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印鑑管理規程の作り方 代表印・銀行印の保管と押印管理簿のつけ方

印鑑を預かった総務担当者が決めることを、印鑑ごとの責任者と保管場所、規程の条文例、押印の申請から押印管理簿の記入例、持ち出し簿、印鑑証明書とカード、紛失時の法務局の届出まで整理しました。

公開 約10分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
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印鑑管理規程の作り方 代表印・銀行印の保管と押印管理簿のつけ方

この記事でわかること

  • 法令で決まる法務局への届出と、会社が決める保管・持ち出し・押印の記録を分けて、規程の範囲を決められます。
  • 印鑑ごとの管理表、規程の条文例、押印管理簿と持ち出し簿の記入例を、そのまま自社用に直して使えます。
  • 印鑑証明書とカードの扱い、印鑑やカードを紛失したときの法務局への届出が、場面ごとに分かります。
対象総務法務実務

会社の印鑑の保管、持ち出し、押印の記録について、会社が守らなければならない法令は、確かめた範囲では見つかりませんでした。法令で決まっているのは、法務局に印鑑を届ける手続きと、印鑑証明書の請求の部分です。保管から記録までは会社が自分で決める部分で、決めて文書にしておくと、預かった総務担当者が判断に迷いません。

印鑑を預かることになった人が決めるのは、次の3つです。印鑑ごとの使い道と責任者、保管と持ち出しのルール、押印の申請と管理簿のつけ方です。印鑑の種類の違いは会社の印鑑の種類に書いたので、ここでは管理の手続きに絞ります。

法令で決まる部分と、会社が決める部分

先に線を引いておくと、規程に何を書くかが決まります。

場面 決まりの出どころ 会社の規程に書くこと
実印の届出(印鑑届書) 商業登記規則第9条 誰が届出の手続きをするか
印鑑証明書の請求 商業登記法第12条・同規則第22条 誰が請求し、記録するか
改印・廃止・カードの届出 同規則第9条・第9条の5 承認する人と、手続きの担当
保管場所・鍵の管理 法令の定めは見つからず 会社が決める
持ち出し 同上 会社が決める
押印の承認と記録 同上 会社が決める

法務局が決めているのは、届け出る印鑑の形だけではありません。印鑑の大きさは、辺の長さが1センチメートルの正方形に収まるものも、3センチメートルの正方形に収まらないものも届け出られません(同規則第9条第3項)。印影は、照合に適したものでなければなりません(同条第4項)。法務省は、物体の印章を押すよう求めていて、「電子印鑑」や「電子ハンコ」は届け出られないとしています。

印鑑を一覧にして、責任者と取扱者を決める

最初の作業は、社内にある印鑑を全部出して一覧にすることです。種類、届出先、預かる人を、1本ずつ決めます。

印鑑管理の一覧表の記入例。従業員50人の架空の会社で、代表者印(実印)は届出先が法務局、管理責任者は総務部長、取扱者は総務2名、保管は耐火金庫で鍵は別の場所、承認は代表取締役、持ち出しは原則しない。銀行印は金融機関に届け、経理部長が責任者で別の金庫に保管、持ち出しは原則しない。角印は届出なし、総務部長が責任者で施錠できる引き出しに保管、持ち出しは簿に記録。認印は各部門長が責任者で社内のみ。下段に決めるときの4つの原則として、責任者と取扱者を分ける、実印・銀行印・通帳は別々に、押す前に承認を取る、押したら必ず記録する。
印鑑ごとの管理の早見 責任者・保管場所・承認者・持ち出しの記入例作成: 編集部 / 出典: 商業登記規則(e-Gov 法令検索)
印鑑 管理責任者 取扱者 保管場所 承認する人 持ち出し
代表者印(実印) 総務部長 総務2名 耐火金庫(鍵は別の場所) 代表取締役 原則しない
銀行印 経理部長 経理担当 別の金庫 経理部長 原則しない
角印(社印) 総務部長 総務担当 施錠できる引き出し 各部門長 簿に記録
認印 各部門長 各担当者 各自の机(鍵つき) 不要 社内のみ

