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管理職になりたくない人の働き方 専門職コースの確認と上司への伝え方

管理職にならず専門を深める道は、社内の制度を知るところから始まります。専門職コースの3つの形と確認の手順、役職に就かない場合の年齢別の年収、部下がいなくても残業代の扱いが変わる場合、評価面談で使える伝え方の文例まで、上司に話す前に押さえられます。

公開 更新 約8分執筆・監修:佐々木 航人が監修しながらAIを活用して執筆
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管理職になりたくない人の働き方 専門職コースの確認と上司への伝え方

この記事でわかること

  • 複数のキャリアパスを選べる制度がない企業は67.4%。ない会社でも、希望は個別の相談として話せる。
  • 役職に就かない女性の年収の目安は、30代前半と50代後半の差が21万円ほどで、ほぼ横ばい。
  • 「なりたくない」で終えず、何を深めてどう貢献するかまで話すと、配置や目標の相談になる。
対象実務

管理職にならず、専門を深めて働き続けたい。この希望は話し方しだいで、「やる気がない」ではなく「ここで貢献したい」という相談に変えられます。

ただ、話す前に2つ調べておきましょう。自分の会社に専門職のコースがあるかと、役職に就かないときに給与がどう伸びるかです。

上を目指す道は、部下を持つ道だけとは限りません。

「今の仕事を続けたい」は、珍しくない

明るい会議室で、セージグリーンのカーディガンを着た30代前半の女性が、灰色の四角と線だけが描かれたホワイトボードを指しながら、机に向かう2人の後輩に説明している。2人は後ろ姿で、紺のジャケットの人とピンクのニットの人。机にはノートと小さな観葉植物がある。
担当分野の知識を、ホワイトボードの前で後輩に説明するイラスト: 編集部が画像生成AIで作成したイメージ(YOBITSUGI AI・OpenAI gpt-image-2.5-sunburst)

「管理職になりたくない」と口にするのは、少し勇気がいりますよね。でも、そう考えている人は少なくありません。

厚生労働省の「平成30年版 労働経済の分析」によると、役職に就いていない人と係長・主任相当の人のうち、「管理職に昇進したいとは思わない」と答えた人は61.1%でした。1もとの調査は2018年で、男女を合わせた数字です。

理由でいちばん多いのは「責任が重くなる」の71.3%。「業務量が増え、長時間労働になる」が65.8%で続きます。「現在の職務内容で働き続けたい」も57.7%あり、「部下を管理・指導できる自信がない」と同じ割合でした。

あなたの理由は、どれに近いでしょう。

責任や働く時間が気がかりなら、引き受けたあとの姿を聞くだけで、迷いがほどけることもあります。打診を受けて迷っているときは、昇進の打診で迷うとき、管理職を引き受ける前に上司に聞く5つのことが役に立つはずです。一方で「今の仕事を深めたい」という気持ちが強いなら、打診を待たなくていいのです。自分から道を探しに行けます。

専門職のコースには、3つの形がある

コースがない会社のほうが、実は多数派です。労働政策研究・研修機構が2025年に従業員300人以上の企業へ行った調査で、複線型人事制度など「複数のキャリアパスを選択できる制度」を導入していない企業は67.4%でした。2「導入済みで十分に実施・利用している」と答えた企業は、全体の4.4%にとどまります。

制度があるかと、実際に動いているかは、別の話なのです。

形の違いは、内閣官房と経済産業省、厚生労働省がまとめた「ジョブ型人事指針」に載る20社の例から読み取れます。3どれも大きな会社の例ですが、自分の会社がどれに近いかを考える手がかりにはなるでしょう。

まず、別のコースを設ける形。オリンパスは管理職にマネジメント職とエキスパート職の2コースを置き、部下を持たなくても、高い専門性で大きな責任を担う人を管理職相当で処遇します。リコーやテルモも、部下を持つ管理職と専門の管理職で等級を分ける形です。

次に、同じ等級で扱う形。三菱マテリアルはコースを分けず、部下がいない社員も役割と責任の大きさに応じて、組織の長と同様の等級に格付けます。

そして、定めがない形。この場合、希望は上司や人事との個別の相談になります。

専門を深めた先が、きちんと上に伸びている会社もあります。オムロンでは部下を持つ道とスペシャリストの道などを社員が行き来でき、スペシャリストの最上位には報酬の上限を定めていません。

