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個別労働紛争の相談件数 いじめ・嫌がらせや解雇の相談の推移を10年で見る

職場のトラブルの相談は2025年度に約120万件。厚生労働省の個別労働紛争解決制度の施行状況から、いじめ・嫌がらせや解雇など相談内容別の10年の推移と、別に数えるパワハラの相談件数、社内の相談窓口を見直すときの確認点まで、数字とあわせて押さえられます。

公開 更新 約6分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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個別労働紛争の相談件数 いじめ・嫌がらせや解雇の相談の推移を10年で見る

この記事でわかること

  • 総合労働相談は2025年度に119万8,010件で、18年続けて100万件を超えた。
  • いじめ・嫌がらせは5万5,614件で最多。2022年度からパワハラは別に数える。
  • パワハラの相談は3年で約1.3倍。是正指導の6割は、パワハラ防止措置の不足が対象。
対象人事実務

2025年度に、全国の総合労働相談コーナーに寄せられた相談は119万8,010件でした。100万件を超えたのは、これで18年連続です。1

相談の中身は、この10年で少しずつ変わりました。いじめ・嫌がらせは数え方が変わって件数が減り、労働条件の引き下げと退職勧奨は、それぞれ2割ほど増えています。社内の相談窓口を見直すなら、こうした国の数字が、自社で備える範囲を考える手がかりになります。

数字は、相談、助言・指導、あっせんの3段で出る

紺のジャケットの女性が棒グラフの資料を手に持ち、隣の同僚がノートパソコンの折れ線グラフを指さしている。机にはほかの資料と紅茶、観葉植物。
相談の件数の推移を、社内の窓口の見直しに生かすイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

個別労働紛争解決制度は、会社と働く人の間のトラブルを、裁判の手前で解決するための国の仕組みです。数字は次の3段に分かれます。1

段 中身 2025年度
総合労働相談 全国378か所の総合労働相談コーナーでの相談 119万8,010件(前年度比0.3%減)
助言・指導 都道府県労働局長が解決の方向を示す 申出9,616件(8.5%増)
あっせん 弁護士などの専門家が間に入って話し合いを進める 申請4,486件(16.0%増)

総合労働相談の中身は、法制度の問い合わせが78万3,579件、労働基準法などの違反の疑いがあるものが22万9,156件、民事上の個別労働紛争の相談が27万7,053件です(延べの件数)。1内容別の推移として見るのは、このうち3つ目の、民事上の個別労働紛争の相談です。

年度は4月から翌年3月まで。2025年度は、令和7年度にあたります。

総合労働相談は、2020年度の約129万件がいちばん多い

総合労働相談は18年続けて100万件を超えた、という図。単位は件で年度ごと、厚生労働省の集計。総合労働相談と、うち民事上の個別労働紛争の相談の順に、2016年度(平成28年度)1,130,741と255,460、2017年度1,104,758と253,005、2018年度1,117,983と266,535、2019年度(令和元年度)1,188,340と279,210、2020年度1,290,782と278,778、2021年度1,242,579と284,139、2022年度1,248,368と272,185、2023年度1,210,412と266,162、2024年度1,201,881と267,755、2025年度(令和7年度)1,198,010と277,053。まとめ、ピークは2020年度の約129万件。2025年度は約120万件で、高い水準が続く。
総合労働相談と、民事上の個別労働紛争の相談の件数(2016〜2025年度)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省

10年をならべると、総合労働相談は2016年度の113万件台から増え、2020年度に129万782件でいちばん多くなりました。そのあとは少しずつ減っていますが、2025年度も約120万件と高い水準のままです。民事上の個別労働紛争の相談は、2025年度に27万7,053件で、前年度より3.5%増えました。1

相談の内容は、いじめ・嫌がらせが14年続けて最多

民事上の個別労働紛争の相談を内容別に見ると、2025年度は「いじめ・嫌がらせ」が5万5,614件でした。厚生労働省の発表では、14年続けての最多です。1

いじめ・嫌がらせの相談が14年続けて最多、という折れ線の図。単位は件で年度ごと、主な5つの相談内容。いじめ・嫌がらせは2016年度70,917、2017年度72,067、2018年度82,797、2019年度87,570、2020年度79,190、2021年度86,034、2022年度69,932、2023年度60,125、2024年度54,987、2025年度55,614。自己都合退職は40,364から38,386へ、労働条件の引き下げは27,723から33,368へ、解雇は36,760から32,651へ、退職勧奨は21,901から26,022へ。2022年度から、法律上のパワハラの相談はいじめ・嫌がらせに入らず別に数えている。まとめ、労働条件の引き下げと退職勧奨が、10年でそれぞれ2割ほど増えた。
民事上の個別労働紛争の相談、主な5つの内容の件数の推移(2016〜2025年度)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省

主な5つの内容の件数は、次のとおりです。1

相談内容 2016年度 2021年度 2025年度 2025年度の前年度比
いじめ・嫌がらせ 70,917 86,034 55,614 1.1%増
自己都合退職 40,364 40,501 38,386 7.5%減
労働条件の引き下げ 27,723 30,524 33,368 8.2%増
解雇 36,760 33,189 32,651 1.8%増
退職勧奨 21,901 24,603 26,022 1.6%増

