外国人労働者の中身は、技能実習から特定技能へ入れ替わっているのでしょうか。数字で見ると、半分だけ当たっています。技能実習は2021年の351,788人から2025年の499,394人へ増えました。ただし特定技能は29,592人から286,225人へ約10倍になり、専門的・技術的分野の在留資格が全体の33.7%で最多になりました。
厚生労働省は2026年1月30日に、令和7年(2025年)10月末現在の「外国人雇用状況」の届出状況まとめを公表しました。外国人労働者は2,571,037人、外国人を雇用する事業所は371,215所で、どちらも届出が義務化された平成19年(2007年)以降で最多です。令和8年(2026年)10月末の集計は、2026年10月26日の時点では公表されていません。
技能実習は減っていません 構成比が下がっただけです
在留資格別の外国人労働者数・前年比・構成比の変化(令和7年10月末)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ
在留資格別の人数を、2021年と2025年の10月末現在で比べました。
| 在留資格 |
2021年 |
2025年 |
2025年の構成比 |
前年比 |
| 専門的・技術的分野 |
394,509人 |
865,588人 |
33.7% |
+20.4% |
| うち技術・人文知識・国際業務 |
291,192人 |
468,068人 |
18.2% |
+13.8% |
| うち特定技能 |
29,592人 |
286,225人 |
11.1% |
+38.3% |
| 身分に基づく在留資格 |
580,328人 |
645,590人 |
25.1% |
+2.6% |
| 技能実習 |
351,788人 |
499,394人 |
19.4% |
+6.1% |
| 資格外活動 |
334,603人 |
449,324人 |
17.5% |
+12.8% |
| うち留学 |
267,594人 |
352,791人 |
13.7% |
+13.1% |
| 特定活動 |
65,928人 |
111,074人 |
4.3% |
+29.6% |
| 全体 |
1,727,221人 |
2,571,037人 |
100% |
+11.7% |
出典: 厚生労働省 令和7年・令和3年10月末の届出状況表(別表1・参考-5)。構成比は編集部の計算です。
2021年に最も多かったのは、永住者や定住者などの身分に基づく在留資格で、構成比は33.6%でした。2025年は25.1%で2番目です。人数は増えていますが、全体が速く増えたため、割合が下がりました。
2021年から2025年の増加は843,816人です。そのうち専門的・技術的分野が471,079人、特定技能だけで256,633人を占めます。直近の1年(2024年から2025年)の増加268,450人でも、専門的・技術的分野が146,776人(54.7%)で、特定技能は79,230人(29.5%)でした。
在留資格のうち、特定活動の伸びも目立ちます。ワーキング・ホリデーや、経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者などが含まれる区分で、前年比+29.6%でした。
257万人と37万所 8年で2倍になった道のり
外国人労働者数・雇用事業所数・在留資格別の推移(2017〜2025年)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年・令和3年)
外国人労働者数と、外国人を雇う事業所数を、各年の10月末現在で並べました。
| 年 |
労働者数 |
前年比 |
事業所数 |
前年比 |
1事業所あたり |
| 2017年 |
1,278,670人 |
+18.0% |
194,595所 |
+12.6% |
6.6人 |
| 2018年 |
1,460,463人 |
+14.2% |
216,348所 |
+11.2% |
6.8人 |
| 2019年 |
1,658,804人 |
+13.6% |
242,608所 |
+12.1% |
6.8人 |
| 2020年 |
1,724,328人 |
+4.0% |
267,243所 |
+10.2% |
6.5人 |
| 2021年 |
1,727,221人 |
+0.2% |
285,080所 |
