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福利厚生費の平均 法定福利費と法定外福利費の内訳 規模別の月額

厚生労働省の就労条件総合調査(令和3年調査・令和2年の費用)で、常用労働者1人1か月の労働費用は408,140円。法定福利費50,283円と法定外福利費4,882円の内訳を企業規模別に示し、自社の福利厚生費を並べる手順と今の料率を整理します。

公開 約11分ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆チェック済み
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福利厚生費の平均 法定福利費と法定外福利費の内訳 規模別の月額

この記事でわかること

  • 労働費用は1人1か月408,140円で、法定福利費は50,283円、福利厚生にあたる法定外福利費は4,882円でした
  • 法定外福利費の半分は住居の費用です。1,000人以上は住居が中心で、30〜99人は食事や私的保険への拠出が目立ちます
  • 労働費用の調査は令和3年調査が最新です。今の料率とずれるので、自社の額は1人あたり月額に直して並べます
対象総務人事経理実務

厚生労働省の就労条件総合調査(令和3年調査)によると、会社が従業員1人に1か月で払う労働費用は平均408,140円で、そのうち福利厚生にあたる法定外福利費は4,882円でした。福利厚生の見直しを任されたとき、「自社の額は世間と比べて多いのか少ないのか」と「法律で決まっていて動かせない分はどれか」を分けて見ると、話が進めやすくなります。この記事では、法定福利費と法定外福利費の1人あたり月額と内訳を、企業規模別に整理します。

就労条件総合調査の労働費用とは どの年の数字か

就労条件総合調査は、厚生労働省が毎年行っている調査です。ただし労働費用は毎年は聞いておらず、調べた回だけに載ります。2026年10月24日時点で厚生労働省のページを確かめると、最新は令和3年調査(2021年1月1日現在の調査)で、費用は令和2年(または平成31・令和元会計年度)の1年間の数字です。前の回は平成28年調査で、平成27年(または平成26会計年度)の費用です。令和4年から令和7年の調査の調査事項には、労働費用が入っていません。

読み方の決まりを先に押さえます。

言葉 意味(厚生労働省の資料による)
労働費用 使用者が労働者を雇うことで生じる一切の費用(企業負担分)。現金給与額、法定福利費、法定外福利費、現物給与の費用、退職給付等の費用、教育訓練費、募集費などをいう
法定福利費 法律で義務づけられている社会保障制度の費用(企業負担分)。健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、労働保険料、子ども・子育て拠出金、障害者雇用納付金など
法定外福利費 法律で義務づけられていない福利厚生関係の費用。住居、医療保健、食事、文化・体育・娯楽、私的保険制度への拠出金、慶弔見舞など
対象の労働者 労働費用は、期間を定めて雇う労働者やパートタイム労働者を含む全常用労働者

表に載る企業規模は、1,000人以上、300〜999人、100〜299人、30〜99人の4つです。29人以下の会社の数字は、この統計にはありません。

労働費用の総額と内訳 現金給与以外は18.0%

労働費用総額を企業規模別に積み上げた横棒の図。総額は1,000人以上450,720円、300〜999人415,532円、100〜299人391,151円、30〜99人352,005円、全体408,140円。現金給与額・法定福利費・退職給付等・法定外福利費に分け、全体では法定福利費50,283円、退職給付等15,955円、法定外福利費4,882円。下に規模別の表と平成28年調査との比較がある。
労働費用の内訳 企業規模別 1人1か月平均(令和3年調査)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「就労条件総合調査」第16表・第17表

令和3年調査では、常用労働者1人1か月平均の労働費用総額は408,140円でした。現金給与額が334,845円(82.0%)、現金給与以外の労働費用が73,296円(18.0%)です。

現金給与以外の73,296円の内訳は、次のとおりです。

項目 1人1か月(円) 現金給与以外に占める割合 総額に占める割合(編集部計算)
法定福利費 50,283 68.6% 12.3%
退職給付等の費用 15,955 21.8% 3.9%
法定外福利費 4,882 6.7% 1.2%
募集費 718 1.0% 0.2%
教育訓練費 670 0.9% 0.2%
現物給与の費用 481 0.7% 0.1%
その他 306 0.4% 0.1%
計 73,296 100.0% 18.0%

