2025年の1年間に、転職して今の会社に入った30〜34歳の女性は、同じ年代の働く女性の13.1%でした。およそ8人に1人です。35〜39歳では9.3%。どちらも同じ年代の男性の11.4%、7.8%を上回っています。厚生労働省が2026年8月31日に公表した雇用動向調査の数字です。1
30代で転職を考えるのは、少数派の迷いではありません。どのくらいの人が動いていて、何を理由に前の会社を離れたのか。どちらにも、国の調査の数字があります。
転職入職率は、1年で何人に1人が転職して入ったか
30代の転職は、少数派の迷いではないイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
転職入職率は、1年のあいだに転職して入社した人が、働く人全体の何%にあたるかを表す数字です。分母は常用労働者の数で、年齢別の率は6月末日の人数を使います。転職入職者は、入る前の1年間に働いた経験のある人を指します。1
調査の対象は、常用労働者が5人以上いる事業所から選んだ約1万5,000の事業所です。2025年の転職入職率は全体で9.9%、男性が9.1%、女性が10.7%でした。1
25〜59歳は、どの年代も女性のほうが高い
2025年の性、年齢別の転職入職率作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」
年齢ごとに見ると、25〜29歳から55〜59歳までは、どの年代も女性の転職入職率が男性を上回ります。24歳以下と60歳以上は、男性のほうが高くなっています。1
| 年齢 |
女性 |
男性 |
| 25〜29歳 |
17.1% |
14.1% |
| 30〜34歳 |
13.1% |
11.4% |
| 35〜39歳 |
9.3% |
7.8% |
| 40〜44歳 |
10.5% |
7.3% |
前の年と比べると、30〜34歳の女性は13.2%から13.1%で、ほぼ同じです。35〜39歳の女性は10.5%から9.3%に下がりました。2
フルタイムとパートで、率は大きく違う
同じ30代の女性でも、働き方で数字が分かれます。調査では、パートタイム労働者以外を一般労働者と呼んでいます。パートタイム労働者は、1日の所定労働時間が一般の労働者より短い人か、1週の所定労働日数が少ない人です。1
| 年齢 |
一般労働者 |
パートタイム労働者 |
| 30〜34歳の女性 |
11.4% |
19.1% |
| 35〜39歳の女性 |
7.4% |
13.4% |
パートで働く30〜34歳の女性は、5人に1人近くが1年のうちに転職して入っています。転職のあとに賃金がどう変わったかは、同じ調査をもとにした転職で年収は上がる?で確かめられます。その記事によると、30〜34歳の女性は賃金が減った人が38.5%で、4人に1人はフルタイムからパートに移った人でした。
辞めた理由の上位は、給料、人間関係、労働時間
転職して入社した人が前の会社を辞めた理由(30代)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」
調査には、転職して入った人が前の会社を辞めた理由を答える項目があります。前の職場で雇われて働いていた人について、理由ごとの割合をまとめたものです。1
30〜34歳の女性では、「その他の個人的理由」19.4%と「その他の理由(出向等を含む)」10.2%を除くと、多い順に次のとおりです。
- 給料等収入が少なかった(12.2%)
- 職場の人間関係が好ましくなかった(10.6%)
- 労働時間、休日等の労働条件が悪かった(10.1%)
- 会社の将来が不安だった(7.8%)
- 定年・契約期間の満了(6.6%)
- 会社都合(6.5%)
- 出産・育児(6.2%)
35〜39歳の女性になると、順番が変わります。いちばん多いのは労働時間や休日などの労働条件の13.7%で、給料8.5%、人間関係8.3%が続きます。1
同じ30〜34歳の男性と比べると、違いも見えます。人間関係は女性10.6%、男性5.9%。出産・育児は6.2%と0.8%です。反対に、会社の将来が不安だったのは男性10.0%、女性7.8%で、男性のほうが高くなっています。1
もう1つ見ておきたいのは、「その他の個人的理由」の大きさです。女性はどの年代でも14%を超えています。調査に並ぶ11の理由に収まらない事情で動く人が、30〜34歳の女性でも5人に1人いるということです。
数字を読むときの3つの注意
1つは、数え方です。この調査は、常用労働者が5人以上いる事業所に入った人を数えています。働く人全体のうち仕事を変えた人の割合は、総務省の労働力調査が別の数え方で出していて、数字は一致しません。違いは転職者数の推移と年齢別の転職者比率で確かめられます。
2つ目は、辞めた理由を答えたのが誰かです。ここで見た理由は、転職して入った本人の答えです。前の職場で雇われていた人に限られ、自営業から転職した人は含みません。1
3つ目は、同じ調査にある別の理由の数字です。辞めた人がいた事業所の側が答える「離職理由別離職率」もあり、2025年の女性の「個人的理由」による離職率は11.7%でした。こちらの個人的理由は、結婚、出産・育児、介護・看護、その他の個人的理由の合計です。1会社の側から見た理由と、本人が挙げた理由は、別の数字として読むのが確かです。
自分の転職に当てはめて確かめること
数字は、ほかの人と比べて焦るためのものではなく、自分の理由を言葉にする手がかりです。次の順で当てはめてみてください。
- 自分の年代と働き方(一般かパートか)の転職入職率を見る。
- 今の会社を離れたい理由を、調査の理由のどれに近いか1つ選ぶ。どれにも当てはまらなければ、自分の言葉で1行に書く。
- 給料が理由なら、転職で賃金が増えた人と減った人の割合を、自分の年代で確かめる。
- 労働時間や休日が理由なら、応募先の労働条件通知書で、時間と休みの欄を承諾の前に読む。読み方は労働条件通知書の見方にあります。
- 人間関係が理由なら、社内の異動で変えられる部分がないかも考える。異動の希望の出し方は異動希望の出し方で確かめられます。
理由がはっきりすると、次の会社で何を確かめればいいかも決まります。13.1%という数字は、同じ年代の働く女性のおよそ8人に1人が、それぞれの理由で一歩を踏み出したということです。
この記事は、2026年11月2日に確認した厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」(2026年8月31日公表)と、前の年の概況にもとづいています。