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副業の就業規則の確認 禁止・許可制・届出制を見分ける3か所の読み方

副業を始める前に、自分の会社の就業規則で、禁止・許可制・届出制のどれに当たるかを確認する手順です。副業の決まりは「副業・兼業」の章のほか、遵守事項や懲戒の事由に1行で書かれていることもあります。文言の読み分け方と、人事に聞く文例、許可や届出を出す文例も載せています。

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副業の就業規則の確認 禁止・許可制・届出制を見分ける3か所の読み方

この記事でわかること

  • 副業の扱いは、専用の章のほか、服務規律の遵守事項や懲戒の事由に分けて書かれていることがある。
  • 条文が「できる」で終わり届出が続けば届出制、「許可なく」で始まる禁止の書き方なら許可制と読める。
  • アルバイトのように雇われる副業は本業と時間を合わせて数えるため、副業先の勤務時間も伝える。
対象新人・若手

社内ポータルで就業規則のPDFを開いて、「副業」で検索する。結果は0件。では、副業は自由に始めていいのでしょうか。

そうとは限りません。副業の決まりは、「副業・兼業」という章のほかに、服務規律の遵守事項や懲戒の事由の中に、「他の会社等の業務に従事しない」のような言葉で書かれていることがあるからです。厚生労働省のモデル就業規則も、2018年1月に改定されるまでは、副業の決まりを遵守事項の1行にしていました。1

読む場所は3か所。条文の書き方を見れば、自分の会社が禁止なのか、許可制なのか、届出制なのかが見分けられます。

副業の決まりは、3か所に分かれている

日の差し込む自宅の木の机で、ローズ色のカーディガンを着た30代前半の女性が、ノートパソコンで会社の規則を落ち着いて読んでいる。手元には灰色の線だけが描かれた書類が数枚と、ペンを載せたノート、紅茶のマグ、観葉植物がある。
副業を始める前に、自分の会社の就業規則を読むイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

厚生労働省のパンフレットは、働く人に向けて「既に会社で働いている人が、副業・兼業を行うことが可能かどうかは会社によって異なります。」と書いています。2友人の会社の話やネットの体験談ではなく、自分の会社の規則が答えになるのです。

就業規則には、社員がいつでも見られるようにしておく決まりがあります。職場への掲示や備え付け、書面の配布、パソコンでいつでも見られるようにする方法のどれかです。3入社のときにもらった書類や、社内ポータルの規程集を探してみてください。見つからなければ、人事や総務に置き場所を聞いてかまいません。

合理的な内容の就業規則が周知されていれば、その内容は一人ひとりの労働契約の中身にもなります。4副業の扱いも、その一部です。

常時10人以上が働く事業場には、就業規則を作って届け出る義務があります。510人に満たない職場で規則が無ければ、雇用契約書や労働条件通知書を読みます。

パートや契約社員の人は、自分に当てはまる規則が本体とは別になっていることもあります。モデル就業規則も、パートタイム労働者の就業に関する事項は「別に定めるところによる」としています。6規則の最初にある適用範囲の条で、自分がどの規則の対象かを先に見ておくと迷いません。

規則を開いたら、次の3か所を順に読みます。

  1. 「副業・兼業」の章や条を探す。今のモデル就業規則には、この章があります。
  2. 服務規律の「遵守事項」を読む。改定前のモデルは、ここに「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」と書いていました。
  3. 懲戒の事由を読む。改定前のモデルは、遵守事項に違反したときを、けん責や減給、出勤停止の事由にしていました。

2か所目と3か所目はセットで読みます。遵守事項で副業を許可制にし、守らなかったときの処分を懲戒の事由に置く。改定前のモデルは、そういう組み立てでした。

だから、検索の言葉も「副業」だけでは足りません。「兼業」「他の会社」「従事」「許可」「届出」でも探してみてください。

冒頭の0件のPDFも、どれかの言葉で見つかるかもしれません。

「できる」か「しないこと」かで、型を見分ける

見つけた条文はまず、文の終わり方で読み分けます。「〜できる」で終わるのか、「〜してはならない」「〜しないこと」で終わるのか。次に、「許可」と「届出」のどちらの言葉が入っているかを見ます。

