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出産後の就業継続の割合は7割か8割か、復職率が9割になる理由

第1子の妊娠時に働いていた人のうち、子が1歳でも働いていた人は80.5%、すべての人を分母にすると68.5%です。復職率92.1%との差を分母で読み解き、自分に近い数字を働き方と勤め先の規模から探せます。

公開 更新 約7分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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出産後の就業継続の割合は7割か8割か、復職率が9割になる理由

この記事でわかること

  • 第1子の就業継続率は80.5%で、2015〜19年に生まれた世代より10.6ポイント高い。
  • 68.5%と80.5%は同じ387人を数えた数字で、分母の範囲だけが違う。
  • 復職率92.1%の分母は、復職する予定で育休を終えた女性に限られる。
  • 80.5%には子が1歳の時点で育休中の人も入り、復帰した人の割合ではない。
対象実務

80.5%。第1子の妊娠がわかったときに働いていた人のうち、子が1歳のときも働いていた人の割合です。国立社会保障・人口問題研究所が2026年9月に公表した第17回出生動向基本調査で、2020〜24年に第1子が生まれた人の数字です。2015〜19年の69.9%より、10.6ポイント上がりました。

でも、調べてみると「7割」も「9割」も出てきて、どれを信じればいいのか迷いますよね。どの数字も間違いではありません。違うのは、誰を分母にしたかです。

7割と8割は、同じ387人を数えている

朝の光の中、白い門が4つ並ぶ長い道を、ベビーカーを押す女性が2つ目の門をくぐり、その先を仕事の鞄を持った女性が歩いている
数え始める場所が違えば、同じ道でも割合は変わるイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

同じ生まれ年について、この調査にはもう一つ数字があります。68.5%です。

どちらも、子が1歳のときも働いていた387人を数えた結果でした。第1子を産んだ妻565人を分母にすると68.5%、妊娠がわかったときに働いていた481人を分母にすると80.5%になります。報告書での呼び方も分かれていて、前者は「就業継続者割合」、後者は「就業継続率」です。1

今働いていて、これからの出産を考えている人に近いのは、80.5%のほうでしょう。

紛らわしいのは「約7割」という言い方です。前回の報告書が示した7割は2015〜19年の就業継続率で、分母は働いていた人でした。今回の68.5%も7割に近いのですが、こちらの分母は全員です。全員を分母にして比べると、2015〜19年は55.9%で、そこから12.6ポイント上がっています。資料に「7割」とあったら、いつの数字で誰が分母かを見ておくと迷いません。2

復職率が9割になるのは、入口が後ろにあるから

では、復職率の92.1%は何を数えたのでしょうか。

こちらは厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査の数字で、分母は2024年度に育休を終えて、戻る予定だった女性。そのうち実際に復職した人が92.1%、退職した人が7.9%でした。妊娠中に辞めた人も、育休を取らずに辞めた人も、はじめから分母にいません。

育児休業取得率の88.3%も同じ形です。分母は在職中に出産した女性なので、産む前に辞めた人は入っていません。途中で離れた人が抜けていくぶん、後ろの入口で数えるほど数字は高く見えます。

妊娠より前から復職までの時間軸に4本の物差しを置いた図。第1子を産んだ妻すべてを分母に子が1歳のときも就業は68.5%、妊娠時に働いていた妻では80.5%、在職中に出産した女性の育休開始は88.3%、復職予定で育休を終えた女性の復職は92.1%。下段は続けた387人を565人で割ると68.5%、481人で割ると80.5%、育休を使った319人を387人で割ると82.4%
入口の位置で変わる4つの数字と、同じ387人を3つの分母で割った結果作成: 編集部 / 出典: 国立社会保障・人口問題研究所、厚生労働省
数字 分母 数えたこと 調査
68.5% 第1子を産んだ妻すべて 子が1歳のときも就業 出生動向基本調査
80.5% 妊娠時に働いていた妻 子が1歳のときも就業 出生動向基本調査
88.3% 在職中に出産した女性 育休を開始(申出を含む) 雇用均等基本調査
92.1% 復職予定で育休を終えた女性 実際に復職 雇用均等基本調査

上の2行と下の2行は、対象の年も答える人も違います。だから92.1%から80.5%を引くような計算はできません。本人が答える調査では、仕事が変わっても両方の時点で働いていれば継続です。事業所が答える調査では、別の会社へ移った人は退職に数えられるはずです。

正規は88.0%、パート・派遣は56.0%

全体の80.5%は、妊娠がわかったときの働き方で大きく開きます。

折れ線で第1子の出生年別の就業継続率。全体は2000〜04年の40.5%から2020〜24年の80.5%、正規の職員は88.0%、パート・派遣は56.0%。帯で子が1歳のときの働き方。妊娠時に正規の職員だった人は正規81.7%、パート・派遣3.9%、無職11.7%。妊娠時にパート・派遣だった人は正規3.2%、パート・派遣46.8%、無職40.5%
第1子の就業継続率の推移と、2020〜24年に生まれた子が1歳のときの母の働き方作成: 編集部 / 出典: 国立社会保障・人口問題研究所
第1子の出生年 全体 正規の職員 パート・派遣
1985〜89年 39.0% 40.4% 23.7%
1990〜94年 39.3% 44.6% 18.2%
1995〜99年 38.1% 45.5% 15.2%
2000〜04年 40.5% 52.4% 18.1%
2005〜09年 43.4% 60.3% 18.7%
2010〜14年 57.7% 73.9% 28.9%
2015〜19年 69.9% 83.9% 40.8%
2020〜24年 80.5% 88.0% 56.0%

