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年末調整の住宅ローン控除、2年目以降は入居年で写す欄が変わる

住宅ローン控除の2年目以降は、申告書の最後の行から源泉徴収簿へ控除額を写します。その行は入居した年で⑭、⑧、⑥と変わるので、残高証明書との照らし合わせ方と、引ききれないときの源泉徴収票の書き方を例の数字で追えます。

公開 更新 約8分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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年末調整の住宅ローン控除、2年目以降は入居年で写す欄が変わる

この記事でわかること

  • 控除額を写す欄は、平成30年までの入居が⑭、令和3年までが⑧、令和4年以後が⑥になる。
  • 控除率は基本が令和3年までの入居で1.0%、令和4年以後で0.7%。再取得は別の率になる。
  • 令和6年以後の入居で調書方式なら、金融機関の残高証明書は添付しなくてよい。
  • 年税額で引ききれないと、実際に引いた額と㉔の額を源泉徴収票の別々の欄に書く。
対象経理実務

回収した住宅ローン控除の申告書に「平成38年分」と印字されていて、これで受け取っていいのか不安になったことはありませんか。平成38年は令和8年のことで、直してもらわなくてかまいません。1

源泉徴収簿へ写す控除額は、申告書の最後の行にあります。ただ、その行の番号は入居した年で⑭、⑧、⑥と変わります。残高証明書は、その金額が合っているかを確認するための書類。そう考えると、見る順番が決まります。

入居した年で、欄と率が変わる

明るい部屋の丸い木のテーブルで、からし色のカーディガンの女性が、扇形に広げた白紙の用紙から1枚を手に取っている。手前に開いた白い封筒と白いカップがある。紙にも封筒にも文字はない。
紙で受け取る人には、各年分の用紙がまとめて届くイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

税務署から届く用紙は、上半分が「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」、下半分が「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」です。2金融機関が出す残高証明書は、正式には「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」といいます。

最初に見るのは、下半分の「居住開始年月日」。入居した年で、次の表のどの行の人かが決まります。

入居した年 控除額の欄 控除率 年間所得の見積額の上限
平成29〜30年 ⑭ 1.0% 3,000万円
令和元〜3年 ⑧ 1.0% 3,000万円
令和4〜7年 ⑥ 0.7% 2,000万円

これは基本の形です。住宅の再取得等の特例は、令和3年までの入居が1.2%、令和4年以後が0.9%。床面積が40㎡以上50㎡未満の家などは、所得の上限が1,000万円に下がります。

でも、表を覚えなくても大丈夫です。令和元年以後に入居した人なら、各年の控除限度額は申告書を見れば分かります。限度額は14万円から60万円まで人によって違うので、隣の人の申告書と比べても答えは出ません。3

では、令和8年に入居した人はどうでしょう。1年目は確定申告なので、この書類の出番は来年からです。4

残高証明書が付かない人もいる

「残高証明書が足りない」と催促する前に、入居した年を見てください。令和6年以後に入居し、借入先が調書方式に対応していれば、残高証明書は要りません。金融機関が税務署へ年末残高を出し、税務署から本人に知らせる仕組みだからです。5令和5年までの入居なら、今までどおり添えてもらいましょう。

調書方式の人は、申告書の「備考」欄に、対応する金融機関からの借入れである旨を書くので、見分ける目印になります。6

本人の受け取り方 届く時期の目安 年末残高の印字 残高証明書
調書方式で電子 毎年11月中旬頃 原則あり 要らない
調書方式で紙 入居2年目の11月下旬頃に各年分を一括 2年目の分だけ 要らない
証明書方式で電子 毎年10月頃 なし 添える
証明書方式で紙 入居2年目の10月下旬頃に各年分を一括 なし 添える

まず見てほしいのは2行目です。令和7年に入居した調書方式の人が紙で受け取ると、書類は11月下旬まで届かないかもしれません。回収を11月中旬で締めるなら、この人たちだけ締め切りを後ろに置くと、催促の行き違いが減ります。紙の人の3年目以降は残高が空欄で、本人が返済計画表を見て書くことになります。7

ちなみに電子で受け取った人が紙で出すなら、国税庁の「QRコード付証明書等作成システム」で書面にできます。データのまま出せるのは、令和元年以後の入居だけ。8会社の受け取り方は年末調整の電子化で説明しています。