+6.7% |
6.1人 |
| 2022年 |
1,822,725人 |
+5.5% |
298,790所 |
+4.8% |
6.1人 |
| 2023年 |
2,048,675人 |
+12.4% |
318,775所 |
+6.7% |
6.4人 |
| 2024年 |
2,302,587人 |
+12.4% |
342,087所 |
+7.3% |
6.7人 |
| 2025年 |
2,571,037人 |
+11.7% |
371,215所 |
+8.5% |
6.9人 |
出典: 厚生労働省 令和7年・令和3年10月末の届出状況表(参考-1)。1事業所あたりは編集部の計算(労働者数÷事業所数)です。2017年の前年比は、前年(2016年)の数字から計算された値が資料に載っています。
労働者数は2017年から2025年で約2.0倍、事業所数は約1.9倍になりました。2020年と2021年は労働者数がほぼ横ばいでしたが、事業所数は増え続けたため、1事業所あたりの人数は6.1人まで下がっています。2025年は6.9人で、2017年を上回りました。
2025年の増加率は、労働者数が前年の12.4%から11.7%へ0.7ポイント下がり、事業所数は7.3%から8.5%へ1.2ポイント上がりました。人数の伸びがやや落ち着く一方で、外国人を雇う事業所は広がっています。
男女別では、男性が1,377,782人、女性が1,193,255人です。派遣・請負の事業(労働者派遣事業と請負事業)をしている事業所で働く人は430,342人(16.7%)で、その事業所は20,179所(5.4%)でした。
在留資格ごとに、働いている産業が違います
在留資格を産業とかけ合わせると、受け入れの現場が見えてきます。各在留資格の外国人労働者のうち、どの産業で働く人が多いかを表にしました。
| 在留資格 |
製造業 |
建設業 |
卸売業、小売業 |
宿泊業、飲食サービス業 |
医療、福祉 |
サービス業(他に分類されないもの) |
| 技術・人文知識・国際業務 |
18.3% |
4.2% |
17.2% |
7.4% |
0.8% |
16.7% |
| 特定技能 |
35.0% |
9.4% |
7.4% |
10.9% |
19.5% |
6.3% |
| 技能実習 |
44.5% |
24.0% |
9.2% |
1.6% |
4.2% |
3.8% |
| 資格外活動 |
7.3% |
0.3% |
20.9% |
32.6% |
2.3% |
21.5% |
| 身分に基づく在留資格 |
25.1% |
3.6% |
12.7% |
9.2% |
4.9% |
23.4% |
出典: 厚生労働省 令和7年10月末の届出状況表(別表6)。割合は、各在留資格の人数を100としたときの、産業別の割合です。
技能実習は製造業と建設業で68.5%を占めます。特定技能は製造業が最も多く、次が医療・福祉(介護など)の19.5%です。資格外活動は、宿泊業・飲食サービス業と、卸売業・小売業とサービス業に集まっています。留学生の働き先も、同じ3つの産業に多くなっています(留学の人は、宿泊業・飲食サービス業が34.8%、卸売業・小売業が21.6%、サービス業が19.3%)。
身分に基づく在留資格の人は、就く仕事に制限がなく、産業が広く散らばります。
ベトナムが最多、伸びが大きいのはミャンマー・インドネシア・ネパール
国籍別の外国人労働者数・前年比と、国籍ごとの在留資格の割合作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ
国籍別では、ベトナムが605,906人(23.6%)で最も多く、中国431,949人(16.8%)、フィリピン260,869人(10.1%)が続きます。上位3か国で全体の50.5%です。
| 国籍 |
2021年 |
2025年 |
構成比 |
前年比 |
| ベトナム |
453,344人 |
605,906人 |
23.6% |
+6.2% |
| 中国(香港、マカオを含む) |
397,084人 |
431,949人 |
16.8% |
+5.7% |
| フィリピン |
191,083人 |
260,869人 |
10.1% |
+6.2% |
| ネパール |
98,260人 |
235,874人 |
9.2% |
+25.7% |
| インドネシア |
