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開業率と廃業率の推移、2025年度は3.8%と3.7%で業種の差が大きい

雇用保険事業年報の最新版から計算すると、2025年度の開業率は3.8%、廃業率は3.7%です。10年の推移と業種別の差、数え方の注意点が分かり、取引先の台帳をどこから見直すか決めやすくなります。

公開 更新 約5分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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開業率と廃業率の推移、2025年度は3.8%と3.7%で業種の差が大きい

この記事でわかること

  • 開業率と廃業率の差は2023年度からほぼない。2025年度は3.8%と3.7%。
  • 数えるのは雇用保険の適用事業所。会社の数でも倒産の数でもない。
  • 宿泊・飲食は出入りが大きく、製造は新規の2倍以上が廃止になった。
対象総務実務

2025年度の開業率は3.8%、廃業率は3.7%でした。厚生労働省の雇用保険事業年報の最新版(令和7年度)から、中小企業白書と同じ算式で計算した値です。2016年度に2ポイントあった差は2023年度にほぼ消え、できる事業所と閉じる事業所がほぼ同じ数で入れ替わる状態が3年続きました。12

取引先の台帳に当てはめるなら、100件あれば1年に3〜4件は動きがあってもおかしくない水準です。事業所の数字なので目安ですが、読み方が分かると、どの取引先から確認するかも決めやすくなります。

開業率3.8%、廃業率3.7%。差はこの3年でほぼ消えた

紺色のジャケットの女性がオフィスの机で、ペンを手にピンク色のバインダーの書類を読んでいる。横にノートパソコンと資料。
取引先の台帳は、動きの大きい業種から見直すイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

2025年度に雇用保険の保険関係が新しく成立した事業所は91,067所、消滅した事業所は89,092所でした。前年度末の適用事業所は2,379,389所なので、割ると開業率3.8%、廃業率3.7%になります。1

開業率と廃業率の差は2023年度にほぼ消えた、という棒グラフ。雇用保険事業年報から編集部が計算。分母は前年度末の適用事業所数。開業率、廃業率の順に、2016年度5.6%、3.5%。2017年度5.6%、3.5%。2018年度4.4%、3.5%。2019年度4.2%、3.4%。2020年度5.1%、3.3%。2021年度4.4%、3.1%。2022年度3.9%、3.3%。2023年度3.9%、3.9%。2024年度3.8%、3.7%。2025年度3.8%、3.7%。まとめ、2025年度は開業率3.8%、廃業率3.7%で、成立が消滅を約2,000所上回った。
開業率と廃業率の推移(2016〜2025年度)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省

10年を並べると、大きく動いたのは開業率です。2016年度と2017年度の5.6%から上下を繰り返しながら下がり、2022年度には3.9%になりました。成立の数で見ても、2017年度の121,363所から2025年度の91,067所へ、約3万所少なくなっています。廃業率は3.1〜3.5%で落ち着いていましたが、2023年度に3.9%へ上がりました。

この年、消滅した事業所は前年度の76,646所から92,718所へ、約1万6,000所増えました。成立の92,601所を117所だけ上回っていて、消滅のほうが多いのは2008年度以来です。1年報に増えた理由の説明はないので、原因は決めつけないでおきましょう。

白書が載せている2024年度までの値は、この計算と一致します。2025年度の分はまだ白書にないため、編集部が同じ算式で計算しました。2

でも、減っている話ばかりではありません。成立が消滅を上回る年が続いたので、適用事業所の総数は2015年度末の2,139,380所から、2025年度末の2,385,039所へ、10年で約25万所増えました。2025年度は事業所が0.2%増、そこで働く被保険者も0.5%増えて、4,521万人です。1

数え方を知ると、読み違いが減る

開業率は、その年度に雇用関係が新しく成立した事業所の数を、前年度末の適用事業所の数で割ったものです。廃業率は、消滅した事業所の数を同じ分母で割ります。2適用事業所とは、雇用保険の保険関係が成立している事業所のことです。3

だから、この数字は会社の数ではありません。数えているのは事業所で、雇う人がいない個人事業主や社長1人の会社は入らない仕組みです。保険関係がなくなった事業所の数なので、倒産した会社の数とも別物です。

大きさも見ておきましょう。2025年度末の適用事業所のうち、4人以下が61.1%、30人未満まで広げると90.7%を占めます。前年度からの増減は、4人以下が0.5%増、5〜29人が0.3%減、500人以上が1.5%増でした。3入れ替わりの数字は、小さな事業所の動きを多く映していると考えてよいでしょう。

月ごとの数字にも注意が要ります。消滅は毎年9月に集中していて、2025年度は30,551所と年間の3分の1余りを占めました。1理由は年報に書かれていないものの、月の増減だけで景気を読まないほうがよいでしょう。