2枚を並べて、上の行から追う

編集部の例で追ってみます。令和5年に入居し、夫婦の連帯債務でローンを組んだ人の1組です。

図解。令和8年分の住宅ローン控除で、見る書類と申告書の行の対応を示した図。例は令和5年に入居した新築、夫婦の連帯債務、証明書方式で、数字は編集部の例。金融機関の残高証明書の年末残高42,130,000円(令和8年12月31日の予定額)を①へ。控除証明書の連帯債務割合60.00%を掛けて②は25,278,000円。控除証明書の取得対価の額は家屋15,000,000円と土地等18,000,000円で33,000,000円、少ない方の③は25,278,000円。居住用割合100.0%で④は25,278,000円。申告書に印字された最高3,000万円以下で⑤は25,278,000円。⑤×0.7%は176,946円で、100円未満を切り捨てて⑥の住宅借入金等特別控除額は176,900円(最高210,000円)。⑥の額を源泉徴収簿の住宅借入金等特別控除額㉔へ写す。控除証明書の(参考)適用初年分の控除額186,400円は写さず、⑥がこの額以下かを見るだけ。補足として、控除額の欄は平成30年までの入居が⑭、令和元〜3年が⑧、令和4年以後が⑥。割合を掛け忘れると③が33,000,000円、⑤が3,000万円で止まり、⑥は210,000円で、正しい額より33,100円多い。調書方式なら、控除証明書の住宅借入金等の年末残高に関する事項か返済計画表の残高を①に書く。まとめは、見る順番は残高証明書の残高、控除証明書の3つの割合と額、最後に印字の率と上限で、⑥を写す前に②で本人の分になっているかを見る。
残高証明書と控除証明書を照らし合わせ、申告書の①から⑥をたどる流れ。数字は編集部の例作成: 編集部 / 出典: 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」ほか

真っ先に見たいのは②の行です。連帯債務の残高証明書には、夫婦2人分の残高が載っていますよね。割合を掛け忘れると、この例では⑤が3,000万円で頭打ちになり、⑥は210,000円。正しい額より33,100円多いのに、上限の内なので、ぱっと見では気づけません。⑥が上限ちょうどの人は、②を見直しておくといいのです。

割合は控除証明書の「連帯債務割合」で確認します。平成31年以後の入居で、令和2年10月以後に送られた証明書なら載っています。なければ、もう一人の連帯債務者に、申告書の「備考」欄へ負担額の文言と住所、氏名、勤務先を書いてもらうのです。9

もう一つ、控除証明書の下の「(参考)適用初年分の控除額」は写しません。今年の控除額ではないからです。でも、各年の計算結果がこの額を上回ることはないので、⑥と比べる物差しには使えます。10

繰上げ返済と借り換えは①から変わる

残高証明書の残高は、予定額で書かれていることがあります。そのあとで繰上げ返済をしたり返済が遅れたりすると、実際の残高とずれてしまいます。だから、実際の残高で申告書を出し直してもらいます。証明書方式の人は証明書を取り直し、調書方式の人は返済計画表などで確認する流れです。11

借り換えをした人は、新しいローンの当初金額が、借り換え直前の残高を上回るかどうかで分かれます。上回るなら、①に書くのは按分した額。たとえば直前の残高3,000万円を3,200万円で借り換え、年末残高が3,120万円なら、3,120万円×3,000万円÷3,200万円で2,925万円です。11調書方式でも、借り換えがあると残高が印字されないことがあります。7

引ききれない分は、住民税へ回る

算出所得税額㉓から控除額㉔を引き、102.1%を掛けるのはそのあとです。年税額より控除が大きければ年調所得税額㉕は0円になり、余った分は年末調整では切り捨て。12

図解。控除額㉔が176,900円の人(令和5年に入居)を、課税給与所得金額300万円と150万円で比べた図。数字は編集部の例。源泉徴収簿は、300万円の人が㉒3,000,000円、㉓202,500円、㉔176,900円、㉕25,600円、㉖26,100円(㉕×102.1%、100円未満切り捨て)。150万円の人は㉒1,500,000円、㉓75,000円、㉔176,900円、㉕0円、㉖0円。源泉徴収票の住宅借入金等特別控除の額は、300万円の人が176,900円、150万円の人が算出所得税額を限度に75,000円。住宅借入金等特別控除可能額は、300万円の人は書かず、150万円の人は㉔の額の176,900円。適用数は1、居住開始年月日(1回目)は令和5年○月○日、控除区分(1回目)は住。住宅借入金等年末残高は2件以上のときに書き、摘要は3件目以降の事項を書くので、この例では書かない。帯グラフは176,900円の行き先で、300万円の人は全額が所得税、150万円の人は所得税75,000円、翌年度の住民税75,000円、どこからも引かれない26,900円。住民税の額は176,900円−75,000円=101,900円と、上限の150万円×5%=75,000円の少ないほうで、上限は97,500円まで、居住年と取得の区分によって7%(136,500円まで)、実際の額は市区町村が決める。控除区分は、(令和5年中居住者用)などは住、(令和7年中居住者・認定住宅等用)などは認、年月日の横に(特定)は住(特)か認(特)、(特別特定)は住(特特)か認(特特)。まとめは、控除の額には実際に引いた額、控除可能額には㉔の額をそのまま書き、市区町村はこの内容をもとに翌年度の住民税で控除する。
控除額を引ききれる人と引ききれない人の源泉徴収簿と源泉徴収票、住民税への回り方。数字は編集部の例作成: 編集部 / 出典: 国税庁「令和8年分 法定調書の作成と提出の手引」ほか