上の表は、従業員50人ほどの架空の会社の例で、決め方に決まりはありません。会社の規模と取引に合わせて変えます。

管理責任者と取扱者を分けるのは、「預かる人」と「押す人」を同じにしないためです。管理責任者は、保管と記録に責任を持つ人で、一般的には部長か、それに近い立場の人です。取扱者は、実際に鍵を開けて押す人で、2人以上にしておくと、休みの日にも困りません。

保管 金庫・鍵・通帳を、別々の場所に分けます

保管は、「入れ物」と「鍵」と「他の物」の3つで考えると、決めやすくなります。

  • 入れ物: 実印と銀行印は、施錠できる金庫か保管庫に入れます。認印や角印も、施錠できる引き出しに置きます。机の上に出したままにしません。
  • 鍵: 金庫の鍵は、印鑑を使う取扱者とは別の人が保管するか、取扱者のうち1人が持つ形にします。鍵の保管者も、一覧表に書いておきます。
  • 他の物: 実印、銀行印、通帳、印鑑カードは、同じ場所に入れません。1か所が破られても、会社のお金が動くところまで届かないようにするためです。

この分け方は、横領・不正経理を防ぐ社内の仕組みで書いた、通帳と印鑑の権限を分ける考え方と同じです。印鑑は、棚卸しの対象にもなります。年に1回、一覧の印鑑が全部あるかを、管理責任者以外の人が数えると、抜けが分かります。

規程に書く項目と条文の例

印鑑管理規程は、次の11の項目を並べると、A4で1〜2枚に収まります。以下は、法令で決まった形ではなく、会社の規程としてよく置かれる形の一例です。

条 項目 書くこと
第1条 目的 不正な使用と紛失を防ぐこと
第2条 対象の印鑑 代表者印・銀行印・角印・認印(別表1)
第3条 管理責任者・取扱者 印鑑ごとに置く(別表1)
第4条 保管 保管場所、施錠、通帳と分けること
第5条 押印の申請と承認 申請書、承認者、書類の写し
第6条 押印の記録 押印管理簿に、その日のうちに記入
第7条 持ち出し 原則の禁止、例外の承認、持ち出し簿
第8条 印鑑証明書 請求する人、記録、印鑑カードの保管
第9条 改印・廃止 承認する人、法務局への届出の担当
第10条 紛失・盗難 報告の順、法務局・金融機関・警察への連絡
第11条 見直し 年1回の棚卸しと、規程の見直し

第8条・第9条・第11条は、後の節で説明する手続きに合わせて、自社の言葉で書きます。条文の言い回しは、会社の他の規程(文書管理規程など)とそろえると、読みやすくなります。

押印の申請から押印管理簿の記入まで

規程の中心は、第5条と第6条の押印の手続きです。流れは、申請、承認、押印、記入、保管に戻す、の5つです。

押印の流れは、1申請する、2承認する、3押す、4管理簿に書く、5保管に戻すの5段階。申請する人と承認する人と押す人は別にする。下に押印管理簿の記入例として、日付・申請者・文書名・宛先・印鑑・部数・承認者・押印者の8項目で4行。10月5日営業佐藤の業務委託契約書、10月7日経理鈴木の請求書に角印、10月12日総務高橋の登記申請書に代表者印、10月20日経理鈴木の取引申込書に銀行印。
押印の流れと押印管理簿の記入例(架空)作成: 編集部 / 出典: 押印についてのQ&A(内閣府・法務省・経済産業省)

押印管理簿(押印簿)には、次の8つの項目を1行で書きます。

日付 申請者 文書名 宛先 印鑑 部数 承認者 押印者
10/5 営業 佐藤 業務委託契約書 〇〇商事 代表者印 2 専務 森 総務 田中
10/7 経理 鈴木 請求書(10月分) △△工業 角印 1 経理部長 総務 田中
10/12 総務 高橋 登記申請書(役員変更) 〇〇法務局 代表者印 1 社長 青木 総務 田中
10/20 経理 鈴木 取引申込書 □□銀行 銀行印 1 経理部長 経理 山本

