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住民税の特別徴収 6月の切り替えと異動届・納期の特例の実務

5月に届く住民税の特別徴収税額通知を受けて、6月の給与で何を切り替えるか。月割額の登録、従業員への通知、退職・入社のときの異動届、納期の特例の期限を、地方税法と市区町村の案内で整理しました。

公開 約12分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
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住民税の特別徴収 6月の切り替えと異動届・納期の特例の実務

この記事でわかること

  • 1月の給与支払報告書から、5月の税額通知、6月から翌年5月までの12回の控除と翌月10日の納付までの1年の流れが分かります。
  • 6月の給与で切り替える手順と、通知書の見方、2024年度から変わった電子の受け取り方が分かります。
  • 退職・入社のときの異動届を時期と本人の希望で選べ、納期の特例の対象と期限(12月10日・6月10日)が分かります。
対象経理労務実務

毎年5月に、市区町村から従業員の住民税の「特別徴収税額通知」が届きます。経理や労務の担当は、これを6月の給与から引き始める準備をし、辞める人・入る人の届出と納付の期限も管理します。この記事は、地方税法と市区町村の案内で確かめた範囲(2026年10月時点)で、6月の切り替えと異動届、納期の特例の実務を順に説明します。

特別徴収は、会社が給与から引いて納める仕組みです

住民税の特別徴収とは、市区町村が従業員に代わって会社に徴収させ、会社が毎月の給与から引いて市区町村へ納める方法です。地方税法第321条の3は、前年に給与を受けた人で、その年度の初日(4月1日)にも給与を受けている人について、前年の給与所得に係る所得割額と均等割額の合計を、特別徴収の方法で集めるものとしています。給与が1か月を超える期間でしか払われていないなど、特別徴収が著しく難しい人は除かれます。

給与を払う会社のうち、所得税を源泉徴収する義務のある会社を、市区町村が条例で特別徴収義務者に指定します(第321条の4)。指定された会社は、通知された税額を従業員の給与から引いて納める義務を負います。会社が税額を計算することはありません。

会社と市区町村と従業員の役割

立場 することの中身 根拠・出典
会社(特別徴収義務者) 1月に給与支払報告書を出す。5月の通知のとおりに6月から毎月引き、翌月10日までに納める 地方税法第317条の6・第321条の5
市区町村 報告書をもとに税額を決め、5月31日までに会社と従業員へ通知する 同第321条の4
従業員 通知書で税額を確かめる。退職や転職のときは扱いを選ぶ 同第321条の5・各市区町村の案内

給与支払報告書は、従業員の1月1日現在の住所地の市区町村へ出します。住所地が違えば、会社は複数の市区町村へ報告し、納めることになります。納める先は、通知を出した市区町村です。

1年の流れは、1月の報告から翌年5月の12回目までです

1月の給与支払報告書から、翌年5月の12回目の控除までを、次の図にまとめました。

住民税の特別徴収の1年の流れの図。1月は給与支払報告書を1月31日までに市区町村へ出す。2月から4月は市区町村が税額を計算し、4月1日に退職済みなら4月15日までに届出書。5月は5月31日までに通知が届く。6月から翌年5月は年税額の12分の1ずつを12回引き、翌月10日までに納める。納期の特例は6月から11月分が12月10日、12月から翌年5月分が翌年6月10日。
住民税の特別徴収の1年の流れ。1月の報告から翌年5月の12回目まで作成: 編集部 / もとの資料: 地方税法第317条の6・第321条の3から第321条の5の2

地方税法第317条の6第1項は、1月1日現在で給与を払う会社に、1月31日までに前年の給与の内容を、従業員の1月1日現在の住所地の市区町村へ出すよう求めています。市区町村はこれをもとに税額を決め、第321条の4第2項により、5月31日までに特別徴収義務者と、その会社を通じて従業員へ通知します。

6月から翌年5月まで、月割額を12回引きます

第321条の5第1項は、通知を受け取った会社に、年税額の12分の1の額を6月から翌年5月まで、給与を払うたびに引き、引いた月の翌月10日までに納めるよう求めています。通知が遅れて5月31日より後に届いたときは、通知のあった月の翌月から翌年5月までの月数で割って引きます。