出典: 厚生労働省「令和3年就労条件総合調査 結果の概況」第16表・第17表。割合は資料の値で、総額に占める割合は編集部が計算しました。項目の合計は四捨五入のため、資料の計と1円ずれます。

福利厚生にあたる法定外福利費は、労働費用の1.2%です。法定福利費は12.3%で、法定外福利費の約10倍(50,283円 ÷ 4,882円 = 約10.3倍。編集部計算)でした。「福利厚生費」と一言で呼ばれていても、会社の負担の大半は、法律で決まった社会保険の負担だとわかります。

企業規模別の労働費用

企業規模 労働費用総額 現金給与額 現金給与以外 法定福利費 退職給付等 法定外福利費
1,000人以上 450,720 365,787 84,933 54,348 22,985 5,639
300〜999人 415,532 340,495 75,037 50,804 17,295 4,567
100〜299人 391,151 323,761 67,390 48,024 12,071 4,546
30〜99人 352,005 292,370 59,635 45,819 7,732 4,414
全体 408,140 334,845 73,296 50,283 15,955 4,882

出典: 同第16表・第17表(単位は円)。

規模が大きいほど、総額も現金給与以外も高くなります。1,000人以上と30〜99人を比べると、総額は約1.28倍、法定福利費は約1.19倍、法定外福利費は約1.28倍です(編集部計算)。差がもっとも大きいのは退職給付等で、22,985円と7,732円、約3倍の開きがあります。法定外福利費の総額に占める割合は、どの規模も1.1〜1.3%に収まっています(編集部計算)。

法定福利費の内訳 厚生年金と健康保険・介護保険で約9割

法定福利費の内訳を示す横棒の図。厚生年金保険料27,905円(55.5%)、健康保険料・介護保険料17,496円(34.8%)、労働保険料3,695円(7.3%、うち雇用保険2,120円・労災保険1,575円)、子ども・子育て拠出金987円(2.0%)、障害者雇用納付金96円、その他98円、法定補償費4円。企業規模別の表と、平成28年調査との比較を添えている。
法定福利費の内訳 1人1か月平均50,283円(令和3年調査)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「就労条件総合調査」第18表

法定福利費は、1人1か月平均50,283円です。内訳は第18表のとおりです。

項目 1人1か月(円) 構成割合
厚生年金保険料 27,905 55.5%
健康保険料・介護保険料 17,496 34.8%
労働保険料 3,695 7.3%
(うち)雇用保険にかかる額 2,120 4.2%
(うち)労災保険にかかる額 1,575 3.1%
子ども・子育て拠出金 987 2.0%
障害者雇用納付金 96 0.2%
法定補償費 4 0.0%
その他の法定福利費 98 0.2%
計 50,283 100.0%

出典: 厚生労働省「令和3年就労条件総合調査 結果の概況」第18表。

厚生年金保険料と、健康保険料・介護保険料を足すと、法定福利費の90.3%です(編集部計算)。ここは、給与にそのまま連動して決まる費用です。給与が上がれば、会社の負担も自動的に増えます。

労働費用の調査では「企業負担分」を数えているため、従業員が給与から払う分は入っていません。給与明細の保険料と、会社の負担がどう分かれるかは、社会保険とは 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の違いと負担の分け方で整理しています。

前の回(平成28年調査)との違い

項目 平成28年調査(円) 令和3年調査(円) 増減(円) 増減率(編集部計算)
労働費用総額 416,824 408,140 8,684減 2.1%減
現金給与額 337,192 334,845 2,347減 0.7%減
法定福利費 47,693 50,283 2,590増 5.4%増
退職給付等の費用 18,834 15,955 2,879減 15.3%減
法定外福利費 6,528 4,882 1,646減 25.2%減

出典: 同第16表・第17表。平成28年調査の構成割合は、法定福利費59.9%、法定外福利費8.2%でした(令和3年調査は68.6%と6.7%)。

法定福利費だけが増え、法定外福利費は4分の1減りました。法定福利費の増え方について、資料には理由が書かれていません。厚生年金保険料率が平成29年9月まで段階的に上がったこと(日本年金機構)が、時期としては重なります。ただし、2回の間の変化を要因ごとに分けた数字は資料にないため、断定はしません。