ほかの物差しも見ておくと、全体がつかみやすくなります。白書によると、2025年の倒産は10,300件で、2021年を底に増えています。従業員10人未満の企業が大半で、業種ではサービス業他、建設業、製造業の順に多くなっています。帝国データバンクが集計した休廃業・解散は67,949件でした。黒字で休廃業・解散に至る企業の割合は半数を下回り、経営者の平均年齢は上がっています。2定義が違うので比べられませんが、倒産のニュースだけでは、閉じていく会社の一部しか見えないことが分かります。

業種別では、宿泊・飲食の動きが大きく、製造は閉じる側が多い

2025年度の業種別の開業率と廃業率の棒グラフ。宿泊・飲食は出入りが大きく、製造は閉じる側が多い。開業率、廃業率の順に、宿泊・飲食7.6%、5.9%。生活関連・娯楽5.4%、4.9%。不動産・物品賃貸5.3%、3.7%。情報通信5.0%、4.2%。学術・専門サービス4.6%、4.0%。サービス業3.8%、3.3%。卸売・小売3.7%、3.9%。教育・学習支援3.7%、3.6%。医療・福祉3.7%、2.8%。建設3.5%、3.9%。運輸・郵便2.4%、2.8%。金融・保険2.0%、3.6%。製造1.3%、3.3%。まとめ、製造は新規3,275所に対して廃止8,493所で、業種で動きはかなり違う。
業種別の開業率と廃業率(2025年度・編集部の計算)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省

業種別の値は、年報の新規と廃止の数を、前年度末の業種別の適用事業所数で割った編集部の計算です。4

動きがいちばん大きいのは宿泊・飲食で、開業率7.6%、廃業率5.9%でした。製造は開業率1.3%、廃業率3.3%で、新規3,275所、廃止8,493所と、差し引き5,218所の減少です。製造の中では印刷が新規95所に廃止635所、繊維が新規171所に廃止759所でした。4

卸売・小売は新規14,111所、廃止14,662所と、どちらも1万所を超える大きな動きです。建設は差し引き1,769所の減少でした。逆に増えたのは医療・福祉で、差し引き2,477所の増加です。ただ、同じ業種でも中身は違い、介護を含む社会保険・社会福祉・介護事業は新規6,028所に廃止3,120所、医療業は新規4,425所に廃止4,827所でした。4

情報通信と学術・専門サービスは、開業率も廃業率も全体より高い業種です。新しくできる数が多いぶん、閉じる数も多いと考えられます。

自社の業種の数字を出すなら、年報の第1表で新規と廃止の数を見て、前年度版の第3表の適用事業所数で割ります。第1表にある月末適用事業所数は1年の平均なので、分母に使うと白書の値とは少しずれます。製造業は第1表で食料品や金属製品などの細かい業種まで分かれているので、件数の比較にも使えるでしょう。

取引先の入れ替わりに備えて確認すること

年に3〜4%という数字は小さく見えますが、台帳の件数が多いほど、1年で動く件数も増えます。業種で差があるので、全部を同じように見直さなくてかまいません。次の順番は編集部の整理で、できるものから始めてかまいません。件数が多いなら、まず直近1年に取引のある相手に絞りましょう。

  1. 取引先の台帳を年に1回見直し、社名や所在地の変更、閉鎖の表示を法人番号で確認する。
  2. 主な取引先の業種の数字を年報で見て、動きの大きい業種から先に確認する。
  3. 閉じる数が多い業種の仕入れ先には、代わりの候補を1社持っておく。
  4. 連絡がつきにくい、入金や納品が遅れるといった変化を、経理と購買で共有する。
  5. 新しい取引先は、法人番号で実在を確認してから台帳に入れる。

社名や所在地が変わっても、連絡が来ないことはあります。請求書の送り先や契約の相手の名前も、法人番号の変更履歴と合わせて見ておくと、支払いの手戻りを減らせます。調べ方と閉鎖の表示の見方は、法人番号とはで確認できます。転職や副業で業界を選ぶときも、入れ替わりの大きさを知る手がかりになるでしょう。

ここで引いた数字は、2026年11月4日に厚生労働省と中小企業庁のサイトで確認したものです。年報は毎年更新されるので、新しい版が出たら同じ算式で計算し直せます。

注

  1. 厚生労働省「雇用保険事業年報」令和7年度 第17表(1)。前年度末の数と過去の年度の値は、平成28年度〜令和7年度の各年度版の第17表(1) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  2. 中小企業庁「2026年版 中小企業白書」第1部第1章第7節 ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  3. 厚生労働省「雇用保険事業年報」令和7年度の用語の説明、第4表 ↩ ↩2

  4. 厚生労働省「雇用保険事業年報」令和7年度 第1表、令和6年度 第3表 ↩ ↩2 ↩3

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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