年税額が均等割額以下のときは、最初に引く月に全額を引き、その翌月10日までに納めます。税額が小さい人は、6月に1回で終わることがあります。

時期 すること 期限
1月 給与支払報告書を市区町村へ出す 1月31日
4月 4月1日に退職済みの人がいれば届出書を出す 4月15日
5月 税額決定通知を受け取る(市区町村が出す) 5月31日まで
6月から翌年5月 月割額を給与から引く 毎月の給与の支払時
引いた月の翌月 市区町村へ納める 翌月10日

5月に届く通知書は、会社用と従業員用に分かれます

5月に届く特別徴収税額の通知は、特別徴収義務者(会社)用と、納税義務者(従業員)用の2種類です。会社用には、従業員ごとの年税額や月割額が載ります。従業員用は、本人に渡すためのものです。文京区は、従業員用を1人分ずつ切り離し、圧着部分をはがさずに本人へ渡すよう案内しています。

6月分と7月分以降の額は違うことがあります

通知書の月割額の欄を見ると、6月分と7月以降の額が違う場合があります。浜松市の案内にある例では、年税額52,100円の人は6月分が4,800円、7月から翌年5月が各4,300円です。この例では、7月以降を100円単位にそろえ、残りを6月分に寄せた形と合います。

ただし、端数をどう配分するかは、市区町村の通知書で決まります。会社の側で12で割り直してはいけません。通知書に書かれた6月分と7月分以降の額を、そのとおり給与システムに入れます。

2024年度から、電子で受け取る場合の選び方が変わりました

通知は、eLTAXで給与支払報告書を出した会社なら、書面か電子データかを選べます。総務省の資料(2024年10月1日付)によると、会社用の通知の電子化は平成28年(2016年)1月、従業員用の通知の電子化は令和6年(2024年)1月に始まっています。

神戸市の案内では、2024年度から次のように変わりました。

  • 従業員用も、電子データで受け取れるようになった
  • 2023年度までは5月の決定通知だけだったが、2024年度からは年度の途中の変更通知も電子データで受け取れる
  • 受け取り方は、給与支払報告書の総括表を作るときに、会社用と従業員用のそれぞれで書面か電子かを選ぶ

浜松市と横浜市の案内では、令和6年度から会社用の電子データ(副本)の送付が廃止されています。電子データを選ぶときは、通知用のメールアドレスの登録が要り、ダウンロードには保護番号が要ります。年度の途中で受け取り方を変えるのは、原則できません(横浜市)。

項目 内容 出典
会社用の電子化 平成28年(2016年)1月に開始 総務省の資料
従業員用の電子化 令和6年(2024年)1月に開始 総務省の資料
選び方 給与支払報告書の総括表で、会社用・従業員用ごとに書面か電子を選ぶ 神戸市・横浜市
電子データの注意 会社用の電子データには個人番号が含まれる。社内の決まりに沿って削除する 浜松市

eLTAXでは、通知の電子データを扱う特設ページが案内されています。画面の操作は、eLTAXの案内で確かめてください。

6月の給与で切り替える手順は、5つです

通知が届いてから、6月の給与で引き始めるまでの段取りです。

  1. 通知を受け取り、人数を確かめる。 1月に報告した従業員全員分の通知が届いているか、名簿と照らします。
  2. 給与システムに月割額を登録する。 6月分と、7月分以降の額を分けて入れます。
  3. 従業員用の通知を本人に渡す。 紙は1人分ずつ切り離して渡し、電子は配る方法に沿って渡します。
  4. 6月の給与明細で控除額を確かめる。 通知書の6月分の額と同じか、数人分を抜き取って見ます。
  5. 納付の日を決める。 引いた月の翌月10日が期限です。6月に引いた分は7月10日までに納めます。

納付は、納入書を使うほか、eLTAXでの電子納付などもあります(横浜市の案内)。納入書を使うときは、納入書に書かれた指定番号の記入が要ります(文京区)。

通知の後に、税額が変わることがあります

市区町村は、通知した税額に誤りがあったときなどに、変更の通知を出します。会社が変更の通知を受け取った月以後に引く月割額は、変更後の額に基づいて引きます(地方税法第321条の6)。浜松市は、変更の通知書を毎月20日ごろに発送すると案内しています。