52,810人 |
228,118人 |
8.9% |
+34.6% |
| ミャンマー |
34,501人 |
163,311人 |
6.4% |
+42.5% |
| ブラジル |
134,977人 |
134,645人 |
5.2% |
-1.1% |
| 韓国 |
67,638人 |
80,193人 |
3.1% |
+6.9% |
| スリランカ |
19,938人 |
50,427人 |
2.0% |
+28.9% |
出典: 厚生労働省 令和7年・令和3年10月末の届出状況表(別表1・参考-4)。
2021年からの4年で、ネパールは2.4倍、インドネシアは4.3倍、ミャンマーは4.7倍になりました。この3か国で全体の24.4%を占めます。
国籍によって、働き方の顔ぶれは大きく違います。図の右の表のとおり、ネパールは資格外活動(留学生のアルバイトなど)が66.8%、インドネシアは技能実習が52.6%で、特定技能も69,465人(同国籍の30.5%)います。フィリピンは60.3%、ブラジルは98.5%が身分に基づく在留資格です。国籍だけで採用の方法は決まらず、同じ国籍でも在留資格によって、働ける仕事や時間が変わります。
人の多い産業と、事業所の多い産業は同じではありません
産業別の外国人労働者数と事業所数、事業所規模別の内訳(令和7年10月末)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ
産業別の外国人労働者数は、製造業が635,075人(24.7%)で最も多く、サービス業(他に分類されないもの)が391,946人(15.2%)、卸売業・小売業が340,687人(13.3%)で続きます。外国人を雇う事業所数が最も多いのは卸売業・小売業の70,358所(19.0%)です。
| 産業 |
労働者数 |
前年比 |
事業所数 |
1事業所あたり |
| 製造業 |
635,075人 |
+6.1% |
58,400所 |
10.9人 |
| サービス業(他に分類されないもの) |
391,946人 |
+10.6% |
28,549所 |
13.7人 |
| 卸売業、小売業 |
340,687人 |
+14.2% |
70,358所 |
4.8人 |
| 宿泊業、飲食サービス業 |
319,999人 |
+17.1% |
53,855所 |
5.9人 |
| 建設業 |
206,468人 |
+16.1% |
50,133所 |
4.1人 |
| 医療、福祉 |
146,105人 |
+25.6% |
26,076所 |
5.6人 |
| 情報通信業 |
97,924人 |
+8.1% |
14,366所 |
6.8人 |
出典: 厚生労働省 令和7年10月末の届出状況表(別表4・参考-6)。1事業所あたりは編集部の計算です。
医療・福祉は、2021年の57,788人から2.5倍の146,105人になりました。前年比+25.6%は、主な産業で最も大きい伸びです。宿泊業・飲食サービス業(+17.1%)と建設業(+16.1%)がこれに続きます。
サービス業(他に分類されないもの)は、外国人労働者の65.7%が、派遣・請負の事業をしている事業所で働いています。職業紹介・労働者派遣業だけで200,091人です。派遣された先の産業では数えられず、人材会社の産業に出る点に注意してください。
地域では、東京が652,251人(25.4%)、愛知が249,076人(9.7%)、大阪が208,051人(8.1%)で、上位3都府県で43.1%です。東京は宿泊業・飲食サービス業(20.1%)と情報通信業が多く、情報通信業の全国の外国人労働者97,924人のうち77,924人(79.6%)が東京で働いています。愛知は製造業が38.7%です。前年比の伸びが大きかったのは、和歌山(+19.2%)と大阪(+19.1%)、大分・沖縄(+18.1%)でした。
事業所の6割超は30人未満です
外国人を雇う事業所を規模別に見ると、30人未満が234,086所で、全体の63.1%を占めます。そこで働く外国人は928,267人で、外国人労働者全体の36.1%です。
| 事業所の規模 |
事業所数 |
構成比 |
外国人労働者数 |
構成比 |
1事業所あたり |
| 30人未満 |
234,086所 |
63.1% |
928,267人 |
36.1% |
4.0人 |
| 30〜99人 |