名前や宛先は架空の例です。書き方のコツは3つあります。

  1. 文書名は、あとで探せる言葉で書く。 「契約書」だけでなく、「業務委託契約書」と種類まで書くと、取引先から問い合わせを受けたときに見つけやすくなります。
  2. 承認者と押印者を別の欄にする。 欄が1つだと、誰が確認し、誰が押したのかが分かりません。
  3. 押したその日に書く。 月末にまとめて書くと、記憶を頼りに書くことになり、抜けが出ます。

管理簿は、紙の帳面でも、表計算ソフトでも、ワークフローシステムでもかまいません。表計算ソフトを使うときは、あとから書き換えた跡が分かるよう、保存場所の権限を決めておきます。稟議書や契約審査の承認が電子で残っている会社は、その承認の番号を管理簿に1列足して結び付けると、二重に書く手間を減らせます。

契約の中身の確認は、契約書の確認ポイントで詳しく説明しています。押印の承認では、その確認が済んでいるかどうかだけを見れば足ります。

持ち出しのルール 持ち出し簿と返却の確認

実印と銀行印は、社外に持ち出さないのが原則です。持ち出しが要る場面は、たとえば、取引先の事務所で契約を結ぶときや、金融機関の窓口で手続きに立ち会うときです。この場合は、持ち出しの前に承認を取り、持ち出し簿に残します。

日付 印鑑 持ち出す人 行き先と目的 承認者 持ち出し 返却 返却を確認した人
10/14 代表者印 総務 田中 □□銀行 融資契約の立会い 社長 青木 9:30 15:10 総務部長

返却の確認は、印鑑を金庫に戻す人とは別の人が、印鑑の本数と印影を見て行うのが一般的です。「持ち出した人が自分で戻して自分で確認」では、記録が意味を持たないからです。当日中に戻らなかったときの連絡先(管理責任者)も、規程に書いておきます。

印鑑証明書と印鑑カードの管理

印鑑証明書は、法務局に届けた印鑑が会社の印鑑であることを、登記所が証明する書面です。法務省のQ&Aによると、会社の印鑑証明書を請求できるのは会社代表者本人で、代理人による請求はできます。登記事項証明書が誰でも取れるのとは違います。

印鑑カードは、窓口で印鑑証明書を請求するときに提示します(商業登記規則第22条第2項)。オンライン請求では、カードの送付は要りません(法務省)。窓口の請求にはカードが欠かせないので、実印と同じ場所にしまわず、管理責任者が別に保管します。

規程には、次の3点を書いておくと、運用が安定します。

  • 請求するのは管理責任者で、代表者の承認を受けること。
  • 請求のたびに、日付、通数、使い道、提出先を記録すること(管理簿の1行で足ります)。
  • 取引先に提出する証明書の期限は、相手の指定に従うこと。

期限については、法令で決まっているものと相手の指定を分けます。実印を届けるとき、印鑑届書に添える代表者個人の印鑑証明書は、作成後3か月以内のものと決まっています(商業登記規則第9条第5項)。一方、取引先や金融機関が会社の印鑑証明書に「発行から3か月以内」などの期限をつけるのは、相手ごとの運用です。

紛失・盗難のとき 法務局・金融機関・警察への連絡

実印や印鑑カードが見つからないときは、法務局への届出が要ります。法務省のQ&Aは、場面を3つに分けています。届出先は、本店所在地を管轄する登記所です。

場面 新しい印鑑 法務局に出す届出
印鑑とカードの両方をなくした すぐ用意できる 改印届書、印鑑・印鑑カード廃止届書、印鑑カード交付申請書(新しい印鑑を押す)、代表者個人の印鑑証明書(作成後3か月以内)
印鑑とカードの両方をなくした 用意できない 印鑑・印鑑カード廃止届書、代表者個人の印鑑証明書(作成後3か月以内)
印鑑だけをなくした(カードはある) すぐ用意できる 改印届書、代表者個人の印鑑証明書(作成後3か月以内)
印鑑だけをなくした(カードはある) 用意できない 印鑑・印鑑カード廃止届書、代表者個人の印鑑証明書、カード
カードだけをなくした 不要 印鑑カード廃止届書、印鑑カード交付申請書(どちらも届け出た印鑑を押す)

