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手形をやめたときの値引きに勧告、10月31日の国の情報まとめ

手形を現金払いに替えたときに始めた値引きは、今の取適法では認められません。11月に国が見る発注と残業の点、公表された送検406件の内訳も、来週の確認にそのまま使えます。

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手形をやめたときの値引きに勧告、10月31日の国の情報まとめ

この記事でわかること

  • 手形をやめて始めた値引きに勧告。16名分の計1,712万8,945円は全額支払い済み。
  • 11月は重点監督の月。36協定の範囲内か、賃金不払残業がないかを確認される。
  • 公表された送検406件を数えると、給与と手続きの話が152件で4割近い。
  • 法人の申告所得は118兆9,000億円で最高。ただし黒字の申告は37.3%。

手形から現金払いに替えたときに始めた値引きが、今も支払いの設定に残っていませんか。今の取適法では、手形をやめる代わりに金利の分を引く形は認められていません。

公正取引委員会は10月30日、約20年前の切り替えのときに減額を始めた会社に勧告しました。手形払いが禁止されたのは2026年1月ですから、最近切り替えた会社にも関わります。11月は発注と残業にも国の目が向く月。経理と労務で同じ週に見ておくと、手間が省けます。

手形をやめたときの値引きが、勧告の対象に

勧告の相手は、ボルトなどを製造販売する日工(大阪府八尾市)。資本金は3,000万円で、大企業に限った話ではありません。製造を頼んだ16名への代金から、2024年12月から2025年12月までに計1,712万8,945円を「値引き」の名目で差し引いていました。この額は10月5日に全額支払っています。1

公取委の概要によると、減額の始まりは約20年前、支払いを手形から現金に替えたときでした。下請法の時代は、相手の希望で一時的に現金払いにする場合に限って、短期の調達金利に当たる額を引く「金利引き」が認められていたのです。ところが、この会社は現金払いを長く続けていたので、一時的な変更には当たらないとされました。

手形払いそのものを禁じた今の法律に、その例外はありません。

相手が了承していても、名目が歩引きや協賛金でも、相手に責任がなければ減額です。だから、項目の名前では判断できません。支払いの設定にある控除のうち、なぜ引いているのかを今の担当者が説明できないものが、最初の確認先になります。対象の判定は取適法の決まりで読めます。

公正取引委員会が2026年10月30日に勧告した件の経緯。資本金3,000万円の会社がボルトなどの製造を16名に委託。約20年前に支払いを手形から現金に替えたときに減額を始め、2024年12月から2025年12月に、代金に一定率をかけるなどした額を値引きの名目で計1,712万8,945円差し引いた。2026年1月に下請法が取適法に改まり手形払いが禁止。10月5日に全額を支払い、10月30日に勧告。下請法のころは、相手の希望で一時的に手形から現金払いに替える場合に限り短期の調達金利に当たる額を差し引けた。この件は現金払いを長く続けていたので一時的な変更に当たらない。今の取適法では手形払いが禁止され、同じ形の金利引きは認められない。勧告で求められたのは、違反の事実と今後は減額しないことを取締役会の決議で確認する、発注担当者に取適法の研修を行うなど体制を整える、勧告の内容と措置を役員と従業員に周知する、取引先に通知する、公正取引委員会に報告する、の5つ。
手形をやめたときに始めた値引きの経緯と、勧告で求められたこと作成: 編集部 / 出典: 公正取引委員会

11月は、発注と残業に国の目が向く

11月は「しわ寄せ」防止キャンペーン月間です。厚生労働省が中小企業庁や公取委と組んで進めます。2大企業が働き方を見直した結果、費用を負担しないまま短い納期や急な仕様変更を取引先に回してしまう。そんな例があるためで、おそれのある大企業などには、都道府県労働局が訪ねて要請します。

発注する部署に届けたい一文が、リーフレットにあります。「残業代などのコストは委託者が負担しましょう!」。急ぎの変更を頼むなら、増える費用の話も同じメールに書いておけばいいのです。受ける側の相談先は、取引かけこみ寺(0120-418-618)です。