表の文言はモデル就業規則の条文と、編集部が作った例です。実在の会社の規則ではありません。

文言の例 型 読み方 次にすること
「勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」のあとに、届出に基づいて会社が禁止や制限をできる場合が続く(今のモデル就業規則) 届出制 原則としてできる。届け出た中身が制限の場合に当たるときだけ、会社が禁止や制限をする 始める前に、決められた方法で届け出る
「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」(改定前のモデルの遵守事項) 許可制 会社の許可を得てから始める 許可を申し出て、返事を待つ
副業をするときは事前に届け出ること。ただし、同業の会社で働くときは許可を要する(作成例) 届出制と許可制の組み合わせ 副業の中身で、手続きが分かれる 自分の副業がどちらに入るかを読む
在職中は、他の会社等の業務に従事してはならない(作成例) 禁止 文言の上では一律に禁止 認められる余地があるかを人事に聞く
副業に触れた条文が見当たらない 定めなし 規則からは判断できない 契約書を読み、人事に確認する

読み違えやすいのは1行目の届出制です。

届け出れば何をしてもよい、という意味ではありません。同じ条の中に、会社が禁止や制限をできる場合が書かれています。今のモデル就業規則が挙げるのは、次の4つです。7

  • 労務提供上の支障がある場合
  • 企業秘密が漏洩する場合
  • 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
  • 競業により、企業の利益を害する場合

硬い言葉が並びますね。

ふだんの言葉に直すと、本業に差し支えるほど働く、会社の秘密を持ち出す、会社の評判を落とす、本業の会社と競り合う、の4つです。許可制でも届出制でも、自分の副業がこのどれにも当たらないと説明できれば、話はぐっと進めやすくなります。

懲戒の事由も、最後に目を通しておきます。改定前のモデルのように「第○条に違反したとき」と条の番号だけを書く形なら、その条に副業の1行がないかをたどります。副業を名指しした事由があれば、手続きを飛ばしたときの処分が、規則にはっきり書かれているということです。

就業規則で副業の決まりを読む3か所と文言の型の図。読む場所は、今のモデル就業規則の第14章にあたる副業・兼業の章や条、改定前のモデルが「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と書いていた服務規律の遵守事項、遵守事項の違反をけん責・減給・出勤停止の事由にしていた懲戒の事由の3か所。文言の型は、従事することができると書いて届出に基づき禁止や制限ができる届出制、許可なく従事しないこととする許可制、届出を基本に同業は許可を要する組み合わせ、従事してはならないとする禁止、条文が見当たらない定めなしの5つで、それぞれ次にすることを示す。届出制でも会社が禁止や制限できるのは、労務提供上の支障、企業秘密の漏洩、名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為、競業の4つの場合。禁止とあっても、ガイドラインは原則認める方向での検討を企業に求めているが、妥当かは個々のケースで判断される。
就業規則の副業の決まりを読む3か所と、禁止・許可制・届出制の見分け方作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「モデル就業規則」「副業・兼業の促進に関するガイドライン」ほか

「禁止」と書いてあっても、そこで終わりではない

規則に「従事してはならない」とあると、それだけで諦めたくなりますよね。

でも、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、裁判例を踏まえて「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり」と書いています。会社が制限できるのは、例えば先ほどの4つに当たる場合です。そのうえで、副業を禁止したり一律に許可制にしたりしている企業には、自社の業務に支障があるかを精査し、なければ原則として認める方向で検討することを求めています。8

ただし、これは会社に向けた考え方です。規則の「禁止」が、それだけで効かなくなるわけではありません。ガイドラインのQ&Aも、禁止や制限が妥当かどうかは「個々のケースに応じて慎重に判断されるもの」としています。9