廃止届書と改印届書の個人側の押印は、代表者が市町村に登録した個人の印鑑です。様式は、法務局のホームページに載っています。

法務省は、書面で登記の申請をするときは、申請書か委任状に押す人が印鑑を提出しておく必要があるとも書いています。新しい印鑑をまだ用意できなくて廃止だけにした場合は、次に書面で登記を申請する前に、新しい印鑑を届け出る必要があります。

法務局のほかに、連絡するところは3つあります。

  • 金融機関: 銀行印を紛失したときは、取引している金融機関に、気づいたその日に連絡します。手続きは金融機関ごとに違い、共通の決まりは確かめられなかったので、口座の案内か担当窓口に従います。
  • 警察: 落としたときは、最寄りの警察署か交番に遺失届を出せます(警視庁)。盗まれた疑いがあるときは、警察に相談します。
  • 社内: 管理責任者から代表者へ報告し、その期間に押された書類がないかを、押印管理簿で確かめます。

電子契約に切り替える場面と、押印の考え方

契約は、当事者の意思が合えば成り立ちます。押印は、特段の定めがある場合を除いて、契約の成立に必要な要件ではないと、内閣府・法務省・経済産業省の「押印についてのQ&A」(2020年6月19日)が述べています(問1)。電子契約に切り替えれば、契約書への押印は減ります。

ただし、印鑑がなくなるわけではありません。書面で登記を申請するときは、登記所に届けた印鑑を申請書に押します。金融機関の手続きにも、届出印が残る場面があります。電子契約の導入後は、印鑑の一覧と規程の別表で、「どの書類で今も押すか」を見直します。押す書類が減れば、持ち出しの機会も、管理簿の行も減ります。

預かった週から3か月 規程を回し始める進め方

最初から完璧な規程は要りません。次の順に、小さく始めます。

  1. 1週目: 印鑑を全部出して一覧にし、種類、届出先、保管場所、今の預かり手を書き出す。
  2. 2週目: 実印と銀行印の保管場所を分け、鍵の保管者を決める。押印管理簿を1枚作る。
  3. 1か月目: 規程の案を作り、代表者の承認を受ける。印鑑証明書とカードの保管場所を決める。
  4. 3か月目: 管理簿を見て、記入漏れや、承認なしの押印がなかったかを確かめ、規程を直す。

この記事は、2026年10月25日に確かめた商業登記法・商業登記規則と、法務省・法務局の案内によります。規程の中身は、会社の事情に合わせて決めるもので、紹介した例は一般的な形です。法的な判断が要る場合は、弁護士や司法書士に相談してください。

よくある質問

Q印鑑管理規程は、法律で作らなければならないものですか。

A印鑑の保管や押印の記録を定めた法令は、確かめた範囲では見つかりませんでした。規程を作るかどうかも、中身も、会社が自分で決めます。ただし、法務局への印鑑の届出、印鑑証明書の請求、改印や廃止の届出は、商業登記法と商業登記規則に手続きが決まっています。

Q小さな会社で、代表者が1人で実印を持っています。規程は要りませんか。

A代表者が預かるのは、会社の規模によっては自然な形です。その場合も、押した書類を記録する人を別に置くと、あとから経緯を追えます。規程は短くてかまいません。印鑑の一覧、保管場所、押印簿、紛失したときの連絡先の4点を1枚にしておくと、代表者が出張や入院で不在のときにも使えます。

Q代表者が交代したとき、印鑑カードはどうなりますか。

A商業登記規則第9条の4第3項は、前の代表者が資格を失った場合に、新たに印鑑を提出する人が、印鑑の提出と同時に申し出ると、前の人のカードを引き継いで使えると定めています。引き継がない場合、カードは返納します(同規則第9条の5第5項)。代表者の交代は、印鑑の一覧と規程の別表を直す時期でもあります。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月25日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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