この1か月は、過重労働解消キャンペーンの期間でもあります。3重大で悪質な違反は送検して公表します。同じ条項で1年に2回以上の是正勧告を受けるなどすると、ハローワークが一定の期間、求人を受け付けません。採用の担当者にも人ごとではないはずです。

11月7日(土)の9時から17時は、労働基準監督官が無料で電話相談に応じます。番号は0120-794-713で、問題のある事業場の情報も受け付けます。

送検406件のうち、4割近くは給与と手続きの話

厚労省が10月30日に更新した公表事案の一覧には、2025年10月から2026年9月までに公表された406件が載っています。全件が送検です。工事現場や工場の話ばかりに見えますよね。

そこで編集部で、違反の中身を1件ずつ分けて数えてみました。作業現場の安全衛生は254件で、残る152件は給与や労働時間、届出の話です。4

いちばん多い賃金の不払いは76件で、どれも定期賃金そのものを払わなかった事案です。次が労働者死傷病報告の42件。労働災害を届け出なかったり、虚偽の内容で出したりしたものです。

9月の公表分には、人事の机に近い事案も出てきました。労働条件を書面などで示さなかったものが3件、年次有給休暇のうち5日の時季を定めて与えなかったものが1件。この2つの区分は、12か月の中で9月にしかありません。偶然かもしれませんが、どちらも手元の記録ですぐ確認できます。

厚生労働省の公表事案の一覧(2025年10月1日から2026年9月30日の公表分、全件が送検)を、編集部が違反法条と事案の概要で1件1区分に分けて数えた図。作業現場の安全衛生254件、賃金の不払い76件、労働者死傷病報告42件、時間外・休日労働29件、労働条件の明示3件、割増賃金の不払い1件、年次有給休暇1件。作業現場の安全衛生を除くと152件で406件の37.4%。9月に公表された58件の内訳は、作業現場の安全衛生28件、賃金の不払い15件、労働者死傷病報告9件、労働条件の明示3件、時間外・休日労働2件、年次有給休暇1件。11月の重点監督で確認するのは、時間外と休日の労働が36協定の範囲内か、賃金不払残業がないか、労働時間を適正に把握しているか、長時間働く人に医師の面接指導などを講じているか、の4点。対象は、過労死等の労災請求があった事業場、時間外と休日の労働が月80時間を超えていると考えられる事業場、離職率が極端に高いなど問題があると考えられる事業場など。
公表された送検406件の内訳と、11月の重点監督で確認する4点作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省

申告所得は過去最高、黒字の申告は37.3%

法人の申告所得は6年続けて増え、過去最高になりました。国税庁の集計です。5

項目 前年度 今回 増減
申告所得金額 102兆3,381億円 118兆9,000億円 16.2%増
申告税額 18兆7,139億円 21兆9,962億円 17.5%増
黒字申告の割合 36.5% 37.3% 0.8ポイント増
源泉所得税等の税額 20兆3,445億円 23兆8,314億円 17.1%増
うち給与所得 12兆3,694億円 14兆2,558億円 15.3%増

金額だけ見ると好調そのものです。でも、黒字で申告した法人は4割に届きません。給与所得の源泉税も、前の事務年度は前の年の95.1%に減っていたので、増えた率だけで賃金の伸びと読まないほうがよさそうです。増減の理由は資料に書かれていません。

経理の手元に近いのはe-Taxの数字です。法人税の利用率は91.8%ですが、財務諸表などの添付書類まで送った割合は70.3%にとどまります。送りやすくするため、国税庁は財務諸表をCSV形式で作れる簡易作成ツールを公開する予定です。時期はまだ示していません。

総務と人事が見ておきたい、ほかの4件

厚労省は10月30日、所管の事業者と関係団体に、不正アクセスへの対策を徹底するよう呼びかけました。6特定の1件ではなく、大量の個人情報を持つ事業者への侵入が相次いでいるためです。国家サイバー統括室の文書には、総務と人事で動ける項目もあります。退職者や異動者のアカウントを速やかに無効化すること、保存期間を過ぎた情報を廃棄すること、委託先の業務が終わったらデータを削除してもらうこと。技術の話は情シスの相棒の10月30日のまとめに、ガイドラインの更新案は安全管理措置の記事にあります。