「その他」の項目は、平成28年調査が4,295円、令和3年調査が306円と大きく違います。理由は資料に書かれていないので、前の回との比較は、主な項目に絞って見るのが安全です。

法定外福利費の内訳 住居が半分、医療保健と食事が続く

法定外福利費の内訳を、令和3年調査と平成28年調査の2本の横棒で比べた図。住居2,509円(前回3,090円)、医療保健729円、食事493円、私的保険制度への拠出金373円、その他296円、慶弔見舞184円、文化・体育・娯楽163円、労災付加給付88円、財形48円。企業規模別の表では1,000人以上は住居3,974円、30〜99人は食事849円・私的保険1,027円。
法定外福利費の内訳 1人1か月平均4,882円(令和3年調査)作成: 編集部 / もとの資料: 厚生労働省「就労条件総合調査」第19表

法定外福利費は、1人1か月平均4,882円です。内訳を第19表で見ます。

項目 1人1か月(円) 構成割合 平成28年調査(円)
住居に関する費用 2,509 51.4% 3,090
医療保健に関する費用 729 14.9% 877
食事に関する費用 493 10.1% 616
私的保険制度への拠出金 373 7.6% 552
その他の法定外福利費 296 6.1% 500
慶弔見舞等の費用 184 3.8% 222
文化・体育・娯楽に関する費用 163 3.3% 383
労災付加給付の費用 88 1.8% 128
財形貯蓄奨励金、給付金及び基金への拠出金 48 1.0% 161
計 4,882 100.0% 6,528

出典: 厚生労働省「令和3年就労条件総合調査 結果の概況」第19表。

どの項目も、前の回より減っています。減り方が大きいのは、財形貯蓄奨励金等(70.2%減)、文化・体育・娯楽(57.4%減)、その他(40.8%減)です。住居は18.8%減でしたが、額としてはもっとも大きく、581円減っています(いずれも編集部計算)。

企業規模で、中身が大きく違う

企業規模 法定外福利費 計 住居 医療保健 食事 私的保険制度への拠出金
1,000人以上 5,639 3,974(70.5%) 768 174 111
300〜999人 4,567 2,506(54.9%) 710 427 157
100〜299人 4,546 1,832(40.3%) 756 690 367
30〜99人 4,414 960(21.8%) 660 849 1,027
全体 4,882 2,509(51.4%) 729 493 373

出典: 同第19表(単位は円。かっこ内は法定外福利費に占める割合)。

合計は5,639円と4,414円で、差は1.3倍ほどです。しかし中身はまったく違います。1,000人以上は、住居が7割を占めます。社宅や寮、住宅手当などを持つ会社が多いためと考えられますが、資料には理由が書かれていません。30〜99人は、住居が21.8%で、食事が849円、私的保険制度への拠出金が1,027円(23.3%)です。同じ「平均4,000円台」でも、どこにお金をかけているかは規模で違います。

今の料率とのずれ 令和8年度の法定福利費

統計は令和2年の費用で、料率も当時のものです。2026年10月24日時点の、会社が負担する主な率は次のとおりです。

項目 令和8年度の率 会社の負担 出典
健康保険(協会けんぽ) 都道府県ごと。東京都9.85%(令和7年度は9.91%) 半分 協会けんぽ
子ども・子育て支援金 0.23%(令和8年4月分から) 半分 こども家庭庁
介護保険(40歳から64歳) 1.62% 半分 協会けんぽ
厚生年金保険 18.3%(平成29年9月から固定) 半分 日本年金機構
子ども・子育て拠出金 0.36% 全額 日本年金機構
雇用保険(一般の事業) 事業主8.5/1,000(労働者5/1,000) 事業主分 厚生労働省

協会けんぽの料率は、令和8年度は3月分(4月納付分)から改定されました。新潟県の9.21%から佐賀県の10.55%まで、都道府県で差があります。健康保険組合に入っている会社は、組合ごとの率です。

