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年末調整の間違いに気づいたら 再調整の期限と差額の精算の手順

年末調整の間違いは、源泉徴収票を渡す前なら会社で再計算できます。渡したあとも税額が足りないならやり直しが必要で、令和8年分からは訂正した票の出す先も変わります。経理の手順でつかめます。

公開 更新 約6分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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年末調整の間違いに気づいたら 再調整の期限と差額の精算の手順

この記事でわかること

  • 会社で再計算できるのは、源泉徴収票を渡す時まで。翌年1月末日が線になる。
  • 税額が足りないと分かったら、1月末を過ぎてもやり直す必要がある。
  • 計算の誤りで納めすぎた税額は、納付した日から5年以内に請求か届出で戻す。
  • 令和8年分は給与支払報告書の訂正だけで、税務署への訂正は要らない。
対象経理実務

源泉徴収票を配ったあとで、扶養の人数を1人分打ち間違えていたと気づいた。経理にいると、背筋が冷える場面ですよね。

見るところは3つです。源泉徴収票をもう渡したか。税額は増えるのか減るのか。誤りは本人の申告か、会社の計算か。この3つで、会社で直すのか、本人の確定申告に任せるのかが決まります。

線を引くのは、源泉徴収票を渡す時

年末調整のあとに扶養の人数が変わった、申告書が出ていなかった、保険料の証明書があとから見つかった。こうしたときのやり直しを、国税庁の「年末調整のしかた」は翌年1月末日までとしています。1同じ国税庁のQ&Aでは源泉徴収票を「交付する時まで」、所得税基本通達では「作成される時まで」です。2

3つの言い方が並ぶので、社内の線は源泉徴収票を作る日に置くのが確実でしょう。給与明細と一緒に年内に配る会社なら、その日でほぼ締め切りです。やり直しを受ける最終日を、年末調整の案内に1行書いておくと、あとのやりとりが減ります。

もちろん、やり直さずに済むならそのほうが楽ですよね。渡す前に国税庁の「年末調整チェック表」で見直しておくと、見落としを減らせます。令和8年分は基礎控除の額が去年と違い、扶養親族の合計所得金額の線も62万円に上がりました。どちらも去年の感覚で見てしまいやすいところです。3

申告の漏れをやり直すかどうかは、資料の言葉では「できます」です。会社がやり直さない場合でも、本人は確定申告で還付を受けられます。4本人の側の動き方は、年末調整を出し忘れたらで確認できます。

渡したあとは、税額が増えるか減るかで分かれる

図解。年末調整を終えたあとの誤りの直し方を表にした図。税額が減る場合、源泉徴収票を渡す前なら再計算して差額を本人に返し、渡したあとは本人が確定申告で還付を受ける。税額が増える場合、渡す前なら再計算して不足分を給与から徴収し、渡したあとも徴収不足があるときは1月末を過ぎてもやり直す必要がある。会社の計算の誤りの場合、渡す前なら再計算して差額を返し、渡したあとは税務署に誤納額還付請求書か充当届出書を出す。納付した日から5年。やり直しの期限の書き方は、年末調整のしかたが翌年1月末日まで、年末調整Q&Aが源泉徴収票を交付する時まで、所得税基本通達が源泉徴収票が作成される時まで。社内の線は源泉徴収票を作る日に置く。
源泉徴収票を渡したかどうかと、税額の増減で変わる直し方作成: 編集部 / 出典: 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」ほか

いちばん気をつけたい場面は、税額が足りないと分かったときです。扶養から外れる人がいたのに控除したままなど、徴収が足りないときのやり直しは、翌年の1月末日を過ぎていても行う必要があります。4「もう1月末を過ぎたから」で終わらせられないのは、こちらの側だけです。

反対に、税額が減るほうは、渡したあとなら本人の確定申告で精算するのが基本。ただ、会社の計算の誤りとなると話が変わります。申告書には正しく書いてあったのに、入力を間違えて税額を多く引いてしまったような場合です。

源泉徴収した会社が計算の誤りで納めすぎた分は、誤納額還付請求書を税務署に出すと還付を受けられます。給与や賞与の分なら、誤納額充当届出書を出して、そのあとに納める税額から差し引く方法もあります。どちらも、納付したときの徴収高計算書の写しと、誤りの事実が分かる帳簿の写しを付けます。総勘定元帳の預り金の部分などです。請求できるのは、原則として納付した日から5年以内です。5

本人に確定申告を頼むのか、会社の手続きで直すのか迷うときは、先に所轄の税務署へ相談すると確実です。

表に当てはめると、たとえば次のようになります。

  • 2月に生命保険料の控除証明書が見つかった人は、税額が減るほうで、源泉徴収票はもう渡したあと。本人が確定申告で控除を受けます。
  • 子の1年の所得が見積もりより増え、扶養から外れると3月に分かった人は、税額が増えるほう。1月末を過ぎていても、やり直して不足分を徴収します。
  • 配偶者の申告書が出ていなかったと1月の初めに分かった人は、源泉徴収票を作る前なら再計算できます。