全体は2000〜04年の40.5%からほぼ2倍になり、とくに2010年代からの伸びが目立ちます。パート・派遣も2000年代の2割弱から大きく上がりました。それでも正規の職員との差は32.0ポイント。2020〜24年のパート・派遣の回答は116人と少ないので、幅のある数字として読むのが無難です。

続け方の中身も見えてきます。続けた人の82.4%は育休を使っていました。妊娠時に正規の職員だった人の81.7%は子が1歳のときも正規の職員で、パート・派遣に変わった人は3.9%、無職になった人は11.7%。パート・派遣だった人は46.8%が同じ働き方を続け、40.5%が無職になり、3.2%が正規の職員に変わっています。3

1歳で働いていても、復帰したとは限らない

80.5%は、仕事に戻った人の割合ではありません。

調査票には「産休・育児休業中の場合は就業とみなします」と書かれています。子が1歳の時点でまだ育休中の人も、就業に入るわけです。2024年度に復職した女性の育休の長さを見ると、12か月以上の人は区分を足して49.1%でした。1歳の誕生日を育休の中で迎えた人は、かなりいるはずです。

その先の姿は、別の調査で追えます。厚生労働省の21世紀出生児縦断調査は、2010年5月に生まれた子の親子を15年追い続けてきました。出産1年前に常勤だった母5,386人は、子が中学3年生になった2025年に、常勤57.2%、パート・アルバイト29.5%、無職8.2%でした。15年間ずっと常勤だった人は31.8%です。4

3人に1人と聞くと、少なく感じるかもしれません。ただ、同じ人たちの無職の割合は、出産半年後の31.7%から8.2%まで下がりました。一度離れた人も、働き方を変えた人も、子の成長に合わせて働く場へ戻ってきた姿が見えます。

もっとも、これは2010年生まれの世代の話で、今の世代はまた違う形になるでしょう。2025年の国民生活基礎調査では、18歳未満の児童がいる世帯の母の81.2%に仕事があり、正規の職員・従業員は34.7%、非正規は35.8%でした。

自分に近い数字を探す手順

全体の数字より、自分の条件に近い数字のほうが役に立ちます。次の順に絞ると、分母のずれに振り回されません。

  1. 今の働き方に近い数字を選びます。正規の職員なら88.0%、パート・派遣なら56.0%です。
  2. 契約に期間の定めがあるかを確認します。有期契約の女性の育休取得率は74.8%で、全体より13.5ポイント低い数字です。
  3. 働いている支店や店舗の人数を調べます。調査は事業所の単位で数えていて、5〜29人は取得率80.4%、復職率88.3%、30人以上は94.4%、94.5%でした。
  4. 勤め先の数字を探します。厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースには、育休の取得率を公表している会社もあり、分母は出産した女性です。
  5. 見つからなければ、人事に同じ分母でたずねます。

採用ページに「復職率100%」とあったときも、同じ問いが使えます。数人の中の100%かもしれませんし、戻る予定の人だけを数えた100%かもしれません。

復帰が見えてきたら、育休明けの面談で確認することや、小1の壁で切れる制度の期限もあわせて確認できます。書類と期限は産休・育休の手続きでご覧いただけます。

80.5%は、続けられるかどうかを言い当てる数字ではありません。続ける人、形を変える人、いったん離れて戻る人。どの道の人も、この統計の中にいます。

この記事は、2026年11月2日に確認した国の4つの調査の公表資料をもとにしています。資料の名前は出典の欄にあり、合計と差の計算は編集部によるものです。自分が育休の対象になるかは就業規則で確認でき、迷うときは都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。

注

  1. 差の84人は、妊娠前から無職の50人と不詳の34人です。対象は初婚どうしの夫婦の妻で、50歳未満で結婚し、調査時に55歳未満、子が1歳以上15歳未満の人に限られます。結婚していない人や再婚の人は入っていません。 ↩

  2. 第16回の報告書は2015〜19年を69.5%としていました。第17回は過去の回も定義をそろえて集計し直し、同じ区切りが69.9%です。第17回の有効回収率は47.9%で前回の72.7%より低く、数値は最終の報告書でわずかに変わる可能性があります。 ↩

  3. この段落の働き方の割合は、回答が不詳の人も分母に入れた数字です。分母は正規の職員が360人、パート・派遣が126人で、表の350人、116人より10人ずつ多くなります。 ↩

  4. 第1回から第15回まですべて回答し、ずっと母と同居している子の集計です。育児休業中の人なども働いている側に数えます。 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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