退職のときは、時期と本人の希望で3つに分かれます

従業員が辞めて給与を受けなくなると、会社は辞めた月の翌月以降の月割額を、引いて納める義務を負いません(地方税法第321条の5第2項)。そのかわり、残りの住民税をどう集めるかを決め、市区町村に「給与所得者異動届出書」(正式には特別徴収に係る給与所得者異動届出書)を出します。第321条の5第3項は、辞めた人の氏名や、すでに引いた月割額の合計などを書いた届出書を、納入先の市町村長に出すよう求めています。

次の図は、退職と入社のときの異動届の分かれ方です。

退職・入社のときの異動届の表。1月1日から4月30日の退職は希望にかかわらず一括徴収。6月1日から12月31日は、本人が申し出れば一括徴収、申し出がなければ普通徴収。いずれも翌月10日までに届出書。転職先で続ける場合は新しい会社が異動の翌月10日まで、4月中は4月30日まで。入社した人の切り替えは切替届出書を出し、納期限を過ぎた分は切り替えられない。
退職・入社のときの異動届。時期と本人の希望で、一括徴収・普通徴収・継続に分かれる作成: 編集部 / もとの資料: 地方税法第321条の4・第321条の5、横浜市・文京区・浜松市の案内

退職の時期による分かれ方

退職の時期 残りの住民税の扱い 出典
1月1日〜4月30日 本人の希望にかかわらず、5月分までを最後の給与や退職手当等から一括で引く。額が足りないときは、一括の対象にならない 地方税法第321条の5第2項・文京区
6月1日〜12月31日で、本人が一括徴収を申し出た 残りを給与や退職手当等から一括で引く 同上・横浜市
6月1日〜12月31日で、申し出がない 本人が納付書で納める(普通徴収)。納期は市区町村で違い、横浜市は年4回(6月・8月・10月・1月) 横浜市
転職先でも特別徴収を続ける 新しい会社が引き続き引く 地方税法第321条の4第5項

一括徴収した分は、引いた月の翌月10日までに納めます。退職した人に納付書を渡して、本人に納め続けさせることは、しないでください(文京区)。

異動届出書の期限と出し方

退職や転勤などで給与から引けなくなったときの届出書は、異動のあった月の翌月10日までに出します(横浜市・文京区)。4月1日までに辞めた人は、給与支払報告書を出した市区町村へ、4月15日までに届け出ます(地方税法第317条の6第2項・浜松市の案内)。

届出 期限 出す先
給与所得者異動届出書(退職・転勤・休職など) 異動のあった月の翌月10日 住民税を課している市区町村
4月1日に退職済みの人の届出 4月15日 給与支払報告書を出した市区町村
転勤・再就職で新しい会社が特別徴収を続ける申し出 異動の翌月10日(4月中の異動は4月30日) 新しい会社を通じて市区町村へ

転勤・再就職で新しい会社が特別徴収を続けるときは、前の会社が届出書を書いて新しい会社へ回します。文京区は、前の会社が届出書に個人番号を書かないよう案内しています。出す先は、辞めた人の住民税を課している市区町村です。他の市区町村へ転居している場合は、転出の前後それぞれに出します(横浜市)。

様式の欄の並びや、紙・電子の受け付けは市区町村で違います。横浜市と浜松市は、eLTAXでの提出も案内しています。

入社のときは、引き継ぐか切り替えるかを確かめます

新しく入った人の住民税は、入社前の状況で2通りに分かれます。

前の会社で特別徴収されていた人を引き継ぐ

前の会社が特別徴収をしていた人は、本人が申し出れば、新しい会社が引き続き特別徴収をします(地方税法第321条の4第5項)。前の会社が異動届出書を書いて新しい会社へ回し、新しい会社が書き足して、異動の翌月10日(4月中の異動は4月30日)までに出します。入社手続きの流れは入社手続きのチェックリストにまとめました。

普通徴収の人を、特別徴収に切り替える

年度の途中で入社した人が、納付書で住民税を納めているときは、「特別徴収への切替届出(依頼)書」を出します。横浜市と浜松市の案内では、次のとおりです。

  • 前年に給与を受け、4月1日にも給与を受けている人が対象
  • 納期限を過ぎた分は切り替えられない。本人が納付書で納める
  • 二重に払わないよう、納期がまだ来ていない納付書の写しなどを付ける(市区町村で違う)
  • 65歳以上の人の公的年金分は、給与からの特別徴収に切り替えられない(浜松市)
  • 前年度に辞めて同じ会社に再就職した人も、届出書が要る(浜松市)