差額の見当は、増えた控除の額に所得税率をかけて、さらに1.021をかけるとつかめます。税率5%の人で控除が4万円増えるなら、約2,000円です。本人に説明するときも、先にこの見当を持っておくと話が早く進みます。

差額は、次の給与で精算する

木のカウンター越しに、緑のニットの袖の手が白い封筒を差し出し、グレーの袖の手が受け取ろうとしている。カウンターには白い紙の束とマグカップ、手前に観葉植物がある。
正しい内容の源泉徴収票を、本人に渡し直すイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

再計算で税額が減ったら、差額は本人に返します。通達は年末調整の過納額の還付に準じて扱ってよいとしています。2返す元手は、納める源泉徴収税額です。足りないときの流れと仕訳は、年末調整の過不足の精算と仕訳で追えます。

税額が増えたら、不足分を徴収します。年末調整の不足額は年末調整をする月の給与から徴収し、残ればそのあとの給与から順に徴収するのが基本です。6ただ、納めるのが法定納期限を過ぎると、不納付加算税がかかることがあります。税率は10%ですが、税務署の調査や告知の前に自分で納めれば5%です。7

追加で給与を払う場合は、時期で分かれます。年内に今年分を追加で払うなら、足して年末調整をやり直します。翌年になってから昇給をさかのぼって決めた差額は、改定した年の所得なので、今年の分はやり直しません。1

訂正した源泉徴収票は、出す先が変わる

今年いちばん変わるのは、訂正した票の出す先です。2027年1月からは、市区町村に給与支払報告書を出すと、税務署に源泉徴収票を出したものとみなされます。8訂正も同じ考え方で、令和8年分なら、eLTAXで出した給与支払報告書は提出区分を「訂正」にして出し直せば足ります。書面や光ディスク等で出した分は、市区町村ごとにやり方が違うので問い合わせます。9

図解。提出後に誤りが分かった源泉徴収票の出す先を年分で分けた図。令和8年分からは、本人に正しい票を渡し、市区町村にはeLTAXで提出区分を訂正にして再提出し、書面と光ディスク等は市区町村に確認する。税務署には別に出さなくてよい。令和7年分以前は、本人に正しい票を渡し、市区町村に同じ誤りがあれば訂正分の給与支払報告書を出し、税務署に無効分と訂正分の源泉徴収票を合計表と一緒に出す。年明けの期限は2027年の例で、1月12日が12月分の納付、1月20日が特例の納付、2月1日が報告書の提出、3月15日が本人の確定申告。
訂正した源泉徴収票の出す先は、年分で変わる作成: 編集部 / 出典: 国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例に関するQ&A」ほか

令和7年分以前の誤りは、この特例の対象外です。今までどおり、無効分と訂正分の源泉徴収票を税務署に出し、同じ誤りがある給与支払報告書の訂正分を市区町村に出します。10年分で手順が違うので、取りかかる前にどの年の分かを確認しておくと迷いません。

ただ、本人に渡す分はどの年分でも必要です。11先に渡した票を確定申告などに使っていないかも、聞いておきたいところ。

気づいた日からの手順

誤りに気づいたら、次の順で進めます。

  1. 誰の、どの年分の、何の誤りかを書き出す。
  2. 源泉徴収票を渡したか、税額が増えるか減るかを図に当てはめる。
  3. 税務署への手続きが要りそうなら、先に相談する。
  4. 源泉徴収簿か給与ソフトで再計算し、差額を出す。
  5. 差額を次の給与で精算し、本人に文面で伝える。
  6. 正しい源泉徴収票を本人に渡す。
  7. 給与支払報告書の訂正を出す。令和7年分以前なら税務署にも出す。
  8. いつ、いくら、なぜ直したかを源泉徴収簿のそばに残す。

間違いをゼロにするのは難しくても、いつ気づいて、いくら動いて、どう直したかを数字で言えれば、説明に困りません。8つ目の記録があれば、来年の担当にもそのまま引き継げます。

この記事は、2026年11月2日に確認した国税庁の資料と所得税法にもとづいています。個別の判断は、所轄の税務署か税理士に確認してください。

注

  1. 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」の「年末調整後に給与の追加払や扶養親族等の異動があった場合の再調整」 ↩ ↩2

  2. 国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」問12、所得税基本通達190-5・190-7 ↩ ↩2

  3. 国税庁「令和8年分 年末調整チェック表」 ↩

  4. 国税庁のタックスアンサーNo.2671 ↩ ↩2

  5. 国税庁のタックスアンサーNo.2506、手続案内A2-18・A2-19 ↩

  6. 国税庁のタックスアンサーNo.2675 ↩

  7. 国税通則法第67条第1項・第2項 ↩

  8. 国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」 ↩

  9. 国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例に関するQ&A」問12 ↩

  10. 国税庁「源泉徴収票のみなし提出の特例に関するQ&A」問11、同じ手引の第9章 ↩

  11. 所得税法第226条第1項 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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