専門職のコースを3つの形で比べた表。別のコースは、管理職の中で部下を持つ道と専門の道を分ける形で、例はオリンパス、リコー、テルモ。専門職の等級表と進んだ人の人数を見て、進む条件とあとから移れるかを聞く。同じ等級は、部下がいなくても役割の大きさで等級が上がる形で、例は三菱マテリアル。部下なしで上の等級にいる人を見て、役割の大きさの決め方を聞く。定めなしは、コースがなく希望は個別の相談になる形で、複線型などの制度がない企業は67.4%、300人以上の企業の3社に2社。今の担当で届く上限を見て、どんな成果が評価につながるかを聞く。どの形でも、残業代の扱いがどの等級から変わるかを聞く。管理監督者に当たるかは肩書でなく実態で判断する。
専門職のコースの3つの形と、形ごとに見るところと聞くこと作成: 編集部 / 出典: 内閣官房ほか「ジョブ型人事指針」ほか

ここで気をつけたいのが、指針の例の多くで、専門職が「管理職の中」に置かれていることです。「管理職にならない」というより、「部下を持たない管理職」に近いのです。

すると、残業代の扱いが変わるかもしれません。残業代が出ない管理監督者に当たるかについて、厚生労働省のパンフレットは「肩書や職位ではなく、その労働者の立場や権限を踏まえて実態から判断する必要があります」としています。4部下がいないから残業代が必ず出る、とも、専門職だから出ない、とも言えません。

コースに入れば安泰、というわけでもなさそうです。オリンパスの例では、担当する仕事の責任しだいで等級が上下し、管理職から非管理職に変わることもあります。

社内の制度を確認する手順

自分の会社の形は、次の順に調べると見えてきます。上司に話す前に済ませておくと、質問がぐっと具体的になります。

  1. 社内ポータルで「等級」「キャリアパス」「専門職」「スペシャリスト」を検索する。
  2. 就業規則と賃金規程を開き、等級と役職、手当の条を読む。
  3. 部下を持たずに上の等級にいる人が、社内にいるかを探す。
  4. 分からない点を、人事か上司に聞く。

就業規則は、会社が働く人に周知しなければならないものです。5遠慮なく開いて大丈夫。手順の3番は制度が動いているかを見るためのもので、実際に進んだ人がいれば、その人の話がいちばんの資料になります。

役職に就かない年収は、30代から伸びにくい

給与の見通しは、数字で見ておきたいところです。賃金構造基本統計調査から、雇用期間の定めがない女性の年収の目安を役職別に計算すると、次のようになります。6

年齢 非役職 係長級 課長級
30〜34歳 437.9万円 614.4万円 688.4万円
35〜39歳 446.1万円 592.3万円 706.9万円
40〜44歳 451.9万円 617.8万円 800.2万円
45〜49歳 453.1万円 625.4万円 760.8万円
50〜54歳 455.0万円 617.4万円 810.2万円
55〜59歳 458.8万円 623.6万円 744.5万円

非役職の列を追うと、30代前半と50代後半の差は21万円ほど。ほぼ横ばいです。

もう1つ見てほしいのが、係長級の列です。課長級より下でも、非役職とは40代前半で166万円ほど開いています。「管理職にならない」と「役職に一切就かない」は別の選択で、主任や係長までは担う道もあるわけです。

ただし、これは同じ人の歩みではありません。40代前半の平均勤続は非役職が10.6年、係長級が15.2年で、顔ぶれが違います。専門職のコースを別に数えた統計でもないので、見えるのは全体の傾向だけ。

令和7年賃金構造基本統計調査から計算した、雇用期間の定めがない女性の年収の目安の折れ線グラフ(万円)。30〜34歳、35〜39歳、40〜44歳、45〜49歳、50〜54歳、55〜59歳の順に、非役職は437.9、446.1、451.9、453.1、455.0、458.8。係長級は614.4、592.3、617.8、625.4、617.4、623.6。課長級は688.4、706.9、800.2、760.8、810.2、744.5。非役職の30代前半と50代後半の差は21万円、40代前半の係長級と非役職の差は166万円。同じ人の歩みではなく、職種や勤続の違いも含み、専門職のコースは別に数えていない。
雇用期間の定めがない女性の、役職別と年齢別の年収の目安作成: 編集部 / 出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」

