高校生をシフトに入れるとき、最初に見るのは学年ではなく生年月日です。満18歳未満の人は労働基準法の「年少者」にあたり、22時以降の勤務も、残業も、休日の出勤も頼めません。112月の忙しい時期に「少しだけ延ばして」と言ってしまう前に、線引きを店で共有しておきましょう。
線を引くのは学年ではなく、18歳の誕生日
開店前に、シフト表を一緒に確認するイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
年少者かどうかに、学校に通っているかは関係ありません。高校に通っていない17歳も年少者ですし、高校3年生でも18歳の誕生日を迎えれば年少者ではなくなります。1同じ学年のアルバイトで扱いが分かれるので、名簿に生年月日の列を作り、18歳になる日が見えるようにしておくと迷わず組めます。
なお、中学生にあたる年齢の人は原則として雇えません。2飲食店の業務は、労働基準監督署の許可を受けて働ける例外にも当たらないと案内されています。1
年齢で変わる扱い。見るのは学年ではなく18歳の誕生日作成: 編集部 / 出典: 労働基準法、山梨労働局
22時から翌朝5時は働けない、着替えも含めて
年少者は、22時から翌朝5時までは働けません。3例外は交替制で働く16歳以上の男性などに限られます。店のアルバイトのシフトなら、22時までと覚えておけば十分です。
ここで見落としやすいのが、片づけと着替えです。厚生労働省の点検表は、準備や片づけの時間を労働時間にしているかを確認項目に挙げています。4店が制服を決めているなら、着替えの時間も含めて22時に終わるよう、ラストの担当を早めに交代しましょう。線の引き方と、22時を過ぎてしまったときの割増賃金は、飲食店の繁忙期の労働時間と休憩、12月のシフトとアルバイトの管理で確認できます。
残業と休日労働は、36協定があっても頼めない
18歳未満には36協定の仕組みが使えません。だから、1日8時間、週40時間を超えて働いてもらうことはできず、法定の休日に働いてもらうこともできません。5
ただ、飲食店で間違えやすいのは、常時10人未満の店に認められている週44時間の特例です。この特例も18歳未満には使えないので、ほかの人と同じ感覚で組むと週40時間を超えてしまいます。51か月単位の変形労働時間制なども原則として使えません。休憩は大人と同じで、6時間を超えれば45分、8時間を超えれば1時間です。4
18歳未満のシフトの作例(説明用)作成: 編集部 / 出典: 労働基準法
年齢を証明する書類は、店に置いておく
18歳未満を雇うときは、年齢を証明する書類を事業場に備え付ける決まりがあります。6山梨労働局の案内では、住民票記載事項証明書か、戸籍記載事項証明書(一部記載事項証明書)を本人から出してもらいます。1
本社で預かっていても店にない形は避けたいところです。入社の手続きの一覧に入れておけば、もれません。
保護者の同意と、学校の許可は分けて考える
未成年者が契約を結ぶには、法定代理人の同意が要ります。7ただ、親が本人に代わって労働契約を結ぶことはできません。8契約を結ぶのは本人で、保護者は同意する立場です。給与も本人に払い、親が代わりに受け取ることはできません。9
実務では、同意書を1枚もらっておくと確認の記録が残ります。
一方、学校の許可は、労働基準法が高校生に求めているものではありません。学校長の証明書が要るのは、中学生にあたる年齢の児童を例外として使う場合です。6とはいえ、校則でアルバイトの届け出を求める高校もあるので、面接で聞いておくと後から困りません。
シフトは、試験期間の希望を先に聞く
厚生労働省の点検表は、学業との両立のために、同意なくシフトを決めたり変えたりしていないか、試験の準備期間や試験期間中に本人の希望に反してシフトを入れていないかを挙げています。4年間の試験日程を入社の時に聞いて、シフト表に先に書き込んでおくと、休む人を探す手間も減ります。
仕事の中身にも制限があります。重い物は、16歳以上18歳未満の女性なら断続作業で20kg、継続作業で15kg以上、男性なら30kg、20kg以上を扱う業務に就かせられません。10運転中の機械の危険な部分を掃除させることもできません。11酒席に侍る業務も禁止です。10居酒屋では、飲み物を運ぶ仕事と、客の席についてお酌をする仕事を分けて、最初に教えておきましょう。
シフト表を出す前に確認すること
年末の短期採用で雇うなら、契約書の書き方も合わせて、短期アルバイトの社会保険と雇用契約書 年末採用は更新の一行で変わるを見ておくと段取りが早くなります。まずは今いるアルバイトの名簿に、生年月日の列を足すところから始めてみてください。
制度の内容は、2026年11月6日に法令と厚生労働省、山梨労働局の資料で確認しました。迷うときは、店のある地域の労働基準監督署に相談できます。