つまり150万円の人の源泉徴収票には、「住宅借入金等特別控除の額」に実際に引いた75,000円、「住宅借入金等特別控除可能額」に㉔の176,900円を書きます。差額の101,900円ではありません。13

市区町村は、給与支払報告書の内容をもとに翌年度の住民税で控除します。従業員からも会社からも、市区町村への申告は要りません。会社の仕事は、この欄を正しく埋めること。

ただし、住民税の控除にも上限があります。前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円まで)か、居住年と取得の区分によって7%(136,500円まで)。150万円の人は上限が75,000円なので、26,900円はどこからも引かれません。14「全部戻りますか」と聞かれたら、所得が少ない年は残ることもある、と答えられます。還付の時期は年末調整の還付で説明しています。

摘要欄を使うのは、控除が3件以上ある人の3件目からです。年末残高の欄に写す額は、④の行(平成30年までの入居は⑤の行)にあります。15

受けられない人、書類がない人

控除を受けるには、12月31日まで引き続き住んでいることが条件です。家族が住み続けている単身赴任なら受けられますが、家族ごと転居して年末に住んでいなければ、その年からは受けられません。転勤で離れるなら、住まなくなる日までに本人が税務署へ届出書と未使用の申告書を出しておくと、戻ったあと、残りの期間で再び受けられます。その最初の年は確定申告です。16

給与が2,000万円を超える人など、年末調整そのものの対象でない人は年末調整2026の段取りの表で確認できます。

書類をなくしたときの窓口は発行元です。残高証明書は金融機関へ。税務署の用紙は、本人が所轄の税務署へ交付申請書を出します。年末調整に間に合わなくても、源泉徴収票を渡す翌年1月末日までに出してもらえれば、やり直せます。それも過ぎたら本人の確定申告です。17

回収した1組で確認すること

入居年と方式を名簿に1行ずつ残しておくと、来年は用紙を開く前にどの欄を見るかが分かります。「この人は⑧で1.0%」と言えるようになれば、引き継ぐときの説明も1枚で済みます。

2026年11月1日に、国税庁と総務省の資料で確認した令和8年分の内容です。金額の例は編集部が作ったもので、実在の人の数字ではありません。個別の判断は、税理士か所轄の税務署に相談してください。

注

  1. 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」30ページ ↩

  2. 「年末調整のしかた」29ページ、国税庁「住宅借入金等特別控除申告書の記載例」(以下「記載例」)。入居年によって名前に「(特定増改築等)」が付く ↩

  3. 「年末調整のしかた」30〜32、38〜39ページ。令和4年に入居した特別特例取得は率が1.0%、所得の上限が3,000万円 ↩

  4. 「年末調整のしかた」29ページ、タックスアンサーNo.1211-1 ↩

  5. タックスアンサーNo.1230、国税庁「年末残高調書を用いた方式に関するよくある質問」問1・問2 ↩

  6. 「記載例」記載例3、国税庁「年末調整手続の電子化FAQ」問5-57 ↩

  7. 「年末調整のしかた」29〜30ページ、国税庁「年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について」 ↩ ↩2

  8. 上記の交付時期の資料、「電子化FAQ」問1-9・問1-10 ↩

  9. 「年末調整のしかた」33ページ ↩

  10. 「記載例」記載例2・3の控除証明書 ↩

  11. 「年末調整のしかた」31ページ。一定の要件を満たす借り換えに限る ↩ ↩2

  12. 「年末調整のしかた」37〜39ページ ↩

  13. 「年末調整のしかた」39ページ、国税庁「令和8年分 法定調書の作成と提出の手引」7、17ページ ↩

  14. 総務省「個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります」 ↩

  15. 「法定調書の作成と提出の手引」9、11ページ ↩

  16. 「年末調整のしかた」29〜30ページ、タックスアンサーNo.1234 ↩

  17. 「年末調整のしかた」43ページ、国税庁「A1-39」の交付申請手続、No.1213のQ&A(Q5・Q7)。申請書の名前は「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」 ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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