62,891所 |
16.9% |
505,796人 |
19.7% |
8.0人 |
| 100〜499人 |
35,636所 |
9.6% |
593,502人 |
23.1% |
16.7人 |
| 500人以上 |
10,863所 |
2.9% |
439,919人 |
17.1% |
40.5人 |
| 不明 |
27,739所 |
7.5% |
103,553人 |
4.0% |
3.7人 |
出典: 厚生労働省 令和7年10月末の届出状況表(別表8)。1事業所あたりは編集部の計算です。
外国人を雇う事業所数は、どの規模でも前年より増えました。増加率が最も大きいのは30人未満の+9.6%で、500人以上でも+5.3%です。外国人を雇う事業所は、小さな事業所が中心です。
この表の規模は、会社全体ではなく、外国人が働く事業所(店舗、工場、営業所など)の労働者数です。自社が複数の拠点を持つ場合は、拠点ごとの規模で見ます。
数字を読むときの注意
たとえば「特定技能が28.6万人」を「1年で28.6万人が新たに来た」と読むと外れます。人数は10月末の1時点の残高で、届出のあった分だけです。読み違えやすい点を挙げます。
- 数えているのは事業主から提出のあった届出件数で、日本にいる外国人の総数とは別の統計です。在留している外国人の数は、出入国在留管理庁が別に集計しています。
- 毎年10月末現在の1時点の数字です。年の途中で入退社した人は、その時点にいたかどうかで決まります。
- 外国人雇用状況の届出は、労働施策総合推進法28条にもとづき、すべての事業主に義務づけられています。この義務にもとづく届出の件数が、統計の元です。
- 派遣・請負の事業をしている事業所の人数は、そのすべてが派遣労働者とは限りません。資料にも同じ注記があります。
- 特別永住者、在留資格「外交」「公用」の人は、対象に入りません。
届出の手続そのもの(雇入れ・離職時の期限、様式、確認の手順)は、外国人を雇うときの手続き 在留カードの確認と雇用状況の届け出・期限にまとめました。
2027年4月1日からは、技能実習に代わる育成就労制度が始まります。技能実習の人数の見方は、制度の切り替えで変わるため、育成就労制度はいつから 技能実習の受け入れ企業の準備と転籍・監理支援機関で経過措置を確認してください。
同業・同規模の受け入れ状況を、届出状況表で引く手順
採用計画に使うときは、報道発表のまとめではなく、同じページの「届出状況表一覧」(Excel)を開きます。1つのファイルに、産業・在留資格・規模・都道府県の表が入っています。製造業の会社を例に、順に見ます。
- 産業を決める。 日本標準産業分類の大分類で、自社がどこに当たるかを確認します。飲食店は「宿泊業、飲食サービス業」、工場は「製造業」です。
- 別表4で、産業の全体を見る。 事業所数と外国人労働者数から、1事業所あたりの人数を出します。製造業は10.9人、宿泊業・飲食サービス業は5.9人です。
- 別表6で、在留資格の内訳を見る。 製造業の外国人635,075人のうち、技能実習が222,243人(35.0%)、特定技能が100,291人(15.8%)です。宿泊業・飲食サービス業は資格外活動が146,336人(45.7%)、医療・福祉は特定技能が55,733人(38.1%)です。
- 別表8で、規模を見る。 自社の拠点の規模と同じ区分の、事業所数と1事業所あたりの人数を見ます。
- 別表2・3・5で、都道府県を見る。 自社のある県の外国人労働者数と、産業別の人数を確認します。愛知の製造業は96,288人ですが、同じ製造業でも東京は35,821人です。
- 前年と比べる。 参考表で、産業と規模の増加率を見ます。増加率が高い産業は、同じ産業で外国人を雇う会社が増えている目安になります。
統計が示すのは、どの産業でどの在留資格の人が働いているかです。自社が受け入れられるかどうかは、在留資格ごとの活動の範囲や、特定技能の対象分野、受け入れの条件で決まります。留学生のアルバイトの時間の上限や、在留カードの確認は、手続の記事で確認してください。
数字は、2026年10月26日時点で公表されている令和7年(2025年)10月末現在の届出状況のものです。令和8年10月末の集計が出たら、入れ替えて見直してください。受け入れる在留資格の選び方や手続は、所轄のハローワークか、社会保険労務士・行政書士に相談できます。