自分の場合はどうか。賃金規程で今の等級の上限と、1つ上の等級の額を調べて、10年後の年収を1行で書き出してみてください。

給与より、仕事の中身や働く時間を取る選び方もあります。数字を知っていれば、あとから「こんなはずでは」となりにくいはずです。

「なりたくない」より「ここで貢献したい」

話す相手は、まず直属の上司です。時期は、打診が来る前の評価面談か1on1がいいでしょう。打診のあとだと、どうしても「断る」話になってしまうからです。

評価を決めるのは上司と会社なので、言い方だけで評価を守れるとは言えません。それでも「なりたくない」だけで終わると、上司には何を任せればいいのかが見えないはずです。深めたい分野と、そこで出した実績、次に任せてほしいこと。この3つまで話せれば、配置や来期の目標を一緒に考える相談になります。キャリアの話の切り出し方は、1on1で上司に話すこと 準備メモ5行とキャリア相談の切り出し方でも確認できます。

言いにくい本音は、向きを変えると話しやすくなります。たとえば「責任を負いたくない」は「人をまとめる責任より、担当分野の判断に責任を持ちたい」に。「昇進に興味がない」は「専門性を高める方向で成長したい」に言い換えられます。

もっとも、話したからといって希望がそのまま通るとは限りません。厚生労働省のモデル就業規則には、会社が業務上の必要で担当業務の変更を命じることがあり、働く人は正当な理由なく拒めない、という条があります。7昇進を断れるかどうかを正面から定めた法律の条文は見当たらず、自社の就業規則と個別の事情で変わってきます。

3年後に、変えてもいい

今の希望を、ずっと守らなくてもかまいません。新しい資格を取ったり、暮らしが変わったりすれば、部下を持ちたくなる時期が来るかもしれないし、来ないかもしれない。「今は」と区切って話しておけば、そのとき改めて相談できます。

まずは今週、社内ポータルで「等級」と検索してみてください。そこに載っていることも、載っていないことも、上司に話す最初の1行になります。

記事の制度と数字は、2026年11月6日時点の法令と、厚生労働省などの資料で確認した内容です。残業代の扱いや就業規則の読み方で迷ったときは、都道府県労働局などにある総合労働相談コーナーに無料で相談できます。

注

  1. 厚生労働省「平成30年版 労働経済の分析」第2-(3)-27図。労働政策研究・研修機構「多様な働き方の進展と人材マネジメントの在り方に関する調査(正社員調査票)」(2018年)を厚生労働省が独自に集計したもの。対象は役職なしと係長・主任相当の人。理由は上位5つまでの複数回答 ↩

  2. 労働政策研究・研修機構「企業におけるキャリア支援の現状と課題」(調査シリーズNo.264)図表2-27。2025年8月から9月に、従業員300人以上の企業14,511社へ郵送し、1,936社が回答(回収率13.3%)。導入済みの内訳は「十分に実施・利用」4.4%、「まあまあ実施・利用」14.3%、「不十分な実施・利用」13.9% ↩

  3. 内閣官房、経済産業省、厚生労働省「ジョブ型人事指針」(2024年8月28日)の各社の事例 ↩

  4. 管理監督者は労働基準法第41条第2号。金融機関について示された通達(昭和52年2月28日基発第104号の2、第105号)には、企画や調査を担当するスタッフ職も、組織の長と同格以上なら管理監督者の範囲に入るという例がある。どちらも同じパンフレットに載っている。管理監督者でも、深夜の割増賃金と年次有給休暇の決まりは適用される ↩

  5. 労働基準法第106条第1項 ↩

  6. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者の役職第1表(産業計、企業規模10人以上、学歴計、雇用期間の定めのない女性)。2026年3月24日公表。年収の目安は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で編集部が計算した。月の給与は2025年6月分で残業代などを含み、賞与は2024年の1年分 ↩

  7. 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)第8条。昇進そのものを定めた条ではない ↩

出典・参考

この記事は、人が監修しながらAIを活用して執筆しました。執筆と監修は佐々木 航が担当し、公開した後も人が内容を確認しています。

執筆・監修

佐々木 航株式会社Game

代表取締役。工学部出身で、21歳で起業してからシステム会社の経営一筋で8期目。アプリの受託開発から始め、いまはAIを使ったシステムソリューションを手がけています。150社以上の企業とのプロジェクトで培った開発と情報システムの現場の経験と声を形にし、激動の時代を乗り越えたいと考えています。

記事の中身の責任は編集部(執筆・監修者)が負い、AIは調べものと下書きの道具として使っています。くわしくはAI の使い方に書いています。まちがいに気づいたら訂正・ご指摘からお知らせください。直したら更新日を改め、記事の最後に何を直したかを書きます。

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