000円 46,000円 74,000円→上限40,000円 46,000円
例2:例1と同じ契約で、23歳未満の扶養親族がいる 46,000円 79,000円→上限60,000円 60,000円
例3:旧48,000円、新36,000円 36,500円 64,500円→上限40,000円 40,000円

例2の新は特例の式で36,000円×1/2+15,000円=33,000円。例1の28,000円より5,000円多く、上限も上がるので、控除額の差は14,000円。契約はまったく同じなのに、です。去年の控えを写して「旧だけ」で出すと、この差を取りこぼしてしまいます。

23歳未満の扶養親族とは、生計を一にする平成16年1月2日以後生まれの親族で、所得の見積額が62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)の人。16歳未満の子も入り、共働きなら夫婦の両方が特例を使えます。5申告書の「年齢23歳未満の扶養親族」の欄には、そのうち1人を書けば足ります。

生命保険料控除の新旧の計算をまとめた図。題は、新旧両方の契約は旧の保険料年6万円が分かれ目で、23歳未満の扶養親族がいれば合わせて最高6万円。対象は年末調整で生命保険料控除を受ける人、時点は令和8年分(2026年分)の所得税、新契約は2012年1月1日以後、旧契約は2011年12月31日以前の契約。左の折れ線は、1年に払った保険料(0〜15万円)と控除額で、新契約の式Ⅰは8万円で4万円に、旧契約の式Ⅲは10万円で5万円に、23歳未満の扶養親族がいる場合の特例の式Ⅱは12万円で6万円に届いて止まる。1円未満は切り上げ。右の流れは、23歳未満の扶養親族がいて一般の生命保険に新契約があるなら、新(式Ⅱ)と旧(式Ⅲ)を合わせて最高6万円(令和8年分と9年分の特例で旧だけより多くなる)。そうでなければ、旧契約の保険料が年6万円を超えるなら旧だけ(式Ⅲ)で最高5万円(合わせると4万円で止まる)、6万円以下なら新(式Ⅰ)と旧(式Ⅲ)を合わせて最高4万円(旧だけの額より少なくならない)。下の表は3つの区分と上限で、一般の生命保険料は新契約だけ4万円、旧契約だけ5万円、新旧両方は4万円か旧だけの5万円、23歳未満の扶養親族の特例ありで新は式Ⅱで6万円、両方でも6万円。介護医療保険料は新契約だけ4万円で特例なし。個人年金保険料は新契約だけ4万円、旧契約だけ5万円、新旧両方は4万円か旧だけの5万円で特例なし。3区分の合計は12万円で変わらない。介護医療保険料は新契約だけの区分で、旧契約の医療保険や介護保険の保険料は一般の生命保険料(旧)に入り、区分の振り替えはできない。まとめは、旧が年6万円を超える人は旧だけで書くと多いが、23歳未満の扶養親族がいて新契約があれば新旧を合わせた6万円のほうが多くなる。
生命保険料控除の3つの計算式と、新旧両方の契約があるときの書き方作成: 編集部 / 出典: 国税庁

個人年金保険料の新旧も、選び方は同じです。ただ、こちらと介護医療保険料に23歳未満の特例はありません。

地震保険料の欄に、火災保険の分は入らない

地震保険料控除の上限は5万円です。対象は自分や生計を一にする家族が住む家と、暮らしに要る家財にかけた地震保険。火災保険とセットの契約でも、控除できるのは地震保険の部分だけです。損害保険料控除は平成19年分から廃止されたので、地震保険の付いていない火災保険は、次の例外を除いて控除できません。6

例外が旧長期損害保険料です。平成18年12月31日までに結び、満期返戻金があって保険期間が10年以上で、平成19年以後に中身を変えていない契約のこと。最高15,000円まで入れられ、地震保険料と合わせて5万円までです。

社会保険料は、自分で払った分だけ

社会保険料の欄には、自分で払った国民年金や国民健康保険、健康保険の任意継続などの保険料を書きます。1中途入社の人が入社前に払った分の扱いは、中途入社の年末調整で詳しく書きました。

家族の分も書けます。生計を一にする家族の保険料を本人が払っていれば、本人の控除になるからです。たとえば大学生の子の国民年金を親が払っているなら、親の申告書に書けます。ただし、親の年金から天引きされる介護保険料や後期高齢者医療の保険料は、年金を受け取る親の控除。子が口座振替で払っていれば、子の控除です。7

前納は原則として、その年に当たる分だけを書きます。ただ、前納の期間が1年以内のものや、国民年金の2年前納のように法令に基づく前納なら、払った年に全額を書いてもかまいません。113か月以上の前納には年ごとに分けた証明書が届くので、全額を今年に書くなら全部を、年ごとに分けるなら今年の1枚を切り離して付けましょう。8

自分で払ったiDeCoや小規模企業共済の掛金は、小規模企業共済等掛金控除の枠へ。9欄の選び方と証明書が届く時期はiDeCoの年末調整にまとめています。

従業員への案内文と、よく届く問い合わせ

申告書を配るときに次の文を添えておくと、質問のいくつかは先に片づきます。

案内を出したあとに届きやすい問い合わせと、答え方です。

証明書をなくしました
保険会社に再発行を頼みます。国民年金は「ねんきんネット」から再交付を申し込め、発送まで1週間ほどかかります。
国民年金の「見込額」と、払った額が違います
見込額は、証明書を作った時点の払い方で10月から12月に払う見込みの額。それより多く納めたら、領収証書を添えて足した額で申告できます。
妻の名義の保険を、夫が払っています
夫が払っていることが明らかなら、夫の控除です。ただし保険金の受取人がすべて本人か配偶者、親族であること。個人年金は、年金の受取人が本人か配偶者に限ります。
団体扱いの保険に、証明書がありません
勤務先の団体特約の保険料は、金額や受取人を会社が確認すれば証明書を省けます。確認したことは申告書に書いておきます。
電子の証明書でもいいですか
申告書をデータで出すなら、証明書もデータのまま出せます。紙で出すなら、国税庁のシステムで二次元コード付きの書面を作って添えます。

データで集める会社の段取りは年末調整の電子化にあります。

受け取った申告書のチェックリスト

今年の申告書で新しいところは、23歳未満の扶養親族がいる人の欄と計算です。案内文に一行足すだけで、同じ質問に同じ答えを返せるようになります。自社用に直した案内文とチェックリストは、来年の担当者にもそのまま引き継げる資料になるはずです。

ここまでの内容は、令和8年分(2026年分)の制度です。国税庁と日本年金機構の資料と照らした日は、2026年10月31日。表の金額は架空の例。個別の判断は税理士か所轄の税務署に相談してください。

注

  1. 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」2-3(21〜28ページ)、「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」の裏面 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  2. 国税庁 タックスアンサーNo.1140、所得税法第76条 ↩

  3. 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」24ページの(注)1 ↩

  4. 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」Ⅰの2(4ページ) ↩

  5. 申告書の裏面、国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」問7・問11 ↩

  6. 国税庁 タックスアンサーNo.1145、所得税法第77条 ↩

  7. 日本年金機構の年金Q&A、国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」問9 ↩

  8. 日本年金機構「令和8年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」 ↩

  9. 国税庁 タックスアンサーNo.1135、所得税法第75条 ↩

出典・参考

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執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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