2026年4月分(5月納付分)からは、子ども・子育て支援金が医療保険の保険料に加わりました。標準報酬月額に0.23%をかけた額の半分が、会社の負担です(こども家庭庁)。令和3年調査には、この費用は入っていません。したがって、今の法定福利費を令和3年調査と比べると、率の変化と支援金の分だけ、自社の額が高く出ます。

標準報酬月額が300,000円の東京都の従業員1人なら、会社が負担する月額は、健康保険料14,775円、支援金345円、厚生年金保険料27,450円、子ども・子育て拠出金1,080円で、この4つの合計は43,650円です(編集部計算。雇用保険・労災保険・介護保険料は含みません)。

今日からできること 自社の福利厚生費を統計と並べる

次の順に進めます。

  1. 法定外福利費の年間の額を集める。社宅・寮の会社負担、食事補助、健康診断以外の医療保健の費用、慶弔金、レクリエーションの費用、財形の奨励金などを、総勘定元帳の科目から拾います。科目は「福利厚生費」にまとまっていることが多いので、中身を項目に分けます。科目の考え方は、勘定科目とは よく使う科目の一覧と迷いやすい仕訳の考え方 経理の新人向けで紹介しています。
  2. 常用労働者の数で割る。年間の額を12で割り、常用労働者数で割ります。統計の常用労働者にはパートタイム労働者も含まれるので、人数も同じ範囲で数えます。
  3. 規模の近い行と並べる。上の表から、自社の規模の行を選びます。合計と、住居・食事・医療保健などの項目を見比べます。
  4. 法定福利費も同じ形にする。会社が負担した社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・子ども・子育て拠出金・支援金・雇用保険・労災保険)の年間の額を、12と人数で割ります。令和3年調査の50,283円は、当時の率の数字です。
  5. 見直しの観点を決める。使われている度合い、公平さ、減らす・足す項目を整理します。

見直しは、額を減らすことが目的ではありません。使われていない制度に予算を出し続けるのも、必要な人に届かないのも、もったいない状態です。統計は、「うちは何にどのくらい使っているか」を言葉にするための、物差しとして使います。

福利厚生費と交際費の線引きは、交際費の平均 損金算入の限度額 業種別・資本金別の支出額 会社標本調査の「交際費・会議費・福利厚生費・広告宣伝費・寄附金の分け方」の節でまとめています。

統計を使うときの注意点

  • 労働費用は、令和2年(または令和元会計年度)の数字です。物価や賃金、社会保険料率が変わった今の水準ではありません。
  • 平均なので、法定外福利費を持たない会社も含まれます。1社ごとの差は大きくなります。
  • 29人以下の会社は含まれていません。小さい会社は、30〜99人の行をそのまま当てはめず、参考にとどめます。
  • 厚生労働省は、令和4年以降の調査で労働費用を聞いていません。次に調べるかどうかは、2026年10月24日時点で確かめられませんでした。

この記事の数字は、2026年10月24日に厚生労働省・協会けんぽ・日本年金機構・こども家庭庁の公表資料で確かめたものです。個別の判断は、社会保険労務士や税理士に確かめてください。

よくある質問

Q福利厚生費の平均は、1人あたりいくらですか。

A厚生労働省の令和3年就労条件総合調査(令和2年の費用)では、法定外福利費が1人1か月4,882円、法定福利費が50,283円でした。法定外福利費は、企業規模30〜99人で4,414円、1,000人以上で5,639円です。常用労働者30人以上の民営企業が対象の統計で、29人以下の会社の数字はありません。

Q法定福利費と法定外福利費は、何が違いますか。

A法定福利費は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険など、法律で会社の負担が義務づけられている費用です。法定外福利費は、住居・食事・医療保健・慶弔など、法律で義務づけられていない福利厚生の費用です。厚生労働省の用語の説明にある分け方です。

Q労働費用の最新の調査は、いつのものですか。

A2026年10月24日時点で、令和3年(2021年)の就労条件総合調査が最新です。令和4年から令和7年の調査の調査事項には、労働費用が入っていません。調査は令和2年(または平成31・令和元会計年度)の1年間の費用を聞いたもので、前の回は平成28年調査です。

出典・参考

チェック済み。この記事は監修者によってチェックされました。(2026年10月24日)

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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