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月額変更届(随時改定)の3つの条件 固定的賃金の範囲と提出の時期を例で判断

昇給や手当の変更があった月に、月額変更届が要るかは3つの条件で決まります。固定的賃金に入るものと入らないもの、残業代が平均に入る扱い、基本給28万円の5つの例での判定、提出の時期と算定基礎届との関係を、労務の担当者向けに順に追えます。

公開 更新 約4分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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月額変更届(随時改定)の3つの条件 固定的賃金の範囲と提出の時期を例で判断

この記事でわかること

  • 条件は、固定的賃金の変動、3か月平均で2等級以上の差、支払基礎日数の3つ
  • 残業代が増えただけでは対象外。ただし固定給が変われば平均には残業代も入る
  • 変動した月から4か月目に改定。届は速やかに、事務センターか年金事務所へ
対象労務実務

月額変更届が要るかは、3つの条件を順に見れば判断できます。固定的賃金が変わったこと、その月から3か月の報酬の平均で標準報酬月額が2等級以上変わること、3か月とも支払基礎日数が17日以上あること。3つとも当てはまれば、変動した月から4か月目に標準報酬月額が改定され、会社は速やかに届を出します1。

月額変更届が要るかの判定の図。届は事業主が速やかに提出する。1は固定的賃金が変わったことで、昇給や降給、単価や歩合率、固定的な手当の変更。違えば対象外。2は3か月の平均で2等級以上の差があることで、変動した月から3か月の報酬の平均と今の標準報酬月額を比べる。1等級なら対象外。3は支払基礎日数が3か月とも17日以上で、短時間労働者は11日以上、月給制は暦日数で数える。足りなければ対象外。当てはまれば、4月の変動なら7月の標準報酬月額から改定される。残業代が増えただけでは1で対象外になる。
月額変更届が要るかを判定する3つの条件作成: 編集部 / 出典: 日本年金機構

固定的賃金に入るもの、入らないもの

最初の条件で迷いやすいのが、どの変更が「固定的賃金の変動」にあたるかです。日本年金機構は、支給額や支給率が決まっているものを固定的賃金としています1。

固定的賃金の変動にあたる例 あたらない例
昇給、降給 残業手当が増えた、減った
日給から月給への変更など、給与体系の変更 月ごとに額が変わる非固定的な賃金の増減
日給や時間給の単価の変更
請負給や歩合給の単価、歩合率の変更
住宅手当や役付手当など、固定的な手当の追加や額の変更

歩合の率が変わるのも固定的賃金の変動ですが、売上が伸びて歩合の額が増えただけなら、率は変わっていません。迷ったら、変わったのが「単価や率」なのか「結果の金額」なのかで見分けましょう(編集部の見立て)。

平均には、残業代も入る

ここを間違えやすいので注意が必要です。きっかけは固定的賃金でも、3か月の平均を出すときは、残業手当などの非固定的賃金も含めた報酬全体で計算します。残業手当や通勤手当も報酬に入るからです2。

ただし、例外があります。固定給は上がったのに残業代が減って平均が下がり、2等級以上の差が出た場合は対象になりません。逆に、固定給が下がって残業代が増え、平均が上がった場合も同じです1。固定給の動きと平均の動きが同じ向きのときだけ、と覚えておくと判断が速くなります。

基本給28万円の人を例に、5つの場面で見てみましょう(東京の協会けんぽの等級表による編集部の例)。標準報酬月額は、報酬27万円以上29万円未満で28万円、29万円以上31万円未満で30万円、31万円以上33万円未満で32万円です3。

基本給28万円の5つの例の判定の図(編集部の例)。今の標準報酬月額は例5が34万円でほかは28万円、等級は東京の協会けんぽの表。1は基本給が31万円になり、平均31万円で32万円の等級、2等級の差で届が要る。2は基本給が29万円になり、平均29万円で30万円の等級、1等級の差で対象外。3は基本給が29万円になり残業代が平均2.5万円で、平均31.5万円で32万円の等級、2等級の差で届が要る。4は基本給が28万円のままで残業代が4万円で、平均32万円でも固定的賃金が変わっていないので対象外。5は基本給が29万円になり残業代が6万円からゼロになり、固定給は上がったのに平均は下がって30万円の等級で対象外。例4の残業代は、4月から6月なら定時決定に入る。
基本給28万円の5つの例での判定(編集部の例)作成: 編集部 / 出典: 日本年金機構・全国健康保険協会

