事務から経理に移りたいなら、簿記3級で土台をつくり、今の仕事で数字を扱った経験を足していくのが近道です。採用する側は、資格に加えて、数字を正確に扱えるか、締め切りを守れるかも見ています(編集部の見立て)。
経理の仕事は、日々の入力から月次や年次の決算、税の申告まで幅があります。どこまで任される職場かは求人票で読み取れるので、準備と合わせて見方を押さえておきましょう。
簿記3級で土台をつくり、2級で広げる
未経験から経理へ、準備の3段(編集部の見立て)作成: 編集部 / 出典: 日本商工会議所
日本商工会議所は、簿記3級を、業種や職種を問わずビジネスパーソンが身につけておくべき基本の知識と位置づけています。小規模な会社の会計実務を踏まえて、経理の書類を適切に処理できるレベルです1。
2級は、工業簿記を含む処理と、財務諸表の数字から経営の内容をつかむ力まで求められます2。製造業の経理や、決算の補助まで関わりたいなら、2級を目標にすると仕事の幅が広がります。
ネット試験の2025年度の合格率は、3級が40.8%、2級が32.9%です3。会場が設定した日に受けられるので、繁忙期を避けて予定を組めます。ほかの資格と並べた合格率は、事務職の資格を合格率で比べる記事で確認できます。
勉強を始めたら、仕訳の考え方を仕事の場面に当てはめてみてください。借方と貸方の決まりは、仕訳の基本の記事でおさらいできます。
今の事務の仕事で、経理に近い経験を積む
経費精算の確認も、経理につながる経験になるイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
未経験でも、今の仕事の中に経理につながる経験は隠れています。経費精算の申請を確認する、請求書を発行する、入金と請求を照らし合わせる、Excelで売上を集計する、といった仕事です。
経験は、件数や期間を添えて書くと伝わります。たとえば「月に約200件の経費精算を確認し、差し戻しの理由を一覧にして減らした」のように書けば、正確さと工夫の両方が見えるでしょう(編集部の例)。書き方は職務経歴書の書き方の記事が参考になります。
まだ経験が少ないなら、上司に相談して、経理に近い仕事を少し任せてもらうのも手です。社内に経理部があれば、異動の希望を出す道もあります。
求人票では、仕事の範囲と教わる人を先に見る
経理の求人票で見る5点(編集部の見立て)作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省
未経験可の求人でも、中身はさまざまです。日々の入力だけを任せる職場もあれば、1人で月次の決算まで担う職場もあります。経理の人数と、教わる先輩がいるかは、最初に見ておきたい点です。
使う会計ソフトや経費精算のシステムも、求人票や会社のサイトに書かれていることがあります。月末月初や決算期は忙しくなりやすいので、残業の目安も確認しましょう。
2024年4月からは、募集のときに、将来の仕事の内容や勤務地の「変更の範囲」も明示する決まりになりました4。経理として採用されても、将来ほかの部署へ移る可能性があるのか、求人票の記載を読んでおくと、入社後の思い違いを防げます。
書いていない点は、面接で具体的に聞いて構いません。「入社後の最初の3か月は、どの仕事から担当しますか」のように聞けば、育て方の考えも見えてきます。
応募の前に確認すること
- 簿記3級の勉強を始めたか、受ける日を決めた。
- 今の仕事で数字を扱った経験を、件数や期間と一緒に書き出した。
- 職務経歴書に、正確さと工夫がわかる例を入れた。
- 求人票で、仕事の範囲と経理の人数を読んだ。
- 使うソフトと、忙しい時期の残業の目安を確認した。
- 雇用の形と変更の範囲を確認した。
- 面接で聞きたいことを3つ用意した。
資格の説明と合格率は、2026年11月4日に日本商工会議所のページで確認したものです。