切り替えの届出が間に合わないと、本人に納付書が届き続けます。入社の月に聞き取りをして、早めに出します。

納期の特例を使うと、納付は年2回になります

特別徴収した税額は、引いた月の翌月10日までに納めるのが原則です。給与を受ける人が常時10人未満の事業所は、市区町村長の承認を受けると、年2回にまとめて納められます(地方税法第321条の5の2)。

引いた月 納期限 出典
6月から11月分 12月10日 地方税法第321条の5の2・江戸川区・浜松市
12月から翌年5月分 翌年6月10日 同上

承認の申請と、やめるとき

申請書の名前は「特別徴収税額の納期の特例に関する承認申請書」です。申請の期限は、適用を受けようとする月の20日までと案内する自治体があります(江戸川区・浜松市)。この期限は、市区町村で違う場合があります。

一度承認を受ければ、次の年度以降も要件を満たす限り、再申請は要りません(浜松市)。ただし、常時10人以上になったときは、「要件を欠いた場合の届出書」を出します。滞納や納入の遅れがあると、承認されなかったり、取り消されたりします。

給与の流れ全体は給与計算の流れに、毎月の納付の位置づけをまとめています。

よくある間違いは、3つに絞れます

特別徴収の事務で起きやすいのは、次の3つです。

間違い 起きること 防ぎ方
6月分を7月分以降と同じ額で登録した 年間の合計が通知の年税額と合わない 通知書の6月分の額をそのまま入れ、12回の合計を確かめる
退職月の控除を続けた、または止めた月を間違えた 引き過ぎ、または引き漏れ 辞めた月の翌月以降は引かない(地方税法第321条の5第2項)。最後の給与で一括徴収の要否を決める
異動届出書を出し忘れた 市区町村へ情報が届かず、納付書の扱いが食い違う 退職の手続きの一覧に、翌月10日の期限を書いておく

退職の手続き全体は退職の手続き 会社側のチェックリストにまとめました。異動届の期限は、保険や離職票の期限と並べて管理すると、出し忘れが減ります。

今日からできること

  • 5月に届いた通知書の月割額と、給与システムの登録額を照らし、12回の合計が年税額と合うか確かめる
  • 退職予定者の一覧に、辞める月から見た一括徴収の要否と、異動届出書の期限(翌月10日)を書き足す
  • 常時10人未満の会社は、納期の特例を使っているか確認し、使っていなければ、市区町村の承認申請の期限を調べる
  • 従業員用の通知を、紙で渡すか電子で渡すかを決め、次の5月までに受け取り方を見直す
  • 届出書の様式と提出先を、従業員の住所地ごとの市区町村の案内で確かめておく

この記事は、2026年10月時点の地方税法と、神戸市・横浜市・浜松市・文京区・江戸川区の案内をもとにしています。個別の取り扱いは、会社が指定を受けた市区町村、または税理士や社会保険労務士に確かめてください。

よくある質問

Q住民税の特別徴収は、会社が必ずしなければいけませんか。

A前年に給与を受け、4月1日にも給与を受けている人については、市区町村は原則として特別徴収の方法で集めるものとされています(地方税法第321条の3)。給与を払う会社のうち、所得税を源泉徴収する義務のある会社を、市区町村が特別徴収義務者に指定します(第321条の4)。市区町村ごとの扱いの違いは、届いた指定通知と手引きで確かめてください。

Q納期の特例は、従業員が何人までの会社が使えますか。

A給与を受ける人が常時10人未満の事業所が対象です(地方税法第321条の5の2)。市区町村長の承認が要ります。承認を受けると、6月から11月分は12月10日、12月から翌年5月分は翌年6月10日に納めます。

Q退職した人の異動届出書は、いつまでに出しますか。

A給与から住民税を引けなくなった月の、翌月10日までです。浜松市の案内は、地方税法第321条の5第3項と施行規則第9条の24を根拠に挙げています。4月1日に退職済みの人は、給与支払報告書を出した市区町村へ4月15日までに届け出ます(第317条の6第2項)。

Q6月の月割額が、7月以降より多いのは間違いですか。

A間違いとは限りません。市区町村によっては、6月分と7月分以降の額が違う通知書を出します。会社で計算し直さず、通知書の額のとおりに引いてください。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月24日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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