モデル就業規則の解説が紹介する裁判例にも、両方の結論があります。10

  • 運送会社が、準社員のアルバイトの許可申請を4度断った事案。後の2回は断る理由がなかったとして、損害賠償の請求が慰謝料の分だけ認められました。
  • 大学の教授が、許可を得ずに語学学校で教えていた事案。夜間や休日の副業で本業への支障は認められないとして、懲戒解雇は無効とされました。
  • 毎日6時間、深夜に及ぶ無断の兼業を理由にした解雇。裁判所は、会社への労務の提供に支障を来すおそれが高いとして、解雇を有効と判断しました。

禁止と書かれた会社で、黙って始めるのはいちばん避けたい道です。

人事に、どんな副業なら認められる余地があるかを聞くところから始めるのが近道でしょう。ガイドラインは、副業について相談や自己申告をしたことを理由に、不利益な取扱いをすることはできないとしています。

雇われる副業か、業務委託の副業か

届出や許可の申し出に何を書くかは、副業が雇われて働く仕事か、そうでない仕事かで変わります。

業務委託で受ける仕事も、副業に入ります。モデル就業規則の解説によると、副業・兼業には、ほかの会社に雇われる形のほか、事業主として行うものや、請負・委託・準委任の契約で行うものも含みます。11週末に受けるデザインや文章の仕事も、規則の上では届出や許可の対象になりえます。

雇われて働く副業なら、労働時間の話がついてきます。労働基準法は、事業場が違っても労働時間を合わせて数えると定めていて、事業主が違う場合も含みます。12本業と副業を合わせて1日8時間、週40時間を超えた部分は法定外の労働です。時間外と休日の労働の合計には、単月100時間未満、複数月平均80時間以内の上限もかかります。13会社が副業先の所定労働時間や始業と終業の時刻を聞くのは、この通算のためなのです。

業務委託や起業のように雇われない副業では、労働時間は通算されません。それでもガイドラインは、長時間にならないよう配慮することが望ましいとしています。何曜日の何時ごろ、月に何時間ほど使うのかを書き出しておくと、人事との話が早く進みます。

厚生労働省が公開している「副業・兼業に関する届出様式例」の欄を並べると、そろえておく情報が見えてきます。14

  • 副業の形態(雇用か、非雇用か。非雇用なら業務の内容)
  • 副業先の事業所の名称と住所
  • 副業先の事業内容と、自分が受け持つ業務の内容
  • 労働契約の締結日と契約期間
  • 所定労働日、所定労働時間、始業と終業の時刻
  • 所定外労働の見込み(1日、週、1か月の時間)

2行目から下の欄は雇われる副業のときに書くものです。様式例には、内容が変わったら届け出ることと、必要に応じて副業先での実労働時間を報告することへの確認も入っています。

副業の届出や許可の前にそろえることの図。アルバイトやパートなど雇われる副業は、事業主が違っても本業と労働時間を通算し、合わせて1日8時間、週40時間を超えた部分は法定外の労働で、時間外と休日の労働の合計は単月100時間未満、複数月の平均80時間以内。業務委託や起業、顧問など雇われない副業は通算しないが、長時間にならない配慮が望ましい。厚生労働省の届出様式例の欄は、副業の形態、事業所の名称と住所、事業内容と従事する業務、労働契約の締結日と期間、所定労働日と所定労働時間、所定外労働の見込み、確認事項。4つの制限の場合に当たらない理由を、時間、情報の扱い、副業の中身、相手先と業種の事実で書く文の例つき。
副業を届け出る前・許可を申し出る前にそろえること作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」「副業・兼業に関する届出様式例」・労働基準法

人事に聞くとき、許可や届出を出すときの文例

いきなり申請書を出す前に、手続きを一度聞いておくと、行き違いが減ります。会社に決まった様式があれば、そちらを使ってください。数字や名前は、自分の場合に置き換えて使えます。

許可の文例には、さきほど挙げた4つの場合に当たらない理由を、一文ずつ入れました。本業への支障は時間で、秘密は情報の扱いで、名誉や信用は仕事の中身で、競業は相手先で説明する形です。人事が知りたいことに先回りして答えておくと、確認のやりとりが1往復で済むかもしれません。