いじめ・嫌がらせは2021年度の8万6,034件から、2025年度には5万5,614件に減りました。ただ、これは相談が減ったというより、数え方が変わったためです。2022年4月に改正労働施策総合推進法が中小企業にも全面施行され、法律上のパワハラの相談は、いじめ・嫌がらせとは別に数えるようになりました。2021年度以前と2022年度以降では集計の対象に差がある、と厚生労働省も注記しました。1

逆に、じわじわ増えているのが労働条件の引き下げと退職勧奨です。10年でそれぞれ2割ほど増え、労働条件の引き下げは2025年度に3万3,368件と、解雇を上回りました。1

なお、残りの相談をまとめた「その他の労働条件」という区分は5万9,647件あり、件数だけならいじめ・嫌がらせより多くなります。1表と図では、内容の名前がはっきりした5つにしぼりました。

相談した人の働き方は、正社員が40.2%、短時間労働者が13.9%、有期雇用労働者が12.3%、派遣労働者が5.1%です(その他・不明が28.4%)。1

助言・指導は労働条件の引き下げ、あっせんは解雇が多い

相談のあと、労働局長による助言・指導を申し出たのは9,616件でした。内容は労働条件の引き下げが1,220件でいちばん多く、いじめ・嫌がらせ1,163件、雇用管理等937件と続きます。1

あっせんの申請は4,486件で、前年度より16.0%増えました。内容は解雇が892件、いじめ・嫌がらせが868件、雇止めが475件です。1あっせんは話し合いの場なので、相手が出てこなければ進みません。会社と働く人の双方が参加した割合は2025年度に45.4%で、2016年度の56.8%から下がりました。1

パワハラの相談は別に数え、3年で約1.3倍に

法律上のパワハラの相談は、労働局の雇用環境・均等部(室)が受け付け、別に集計します。2025年度は7万7,514件で、2023年度の6万53件から約1.3倍になりました。2

パワハラの相談は3年で約1.3倍、指導の6割は防止措置、という図。集計は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)。パワハラに関する相談の件数は、2023年度60,053件、2024年度70,429件、2025年度77,514件。2025年度の是正指導は、法違反があった事業所が1,714事業所で、実態を調べた3,034事業所の56.5%。パワハラ防止措置についての是正指導が1,524件で、指導2,525件の60.4%。まとめ、是正指導の中心は、パワハラを防ぐ措置の不足。
パワハラに関する相談の件数と、2025年度の是正指導作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省

同じ年度に、雇用環境・均等部(室)が雇用管理の実態を調べた3,034事業所のうち、1,714事業所(56.5%)で労働施策総合推進法の違反が見つかりました。是正指導2,525件のうち、パワハラ防止措置についての指導が1,524件(60.4%)で、いちばん多い指導の中身でした。2

いじめ・嫌がらせの件数とパワハラの件数は、数える窓口と区分が違うので、足し合わせることはできません。ただ、どちらの数字からも、職場の人間関係をめぐる相談が多いことは読み取れます。

社内の相談窓口を見直すときに確認すること

会社にはパワハラの相談に応じて適切に対応するための体制を整える、法律上の義務があります。相談したことを理由に、解雇などの不利益な取扱いをすることも禁止です。3指針は、相談窓口をあらかじめ定めて社員に知らせること、パワハラに当たるか微妙な場合も広く相談に応じること、相談した人のプライバシーを守ることを求めています。4

さらに2026年10月1日からは、顧客や取引先など、事業に関係する人の言動(いわゆるカスタマーハラスメント)についても、相談に応じる体制を整えるなどの措置が、会社の義務になりました。3

担当者が見直すときは、次の6点を確認してみてください。

  1. 相談窓口の担当者と連絡先を決め、社員に知らせている。
  2. パワハラに当たるか微妙な相談も受け付けると、案内に書いている。
  3. 相談した人のプライバシーを守ることと、相談を理由に不利益な取扱いをしないことを周知している。
  4. 顧客や取引先からの言動についての相談も、受ける体制がある。
  5. 社外の相談先として、総合労働相談コーナーも案内している。
  6. 自社に寄せられた相談の件数と内容を、年に1回、国の区分にそろえて集計している。

6つ目は編集部のすすめです。いじめ・嫌がらせ、労働条件の引き下げ、退職勧奨といった国の区分にそろえておくと、自社の傾向を全国の動きと並べて見られます。

社員の側から見た相談の順番は、上司と合わないときの対処にまとまっています。指導とパワハラの線引きは、初めてのリーダー・主任の心構えが参考になります。

注

  1. 厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」(2026年7月7日公表)。いじめ・嫌がらせの件数は、労働施策総合推進法に定めるパワハラの相談を含まない ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13

  2. 厚生労働省「令和7年度の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)における雇用均等関係法令の施行状況について」 ↩ ↩2

  3. 労働施策総合推進法第31条第1項・第2項、第33条第1項(令和7年法律第63号による改正後、2026年10月1日施行) ↩ ↩2

  4. 厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号) ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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