2026年10月22日の昼から23日の昼までに国が出した発表のうち、総務・人事・労務・法務・経理の担当者が押さえておきたいものをまとめました。前日のまとめで取り上げた個人情報保護委員会の規則改正案や協会けんぽの電子申請の停止などは繰り返さず、バックオフィスの国の情報まとめ 2026年10月22日 個人情報保護の規則改正案と賃上げ調査にあります。
今日の発表
労災保険法の改正に伴う政令案の意見募集(11月23日17時まで)
- 何が出たか: 厚生労働省は10月22日、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律(令和8年法律第60号)の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案の意見募集を始めました。受付は11月23日(月)17時までで、郵送は必着です。
- 何が変わるか: 概要の柱は二つです。一つは、社会復帰促進等事業の決定に対する審査請求・再審査請求の対象になる事業を政令で定めること。もう一つは、労災保険給付などを請求できる期間(消滅時効)が5年に延びる疾病を政令で定めることです。
- 5年になる疾病: 脳血管疾患・心臓疾患、精神疾患、石綿を吸入して起きる疾病で、それぞれ厚生労働省令で定めるものです。船員保険の休業手当金と、労働基準法の災害補償の請求権にも同じ考え方を広げ、割増賃金の率の最低限度を定める政令の題名を「労働基準法施行令」に改める案です。
- 予定: 公布は令和8年12月、施行は令和9年4月1日です。案から変わる可能性があります。
- 会社でやること: 概要には、会社に新しい手続を求める内容は書かれていません。労務は、施行までに労災の請求を案内する社内の手順に影響がないかを確かめ、意見を出すかを11月23日までに決めます。問い合わせ先は厚生労働省労働基準局労災管理課(03-3502-6292)です。
改正法の中身(遺族補償年金の夫の要件の撤廃と、時効が5年になる疾病)と会社がすることは、労災保険法の改正で会社がすること 2027年4月施行の遺族年金と時効の見直しにまとめています。
雇用保険法施行規則の改正(10月22日公布)
厚生労働省は、産業雇用安定助成金に令和8年熊本地震災害特例人材確保支援コースを加える省令(令和8年厚生労働省令第149号)を10月22日に公布しました。緊急に定める必要があるため、意見公募はしていません。対象や申請の段取りは雇用保険法施行規則を改正、熊本地震の特例助成金コースを新設で整理しています。
助成率(中小企業4/5・それ以外2/3)、上限(1人1日9,110円)、計画届と支給申請の期限は、熊本地震特例の産業雇用安定助成金 出向の要件・助成額・申請手順と期限で厚生労働省の支給要領とガイドブックから整理しました。
毎月勤労統計調査の2026年8月分確報(10月23日)
厚生労働省が公表した事業所規模5人以上の結果では、現金給与総額は311,563円(前年同月比3.9%増)、パートタイム労働者の時間当たり給与(所定内給与)は1,478円(4.7%増)でした。持家の帰属家賃を除く消費者物価指数で実質化した現金給与総額は、前年同月比1.6%増です。パートの時給を決める場面での使い方は、パートの時給の決め方と相場 毎月勤労統計と最低賃金で自社の水準を確かめるで扱います。
王子コンテナーへの勧告と段ボール業界への要請(10月22日)
- 何が出たか: 公正取引委員会は10月22日、王子コンテナー株式会社に、改正前の下請法に基づく勧告をしました。下請事業者140名に印版・木型・金型計9,610個を貸し、長期間発注しないのに保管費を負担せず、遅くとも令和6年6月1日から令和7年11月26日まで保管させたことが、不当な経済上の利益の提供要請に当たるとされました。
- 勧告の内容: 保管費に相当する額のうち、令和8年7月までに127名へ支払った分を除いた額を、公正取引委員会の確認を得て速やかに支払うことです。
- 業界への要請: 同じ日、公正取引委員会・中小企業庁・経済産業省は全国段ボール工業組合連合会に、リーフレットの周知、会員企業への法令遵守の働きかけ、無償保管の商慣習の見直しを要請しました。この1年で同じ型の勧告は2件です。
- 対象: 取引先に金型・印版・木型などを貸したまま預けている製造業の会社です。令和8年1月以降の委託には取適法が適用されます。
- 会社でやること: 預けている型の一覧と、最後に発注した時期を総務・購買で確かめ、保管費を決めて支払う取り決めがあるかを見直します。詳しくは発注のない金型・印版の無償保管は取適法違反ににあります。勧告の記事は公正取引委員会、王子コンテナーに勧告、要請の記事は段ボール業界に印版等の無償保管見直しを要請です。
物流効率化法の省令・基本方針の意見募集の結果(10月21日公布)
前日のまとめで「見つけられていない」とした、物流効率化法の関係の意見募集の結果が国土交通省から出ていました。
- 省令(関係省令の整備): 意見12件、案の修正なし。
- 中継輸送の基本方針: 意見16件、案の修正なし。
- 国土交通大臣の定める基準: 意見4件、案の修正なし。
- 政令: 意見0件、案の修正なし。
- いずれも結果の公示日と公布日は10月21日です。荷主の会社に新しい手続が増える内容は、結果の画面からは確かめられていません。
JILPTの調査シリーズNo.270(10月23日)
労働政策研究・研修機構は、無期転換した非正社員と、非正社員から正社員への転換の調査をまとめました。法令の改正ではありません。企業調査の有効回収は3,944社で、有期雇用から無期雇用に転換した人を正社員に転換する仕組みがある企業は、フルタイムで69.5%、パートタイムで56.9%でした。一方、その人を「いずれ正社員として登用する可能性がある」とする企業は、フルタイムで2割強、パートタイムで1割強です。人事は、無期転換後の人の処遇と登用の道筋を点検する材料にできます。
消費者物価指数の2026年9月分(10月23日)
総務省統計局によると、2025年を100として、総合指数は102.2で前年同月比2.1%の上昇です。生鮮食品を除く総合は102.3(2.1%上昇)、生鮮食品とエネルギーを除く総合は102.8(2.4%上昇)でした。経理・人事は、賃上げや取引価格の見直しの参考にします。
労働条件分科会が裁量労働制の論点を議論(10月23日)
第213回労働政策審議会労働条件分科会が10月23日に開かれ、裁量労働制の論点の資料が出ました。7月21日に閣議決定された日本成長戦略が、濫用防止措置を前提に対象の在り方を見直す検討を挙げているためです。資料には「拡充すべき」と「拡充や緩和はすべきでない」の両方の意見が並び、結論は出ていません。裁量労働制を使っている会社の今の運用は、この資料では変わりません。
台風30号による沖縄の窓口の閉鎖(10月23日)
日本年金機構は、平良年金事務所と石垣年金事務所を10月23日8時30分から閉鎖しています。再開は機構のホームページで知らせるとしています。法務省の業務支障情報では、福岡出入国在留管理局那覇支局の石垣港出張所と宮古島出張所も10月23日朝から閉庁で、再開は未定です。沖縄に事業所や外国人の従業員がいる会社は、期限のある届出や在留の手続を、再開後の窓口で確かめます。年金の加入の問い合わせは、事業所向けのねんきん加入者ダイヤル(0570-007-123)が受け付けています。