副業を始める前の確認表

最後の控えは地味ですが、あとで効いてきます。様式例が、内容が変わったら届け出ることを確認事項にしているように、副業の手続きは最初の1回で終わりではありません。時間を増やす、相手先が変わる。そんなときも、前に出した内容があれば、何が変わるのかをすぐに伝えられます。

0件の検索から、堂々と始められる副業へ

規則の読み方で迷ったら、まず人事や総務に聞きます。社内では聞きにくいときは、都道府県労働局や労働基準監督署などにある総合労働相談コーナーで、予約なし、無料で相談できます。15税金は窓口が別で、所得税は税務署、住民税は住んでいる市区町村です。税金の準備は副業の確定申告の準備で、会社が副業の決まりを作る側の考え方は副業の割合と、副業届の決め方で説明しています。

「副業」で0件だったPDFも、3か所を読めば、会社の考え方が見えてきます。手続きを踏んで始めた副業なら、そこで身につけたことを、本業の面談でも隠さずに話せます。

この記事は、2026年10月29日時点の労働基準法と、厚生労働省のガイドライン、モデル就業規則(令和7年12月)で確認した内容です。自分の事情での判断に迷うときは、社会保険労務士や弁護士に相談してください。

注

  1. 厚生労働省「柔軟な働き方に関する検討会」報告(2017年12月25日)の別添4「モデル就業規則改定(案)(副業・兼業部分)」。改定前のモデル就業規則の第11条第6号と第62条第1項第7号。改定の時期は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の1(3)。 ↩

  2. 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット(令和7年3月31日改定版)の「労働者のみなさまへ」 ↩

  3. 労働基準法第106条第1項、労働基準法施行規則第52条の2 ↩

  4. 労働契約法第7条 ↩

  5. 労働基準法第89条 ↩

  6. 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月)第2条第2項 ↩

  7. 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月)第14章の第70条第2項 ↩

  8. 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定)の1(2)と3(1) ↩

  9. 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A(令和4年7月13日改定版)の問1-20 ↩

  10. マンナ運輸事件(京都地判平成24年7月13日)、東京都私立大学教授事件(東京地判平成20年12月5日)、小川建設事件(東京地決昭和57年11月19日)。厚生労働省「モデル就業規則」第70条の解説にある要旨から。 ↩

  11. 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月)第70条の解説 ↩

  12. 労働基準法第38条第1項、昭和23年5月14日付け基発第769号 ↩

  13. 厚生労働省「副業・兼業時の労働時間の通算のポイント」、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の3(2) ↩

  14. 厚生労働省「副業・兼業に関する届出様式例」 ↩

  15. 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 ↩

よくある質問

Q入社する前から続けている副業も、届け出が要りますか。

Aガイドラインは、会社が副業を把握する方法として、新しく雇い入れるときに副業の有無や内容を届け出てもらうことも挙げています。入社する会社の規則で手続きを見て、入社のときに伝えておくと、あとで慌てずに済みます。

Q管理職になると、副業の扱いは変わりますか。

A管理監督者には労働時間の規制が適用されないため、本業と副業の労働時間を合わせて数える対象から外れます。ただしガイドラインは、管理監督者も自分で業務量や健康の状態を管理する必要があるとしています。働き方の区分を理由に副業を制限できるかについて、Q&Aは、制限できるのは本業への支障などの場合で、妥当かは事案ごとに判断されると答えています。

出典・参考

この記事は、下の監修者が内容を確認しました()。

執筆

ベンチャー・スピリット!編集部AIにより執筆

書いた AI: AI記者(解説)

法令・官公庁の資料・公的な統計などの一次情報を調べて、バックオフィスの仕事・ビジネスマナー・会社のしくみの解説記事と図解を書きます。数字と日付は出典と照らして確かめ、記事の最後に出典を載せています。使っているAI: Anthropic Claude。

監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

メモ: 掲載時に自動で(しばらくの間)

記事は AI が一次情報を調べて書き、機械の検査を通してから公開しています。人が見ているもの・見ていないものはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら、記事の最後に何を直したかを書きます。

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