改定は4か月目、届は速やかに

改定されるのは、変動後の報酬を初めて払った月から数えて4か月目です。4月に払う給与が変わったなら、4月から6月を見て、7月の標準報酬月額から変わります1。翌月の給与から保険料を引く会社では、明細の額が変わるのは8月の給与からです。社員に聞かれたときは、昇給したのに手取りが減る理由 社会保険料の随時改定と定時決定の仕組みを案内すると説明の手間を省けます。

提出の時期は「速やかに」で、日数の決まりはありません。出す先は事務センターか管轄の年金事務所で、電子申請、郵送、窓口への持参ができます1。3か月目の給与の支払いが終わったら、すぐ判定する流れを給与計算の予定表に入れておくと、もれを防げます。

さかのぼって昇給した場合は、差額を払った月が変動月です。差額を差し引いた3か月の平均で比べます1。4月にさかのぼる昇給を6月に払ったなら、見るのは6月から8月です。

算定基礎届とかち合う時期

7月に改定される月額変更届を出す人は、算定基礎届の提出が不要です。8月か9月に随時改定が予定されている人も、その申し出をすれば同じ扱いです2。この場合、算定基礎届の報酬月額の欄は空欄にして、備考欄の「月額変更予定」に丸を付けます2。提出のしかたは、算定基礎届の書き方 どの月を平均に使うか、3つの記入例で追うと合わせて確認しましょう。

定時決定が済んだあとに大きく変わったときも、月額変更届は必要です1。4月から6月に限って報酬が高くなる部署など、3か月の平均で出すのが著しく不当な場合は、年間の平均で算定する申し立ての様式もあります1。

明るいオフィスの机で、紺のジャケットの女性が定規をあて、給与の数字が並ぶ紙の表にペンで書き込んでいるイラスト。
昇給のあと3か月の給与を、紙の表で1人ずつ見ていく(イメージ)イラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

届を出す前に確認すること

  1. 変わったのは固定的賃金か(単価や率、固定的な手当か)
  2. 変動後の給与を初めて払った月はいつか
  3. その月から3か月の報酬に、残業代と通勤手当を入れて平均したか
  4. 今の標準報酬月額と比べて、2等級以上の差があるか
  5. 固定給の動きと平均の動きが、同じ向きか
  6. 3か月とも支払基礎日数が17日以上か(短時間労働者は11日以上)
  7. 7月から9月の改定なら、算定基礎届の扱いを確認したか

この記事の内容は、2026年11月5日時点の日本年金機構と全国健康保険協会の資料にもとづいています。例は編集部が作ったもので、健康保険組合に加入している会社は、その組合の案内も確認してください。

注

  1. 日本年金機構「随時改定(月額変更届)」 ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8

  2. 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」、「厚生年金保険の保険料」 ↩ ↩2 ↩3

  3. 全国健康保険協会「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)」 ↩

よくある質問

Q3か月のうちに2回昇給したら、どう考えますか?

A日本年金機構の事例集は、それぞれの固定的賃金の変動を随時改定のきっかけとして扱うとしています。毎月変動があれば、その都度、3か月の平均で2等級以上の差が出るかを確認します。

Q4月の昇給分を6月にまとめて払いました。いつが変動月ですか?

Aさかのぼった昇給の差額を払った場合は、差額を払った月が変動月です。この例なら6月から8月の3か月を見て、差額を差し引いた平均で比べます。

Q1等級の差でも届が要ることはありますか?

A標準報酬月額の上限や下限にまたがる変更では、1等級の差でも随時改定の対象です。たとえば厚生年金で31等級62万円の人の平均が66万5千円以上になると、上限の32等級に変わります。

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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