取引のある金融機関の情報流出を心配する社員には、金融庁の金融サービス利用者相談室を案内できます。電話は0570-016811、平日10時から17時です。7

労働者を1人でも雇っていれば、労働保険の手続きが要ります。11月は未手続の会社をなくす強化期間なので、創業して間もない会社は一度見ておくとよさそうです。8

11月の人材開発促進月間に合わせて、働く人向けと事業主向けの支援策の案内も令和8年10月版になりました。9社内で配っている案内が古ければ、差し替える機会です。

代表者の住所を市区町村までにとどめる措置は、12月1日から合同会社の代表社員などにも広がります。段取りは住所非表示の記事をどうぞ。

影響する会社は、外注と残業で分かれる

製造や修理、運送などを外注し、代金から何かを引いて払っている会社には、勧告の話がそのまま関わります。手形を使ったことがなくても、値引きや協賛金の名目で引いていれば同じです。ただ、外注がない会社や、資本金と従業員数の基準から取適法の対象にならない取引なら、影響はありません。

重点監督はすべての会社に一律に来るものではありませんが、時間外と休日の労働が月80時間を超える人がいる会社は、対象に入り得ます。

11月の第1週に確認すること

  1. 経理は、支払いの設定を開き、代金から差し引いている項目を書き出します。
  2. 購買は、項目ごとに、始めた時期と理由を書き足します。
  3. 労務は、10月の時間外と休日の労働が36協定の範囲に収まっているかを見ます。
  4. 人事は、今年入社した人の労働条件通知書の控えがそろっているかを見ます。
  5. 総務は、退職者のアカウントが残っていないかを情シスに聞きます。

発表の一覧と期限

発表 出した機関 主に関わる部門 期限・時期
日工への勧告(下請代金の減額) 公正取引委員会 経理・購買 10月30日
「しわ寄せ」防止キャンペーン月間 厚生労働省 購買・発注部署 11月
過重労働解消キャンペーンと電話相談 厚生労働省 労務・人事 11月1日〜30日、電話相談は11月7日(土)
労働基準関係法令違反の公表事案 厚生労働省 労務・総務 10月30日に更新
法人税等の申告事績 国税庁 経理 2025年度の集計
不正アクセスへの注意喚起と相談窓口 厚生労働省・金融庁 総務・人事 10月30日
労働保険未手続事業一掃強化期間 労働局 総務・労務 11月
人材開発促進月間と支援策の案内 厚生労働省 人事 11月

まず目を通すなら、上の3行です。部門の分け方は編集部の目安です。

差し引きの項目に「いつから」の欄を1つ足しておく。それだけで、次に取引先や監査から聞かれたとき、年数で答えられるようになります。

この記事は2026年10月31日時点の発表にもとづきます。自社に当てはめるときに迷ったら、公正取引委員会の窓口や顧問の社会保険労務士、税理士に問い合わせると確実です。

注

  1. 公正取引委員会「株式会社日工に対する勧告について」2026年10月30日。改正前の下請法第4条第1項第3号 ↩

  2. 厚生労働省「11月は『しわ寄せ』防止キャンペーン月間です」2026年10月30日 ↩

  3. 厚生労働省「過重労働解消キャンペーン」「過重労働解消相談ダイヤル」 ↩

  4. 厚生労働省「労働基準関係法令違反に係る公表事案」2026年10月30日掲載。区分と件数は編集部の集計 ↩

  5. 国税庁「令和7事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」。法人税は2025年度、源泉所得税等は2025年7月〜2026年6月の集計 ↩

  6. 厚生労働省の注意喚起、国家サイバー統括室「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた対応について」2026年10月9日 ↩

  7. 金融庁「金融サービス利用者相談室」 ↩

  8. 茨城労働局「労働保険未手続事業一掃強化期間」 ↩

  9. 厚生労働省「11月は『人材開発促進月間』です」2026年10月30日 ↩

出典・参考

この記事は、下の監修者が内容を確認しました()。

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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