志望動機は、「なぜこの会社なのか」「自分の何が活かせるのか」「入ってどう役立ちたいのか」の3つを、応募先ごとに書き分ける欄です。ハローワークのセミナー資料も、この3つを自分の言葉で書くよう勧めています。1
どの会社にも出せる文になってしまうなら、1つ目の「なぜこの会社か」が、会社名を入れ替えても通じる言葉になっているのかもしれません。直す場所が分かれば、文は短くても応募先に届くものになります。
履歴書の志望動機は、3つの材料でできている
求人票の言葉に印を付けてから、志望動機を書くイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)
厚生労働省の履歴書の様式例では、志望動機を書く欄は「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」という1つの欄です。給料や職種、勤務時間、勤務地などの希望を書くのは、別の「本人希望記入欄」です。2志望動機の欄に条件の希望を混ぜないほうが、読む側に伝わりやすくなります。
ハローワーク堺の資料は、この欄を特に重要視される項目とし、応募先ごとに内容を考えて作るよう勧めています。書く中身として挙げているのは、次の3つです。1
| 材料 |
答える問い |
| 応募先を選んだ理由 |
なぜ、その会社を選んだか |
| 経験と能力 |
自分のどんなことを、仕事に活かせるか |
| 意欲 |
どのように貢献したいか |
材料の集め方は、ハローワークの「職務経歴書の作り方」にあります。応募条件と自分の経験を照らし合わせるだけでなく、応募先が何を求めているかを推測し、自分の能力や強みの中からアピールできることを探します。そのうえで、応募先を選んだ理由と、応募先で活かせることを整理しておくと、志望動機の欄に具体的に書けるようになり、面接の質問にも答えやすくなる、としています。3
どの会社にも使える文になる理由
どこにでも出せる志望動機を、3つの材料ごとに直した例作成: 編集部 / 出典: ハローワーク堺「履歴書・職務経歴書セミナー」ほか
たとえば、次のような文です。
間違ったことは書いていません。でも、「安定」「働きやすい」「事務の経験」「貢献」は、どの会社に出しても通じる言葉です。3つの材料が、どれも抽象的なままなのです。
直すときは、求人票の「仕事の内容」の欄を手元に置きます。そこにある言葉から、自分がしてきた仕事と重なるものを2つ拾い、1つ目と2つ目の材料に入れます。会社のサイトで事業や募集の背景が分かれば、「なぜこの会社か」に使えます。
事務職の例文3つ
ここからの例文は、編集部が作ったものです。実在の人や会社の話ではありません。自分の経験と応募先の言葉に置き換えて使ってください。
3つ目のように職種を変える場合について、ハローワークの手引きは、なぜ別の職種へ移りたいのか、応募先の仕事の内容を理解したうえで応募していること、その仕事をこなす力や適性があることを説明するよう勧めています。3
職務経歴書の志望動機とは、役割を分ける
履歴書と職務経歴書で、志望動機の役割を分ける作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省・ハローワーク「職務経歴書の作り方」ほか
職務経歴書は、A4で1〜2枚ほどの自由な様式で、これまでの仕事を詳しく書く書類です。志望動機や自己PRの項目を足すこともできます。ハローワークの手引きは、職務経歴書の中身を応募先ごとに変え、使い回さないよう勧めています。そのうえで、履歴書の内容をそのまま写すのでは作る意味がなく、履歴書に書ききれなかったことを補って詳しく書くことが必要だとしています。3
志望動機を職務経歴書にも書くときは、履歴書と同じ内容にならないよう、エピソードを交えるなどの工夫をします。置く場所は、職務経歴より前が多いとされています。3
分け方の目安は、次のとおりです。
| 書類 |
志望動機で書くこと |
| 履歴書 |
3つの材料を数行にまとめた要約 |
| 職務経歴書 |
要約の根拠になる場面や数字。履歴書に書ききれなかった思い |
文体も分けます。職務経歴は「〜を担当」のような名詞止めで短く書くのが基本ですが、志望動機と自己PRは「〜しました」のていねいな文体にするとよい、と手引きにあります。3職務経歴書全体の組み立ては職務経歴書の書き方で、強みの言葉の選び方は自己PRの書き方と例文で確かめられます。自己PRは自分の強みを伝える項目、志望動機はその強みをこの会社でどう使うかを伝える項目、と考えると書き分けやすくなります。
出す前に確かめること
- 会社名を別の会社に入れ替えても通じる文になっていないか。
- 求人票の仕事の内容の言葉と、自分の経験が1つ以上つながっているか。
- 3つの材料(選んだ理由、活かせる経験、どう役立ちたいか)がそろっているか。
- 給料や勤務地の希望を、本人希望記入欄に分けたか。
- 職務経歴書の志望動機が、履歴書と同じ文になっていないか。
- 書いた内容を、面接で1分ほどで話せるか。
書類の中で応募先を呼ぶときは「貴社」です。話し言葉の「御社」との使い分けは、御社と貴社の使い分けにあります。
この記事は、2026年11月2日に確認した厚生労働省とハローワークの資料にもとづいています。